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ウインド・リバー : 作品情報 - 映画.com

ウインド・リバー

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劇場げきじょう公開こうかい

ウインド・リバー

解説かいせつ

アメリカの辺境へんきょう舞台ぶたい現代げんだい社会しゃかいかかえる問題もんだい現実げんじつをあぶりだした「ボーダーライン」「最後さいご追跡ついせき」で、2ねん連続れんぞくアカデミーしょうにノミネートされた脚本きゃくほんテイラー・シェリダンが、ぜん2さくつづいて辺境へんきょうこる事件じけんえがいたみずからのオリジナル脚本きゃくほんをもとにはつメガホンをとったクライムサスペンス。だい70かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさい「ある視点してん部門ぶもん監督かんとくしょう受賞じゅしょう主演しゅえんは「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーと、「アベンジャーズ」シリーズのエリザベス・オルセン。ネイティブアメリカンがいやられたワイオミングしゅうゆきふか土地とち、ウィンド・リバーで、女性じょせい遺体いたい発見はっけんされた。FBIの新人しんじん捜査そうさかんジェーン・バナーが現地げんち派遣はけんされるが、不安定ふあんてい気候きこうれない雪山ゆきやま捜査そうさ難航なんこう遺体いたいだいいち発見はっけんしゃである地元じもとのベテランハンター、コリー・ランバートに協力きょうりょくもとめ、とも事件じけん真相しんそううが……。

2017ねん製作せいさく/107ふん/G/アメリカ
原題げんだいまたはえいだい:Wind River
配給はいきゅう:KADOKAWA
劇場げきじょう公開こうかい:2018ねん7がつ27にち

スタッフ・キャスト

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受賞じゅしょうれき

だい70かい カンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさい(2017ねん

受賞じゅしょう

ある視点してん部門ぶもん
ある視点してん部門ぶもん 監督かんとくしょう テイラー・シェリダン

出品しゅっぴん

ある視点してん部門ぶもん
出品しゅっぴん作品さくひん テイラー・シェリダン
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(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

映画えいがレビュー

4.0現実げんじつり、憂鬱ゆううつとなる映画えいがかもれません。

2020ねん10がつ8にち
PCから投稿とうこう
鑑賞かんしょう方法ほうほう:DVD/BD

結論けつろん物理ぶつりてき破壊はかいりょくであり、道徳どうとく法規ほうきせいやくにはたない。そんなふうかんがえると憂鬱ゆううつになります。ただし、ひと繁栄はんえいできた根拠こんきょは、まもものであるからこそ。それをしんじるほかはいな、とおもいました。映画えいが冒頭ぼうとうきびしくしつけけられ、それでも、そのきびしい父親ちちおやした息子むすこ姿すがたに、この世界せかいきびしさが物語ものがたられているような、そんながします。

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猿田猿太郎

4.5本当ほんとう世界せかいほう規定きていする社会しゃかいよりもひろふか

2018ねん12月28にち
PCから投稿とうこう
鑑賞かんしょう方法ほうほう:VOD

知的ちてき

テキサス出身しゅっしんのテイラー・シェリダンがえが世界せかいは、リベラルなハリウッドがつめにくいアメリカの姿すがたうつされている。

『ボーダーライン』ではメキシコ国境こっきょうまちがいかに危険きけんにさらされているかをえがいている。国境こっきょう麻薬まやく戦争せんそう最前線さいぜんせんであり、麻薬まやくからくにまもるためにはほうわくないでは対処たいしょできない。ほう通用つうようしない世界せかい正義せいぎ執行しっこうする、という価値かちかん西部せいぶげき典型てんけいだが、シェリダンの作品さくひんにはつねにこの価値かちかんがある。アメリカはあるしゅ国際こくさい紛争ふんそうたいしてもこうした態度たいどのぞむことがあるが、アメリカはほうではさばけない脅威きょういたいして異様いよう敏感びんかんで、ちょう法規ほうきてき措置そちはしりやすい傾向けいこうがある。

ほんさく主人公しゅじんこうもまた、ほうわくない片付かたづかないあく暴力ぼうりょくたおおとこだ。それはただしくない、だがそうでもしないと片付かたづかない問題もんだいもある。ほうわくないではただしくないが、本当ほんとう世界せかいほう規定きていする社会しゃかいよりもひろふかい。

シェリダンは、ほんさく現代げんだいのフロンティアさんさく最後さいご位置いちづけているそうだが、フロンティアとは未開拓みかいたくであり、そこにはほうはまだない。そこではなまぬるいほうまもられた社会しゃかいのルールはとき通用つうようしないのだ。

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共感きょうかんした! 20けん
杉本穂高

4.0そのとき狙撃そげきしゅ不可視ふかし存在そんざいになる

2018ねん8がつ11にち
PCから投稿とうこう
鑑賞かんしょう方法ほうほう試写ししゃかい

かなしい

興奮こうふん

主人公しゅじんこうのコリーは優秀ゆうしゅうなハンターだ。前半ぜんはん基本きほんてきかれ視点してんすすむ。おどろいたのは、銃撃じゅうげきせん勃発ぼっぱつする終盤しゅうばんてき味方みかた至近しきん距離きょりうこの場面ばめん遠方えんぽうから狙撃そげき腕前うでまえ発揮はっきする主役しゅやく姿すがたうつらず、カメラはひたすらたおされるしゃたちの姿すがたう。この非凡ひぼん演出えんしゅつ

脚本きゃくほんテイラー・シェリダンがみずか監督かんとくつとめたほんさくは、現代げんだいフロンティア3さくだい3だん。かつての辺境へんきょう開拓かいたくは「よりつよく、よりゆたかに」というポジティブな意志いし欲望よくぼう原動力げんどうりょくとする運動うんどうだったが、そのかげ原住民げんじゅうみんやメキシコ移民いみんしいたげられ悪者わるものにされた。シェリダンはそんな辺境へんきょう暗部あんぶひかりてる。

コリーはネイティブアメリカンのつまとのあいだにできたむすめ悲惨ひさん事件じけんうしなった。だが終盤しゅうばんでの狙撃そげきは、復讐ふくしゅうや、仲間なかますくうといった個人こじんてき動機どうきえた行為こういかみさばきとしてえがかれる。だから狙撃そげきしゅ画面がめんうつらない。かみにすがりたくなるほど辺境へんきょう現実げんじつ暗澹あんたんとしている、ということか。

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共感きょうかんした! 33けん
高森 郁哉

4.0苛烈かれつ極寒ごっかん正義せいぎれる

2018ねん7がつ31にち
Androidアプリから投稿とうこう

かなしい

興奮こうふん

知的ちてき

テイラー・シェリダンは、リバタリアニズムけい作家さっかだとおもっていた。リバタリアニズムと「自分じぶんのことは自分じぶんめる」というかんがかたで、国家こっか権力けんりょくからも可能かのうかぎ自由じゆうでいるべきだという思想しそう。イーストウッドがえがくヒーローぞうや、『アウトロー』でトム・クルーズがえんじたジャック・リーチャーをイメージするといいかとおもう。

シェリダンが脚本きゃくほんいた『ボーダーライン』も『最後さいご追跡ついせき』も、法律ほうりつたよらない、もしくはたよれないから、自分じぶん自身じしん倫理りんりかん基準きじゅんきるひとたちの映画えいがだった。『ウインド・リバー』もまた、人間にんげんつくった法律ほうりつなどおよばない環境かんきょう正義せいぎもとめる物語ものがたりだ。

ただ、シェリダンが監督かんとくねたほんさくは、リバタリアニズムをかんじるてんおなじだが、人間にんげんちからがほとんど意味いみさない極寒ごっかん舞台ぶたいであることによって、もはやリバタリアニズムてき価値かちかん思想しそう信条しんじょうというより「きる手段しゅだん」にちかづいている。かれらをめるのは、人間にんげん制度せいどだけでなく苛酷かこく自然しぜんでもあるのだ。この映画えいがえがく、屹立きつりつする現実げんじつけわしさに、ただ茫然ぼうぜんとしている。

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共感きょうかんした! 18けん
村山章