アイ・イン・ザ・スカイ　世界一せかいいち安全あんぜんな戦場せんじょう : 特集とくしゅう

政治せいじ・軍事ぐんじ・映画えいがの専門せんもん家か、そして映画えいがファンが大だい熱論ねつろん 
「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」に次つぐ── 
「現代げんだいドローン戦争せんそうの衝撃しょうげきの真実しんじつ」を突つき付つける高こう評価ひょうか作さくにして超ちょう問題もんだい作さく

無人むじん兵器へいき（ドローン）を使つかった現代げんだい戦争せんそうの実態じったいを描えがく「アイ・イン・ザ・スカイ　世界一せかいいち安全あんぜんな戦場せんじょう」が、12月23日にちより全国ぜんこく公開こうかい。ヘレン・ミレン、アラン・リックマン、アーロン・ポール、バーカッド・アブディら実力じつりょく派は俳優はいゆうが集結しゅうけつし、コリン・ファースが初はつプロデューサーを務つとめる同どう作さくが、見みる者ものに突つき付つける「衝撃しょうげき」とは？

全米ぜんべい批評ひひょうサイト95％の高こう評価ひょうかに、専門せんもん家かたちがそろって熱論ねつろん── 
本ほん作さくが描えがく現代げんだい戦争せんそうの暗部あんぶは、あなたが持もつ問題もんだい意識いしきをさらにかき立たてる

「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」ほか、戦争せんそうの実態じったいを描えがく軍事ぐんじサスペンスに、新あらたな傑作けっさくが誕生たんじょうした。無人むじん偵察ていさつ機き（ドローン）が映うつし出だす戦場せんじょうを、遠とおく離はなれた安全あんぜんな会議かいぎ室しつでモニター監視かんししながら行おこなわれる現代げんだいの戦争せんそう──今いまや“実感じっかん”を伴ともなわないで遂行すいこうされる姿すがたとなった戦争せんそうの暗部あんぶをあぶり出だし、見みる者ものに正義せいぎとモラルを問とう衝撃しょうげき作さくの登場とうじょうに、全米ぜんべい、そして日本にっぽんの識者しきしゃたちが、大おおいに問題もんだい意識いしきをかき立たてられているのだ。

全米ぜんべい有力ゆうりょく批評ひひょうサイト「Rotten Tomatoes」では、95％（16年ねん11月がつ末まつ現在げんざい）という驚異きょういの高こう評価ひょうかが与あたえられており、本ほん作さくの完成かんせい度どの高たかさがうかがえる。そして、「壮絶そうぜつなスリルと悲劇ひげき的てきな皮肉ひにく」（バラエティ）、「恐おそろしくサスペンスフルな風刺ふうし！」（ニューヨーク・タイムズ）と、全米ぜんべい有力ゆうりょくメディアが絶賛ぜっさん。さらに、「スポットライト」で描えがかれた実話じつわで知しられるボストン・グローブも、「精密せいみつに計算けいさんされた道徳どうとく的てきジレンマ。時計とけい仕掛しかけのようなエンターテインメント！」と伝つたえた。また、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞しょうのインディペンデント映画えいが2016年度ねんどトップ10入いりするなど、有力ゆうりょく賞しょうで受賞じゅしょう＆ノミネート。サテライト賞しょう助演じょえん女優じょゆう賞しょうノミネート（ヘレン・ミレン）、パーム・スプリングス国際こくさい映画えいが祭さい観客かんきゃく賞しょうノミネートのほか、ヒューマン・ライツ・ファースト・アワードでは、アメリカ軍ぐん退役たいえき将官しょうかんら75名めいの満場一致まんじょういっちにより、シドニー・ルメット賞しょう受賞じゅしょうを果はたしている。

「80人にんの命いのちを救すくうために目前もくぜんの1人ひとりの少女しょうじょを殺ころせるか？」 
現代げんだいの正義せいぎが出だした答こたえ（ラスト）は？　そしてあなたの回答かいとうは？

自爆じばくテロを行おこなおうとするテロリストを目前もくぜんに、あなたなら一体いったいどのような判断はんだんを下くだすのか。テロが人混ひとごみで実行じっこうされると、少すくなくとも80人にんの命いのちが奪うばわれる。だが、テロリストを排除はいじょするためには、何なんの罪ざいもない1人ひとりの無むくな少女しょうじょを巻まき添ぞえにミサイルを撃うち込こまなければならないのだ。

イギリス軍ぐんの諜報ちょうほう機関きかんで働はたらくキャサリン・パウエル大佐たいさ（ヘレン・ミレン）は、国防こくぼう相しょうのベンソン中将ちゅうじょう（アラン・リックマン）と協力きょうりょくし、ナイロビ上空じょうくう6000メートルを飛行ひこうするドローンを駆使くしし、遠とおく離はなれた英えいロンドンから英えい米べい合同ごうどう軍事ぐんじ作戦さくせんを指揮しきしている。そんな折おり、彼かれらは大だい規模きぼな自爆じばくテロ計画けいかくが、今いままさに行おこなわれようとしていることを突つき止とめる。パウエルはアメリカ国内こくないの米べい軍ぐん基地きちからドローンを操縦そうじゅうするパイロット、スティーブ（アーロン・ポール）に攻撃こうげき命令めいれいを下くだすが、殺傷さっしょう圏内けんないに幼おさない少女しょうじょがいることが判明はんめい。少女しょうじょを犠牲ぎせいにしてでもテロリスト排除はいじょを優先ゆうせんさせようとするキャサリン、ベンソンら軍部ぐんぶと、少女しょうじょの人命じんめいを軽視けいしできないと主張しゅちょうする閣僚かくりょうの意見いけんが対立たいりつし、事態じたいはやがて混迷こんめいを極きわめていく……。

遠とおく離はなれた場所ばしょからドローンの遠隔えんかく操作そうさによって行おこなわれる現代げんだい戦争せんそうの実態じったいを浮うき彫ぼりにし、「正義まさよし」とはなにか？　大義たいぎの前まえには小ちいさな犠牲ぎせいは仕方しかたのないことなのか？と見みる者ものの正義せいぎ感かん、モラルを問といかける。果はたして、本ほん作さくが選えらんだ答こたえ＝衝撃しょうげきのラストとは？

コリン・ファース製作せいさく×ヘレン・ミレン主演しゅえん×アカデミー賞しょう監督かんとく 
世界せかいに警鐘けいしょうを鳴ならすため、「本気ほんき」の面子めんつが集結しゅうけつ

キャスト＆製作せいさく陣じんには、センセーションを巻まき起おこす問題もんだい作さくに相応ふさわしい映画えいが界かい屈指くっしの実力じつりょく者しゃたちが名なを連つらねた。使命しめいをまっとうするなら、小ちいさな犠牲ぎせいなどいとわない強烈きょうれつな正義せいぎ感かんを持もつパウエル大佐たいさを演えんじるのは、「クィーン」（アカデミー賞しょう主演しゅえん女優じょゆう賞しょう受賞じゅしょう）、「黄金おうごんのアデーレ　名画めいがの帰還きかん」ほかで強つよい女おんなを演えんじて高たかい評価ひょうかを受うけてきたヘレン・ミレン。パウエルを支ささえるベンソン中将ちゅうじょう役やくには、「ハリー・ポッター」シリーズで人気にんきを博はくしながらも、16年ねん1月がつにこの世よを去さったアラン・リックマン。本ほん作さくが実写じっしゃ映画えいがとして最後さいごの作品さくひんとなった。また、苦悩くのうするドローン・パイロット役やくには、ドラマ「ブレイキング・バッド」で3度どのエミー賞しょうを受賞じゅしょうしたアーロン・ポールが扮ふんし、「キャプテン・フィリップス」でアカデミー賞しょう助演じょえん男優だんゆう賞しょうノミネートを受うけたバーカッド・アブディが、少女しょうじょを救すくうべく尽力じんりょくする現地げんち工作こうさく員いんを演えんじているのにも注目ちゅうもくだ。

監督かんとくは、イギリス・南みなみアフリカ合作がっさく映画えいが「ツォツィ」の監督かんとく＆脚本きゃくほんを手掛てがけ、アカデミー賞しょう外国がいこく語ご映画えいが賞しょうを受うけたほか、「ウルヴァリン：X-MEN ZERO」のメガホンもとった実力じつりょく派は、ギャビン・フッド。プロデューサーには、「セッション」「ナイトクローラー」のデビッド・ランカスターに加くわえ、「英国えいこく王おうのスピーチ」「キングスマン」の名優めいゆうコリン・ファースの名なも。自身じしん初はつとなるプロデュース作さくに本ほん作さくを選えらんだことからも、ファースの強つよい意志いしがうかがえる。

本ほん作さくのラストを独占どくせん試写ししゃ会かいで見届みとどけた映画えいがファンは賛否さんぴ両論りょうろん 
「果はたして、軍ぐんが下くだした決断けつだんは正ただしかったのか？」に議論ぎろん紛糾ふんきゅう

全米ぜんべい、そして日本にっぽんの識者しきしゃが熱弁ねつべんを交かわす問題もんだい作さくを、映画えいがファンが独占どくせん試写ししゃ会かいで目撃もくげき。ドローンによる戦争せんそうの実態じったい、テロに向むかい合あう軍ぐんの判断はんだんに、彼かれらは何なにを感かんじたのか？