デッドプール

ディズニープラスで久々ひさびさに鑑賞かんしょう。
今いま作さくを知しるまでは、R指定していの映画えいがは暴力ぼうりょく的てきで暗くらいイメージが強つよかったです。しかし、下しもネタや過激かげきな描写びょうしゃが多おおいにも関かかわらず、明あかるいコメディを観みているような感覚かんかくでした。

デッドプールが第だい四よんの壁かべを突破とっぱして観客かんきゃくに何なん度ども語かたりかけており、独特どくとくない回いまわしや他た作品さくひんを皮肉ひにくった台詞せりふに笑わらいが止とまりませんでした。もはや、本人ほんにんが私わたしたちの目めの前まえで自由じゆうに演技えんぎしているのではないかと思おもうぐらい楽たのしそうに振ふる舞まっていました。

どの挿入歌そうにゅうかも本ほん作さくのイメージと見事みごとにマッチしており、「Deadpool Rap」や「X Gon' Give It To Ya」が流ながれている場面ばめんはシンクロ率りつがあまりにも高たかすぎてびっくりしました。

他たの登場とうじょう人物じんぶつも魅力みりょく的てきで、特とくにコロッサスは全身ぜんしんメタルでありながらも、表情ひょうじょうがすごくコミカルでどこか可愛かわいかったです。

映画えいがと現実げんじつの境界きょうかい線せんが消きえて、エンタメに全ぜん振ふりしたあまり類るいを見みないシュールなコメディになっていました。

スパイダーマンのへらず口ぐち、無駄口むだぐちに、中身なかみはイケメン、に逆さからってかの、サム・ライミの「ダークマン」のテイストに、いまさらな、センスのないスロー映像えいぞう、仲間なかまはX-MENの超ちょう脇役わきやく。くそしょうもない小しょうネタや映画えいがネタをちりばめ、こちらに話はなしかける。

この感覚かんかく、YOUTUBEでアップされた素人しろうと動画どうがと何なんら変かわりない。

俺おれちゃん？くそ気持きもち悪わるい。

「デッドプール」

【王道おうどう】がうじうじ、仲間なかま同士どうしでネチネチ、という展開てんかいが予見よけんされた時点じてんで「【悩なやまない】【無駄口むだぐちたたく】すかすかヒーロー」として全米ぜんべい公開こうかい。日本にっぽんでは「シビル・ウォー」とほぼほぼ同どう時期じき公開こうかい。

そりゃ、FOX、すき間まを狙ねらうって。すき間ま商売しょうばい、省しょうエネ映画えいが。

そういうところが透すけて見みえるから、演出えんしゅつのダメさが際立きわだつ。

普通ふつうにやったら、明あきらかにあくびの出でるストーリー。なので、せっせとオープニングから時とき系列けいれつをずらす。ところが肝心かんじんのアクションが冒頭ぼうとうがピーク、というカッコ悪わるさ。

ヒーロー誕生たんじょう譚たんの１本ほんなのだから、関心かんしんは持続じぞくするので、奇きをてらわずいけばいいものを。普通ふつうに真まん中なかに高速こうそく道路どうろのアクションを入いれたって何なんら問題もんだいはない。

下手へたなことをするから、テンションは終盤しゅうばんにつれどんどん下さがる。

キャラクター描写びょうしゃにも問題もんだいがある。

本ほん作さく、この男おとこの顔かおがブサイクになる過程かていは描えがいているが、身体しんたい能力のうりょくが上あがる過程かていを見みせてくれていないので、「不死身ふじみ」なのと、敏捷びんしょう性せいとか反射はんしゃ能力のうりょくとか、がよくわからない。

どうやら弱点じゃくてんはブサイク、ということだけのようである。

X-MENの脇役わきやくも要いらないおかずを無理むりやり混まぜられた福袋ふくぶくろのような面々めんめんで頭あたまにくる。

そんなお前まえら程度ていどが３人にん並ならんで勇いさみ歩あるいて金かねをとろうとは、盗人ぬすっと猛々たけだけしい。

まあ、百ひゃく歩ほ譲ゆずって、それらを許容きょようするとしても、肉弾にくだん戦せんの面白おもしろさ、カッコよさを「キャップ」で存分ぞんぶんに味あじわっているこちら側がわとしては、手てが飛とぼうが、首くびが飛とぼうが、そんなことでは一向いっこうにアガらないのだ。

キャッチコピーにも問題もんだいあり。

愛あいする女おんなのために、身みを隠かくし、愛あいする女おんなが囚とらわれの身みになると、身みを投とうじる。

一体いったい、どこが無責任むせきにんだろうか？

追記ついき

ハヤリの音楽おんがく混まぜましたぜ？というのももう飽あきた。ワム！のダサカッコよさを狙ねらっているだろうが、逆ぎゃくに一周いっしゅう回まわってすでにただダサいだけ。