アベンジャーズ エンドゲーム
劇場公開日:2019年4月26日
解説
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクといったマーベルコミックが生んだヒーローたちが同一の世界観で活躍する「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の中核となるシリーズで、各ヒーロー映画の登場人物たちが豪華共演するメガヒット作「アベンジャーズ」の第4作。前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で、宇宙最強の敵サノスに立ち向かうも、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまうという敗北を喫したアベンジャーズが、残されたメンバーたちで再結集し、サノスを倒して世界や仲間を救うため、史上最大の戦いに挑む姿を描く。「インフィニティ・ウォー」では姿を見せなかったホークアイ、アントマンといったヒーローも登場し、新たにキャプテン・マーベルも参戦。監督は前作に引き続き、アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が務めた。
2019年製作/182分/G/アメリカ
原題または英題:Avengers: Endgame
配給:ディズニー
劇場公開日:2019年4月26日
スタッフ・キャスト
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受賞歴
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2019年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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オレはMCU作品群について、特に思い入れはない。もちろん21作品のうち、好きなものは当然ある。
「キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャー」。
「ソー ラグナロク」。
「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」。
「WS」の政治サスペンスアクション、「ラグナロク」の70年代サイケデリックSFコメディ、「IW」の「上手さ」は特に素晴らしい。
特に「IW」は「ブラックパンサー」以上にオスカー向きだと思った。
だが、オレの好きな3本の、とってもチャレンジングな作品と打って変わって、レビューは書く気もなれない「キャプテン・マーベル」、「ワスプ」の「消耗品」臭が鼻につく。
釣られて見るのはこっちの責任。C・マーベルなんか、本当に要らなかったなと本気で思う。
だが、本作はそんな3品しか好きではない人間のために作られた映画では決してない。本作の圧倒的なボリューム感とサービス精神、気配り、そしてプライドはものすごいものを感じる。
そこは想像通り。これは映画史に残る一大イベントだ。こんなことは、いまだかつてなかったし、これからもないと考えていい。この時代の映画ファンで良かったと思う。
アメコミファンは3,000回観るだろう。MCUファンはあと21回観るだろう。そんな映画だ。
だから、ここからは、「3回しか観ない」オレの話だ。
「アベンジャーズ エンドゲーム」
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1)まず何といっても、ストーリーと展開が「全く」と言っていいほど、想像を超えていない。
「過去に戻って、ストーンを集める」
これについては、21作品の流れからして、むしろ「そうすべき」展開には違いないが、アントマンを量子世界から救うのが、ネズミの偶然ではなくて、そこはやはり「意志あるアリ」であるべきだろう。
2)初期アベンジャーズ以外がモブなのはまあ、いいとして、初期アベンジャーズが生き残ったことが十分に活かされていない。
タイムトラベルでストーン奪取は想像どおり。しかしキャップVSキャップは「決着をつけるあのセリフ」については、十分面白いのだが、もっと「アガル」アクションにできたはずだ。
このあたりは、気を配り過ぎて、「アゲル」べき点を見失ったか、泣く泣く切り捨てたか、だと思うが、合わせてストーン奪取のチームの組み合わせももっと面白くできたのではないか、と思う。
特に組み合わせとして、「家族」を取り戻す男と、戦いの中で「家族」を持つことが出来た女として、最高だったはずのホークアイとウィドウのチームの結末はもっと深く感動があるべきものなのに、「足しました」程度の演出にはガッカリ。
また、「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」ほどのものは期待はしていなかったが、現在の技術と21作品分のタネがあるほどのマジックをここで観ることはなかった。(こちらとしては、アガッたのはティルダの登場のみ。(これは個人的好み))
3)サノスのキャラが変わった。
これは本編前半の事ではなくて、ラストの決戦。「IW」は大義をもって、自己の愛を犠牲にして、信念を貫き勝利した。だが、本作のサノスは、「人口の半分」ではなく、宇宙を作り直す、地球の殲滅を楽しむ、と言い切ってしまった。
「IW」のサノスの「正義」に対するアンサーがここではなんら提示されず、サノスが「快楽殺人者」と成り下がってしまっている。
本作は、前作のサノスの圧倒的信念に対し、いかに「一人の命」も軽くみず、全員を救うキャップの執念が、結局「ソウルストーン」のための、のウィドウの死、そしてスタークの死という結論に至ったのは、残念。
やはり「IW」を除く20作品に気を使いすぎて、「IW」のアンサーがやや蔑ろになってしまったのかと思う。
「IW」では交通整理と評したが、今回は3時間の上映時間も含め、「とりあえず全部足しました」という印象がぬぐえない。
ここが一番の残念ポイント。
追記1
上記3作品「だけが」好き、ということで、ソーの扱いやキャップのアクションがCGくさい、どうせ出すなら、ケイト・ブランシェットのヘラを絡めたストーリーにしてほしかったなど、文句はたくさんあるが、それでも後2回の計3回は観ようと思うのは、敬意以外何物でもない。
追記2
パンフレット、ひどい。。
2019年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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メインディッシュ級の英雄が次々に活躍し、持ち味活かした連携技で極上のマリアージュ、ヒーロー側がほぼ全員登場する総力戦のハイライトはもはや絢爛たる大宴会。正義の味方の満漢全席といった趣だ。
11年で全22作、MCUの総決算にふさわしく、時間旅行を物語上の強力なエンジンとし、半分消滅したヒーローたちの再招集に道理を与え、過去作で描かれたさまざまな時代と当時のキャラも登場させる同窓会的な懐かしさも提供。膨大なキャラを3時間のドラマに織り込んだ脚本陣の剛腕に感服するが、着想としては先行した「X-MEN:フューチャー&パスト」に、初期三部作のキャストと前日譚シリーズの新キャストを引き合わせた妙手の点で軍配を上げたい。
正義が大好きな米国らしい映画だ。サノスに「ダークナイト」のジョーカーほどの“悪の魅力と哀しさ”があれば、本作をより好きになれた気がする。ともあれ一時代を画する象徴的な作品ではある。
2019年4月30日
PCから投稿
正直マーベル・シネマティック・ユニバースとして発表されてきた作品群のすべてが気に入っているわけではない。むしろ映画として物足りなかったり、シリーズ物として納得がいかない部分があったりすることが多く、決して傑作ぞろいではなかったと思っている。
しかし、それでもMCU作品をすべて観てきたのは、MCUがただ映画を作ること以上に、キャラクターを育てることに重きを置いてきたからだ。気がつけばどのヒーローもそれぞれの魅力があり、また、互いにクロスオーバーすることでいろんな面を見せてくれた。結果、MCUは壮大かつ親しみやすい群像劇という、単体の映画では為し得ないことをやってのけていた。
『エンドゲーム』が素晴らしいと思ったのは、これまで培ってきたキャラクターの豊かさを活かして、それぞれのドラマ部分にたっぷりと時間を割いてくれていたこと。クライマックスは当然盛り上がるが、ゆったりと時間を使う前半の空気がとても好きだ。
2019年4月29日
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「アイアンマン」(08)から始まったマーベル・シネマティック・ユニバースの11年にも及ぶ攻防の歴史が、ここに終焉を迎えた。全編を彩るガジェットやCGIアクション、空間演出の妙もさることながら、激しく離合集散を繰り返してきたキャラクターたちを、平等に扱い、すべてを束ね直した脚本がまず凄い。精密な演出も高く評価したい。しかし、何よりも、日本人的に言えば平成を代表するフランチャイズ・ムービーを見せかけだけでなく、演技力が必須の人間ドラマに仕立て上げた俳優陣の努力にこそ敬意を表したい。彼らは我々に改めて教えてくれた。どんなに奇想天外な物語も、そこに人間の血が通って初めてリアルに感じられるということを。こんなにも生々しく魅力的なスーパーヒーロー映画がかってあっただろうか?特に、アイアンマン=ロバート・ダウニー・Jrの魂の籠もった名演には感服した。彼は本作で元々のフィールドであるキャラクターアクターに回帰したかのよう。さて、いったいこれからどに向かうのか?そんなダウニー・Jrを取り囲む面々も然り。我々観客にとって、いずれ劣らぬ当代の人気役者たちが各々の個性をぶつけ合った至福極まりない時間に、感謝しきりの3時間超である。