オー！ファーザー : 特集とくしゅう

え？　由紀夫ゆきおくん家かって、なんで“お父とうさんが4人にん”いるの!?
親父おやじが4人にんで──［ドラマ］［伊坂いさか映画えいがの期待きたい感かん］［爽快そうかい感かん］全部ぜんぶ4倍ばい！

50万まん部ぶ突破とっぱの伊坂いさか幸太郎こうたろう流りゅうサスペンス・コメディの決定けってい版ばん「オー！ファーザー」が、岡田おかだ将すすむ生なま主演しゅえんで映画えいが化か。博学はくがく卓識たくしき、ギャンブラー、スポーツ万能ばんのう、女好おんなずき──地方ちほう都市としのごく普通ふつうの高校生こうこうせい・由紀夫ゆきおはどうして、超ちょう個性こせい的てきな“4人にんの父親ちちおや”と暮くらしているのか？　とある事件じけんに巻まき込こまれた彼かれらの姿すがたを、スリルとユーモアたっぷりに描えがく同どう作さくの見みどころに迫せまる。

■親父おやじが4人にんで──《ドラマ》が4倍ばい！
　驚おどろきと笑わらいと感動かんどうが渾然一体こんぜんいったいとなったサスペンス・コメディ！

多恵子たえこ（忽那くつな汐しお里さと）は、由紀夫ゆきお（岡田おかだ将すすむ生せい）と家いえに向むかって歩あるいていたら、たまたま向むこうからやってきた中年ちゅうねん男性だんせいが「父親ちちおやです」と自己じこ紹介しょうかいしたので、慌あわてて「お世話せわになっています」と挨拶あいさつ。するとまた別べつの男性だんせいが現あらわれて、「父親ちちおやです」と名乗なのる。あっけに取とられつつも、「お世話せわになっています」とまた挨拶あいさつしたら、またまた父親ちちおやを名乗なのる別べつの男性だんせいが現あらわれて……結局けっきょくのところ、由紀夫ゆきおの“父ちち”と称しょうする男性だんせいは4人にんになってしまった!?

「オー！ファーザー」は、とある地方ちほう都市としに暮くらすごく普通ふつうの男子だんし高校生こうこうせいでありながら、「父親ちちおやが4人にんいる」という“ありえない”境遇きょうぐうの持もち主ぬし・由紀夫ゆきおを主人公しゅじんこうに、驚おどろきと笑わらい、スリルとサスペンス、そして感動かんどうが渾然一体こんぜんいったいとなったサスペンス・コメディだ。

2股またどころか4股またをかけて由紀夫ゆきお（岡田おかだ将すすむ生せい）を身みごもった母ははに、「別わかれるくらいなら！」と一斉いっせいに“父親ちちおや”としての名乗なのりを上あげた4人にんの男おとこたち。博学はくがくの大学だいがく教授きょうじゅ・悟さとる（佐野さの史郎しろう）、気きさくなギャンブラー・鷹たか（河原かわはら雅彦まさひこ）、関西かんさい弁べんでスポーツ万能ばんのうの体育たいいく教師きょうし・勲くん（宮川みやがわ大輔だいすけ）、そして元もとナンバーワン・ホストでジェントルマンの葵あおい（村上むらかみ淳あつし）は、父ちち・母はは・息子むすこの“6人にん家族かぞく”という、特殊とくしゅながらもチームワーク抜群ばつぐんの家庭かていを築きずいていくのだ。

息子むすこを守まもる“四よん銃じゅう士し”さながらの愛情あいじょうで、父親ちちおやそれぞれの得意とくい分野ぶんやのスキルを伝授でんじゅされた由紀夫ゆきおは、いわばちょっとした“スーパー高校生こうこうせい”。そんな彼かれがふとしたことから大おおきなトラブルに巻まき込こまれ、父親ちちおやたちの思おもいもかけない一大いちだい作戦さくせんが展開てんかいされる。

親父おやじが4人にんなら、困こまったときの頼たのもしさ、そして父ちちと息子むすこの絆きずなも4倍ばい。すなわち、描えがかれる「ドラマ」自体じたいが“通常つうじょうの4倍ばい”の高密度こうみつどなのだ。

■親父おやじが4人にんで──《「伊坂いさか映画えいが」の期待きたい感かん》が4倍ばい！
　「ゴールデンスランバー」ほか高だか満足まんぞく度どの「伊坂いさか幸太郎こうたろう」印しるし、待望たいぼうの最新さいしん作さく！

極上ごくじょうのミステリーとほろ苦にがい切せつなさを伴ともなった人間にんげんドラマで、原作げんさくファンのみならず映画えいがファンからも熱あつい視線しせんを浴あび続つづけている“伊坂いさか幸太郎こうたろう原作げんさく映画えいが”。「ゴールデンスランバー」「重力じゅうりょくピエロ」「アヒルと鴨かものコインロッカー」といったこれまでの映画えいが化か作品さくひんのラインナップを見みれば、「伊坂いさか映画えいがの新作しんさく」と聞きくだけで期待きたいせずにはいられないはずだ。ただでさえ、登場とうじょう人物じんぶつは魅力みりょく的てきで個性こせい的てきな者ものたちばかりなのに、今いま作さくは父親ちちおやが4人にんも登場とうじょう。期待きたい感かんが高たかまってしまうのは間違まちがいない。

そして今いま作さくは、原作げんさく者しゃの伊坂いさか氏しが“自身じしんの第だい1期きを締しめくくる作品さくひん”と定義付ていぎづけている集大成しゅうたいせい的てきな作品さくひんが原作げんさく。まさに、極きわめつけの伊坂いさか作品さくひんの映画えいが化かとなっているのだ。

伏線ふくせんを張はりめぐらせた卓越たくえつしたストーリーと、魅力みりょく的てきなキャラクターが繰くり広ひろげるドラマの融合ゆうごう──伊坂いさか幸太郎こうたろう氏しの小説しょうせつは、まさに映画えいが向むきと言いえるだろう。2006年ねんの「陽気ようきなギャングが地球ちきゅうを回まわす」を皮切かわきりに、わずか約やく7年ねんの間あいだに11もの作品さくひんが映像えいぞう化か。すでに映画えいがファンの“高こう満足まんぞく度ど”ブランド化かしているのは明あきらかだ。

今回こんかいの「オー！ファーザー」は、新聞しんぶんでの連載れんさい当初とうしょから読者どくしゃからの絶賛ぜっさんが伝つたえられていた人気にんき作さく。単行本たんこうぼんは14年ねん現在げんざい、50万まん部ぶを超こえる大だいベストセラーとなっているのだ。

家族かぞくのことは大好だいすきだが、ベッタリな関係かんけいが多少たしょうウザくもあり……という、10代らしいナイーブさと、義理堅ぎりがたいナイスガイ的てき魅力みりょくが両立りょうりつする由紀夫ゆきおを熱演ねつえんするのは、今いまや映画えいが、テレビに引ひっぱりだこの若手わかて実力じつりょく派は、岡田おかだ将すすむ生せい。数々かずかずの新人しんじん賞しょうを受賞じゅしょうし、自みずからの俳優はいゆうとしてのキャリアを一気いっきに飛躍ひやくさせた「重力じゅうりょくピエロ」と同おなじ伊坂いさか作品さくひんだけに、「どうしてもやりたい」と強つよく志願しがんした。

由紀夫ゆきおのクラスメイトでヒロインの多恵子たえこには、全日本ぜんにほん国民こくみん的てき美少女びしょうじょコンテスト出身しゅっしんの注目ちゅうもく女優じょゆう・忽那くつな汐しお里さとが扮ふんし、爽さわやかな好演こうえんを見みせている。

高校生こうこうせいの由紀夫ゆきおと多恵子たえこが繰くり広ひろげる等身とうしん大だいのストーリーはもちろんだが、それ以上いじょうに、強烈きょうれつな個性こせいを放はなつ“4人にんの親父おやじたち”に注目ちゅうもくだ。ありえない設定せっていながら、どこか“ありそう”なリアルさを実現じつげんするため、同役どうやくには実力じつりょく派は＆個性こせい派はキャストが集結しゅうけつし、異色いしょくのカルテットが結成けっせいされた。

博学はくがくの大学だいがく教授きょうじゅ役やくを佐野さの史郎しろう、ギャンブラー役やくを舞台ぶたい演出えんしゅつや脚本きゃくほんも手掛てがける河原かわはら雅彦まさひこ、スポーツ万能ばんのうの教師きょうし役やくを芸人げいにんの宮川みやがわ大輔だいすけ、元もとNo.1ホスト役やくを村上むらかみ淳あつしが演えんじ、“こんな家族かぞくも悪わるくない”と心しんから思おもわせてくれる。

物語ものがたりが持もつ卓越たくえつした力ちからに、若手わかて実力じつりょく派はと個性こせい派はキャストが集結しゅうけつした本ほん作さくは、サスペンスらしいスリルと同時どうじに、見みる者ものをあたたかい気持きもちにさせる何なにかをもたらす。それは、劇げき中ちゅうで描えがかれる親子おやこの“絆きずな”であったり、キャラクターを演えんじるキャスト陣じんや、製作せいさくスタッフがかもし出だす“チーム感かん”であるのは確たしかだ。

原作げんさく者しゃの伊坂いさか氏しも、本ほん作さくを鑑賞かんしょうして、「観み終おえて、幸福こうふくな気持きもちになれました」とのコメントを発表はっぴょう。「『絆きずな』という言葉ことばは嫌きらいではないのですが（むしろ好すきです）、作つくり話ばなしの中なかで描えがくには、少すこし立派りっぱ過すぎる気きもします。この映画えいがの中なかでは、それよりももう少すこし緩ゆるくて、親したしみやすく、もっと言いえば、愛いとしい『チーム感かん』が溢あふれていて」と、絆きずなにつながるあたたかなチーム感かんの魅力みりょくを伝つたえている。

■親父おやじが4人にんで──《見み終おわった後のちの爽快そうかい感かん》が4倍ばい！
　練ねり込こまれたミステリーと、親子おやこの絆きずなが映画えいが的てき興奮こうふんを呼よぶ！

設定せっていとプロットが従来じゅうらいの日本にっぽん映画えいが以上いじょうに奇抜きばつで濃密のうみつな分ぶん、エンディングを迎むかえる際さいには、映画えいが的てきなカタルシスと晴はれやかな気持きもちに包つつまれるのは確実かくじつだ。練ねり込こまれた謎なぞ解ときとドラマが融合ゆうごうすることで生うみ出だされる「見みてよかった！」という爽快そうかい感かんこそが、「オー！ファーザー」の真骨頂しんこっちょう。映画えいがファンなら、そのだいご味みを体験たいけんせずにはいられないのだ。

張はりめぐらされていた伏線ふくせんがサプライズな展開てんかいとともに一気いっきにつながり、「そういうことだったのか！」と思おもわず膝ひざを打うってしまうのが、伊坂いさか映画えいがが高たかい人気にんきを集あつめるポイント。今いま作さくでは、由紀夫ゆきおがサラリーマン風ふうの男おとこのカバンがすり替かえられる瞬間しゅんかんを目撃もくげきするほか、仲なかの良よかった同級生どうきゅうせいの不ふ登校とうこう、町まちのフィクサーが引ひっ掛かかってしまった詐欺さぎ、不可解ふかかいな心中しんちゅうの事件じけん、し烈れつ化かする知事ちじ選挙せんきょなど、意味深いみしんな出来事できごとが散ちりばめられている。色々いろいろな要素ようそを見逃みのがさないように自分じぶんなりに推理すいりしながらでも、細こまかいことは気きにしないままストーリーに乗のっかって行いっても、たたみ掛かけるようなリズムで物語ものがたりが展開てんかいしていくさまに興奮こうふんを覚おぼえるはずだ。

由紀夫ゆきおと個性こせい豊ゆたかな4人にんの父親ちちおやたちの間あいだに存在そんざいする親子おやこの絆きずなをしっかりと描えがき出だすことも、感動かんどうと爽快そうかい感かんを生うむ大おおきな源みなもとだ。息子むすこの誕生たんじょうに4人にんが同時どうじに父親ちちおやの名乗なのりを上あげたばかりか、決けっしていがみ合あったりせずに、同おなじ父親ちちおやとして等ひとしい愛情あいじょうを注そそいでいく様子ようすが回想かいそうシーンでつづられる。そして、由紀夫ゆきおのピンチには、4人にんそれぞれが得意とくい分野ぶんやのスキルを駆使くしして一致いっち団結だんけつ。絶体絶命ぜったいぜつめいの危機ききを切きり抜ぬける作戦さくせんが、息子むすこと4人にんの父親ちちおやたちだからこそ成立せいりつするという仕掛しかけで、サスペンスと家族かぞくドラマの見事みごとな融合ゆうごうを披露ひろうするのだ。スリルだけのサスペンス映画えいが、そして感動かんどうだけの家族かぞくドラマ映画えいがにとどまらない、本ほん作さくならではの瞬間しゅんかんだ。