るろうに剣けん心しん　最終さいしゅう章あきら The Final

佐藤さとう健けんVS新田にった真剣しんけん佑たすくのあまりにも高度こうどなアクション対決たいけつ。
まずは、これに尽つきる。ただ、演技えんぎ力りょく、芝居しばいの延長線えんちょうせん上じょうにアクションがあるということを証明しょうめいしてみせたとい換いかえることもできる。とにかく、この2人ふたりの映画えいがといっても過言かごんではない。
なぜそんなに剣けん心しんが憎にくいのか、なぜ剣けん心しんと関かかわる全すべての人ひとまでも難がたいのか。
それは、本編ほんぺんを鑑賞かんしょうすればヒリヒリするような感覚かんかくで体感たいかんすることができる。
ぜひ、迫力はくりょくのある大だいスクリーンで見みてもらいたい作品さくひん。

これまでにすでに３本ほんヒットさせているので、制作せいさく側がわも自信じしんを持もって作つくれている。リアリティラインをどの辺あたりに設定せっていしたらいいのかとか、殺陣さつじんの組くみ立たて方かたとかも阿吽あうんの呼吸こきゅうというか、一ひとつの確立かくりつされた型かたができているという印象いんしょうだ。画がも美うつくしい。リアルなら取とらないようなポーズを取とらせて雪ゆきまで降ふらせて、絵画かいが的てきな美うつくしい画がを作つくっている。ちゃんばらにも様式ようしき美びを志向しこうするものとリアルな殺ころし合あいを志向しこうするものがあるが、これは前者ぜんしゃ。しかもアニメ的てきなケレン味あじとポージングを生身なまみの人間にんげん向むけに洗練せんれんしたている。これが様ようになるのは佐藤さとう健けん以外いがいにはちょっと思おもいつかない。
今いま作さくは土屋つちや太ふとし鳳おおとりのアクションが増ふえていてよかった。彼女かのじょはもっとアクション映画えいがに出でるだし、邦画ほうが界かいは彼女かのじょをアクションスターとして育そだてるべき。彼女かのじょ主演しゅえんの超ちょう大作たいさく映画えいがの企画きかくをすべきだ。

本ほん作さくは「ファイナル」を描えがいているため、これまでの3作品さくひんのキャラクターが登場とうじょうしラストを盛もり上あげます。これは「るろうに剣けん心しん」という作品さくひんが「不ふ殺ころせの誓ちかい」を主人公しゅじんこうの緋ひ村むら剣つるぎ心しんが立たてているため成なり立たつような本ほん作さくならではの構造こうぞうであり、これまで見みてきたファンには嬉うれしい仕組しくみでもあります。
ただ、最さい終章しゅうしょうの最大さいだいのテーマである「剣けん心しんの頬ほおにある十字じゅうじ傷きず」の謎なぞを知しる新田しんでん真剣しんけん佑たすくが演えんじる「雪ゆき代だい縁えん」が新あらたに登場とうじょうするので、本ほん作さくから見みても楽たのしめると思おもいます。
さらには時とき系列けいれつの関係かんけいで、本ほん作さくの「The Final」には、「るろうに剣けん心しん　最終さいしゅう章あきら The Beginning」での描写びょうしゃも登場とうじょうしています。そのため「The Beginning」を見みた後のちに見みても、さらに楽たのしめる、という優すぐれモノなのです。
本ほん作さくの見みどころは、これまでの登場とうじょう人物じんぶつが「ファイナル」として多おおく登場とうじょうすることに加くわえて、数々かずかずの斬新ざんしんなアクションシーンが堪能かんのうできます。
特とくにアクションシーンについては、これ以上いじょうは考かんがえられないほどのクオリティーになっています。私わたしは邦画ほうがでは初はじめて「ワイヤーアクションがワイヤーアクションに見みえなかった」というくらい自然しぜんに展開てんかいされるシーンの数々かずかずに驚愕きょうがくし、邦画ほうがの限界げんかいをさらに超こえてきたと嬉うれしくなりました。
そして「不ふ殺ころせの誓ちかい」の深ふかさを感かんじると共ともに、「The Beginning」への期待きたいも高たかまります。
いずれにしても、本ほん作さくは文字通もじどおりの「ファイナル」を描えがき切きっていて、邦画ほうがの実写じっしゃ作品さくひんの限界げんかいに挑いどんできた集大成しゅうたいせいにふさわしい映画えいがとなっていたと思おもいます。