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レッド・ロケット : 作品情報 - 映画.com

レッド・ロケット

劇場げきじょう公開こうかい

レッド・ロケット

解説かいせつ

「タンジェリン」「フロリダ・プロジェクト 真夏まなつ魔法まほう」で支持しじあつめたべいインディペンデントかい俊英しゅんえいショーン・ベイカー監督かんとくが、口先くちさきだけのもとポルノスターのおとこ主人公しゅじんこうに、社会しゃかい片隅かたすみきる人々ひとびとあざやかにえがいたヒューマンドラマ。

2016ねんのアメリカ、テキサス。もとポルノスターでいまはちぶれて無一文むいちもんのマイキーは、故郷こきょうである同地どうちもどってくる。そこにらす別居べっきょちゅうつまレクシーと義母ぎぼリルにきらわれながらも、なんとか彼女かのじょたちのいえころがりんだが、ながらく留守るすにしていた故郷こきょう仕事しごとはなく、むかしのつてでマリファナをりながら生計せいけいてている。そんなある、ドーナツてんはたらくひとりの少女しょうじょとの出会であいをきっかけに、マイキーは再起さいきゆめみるようになるのだが……。

実際じっさい過去かこにポルノ出演しゅつえん経験けいけんがあり、その映像えいぞう流出りゅうしゅつしたことでいちひょう舞台ぶたいから姿すがたしていたこともあるサイモン・レックスがマイキーやくえんじ、インディペンデント・スピリット・アワードやロサンゼルス批評ひひょう協会きょうかいしょうなどで主演しゅえん男優だんゆうしょう受賞じゅしょう共演きょうえんは、おも舞台ぶたい活躍かつやくしてきたブルー・エルロッドと、ベイカー監督かんとく映画えいがかんでスカウトした新人しんじんスザンナ・サン。2021ねんだい74かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいコンペティション部門ぶもん出品しゅっぴん

2021ねん製作せいさく/130ふん/R18+/アメリカ
原題げんだいまたはえいだい:Red Rocket
配給はいきゅう:トランスフォーマー
劇場げきじょう公開こうかい:2023ねん4がつ21にち

スタッフ・キャスト

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受賞じゅしょうれき

だい74かい カンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさい(2021ねん

出品しゅっぴん

コンペティション部門ぶもん
出品しゅっぴん作品さくひん ショーン・ベイカー
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(C)2021 RED ROCKET PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

映画えいがレビュー

4.5アメリカの等身とうしんだい

2023ねん5がつ31にち
PCから投稿とうこう
鑑賞かんしょう方法ほうほう映画えいがかん

テキサスの工場こうじょう地帯ちたい舞台ぶたいに、ちぶれたポルノ男優だんゆうがドーナツつけた少女しょうじょ使つかって再帰さいきしようとする物語ものがたり南部なんぶのホワイト・トラッシュの日常にちじょう赤裸々せきららえがかれていて、アメリカの"意識いしきひくい"等身とうしんだい現実げんじつがこの映画えいがにはある。仕事しごとがなくてLAからわかれたつまもところがりんで、むかしのつてでマリファナをって日銭ひぜにかせいで、ドーナツでバイトするわかおんなっかけてポルノスターにしようと奔走ほんそうはじめる。つま同居どうきょしている義母ぎぼくちうるさく、つまつまで、まだ主人公しゅじんこうのことをおもっていたりするし、となりんでいるわかやつは、ぐんれきがあるとウソをついてちっぽけな自尊心じそんしんたしている。ひど現実げんじつ詩的してきうつくしさをかんじる映像えいぞうるショーン・ベイカーのセンスが見事みごと
ときおりテレビのニュースからながれるトランプの演説えんぜつが、どういう人々ひとびとむなしさをめていたのか、この映画えいがると実感じっかんできるとおもう。トランプが提示ていじしたのはまやかしのすくいだが、まやかしのすくいしかないなら、それにすがるのも無理むりないのではないか。主人公しゅじんこうもとめる栄光えいこう実現じつげんしそうにないまやかしだけど、だれだってそんなまやかしのすくいにすがってきていることにわりないのではないか。ショーン・ベイカーのアメリカをつめる視点してんはとても正確せいかくだ。

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杉本穂高

4.0アメリカンスピリットの体現たいげんしゃか。それとも死神しにがみか。

2023ねん4がつ29にち
PCから投稿とうこう

たしてこのおとこ不屈ふくつのアメリカン・スピリットの体現たいげんしゃなのか、それとも死神しにがみか。ショーン・ベイカー監督かんとく主人公しゅじんこうえるのはいつも、一般いっぱんてき映画えいがではあまり大々的だいだいてきえがかれない人々ひとびとだ。ほんさくもとポルノスターという肩書かたがきおとこをメインに、工業こうぎょう地帯ちたいのコミュニティない波紋はもんひろがっていくさまを、くもひとつない晴天せいてんきざんでいく。主人公しゅじんこうマイキーはくち達者たっしゃで、かれわせて必死ひっしにおねがいすれば、たいていのひとはそのポーズに根負こんまけして、渋々しぶしぶながら承諾しょうだくしてしまう。その結果けっかみちはずしたり、おもわぬ結果けっかをもたらすこともおおいが、しかしベイカー監督かんとくけっしてこのおとこ否定ひていてき烙印らくいんすことはない。これはアメリカのすみっこのはなしではあるけれど、主人公しゅじんこう他者たしゃをどれだけいにしようとも、人生じんせい主軸しゅじく自分じぶん自身じしんってこないときられないひとなのだろう。どこかトランプ大統領だいとうりょうにもたおさわがせおとこ人物じんぶつ研究けんきゅうに、あたまかかえつつも不思議ふしぎ見入みいってしまう作品さくひんだ。

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牛津厚信

4.5きることに貪欲どんよくすぎるクソおとこ魅入みいられる。こまったことに。

2023ねん4がつ28にち
PCから投稿とうこう
ネタバレ! クリックして本文ほんぶん
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共感きょうかんした! 11けん
村山章

4.0もとポルノ俳優はいゆうえんじるもとポルノ俳優はいゆうのトホホな人生じんせい

2023ねん4がつ16にち
iPhoneアプリから投稿とうこう
鑑賞かんしょう方法ほうほう試写ししゃかい

わらえる

かなしい

『フロリダ・プロジェクト 真夏まなつ魔法まほう』ではディズニーワールドに隣接りんせつするモーテルをまいにしているシングルマザーとそのむすめの、ホームレス&ホープレスな日常にちじょうえがいたショーン・ベイカー監督かんとく。アメリカ・インデペンデントかい俊英しゅんえいばれるベイカーは、あのときゆめくにうたゆう園地えんちのすぐがわひろげられるゆめとは程遠ほどとおいアメリカの現実げんじつりにして、世界中せかいじゅう衝撃しょうげきあたえたものだった。

そして、つづく『レッド・ロケット』では、もとポルノ俳優はいゆう故郷こきょうのテキサスにかえって人生じんせい再生さいせいしようとこころみるものの、結局けっきょく、ポルノがらみのビジネスに逆戻ぎゃくもどりするしかないという、まさにトホホな現実げんじつえがいて、前作ぜんさくまさるともおとらないにが後味あとあじのこす。

主人公しゅじんこうのマイキーがながらく疎遠そえんだったつまのベッドにころがりみ、すぐに安易あんいなドラッグビジネスに着手ちゃくしゅしたり、ドーナツむすめをポルノ業界ぎょうかいにスカウトしようとしたりと、『そんなのダメにまってる』ことをなんまよいもなくやってしまう。やがておとずれるかなしくて痛烈つうれつ結末けつまつは、『フロリダ~』のエンディングをおもこさせもする。

ペイントアートのような背景はいけい人物じんぶつ配置はいちする独特どくとくのロングショットや、周囲しゅうい雑音ざつおん度々たびたびセリフがかきされる演出えんしゅつは、ながらにしてアメリカの田舎町いなかまちへと観客かんきゃくさそってくれる。時代じだいはヒラリーとトランプが大統領だいとうりょううばっていた2016ねん。しかし、テキサスの田舎いなかでは選挙せんきょ行方ゆくえとは関係かんけいなく生々なまなましくもあいおしい人間にんげん生活せいかついとなまれていたという視点してんが、ポリコレ時代じだいには新鮮しんせんかんじる。マイキーをえんじるサイモン・レックス自身じしんもとポルノ俳優はいゆうだったとか。そのにくめないお色気いろけ映画えいが感触かんしょく複雑ふくざつなものにしている。

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清藤秀人