The Crossing ザ・クロッシング Part I

戦争せんそうアクションにも満遍まんべんなく力ちからが注そそがれているのは間違まちがいないが、主要しゅようテーマは男女だんじょ3人組にんぐみの悲劇ひげき的てきヒューマンドラマ。

展開てんかいはややスローながら冗長じょうちょうと感かんじることもなく、序盤じょばんは彫ほりが浅あさいという印象いんしょうのヒューマンドラマパートも徐々じょじょに共感きょうかんの度合どあいが高たかまっていった。

中ちゅう華人かじんとはいえ同おなじアジア的てき情緒じょうちょは共通きょうつうするものがあり、自然しぜんと琴線きんせんに触ふれざるを得えない場面ばめん多数たすう。
続編ぞくへんも早はやく見みてみたいと思おもわされた。
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　戦争せんそうが終おわってもまた新あらたな戦争せんそう。戦後せんご混乱こんらん期きは民衆みんしゅうも苦難くなんを強しいられるが、兵士へいしたちには休やすむことさえ許ゆるされない。こんな状況じょうきょうであっても人々ひとびとは人間にんげんらしい生活せいかつを求もとめているのだ。内戦ないせん激化げきかの前まえに3組くみの男女だんじょがそれぞれの愛あいを求もとめていくが・・・といった壮大そうだいなる歴史れきしロマン。

　なぜ同胞どうほうと戦たたかわなければならないんだ！同おなじ言葉ことばを交かわし、共ともに日本にっぽん軍ぐんと戦たたかった仲なかなのに。内戦ないせん反対はんたいと声こえを上あげる女子じょし学生がくせいたちがいるのも頼たのもしいのですが、単たんに上層じょうそう部ぶの思惑おもわくだけで踊おどらされる一般いっぱん兵士へいし。戦況せんきょうは荒あれ地ちでの塹壕ざんごう戦せんであり、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんにおける戦争せんそうと似にている。しかも、死体したいの描えがき方かたは半端はんぱなくおぞましいもので、センチメンタリズムも許ゆるさない熾烈しれつな映像えいぞうに圧倒あっとうされる。何なにしろ火薬かやくの量りょうが違ちがう！しかも爆風ばくふうで吹ふき飛とばされる兵士へいしもワイヤーアクションだと思おもうが、迫力はくりょくがあるのです。

　そんな中なか、甘あまい恋こい物語ものがたりも存在そんざいする。メインとなるのがレイ・イーファン将軍しょうぐんと令嬢れいじょうチョウ・ユンフェン。さらに通信つうしん兵へいのトン・ターチンと偽いつわりの家族かぞくの写真しゃしんを撮とったユィ・チェンだ。彼女かのじょは看護かんご師しでも満足まんぞくいく給料きゅうりょうもなく、台湾たいわんでヤンという男性だんせいを捜さがしたいがため夜よるは娼婦しょうふに身みを落おとすのだ。従軍じゅうぐん医師いしだったイェン・ザークンは日本人にっぽんじんの雅子まさこに想おもいをはせるが消息しょうそくをつかめずにいたが、台湾たいわんでユンフェンと知しり合あう・・・後編こうへんに続つづく、といった感かんじ。

　飢餓きがに苦くるしむレイの部隊ぶたい。周まわりを共産きょうさん軍ぐんに囲かこまれ動うごきようもなく、やがて続々ぞくぞくと投降とうこうしていく様子ようすが痛々いたいたしい。せめて軍人ぐんじんとして戦たたかって死しにたいと苦悩くのうするのだった。そして1949年ねんには5師団しだんが共産きょうさん軍ぐんに全滅ぜんめつさせられ、彼かれらは台湾たいわんへと逃にげるのだ。続編ぞくへん予告よこくはなんだかタイタニックを思おもわせる雰囲気ふんいき・・・中国ちゅうごく語ご（北京ぺきん語ご）、台湾たいわん語ご、日本語にほんごと言語げんごが飛とび交かう中なかで金城きんじょう武たけしは全部ぜんぶわかるのもすごいと思おもう。

1945年ねん、日本にっぽんが降伏ごうぶく、中国ちゅうごくは毛沢東もうたくとうの共産党きょうさんとうと蒋介石しょうかいせきの国民党こくみんとうが内戦ないせん状態じょうたいになる。
台湾たいわんで応召おうしょう、日本にっぽん軍ぐんとして終戦しゅうせんを迎むかえ捕虜ほりょになったあと、台湾たいわんへ戻もどった台湾たいわん人じん（金城きんじょう武たけし）には日本人にっぽんじんの恋人こいびと（長澤ながさわまさみ）の安否あんぴが気きがかりだった。
国民党こくみんとう軍ぐん将校しょうこう（ホアン・シャオミン）と結婚けっこん、戦局せんきょくが厳きびしくなり台湾たいわんへ疎開そかいした上海しゃんはい人じんの女性じょせい（ソン・ヘギョ）の家いえにはピアノを弾ひく日本にっぽん女性じょせいの絵えがあった。
上海しゃんはいの従軍じゅうぐん看護かんご婦ふ（チャン・ツィイー）は配給はいきゅうをもらうため、見知みしらぬ兵士へいし（トン・ダーウェイ）と偽にせの家族かぞく写真しゃしんを撮とる。
戦闘せんとうシーンはスペクタクルでジョン・ウーの本領ほんりょう発揮はっき。

まあ国共こっきょう内戦ないせん時代じだいの国民党こくみんとう将軍しょうぐんについての映画えいが、まあ恋愛れんあい描写びょうしゃは普通ふつうに良よかったと思おもう。終盤しゅうばんの戦争せんそう描写びょうしゃは過酷かこくだなと思おもったが面白おもしろさは普通ふつうだった。