すべてうまくいきますように

『空そらを飛とぶ夢ゆめ』や『母ははの身み終おわりい』をはじめ、尊厳そんげん死しという題材だいざいを扱あつかった作品さくひんはこれまで幾いくつか観みてきたが、オゾンが奏かなでる本ほん作さくはその語かたり口くちが滑なめらかで柔やわらかく、どんな瞬間しゅんかんもユーモアを忘わすれない。時折ときおり、若わかかりし頃ころの父ちちと娘むすめのエピソードが出でてくるが、いつだって父ちちは自分じぶんのやりたいように事ことを推おし進すすめ、言いいたいことを容赦ようしゃなく子供こどもにもぶつけてきた。こういう挿入そうにゅう部ぶがあるからこそ、彼かれが最後さいごの瞬間しゅんかんにも自分勝手じぶんがってをとことん貫つらぬきたいと考かんがえるのは何なんとなく納得なっとくがいく。人間にんげんは生うまれるタイミングはあらかじめ予想よそうがつくが、自分じぶんの死しぬ瞬間しゅんかんに関かんしては掌てのひらからこぼれ落おちる砂すなのように制御せいぎょできないもの。でも自分じぶんの意思いしで身みじまいできると知しった瞬間しゅんかんから、この高齢こうれいの父親ちちおやの表情ひょうじょうは途端とたんに生いき生いきと輝かがやき出だしているように思おもえる。この映画えいがは、尊厳そんげん死しについて肯定こうていするわけでも否定ひていするわけでもない。あくまで「父ちち娘むすめの物語ものがたり」という枠組わくぐみでこの語かたり口くちを完結かんけつさせているのが特徴とくちょう的てきだ。

Francois Ozon is one of those directors that can take an ordinary plot about slice-of-life drama and pack it full of unique perspective that reveals the many dimensions of our world albeit being shown on a 2D screen. In Everything Went Fine we get a Father-like tale of a man's receding lifeline as her daughter has to cope with his request to put him out of misery. Exquisitely French cinema.