空そらに住すむ

☆☆☆

原作げんさく読了どくりょう済ずみ。

脚本きゃくほんには池田いけだ千尋ちひろ。
『東南とうなん角かく部屋へや二に階かいの女おんな』で、初はじめてその存在そんざいを知しったのですが。更さらに意識いしきして観みたのは『東京とうきょうの日ひ』でした。

↓は『東京とうきょうの日ひ』での自分じぶんのレビューより抜粋ばっすい

まだキャリアは浅あさい池田いけだ監督かんとくですが。男性だんせいを主人公しゅじんこうに据すえながらも、そのだらし無なさや優柔不断ゆうじゅうふだんな面めんを強調きょうちょう。対たいして女性じょせい達たちも、突然とつぜん豹変ひょうへんする本音ほんねと建前たてまえの姿すがたを辛辣しんらつな観察かんさつ力りょくで描写びょうしゃしている。
今後こんごは題材だいざいによっては大おおきく化ばける要素ようそが有ある監督かんとくさんかなと思おもう。
でもこの様ような題材だいざいでの、小ちいさい世界せかいをほじくり返かえす事ことにたけているのかも知しれませんが（笑）
（『東京とうきょうの日ひ』のレビューから）

昨年さくねん公開こうかいされた夏帆なつほ主演しゅえんの『RED』では、更さらに男おとこに流ながされ身体しんたいを重かさねてしまう自堕落じだらく女性じょせい像ぞうで、賛否さんぴは有あったかと思おもいますが。少すくなくとも私わたしには、今後こんごも目めが離はなせない存在そんざいではありました。

それだけに、原作げんさくで描えがかれる不毛ふもうな愛あいに溺おぼれ。自堕落じだらくな生活せいかつを続つづける女性じょせいを描えがく内容ないように、合点がてんが行いく起用きようだったと、読よみながら感かんじていました。
ただ、多おおくの人ひとから共感きょうかんを浴あびるとは思おもえなかったのも本音ほんねですが。

ここまではあくまでも原作げんさくを読よんで感かんじていた事こと。
…………ところが出来上できあがった本編ほんぺんは、、、、

原作げんさく自体じたいが、元々もともとEXILEの曲きょくを前提ぜんていとして書かかれたモノ…との情報じょうほうを読了どくりょう後ごに知しる。
（正確せいかくに言いうと、多少たしょうは違ちがうのかもしれませんが。大体だいたいはそんなところだと思おもう。）

時どき戸どは原作げんさくだと、少すくなくとも主人公しゅじんこう・女性じょせいコンシェルジュ・パリピー女おんな・高級こうきゅうコールガール・若手わかて女優じょゆうを含ふくめ。噂うわさを入いれると６〜７人にん以上いじょうの遊あそび相手あいてが居いるとんでもない下衆げすな男おとこ。
でもEXILE関連かんれん映画えいがで有ある為ためか、その辺あたりは徹底的てっていてきにぼかしている。そんなにもイメージが大事だいじなのだろうか？…としか、、、

その為ためか？遊あそび相手あいての若わかい女性じょせいコンシェルジュは登場とうじょうせず。代かわりに、原作げんさくだとほとんど描写びょうしゃされない男性だんせいコンシェルジュ役やくには柄本えもと明あきらが。

このイケメン俳優はいゆう。原作げんさくのイメージだと、外面がいめんは良よいイケメンで。読よみながら、最近さいきんまで放送ほうそうされていた多た部ぶちゃん繋つながりで、瀬戸せと康史やすしの顔かおがチラついてい居いた。
原作げんさくには登場とうじょうしないキャラクターとして大森おおもり南みなみ朋ともも登場とうじょうする事ことだし。いっその事こと「ナギサさん」ファンの心しんを挑発ちょうはつし、モヤモヤさせる意味いみでも（本当ほんとうに）瀬戸せと康史やすしを登場とうじょうさせては、、、と言いったら怒おこられるだろうか(´Д` )

岸井きしい・大森おおもりの２人ふたりは、映画えいがオリジナルとして登場とうじょう。
ミムラの役名やくめいが【今日子きょうこ】から【明日あした子こ】へと変更へんこうされているのは。原作げんさくでの主題しゅだいが、《悲かなしみを乗のり越こえて前まえを向むいて行いく》との意味いみからだとは思おもいますが。ニャンコのハナはハルへと変更へんこうされていたのは、今こん一ひとつ意味いみが分わからず。

主人公しゅじんこうの人生じんせいに大おおきな影響えいきょう及およぼす…と言いうか。今後こんごパートナーになるかも知しれない〝 すこやか先生せんせい 〟 は登場とうじょうせず。原作げんさくでは空気くうきでしかなかったペット葬儀そうぎ屋やの永瀬ながせ正敏まさとしが、何なにやら意味深いみしんな台詞せりふを言いう。

元々もともとは、不毛ふもうな愛あいに溺おぼれれば溺おぼれる程ほどに、ハナの病やまいは悪わるくなり。遂ついには眼めは失明しつめいし、鼻はなと口くちは爛ただれて行いく。

原作げんさくで彼女かのじょに寄より添そう美雨みうは登場とうじょうせず。代かわりに岸井きしいゆきの演えんじる後輩こうはいと大森南おおもりみなみ朋とも。
２人ふたりとも原作げんさくには登場とうじょうせず、自堕落じだらくな多た部ぶちゃんとは、対象たいしょうをなすカップルと言いったところでしようか。

そんな２ふたつの恋愛れんあい模様もようを対象たいしょうさせ。都会とかいの空そらの下したで生いきる自堕落じだらくな男女だんじょを描えがく為ために、池田いけだ千尋ちひろを脚本きゃくほんに起用きようしたのならば、何なんとなく理解りかい出来できるところではありました。

………でも！………

青山あおやま真治しんじの演出えんしゅつは、徹底的てっていてきにオサレなセレブ（に近ちかい）生活せいかつを撮とりたかったのか？と思おもってしまうほど。
時々ときどき、「何なにこれ？哲学てつがく論ろん？」と思おもうくらいに、難解なんかいで意味いみありげな台詞せりふが飛とび出だして来くる。

どうやら、EXILE側がわの…

「イメージを大事だいじにしてくれよ！」

…との要求ようきゅうに。

「俺おれは哲学てつがく的てきな内容ないようにしたいんだよな〜！」

…と言いった。青山あおやま真治しんじとEXILE側がわと間あいだの乖離かいりが存在そんざいし、結果けっか的てきにこんな歪いびつな映画えいがになってしまったのでは？…と、想像そうぞうを巡めぐらせてしまいます。

原作げんさくを読よんだ際さいに、ミムラ演えんじる今日子きょうこ（映画えいがでは明日あした子こ）が、日にちがなダラダラと過すごし。いつまでも悲かなしみにくれるだけで、一向いっこうに前まえを向むこうとしない主人公しゅじんこうに対たいして。一気いっきに関西かんさい弁べんで捲まくしたてる場面ばめんこそが、この話はなしで１番ばんのクライマックスだと思おもっていたのですが、、、

タワーマンションに住すみます。

↓

イケメン俳優はいゆうとネンゴロになります。

↓

ニャンコ病気びょうきになります。

広ひろい意味いみで、原作げんさく通どおりと言いえるのは、この３点てんだけだったとは、まさか思おもわなんだ。

※ まあ、何なにせ青山あおやま真治しんじですから。ここまで酷ひどい内容ないようでも、部分ぶぶん部分ぶぶんで哲学てつがく的てきな匂においをさせておけば。（ハスミン一派いっぱの強力きょうりょくなお墨付すみつきは間違まちがいないのだから）勝手かってに深ふか読よみして、「ああだ！こうだ！」と、裏付うらづけしては絶賛ぜっさんする人ひとが続出ぞくしゅつしてくれるのですから。こんなにチョロい事ことなんぞ無ない…って話はなしでしようね(・ωおめが・｀)

２０２０年ねん １０月がつ２４日にち ＭＯVＩＸ亀有かめあり/スクリーン７

※ 貶けなしておきながらではありますが、流石さすがに鬼畜きちくに入はいるには余あまりにも早はやすぎる。

平日へいじつ昼間ひるまの劇場げきじょうで観みました。そこそこ客きゃくが入はいっていましたが、男性だんせいは私わたし一人ひとりきりでした。おそらく、もう2度どとない経験けいけんだと思おもいます。