レッド・スパロー
劇場公開日:2018年3月30日
解説
アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンスが、「ハンガー・ゲーム」シリーズのフランシス・ローレンス監督と再タッグを組んだスパイサスペンス。元CIA局員という経歴を持つジェイソン・マシューズによる同名小説が原作で、捜査対象を美貌で誘惑する「スパロー」と呼ばれる女スパイの活躍を描く。事故でバレリーナになる道を絶たれたドミニカは、ロシア政府が極秘裏に組織した諜報機関の一員となり、自らの肉体を使った誘惑や心理操作などを駆使して情報を盗み出す女スパイ「スパロー」になるための訓練を受ける。やがて組織の中で頭角を現したドミニカは、ロシアの機密情報を探っていたCIA捜査官ナッシュに近づくというミッションを与えられる。接近したドミニカとナッシュは互いに惹かれあいながらも、それぞれのキャリアや忠誠心、国家の安全をかけてだまし合いを繰り広げていく。
2017年製作/140分/R15+/アメリカ
原題または英題:Red Sparrow
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2018年3月30日
スタッフ・キャスト
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2023年12月23日
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◯作品全体
国家的な策謀に巻き込まれた主人公が諜報員としてのスキルを磨き、そのスキルを使って戦う…みたいな流れの、ハニトラメインの『アトミック・ブロンド』みたいな作品なんだろうなあという感覚で見始めた。
序盤の導入はまさしくそんな感じ。素人だけど才覚のある主人公がスパイ学校に通って…という流れや、やたらと性欲に固執した場面展開からも「エロティックとスパイを撮りたい」というのが伝わってきた。
しかし中盤からの展開は良い意味で予想を裏切られた。
ハニトラはあくまでもきっかけでしか使用せず、主人公・ドミニカが母との生活を守るためにロシア側もアメリカ側も翻弄させながら策を巡らしていく…ド派手なアクションシーンもほとんどなく、ドミニカの立ち回りによってストーリーが進んでいくのは見応えがあった。
そのドミニカの戦略は経験値不足もあって不完全で見抜かれることが多々あるのも説得力があって面白い。全てが筒抜けになってしまうことで劇中ほぼ不利な状況にいるドミニカの危うさが物語に引き込ませ、従兄やアメリカ側の善意を手玉に取る狡獪さ際立つラストへ突き落とす。「できるスパイ」とは一線を画した展開が印象に残る作品だった。
◯カメラワークとか
・寒色が強い画面が印象的。画面に映る多くのシーンが無機質で、ドミニカの居場所の不安定さにつながっていた。
一方でドミニカが纏う赤色の使い方が素晴らしい。最初のバレエシーンの赤い衣装、初めての作戦での赤いドレス。赤はロシアをイメージさせ、それに囚われたドミニカを作り出す。ラストのバレエを観劇するドミニカシーンでは、赤いカーペットを降りていくドミニカが印象的。今までロシアに乗っ取られていたドミニカが、ラストではロシアが作った道の上を堂々と踏み歩いていく。ドミニカが抱く「特別でいたい」という感情を、ロシアを動かす立場によって成功させているようなラストだ。
◯その他
・ロシア、アメリカ両陣営にも心を許さずのドミニカの立ち回りが面白いのだけど、急に「自由」を振りかざし善人ぶるアメリカが出てきてちょっと気持ち悪い。
ラストのドミニカの選択はそんなアメリカも信じない、というようなものだったけど、善悪の構図が露骨すぎてちょっと冷めてしまったところもあった。ラストの電話はドミニカを一人の女性に戻すナッシュの恋文みたいな感じでそれはそれでいいんだけど、個人的には赤い階段を降りるシーンで終わっていた方が、ロシアを踏み歩き生きていくドミニカの決意を映している気がして良かったんじゃないかな、と思った。
2024年8月25日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
2024年8月25日
映画 #レッド・スパロー (2018年)
ロシアのスパイとなった元バレリーナが美貌と心理操作術を駆使したハニートラップでターゲットのCIAエージェントへと近づく
スパイには色仕掛けは必要なんだろうけど性描写が激しかった
アメリカと中国のスパイアクションものを見てみたいな
2024年6月27日
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鑑賞方法:DVD/BD
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「朽ちないサクラ」で、暗部に触れた時、無性に見たくなったのがこの作品です。
くのいちのVシネマを、世界的なスパイ映画として、一流の女優を使ってリアルに描いた一本っていうのが自分の印象なんですが、どうでしょう?
非常に楽しませてもらった作品ではあります。
一流のサスペンスって雰囲気で、ロシア側なのか、アメリカ側なのか?誰がモグラなのか?
最後の最後までドキドキハラハラの展開でした。
そこへ持ってきて、あのスパイの訓練所? 心理を読むことを指導しているんですが、どう考えても、女の武器を利用させようとするハニー・トラップ要員を育てる娼婦の学校みたいで・・・。
あそこで男は何を学ぶのか?不思議に思っちゃいました。
それにしてもジェニファーの脱ぎっぷりにビックリです。外人さんってホンっと潔いの一言につきます。
最初に犯されるシーンも、下着姿のまま襲われたので、「あぁ、最近よくあるパターンの裸にならないやつだな」って思ってたら、物の見事に下だけ剥ぎ取られてあらわになってしまった!
訓練所のシーンでもオールヌードで、AVばりのポーズを披露していて、ホンっと驚きました。 まぁー、それだけでも見応え充分ではあったんですが・・・
ジェニファーもそうでしたが、拷問シーンも壮絶でした。ホラー好きの自分にとっては、あのどぎつさもグッド!超~~~満足な一本です。 いやー、面白かった。
とにかく、ジェニファーのヌードがやたら印象深かった本作品ですが、複雑に絡み合う二国間の心理的なスパイ合戦が楽しめます。
「007」や「ミッション・イン・ポッシブル」のように、ド派手なアクションを売りにしたスパイ映画とはまた違う感じで、ドキドキハラハラの緊迫感を味わえる一本でした。
2024年6月3日
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鑑賞方法:VOD
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劇場で観たのをすっかり忘れて(配信で見たものと思い込んでました)
久しぶりの自宅鑑賞です。
色々と印象的な映画だったのですが、好きなシーンと嫌いなシーンがあるような作品で、
見ごたえはあり、忘れてる細かいシナリオを見たくて再鑑賞しました。
印象をそのまま言ってしまうと、
前半は昭和の男性向けスケベバイオレンス、後半は心理系スパイ作品という感じ。
とにかく主演のローレンスが冒頭から
叔父にいやらしい手つきで触られてたり
性的な女性蔑視の世界感が表現されてます。
その後もレイプシーンやスパイ養成所でのレイプ未遂など
そういうタイプの暴力多めの作品です。
途中で結構痛めの拷問シーンもあるので
そこら辺が苦手な人にはちょっと注意です。(痛いの苦手)
個人的にあまり好きでなかったのがこの女性蔑視表現で
前半まではしつこいくらいに男からの理不尽なスケベと暴力シーンが続きます。
あくまで映画のタイプはメッセージ性の物でなく娯楽作品だと思うので
娯楽としての表現だと思います。
それで上映当時は正直アメリカの作るロシア表現に無頓着だったんですが
改めてみると、この女性蔑視と暴力の世界感を
ロシアに押し付けてるところに、なんだかなあと感じました。
とにかく養成所では娼婦教育をされますが、
途中で少年が好きというターゲットも出てくるのに
男生徒にはやらせずひたすら女生徒にやらせる融通のなさや
傲慢な男生徒がローレンスへのレイプ未遂するのは咎めず
やり返すローレンスは咎めたりととにかく女諜報員にやたら厳しい。
まあ、女性蔑視の国という設定なのかなと理解しつつも
「作ってるのも見るのも(ニーズ)アメリカだよなあ」
というところにモヤモヤがどうしても残りました。
そのうえで好きな部分は
好きな役者さんが多めなことと、後半のスパイ活動が中々見ごたえがあった所です。
スパローになってからのローレンスの淡々とした演技と
ロシア風美女の装いの美しさは眼福です。
同僚の女スパロー、赴任先の嫌な上司、しつこい叔父との間をうまくやりつつ
CIAのナッシュを相手に自分が生き抜くためのシナリオを一人で切るさまは見事でした。
この後半からの彼女の暗躍が最後に伏線回収されるところは小気味いいです。
展開が早く緊張感があるので面白かったです。
序盤で生き残れるか怪しい状況に陥られた彼女が
アメリカにもロシアにもバレずに一番欲しかった母との暮らしを
手に入れて終わったのはたいした成功劇だなと。
彼女の不幸の始まりはバレエ仲間が原因ですが
(サラッと序盤で終わりますが結構な事してますよね)
とはいえ大きくは叔父に騙され引き返せないにとこまで落ちてしまったので
最後にその落とし前もきっちりつけるところが見事でした。
叔父が自分に似ていると言ったとおり
毒には毒というような強さをローレンスが逞しく演じきってました。
ジェレミー・アイアンズが良い役どころで出てるのも嬉しかったです。
それと彼女が初演で踊ったクラッシク曲のエピソードが好きです。
夢の中で曲が色になり、観客たちに色を塗っていったという話は美しかったですね。
ラストでまた流れるのも良い終わりでした。