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空白 特集: 評価・あらすじ・キャスト 小市民・松坂桃李 VS 怪物・古田新太 あまりにサイコな演技合戦が胸を熱くさせる衝撃作 - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2021ねん9がつ23にち PROMOTION

  • 予告編よこくへん

空白くうはく : 特集とくしゅう

2021ねん9がつ13にち更新こうしん

警告けいこく】このおとこ視界しかいはいったらひとなまくずし・壊
怪物かいぶつ古田ふるた新太あらたねらわれた《しょう市民しみん松坂まつさか桃李とうりは…
くち衝撃しょうげき、だが出口でぐち感動かんどう人間にんげんドラマだった!?

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自分じぶんのアンテナにビビッとる、「ちがう」映画えいがもとめている方々かたがたへ――。“感度かんどたかい”映画えいがファンがいま、全力ぜんりょく待機たいきちゅう作品さくひんはもうチェックみだろうか。

それは「空白くうはく」(9がつ23にち公開こうかい)。「新聞しんぶん記者きしゃ」で日本にっぽんアカデミーしょう席巻せっけんした映画えいが会社かいしゃスターサンズ、「ヒメアノ~ル」「あいしのアイリーン」の吉田よしだめぐみ監督かんとく脚本きゃくほん(しかもオリジナル作品さくひん!)、古田ふるた新太あらた松坂まつさか桃李とうり最強さいきょうメンバーがそろった話題わだいさくだ。

ある少女しょうじょが、かかわった人々ひとびと人生じんせい変容へんようさせていく――。むすめうしない、モンスターとしたちちになりきった古田ふるた戦慄せんりつすぎるかいえんじめられる松坂まつさかのひりつくような力演りきえんおさめられた特報とくほうにKOされたほうもいることだろう。

しかしこの作品さくひん、ぶっばされるような過激かげきせい“だけ”ではない。すべてをえたあかつきには、まったちが景色けしきひろがっているはずだ。ほん特集とくしゅうでは、衝撃しょうげき感動かんどう融合ゆうごうしたこの傑作けっさく魅力みりょくを、いちはや解説かいせつする!


予告編よこくへん

一人ひとり少女しょうじょが、田舎町いなかまち住民じゅうみん人生じんせい激変げきへんさせる!
「この物語ものがたりは“普通ふつう”じゃない…」

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じつは、映画えいが.com編集へんしゅうみみにもはや段階だんかいからほんさくの“すごさ”はとどいていた。まだマスコミけの試写ししゃかいはじまるまえから業界ぎょうかいないがざわつく話題わだいさく空白くうはく」、そのいきおいは日増ひましにつよまり、様々さまざま映画えいがじん猛烈もうれつすすめてくる……。

こうしたムーブメントはきわめてまれで、特異とくいな“作品さくひんりょく”をひしひしとかんじていたが、実際じっさい中身なかみにしたいまは「完全かんぜん同意どうい」の一言ひとこと。「てほしい!」とさずにはいられない1ほんとなった。まずは、ほんさく概要がいようについてかみくだいて紹介しょうかいする。


【どんなはなしなの?】万引まんび容疑ようぎ少女しょうじょ事故死じこしのこされた人々ひとびとの“あらそい”が勃発ぼっぱつ

ほんさく舞台ぶたいは、地方ちほう田舎町いなかまち。どこにでもありそうな地元じもとのスーパーで、女子じょし中学生ちゅうがくせい万引まんび未遂みすい事件じけん発生はっせい店長てんちょうとがめられた彼女かのじょは、逃走とうそうちゅうくるまにひかれて死亡しぼうしてしまう。

むすめうしなったちち無実むじつ証明しょうめいするためにがるが、その行動こうどう次第しだいにエスカレートし、店長てんちょう教師きょうしくるま運転うんてんしゅといった周囲しゅうい人間にんげんをむしばんでいく……。わたしたちがきる現実げんじつ地続じつづきの「いまこの瞬間しゅんかんもありる」物語ものがたりであり、秀逸しゅういつ設定せってい冒頭ぼうとうから一気いっきにのめりんでてしまうことだろう。

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たらどうなる?】えぐられる、だが…言語げんごできない感動かんどうつつまれる!

予備よび知識ちしきなくはいめる物語ものがたりながら、そこに付随ふずいする感情かんじょう強烈きょうれつ。「怪物かいぶつ」としょうされる女子じょし中学生ちゅうがくせい父親ちちおやも、かれ人生じんせい蹂躙じゅうりんされる人々ひとびとも、全員ぜんいん理解りかい共感きょうかん納得なっとくできる人間にんげんくささとリアリティがみなぎっており、他人事たにんごととはおもえない。

恐怖きょうふ不安ふあん絶望ぜつぼう壮絶そうぜつかなしみ……感情かんじょうをかきみだされ、予想よそうえるラストに感慨かんがいせる。正直しょうじき我々われわれもまだ一言ひとことでいいあらわせないほどの余韻よいんむねなかひろがっているのだ……。ぜひあなたも、この一大事いちだいじ目撃もくげきしていただきたい。

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あたまからはなれない】古田ふるた新太あらた松坂まつさか桃李とうりきょうえんじ震撼しんかん
ヤバいのに「現実げんじつにいそう」な強烈きょうれつキャラがそろい

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空白くうはく」を“傑作けっさく”へとげている要因よういんのひとつは、「物語ものがたり」と「人物じんぶつ」の完璧かんぺきなリンク。リアリスティックな設定せっていに、強烈きょうれつだがうそくさくない“とおった”キャラクターがくわわることで、もの作品さくひん世界せかいむのだ。

そしてそこには、役者やくしゃじんのハイレベルな演技えんぎ不可欠ふかけつ古田ふるた新太あらた松坂まつさか桃李とうり寺島てらしましのぶ、藤原ふじわらぶし田畑たばた智子さとこといった豪華ごうか演技えんぎキャストが集結しゅうけつし、それぞれが限界げんかい突破とっぱした「ほんさくでしかられない表情ひょうじょう」を披露ひろう観客かんきゃく感情かんじょうを、これでもかとさぶってくる!


古田ふるた新太あらた事故死じこしした少女しょうじょ父親ちちおやさわるな危険きけん傍若無人ぼうじゃくぶじんなモンスター漁師りょうし

古田ふるたふんするのは、あらくれものの漁師りょうし。その性格せいかくから周囲しゅうい距離きょりかれ、むすめのケータイをてるなど傍若無人ぼうじゃくぶじんいが目立めだ人物じんぶつだったが、事件じけん一層いっそう過激かげきに。

スーパーの店長てんちょうきまとって恫喝どうかつし、学校がっこうみ、取材しゅざいたマスコミに怒鳴どならす。正直しょうじき絶対ぜったいかかわりたくない人物じんぶつだが、そのおくにはむすめくしたふかかなしみが渦巻うずまいていて……。クレイジーとあわれさをあわ奥深おくふか難役なんやくを、古田ふるた全身全霊ぜんしんぜんれい体現たいげんした。

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松坂まつさか桃李とうり万引まんび被害ひがいったスーパー店長てんちょう他者たしゃ苦手にがて内向ないこうてき気弱きよわ青年せいねん

一見いっけんすると気弱きよわ内向ないこうてきだが、他者たしゃけないミステリアスな雰囲気ふんいきもたたえ、「このひとにはなにかある」とおもわせる青年せいねん……。そんな複雑ふくざつなキャラクターをえんじられるのは、松坂まつさか桃李とうりしかいないだろう。

古田ふるたえんじる漁師りょうしやマスコミの偏向へんこう報道ほうどう誹謗ひぼう中傷ちゅうしょう生活せいかつ滅茶苦茶めちゃくちゃにされながらも、本音ほんねえない“こわさ”があるスーパー店長てんちょう説得せっとくりょくある演技えんぎでものにしている。“め”の古田ふるた、“け”の松坂まつさかのハイレベルなコラボレーションにうならされる!

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寺島てらしましのぶ・藤原ふじわらぶし田畑たばた智子さとこ/ふたりの周囲しゅういでもがく、重要じゅうよう人物じんぶつたち

ふたりを人物じんぶつたちも、くせものばかり。寺島てらしましのぶえんじるスーパーのパート店員てんいんは、ボランティア活動かつどうにのめりみすぎて、他者たしゃ自分じぶん正義せいぎける危険きけん側面そくめんも。

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若手わかて注目ちゅうもくかぶ筆頭ひっとう藤原ふじわらぶしはチャラついた若者わかものえて、孤立こりつしがちな主人公しゅじんこう添田そえた古田ふるた)をささえる人情味にんじょうみあふれる人物じんぶつ吉田よしだ監督かんとくと「さんかく」以来いらいのコラボレーションとなる田畑たばた智子さとこは、壮絶そうぜつ過去かこ背負せおった添田そえたもとつま的確てきかく表現ひょうげん

それぞれがあゆんだ人生じんせいかんじさせる、ごたえのある演技えんぎがキャラクターと融合ゆうごうし、作品さくひん完成かんせい一層いっそうたかめている。


日本にっぽん映画えいが改革かいかくする風雲児ふううんじスターサンズ、その最新さいしんさく
傑作けっさく連発れんぱつ監督かんとく吉田よしだめぐみ輔とのさいタッグでさらなるたかみへ

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既成きせい概念がいねんにとらわれないほんさくしたのは、「あいしのアイリーン」で観客かんきゃく圧倒あっとうしたスターサンズ×吉田よしだめぐみ監督かんとく黄金おうごんコンビ。たがいにフィーリングがい、相乗そうじょう効果こうかせつけてきたかれらが、今度こんどはオリジナル映画えいがげてかえってくる。

その目撃もくげきしゃとなれるのは、映画えいがファンにとって無上むじょうよろこびといえるのではないか。監督かんとく俳優はいゆう配給はいきゅう……すべてにいて死角しかくがないただいち無二むに作品さくひん誕生たんじょうした!


○「ヒメアノ~ル」「あいしのアイリーン」監督かんとく! 鬼才きさい吉田よしだめぐみ輔のしん境地きょうち

森田もりたつよしかいえんじ話題わだいんだ「ヒメアノ~ル」や安田やすだあらわ変身へんしんっぷりがすさまじい「あいしのアイリーン」、映画えいがファンの映画えいが「さんかく」「犬猿けんえん」など、新作しんさく発表はっぴょうするたびに観客かんきゃくかせてきた吉田よしだ監督かんとくなかでもほんさく空白くうはく」は、あたまひとけた作品さくひんといえるだろう。

元来がんらい得意とくいとするめた作品さくひんづくりに、やわらかな肌触はだざわりの感動かんどうドラマの要素ようそくわわり、“くち”と“出口でぐち”でまったちが感想かんそういだかせる。はしてきえば、映画えいがとしての“あつみ”が際立きわだっているのだ。当代とうだいきっての鬼才きさいによる渾身こんしんいちさくを、劇場げきじょう体感たいかんしていただきたい。


なにする!? いまもっと新作しんさくのぞまれる映画えいが会社かいしゃ、スターサンズ

新聞しんぶん記者きしゃ」「ヤクザと家族かぞく The Family」「宮本みやもとからきみへ」「MOTHER マザー」「あゝ、荒野あらの」など、一貫いっかんして現代げんだい社会しゃかいするどとらえた意欲いよくさくたたきつけ、業界ぎょうかい観客かんきゃくおどろかせつづけてきた映画えいが会社かいしゃスターサンズ。映画えいがきや業界ぎょうかい関係かんけいしゃからの信頼しんらいあついレーベルが、まんもたしてはなつのがこの「空白くうはく」だ。

寛容かんようがはびこる現代げんだいに、この映画えいがなにをもたらすのか――。もの価値かちかんえる「映画えいがちから」にあふれたほんさくは、スターサンズだからこそせたものでもあろう。期待きたいじゅうふんげ、かれらのメッセージを全身ぜんしんめてほしい。

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