社会しゃかいから虐しいたげられた女おんなたち

役者やくしゃメラニー・ロランの監督かんとく、あるいは脚本きゃくほん・俳優はいゆうなどあらゆる点てんから語かたり手てとしての広義こうぎの映画えいが人じんとしての地位ちいや評価ひょうかを益々ますます強固きょうこ・決定的けっていてきなものにする一いち作さく。創造そうぞう性せいと伝つたえたいこと、伝つたえねばならないことに終おわりはない。フランス語ふらんすごなんて英語えいご以上いじょうに分わからないから演技えんぎの良よし悪あしどうこう言いえないけど、それでもやはり原作げんさく未読みどくでもこの作品さくひんの世界せかいに引ひき込こまれ魅みせられるような役者やくしゃ陣じんの力ちから。
心こころかき乱みだされる不穏ふおんさに、誰だれがまともか分わからなくなる。女性じょせいの社会しゃかい進出しんしゅつなどがいくら進すすんだと言いってもやはりまだまだ絶たえることのないミソジニー。キャッチーではないけど痛烈つうれつ。『カッコーの巣すの上うえで』のような入口いりくちから始終しじゅうつきまとうように実じつに不愉快ふゆかいで、真しんに意味いみがある挑戦ちょうせん的てき題材だいざい。おかしいのだと見みえない場所ばしょに追おいやられ搾取さくしゅ/排除はいじょされる女性じょせい性せい。あまりにも身勝手みがってに振ふる舞まう男おとこどもの欲望よくぼうのはけ口ぐちと、それを許ゆるしてしまう男性だんせい絶対ぜったい優位ゆういの男根だんこん社会しゃかいにおける支配しはいの構図こうず。そんなトラウマの中なかでいかに生いき抜ぬくか、シスターフッドと共ともに。歴史れきしモノに今日きょうの問題もんだいを重かさねるストーリーテリングは検閲けんえつ逃のがれなどいつの時代じだいも普遍ふへん的てき。それはつまりここで描えがかれることが残念ざんねんながら今日きょうでもまだ有効ゆうこうだということ。
"らしい"邦題ほうだいよりも、やはり原題げんだいのほうが結果けっか的てきには本ほん作さくのテーマ/メッセージがより多おおくの人ひとに見みられ届とどくのではないか、考かんがえさせる契機けいきになるのではないかと思おもった。本ほん作さくでなくても広ひろく使つかえることでなく、本ほん作さくでしか、本ほん作さくだからこそのタイトルが、作品さくひんの内容ないようを婉曲えんきょく的てきに結果けっかより深ふかく表あらわすよう。根底こんてい、根ねっこの部分ぶぶんでは他た作品さくひんと重かさなり合あい、共鳴きょうめいしていたとしても。これであなたも"見みえる人ひと"。

P.S.なんて書かきながら本ほん作さくを見みているときもまだ今日きょうのストレスがすごくて何なにも考かんがえられず、本ほん作さくの内容ないようもまるで頭あたまに入はいってこなかった。