詩人しじんの恋こい

たいした収入しゅうにゅうもなく、詩しを書かいてもあまり評価ひょうかされない、実質じっしつヒモ状態じょうたいのテッキ。しっかり者しゃの妻つまに頭あたまが上あがらず、最近さいきんは妊にん活かつのため協力きょうりょくするよう仰おおせつかっている。そんなどんよりした日々ひびを送おくる彼かれに、目めの覚さめるようなことが！

ドーナツショップの店員てんいんセユンと距離きょりを縮ちぢめていくテッキ。家庭かてい環境かんきょうが恵めぐまれないセユンを援助えんじょするが、これが愛情あいじょうなのか同情どうじょうなのか…？　すったもんだしてるうちに、妻つまから妊娠にんしんを告つげられるが、テッキは妻つまと別わかれようとする。このへんのテッキの心情しんじょうは、よくわからない。ただ責任せきにんから逃にげたいだけなんじゃないのか。

結局けっきょく妻つまのところに戻もどったテッキは、少すこし大人おとなになった。それが作風さくふうに深ふかみを与あたえたのか、数すう年ねん後ご詩人しじんとして評価ひょうかされた。だけど、セユンを思おもい出だして、ひとり静しずかに涙なみだする。

のんびり屋やのテッキの、困こまったような顔かおがかわいかった。ドーナツの味あじに衝撃しょうげきを受うけた時ときの顔かおもおかしかった。学校がっこうでこどもを相手あいてにしてる時ときの、にこやかな顔かおも微笑ほほえましい。この人ひと、要ようは中身なかみがこどもなのよね。そのピュアさを理解りかいし、守まもり、時ときに叱咤しったする妻つまのガンスンは強つよい。とてもじゃないが、テッキは敵てきわない。母ははは強つよし。

BS松竹しょうちく東急とうきゅうの放送ほうそうを録画ろくがで鑑賞かんしょう。

正直しょうじき、全すべてを理解りかいできた訳わけではないと思おもう。
穏おだやかに進すすむストーリーの中なかに熱あついものが感かんじられる。

紡つむがれる詩しには、何なんとなく分わからないけど何なんとなく分わかるなぁ〜という中間ちゅうかんを行いき来きしていた。

テッキとセユン、恋こいというより「詩し」や言葉ことばで紡つむがれた内面ないめん性せいに惹ひかれあってしまった二人ふたりなのかなと思おもった。
男おとこや女おんなの前まえにひとりの人間にんげんとして惹ひかれあってしまったのかもしれない。

何なん度どか見みて、ちゃんと理解りかいしたいと思おもう。

ただ、ただ何なんとなく好すきだった。
物書ものかきには分わかるのかもしれない。

悩なやめる詩人しじんテッキをヤン・イクチュンが、明あけ透すけな物言ものいいをする妻つまガンスンをチョン・ヘジンが好演こうえん。

青年せいねんセユン（ チョン・ガラム ）に寄よせるテッキの思おもいとは…。

韓国かんこく作品さくひん特有とくゆうの悲哀ひあいとユーモアを織おり込こみ、それぞれが抱かかえる心しんの揺ゆれを描えがく。

BS松竹しょうちく東急とうきゅうを録画ろくがにて鑑賞かんしょう　（字幕じまく版ばん）