風立ちぬ
劇場公開日:2013年7月20日
解説
宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」(2008)以来5年ぶりに手がけた長編作。ゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代に生きた文学者・堀辰雄の人生をモデルに生み出された主人公の青年技師・二郎が、関東大震災や経済不況に見舞われ、やがて戦争へと突入していく1920年代という時代にいかに生きたか、その半生を描く。幼い頃から空にあこがれを抱いて育った学生・堀越二郎は、震災の混乱の中で、少女・菜穂子と運命な出会いを果たす。やがて飛行機設計技師として就職し、その才能を買われた二郎は、同期の本庄らとともに技術視察でドイツや西洋諸国をまわり、見聞を広めていく。そしてある夏、二郎は避暑休暇で訪れた山のホテルで菜穂子と再会。やがて2人は結婚する。菜穂子は病弱で療養所暮らしも長引くが、二郎は愛する人の存在に支えられ、新たな飛行機作りに没頭していく。宮崎監督が模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」で連載していた漫画が原作。「新世紀エヴァンゲリオン」の監督として知られる庵野秀明が主人公・二郎の声優を務めた。松任谷由美が「魔女の宅急便」以来24年ぶりにジブリ作品に主題歌を提供。第70回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、第86回アカデミー賞では長編アニメーション部門にノミネートされるなど、海外でも高い評価と注目を集めた。
2013年製作/126分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2013年7月20日
スタッフ・キャスト
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受賞歴
受賞
優秀アニメーション作品賞 | |
優秀音楽賞 | 久石譲 |
ノミネート
最優秀外国語映画賞 | |
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2021年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波
主題歌でタイトルだけは知ってはいたが、内容まではわからなかったので、テレビ放送の録画で鑑賞。
飛行機を設計する夢を見ていた二郎の日常と成長を描いており、様々な困難を乗り越えていく姿に感動した。
どんなに苦しくても自分なりに頑張って前向きに生きていくことの大切さが伝わってきた興味深い内容でした。
2021年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
注意してみていなければ、それぞれのシーンが現実なのか夢なのか、区別が付かなくなるところでした。そんな中、当時の時代背景が事細かく描かれ、そこで展開される恋愛模様もまた、この時代独特の純真さが溢れていて、切なくなるほど羨ましい限りでした。ちょっと評判の良くない意見も聞いたのですが、庵野秀明氏のアフレコは嫌味の無いとても純朴な演技で、なかなかどうして悪くなかったと思います。聞いた話、特撮好きで自らウルトラマンを演じた同氏のことですから、大空に憧れる青年役にやり甲斐を感じられたのではないでしょうか。
あと、「オネアミスの翼」と内容的に共通する話だったと思います。「開発費の何分の1かを減らすだけで貧しい人々に温かい食事を」などというセリフを思い出しました。あの映画と同じく、やはり軍事費で無ければお金を出して貰えない、やる気が出ないということなのか。やれやれ、人間というのは困った生き物ですねw
2013年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
中盤までは正直睡魔を抑えるのが大変だった。
菜穂子との再会から「爽やかな純愛小説路線」がはじまり、昔のピュアな心を懐かしみながら堪能することができた。
しかし、やはり純愛にはサナトリウムはつきものやね。
庵野秀明の声は「淡々とした技術者」をよく表現できていて良かったのではと思う。
2024年6月2日
PCから投稿
アニメーションの完成度は文句なしですが、最近のジブリ作品同様、肝心のストーリー展開や人物描写に関しては焦点がバラけていると言うか、何を一番に見せたかったのかイマイチ分からないものになっています。
そもそも、主人公である堀越二郎氏が「戦闘機・ゼロ戦の設計者」であるという事を知った上で観に来るジブリファンがどれだけいるのでしょうか?そして知らない人に対して堀越氏の半生と偉業をどう伝えたかったのか?その辺が見えないので、単に宮崎駿氏が描きたかったものをツギハギしているだけの自己満足で終わっているように思えます。
他の人の指摘にもあるように、この作品は戦前〜戦中の飛行機開発の苦労を描きたいのか、少年の頃の夢を叶える情熱とサクセスストーリーを描きたいのか、ふたりの悲恋を描きたいのか、震災や戦争により疲弊していく日本の歴史の悲劇を描きたいのか、それぞれ焦点がバラけてまとまりが無く、どれも中途半端な扱いで描き切れていません。
結局、肝心の「ゼロ戦」を制作する過程や戦争の描写はほとんど描かれないまま終了。戦争に突入して行く当時の緊迫した時代背景の変化をきちんと踏まえたうえで、堀越氏の大好きな飛行機を作れる喜びや、その飛行機が戦争に使われる事の苦悩などを描かないと、こちらに訴えかけるものが無いように思えます。