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ヘルドッグス 特集: 極限の偏愛プレゼン大会Vol.4:「原作改変が最高! 岡田准一、大好きです!」 (4) - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2022ねん9がつ16にち PROMOTION

ヘルドッグス : 特集とくしゅう

2022ねん9がつ26にち更新こうしん

極限きょくげん偏愛へんあいめて】なんだってってやるッ!
わたしたちに「ヘルドッグス」をプレゼンさせてくれ!
Vol.4:「原作げんさく改変かいへん最高さいこう! 岡田おかだじゅんいち大好だいすきです!」

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ヤバすぎる、面白おもしろすぎるし、危険きけんすぎと話題わだい噴出ふんしゅつ映画えいが「ヘルドッグス」(岡田おかだじゅんいち坂口さかぐち健太郎けんたろう共演きょうえん原田はらだ眞人まさと監督かんとく)が、9月16にちから公開こうかいちゅうだ。

ほんさく魅力みりょくにどんハマりし全力ぜんりょくしていくとめた映画えいが.comでは、異例いれいとなる5しゅう連続れんぞく特集とくしゅう記事きじ展開てんかいちゅう偏愛へんあいしてへんになってしまったひとに、しゅうかわりで「どこがどうかったのか」を激烈げきれつにプレゼンしてもらっている。

だい4しゅうとなる今回こんかいは、月刊げっかん「CUT」などで活躍かつやくするフリーライター・兵庫ひょうごまきつかさ登場とうじょう。「ヘルドッグス」原作げんさくとバトルアクションをこよなくあいするかれは、ほんさくのどこにハマったのか?

キャスティング、原作げんさく改変かいへん、そして岡田おかだじゅんいち、ほかにも……映画えいが.comから依頼いらいしていた文字数もじすう大幅おおはば超過ちょうかし、あつく、きざみつけてくれたレビューをおとどけする。


筆者ひっしゃ紹介しょうかい

兵庫ひょうごまきつかさ音楽おんがく映画えいがなどのフリーライター。ウェブでDI:GA ONLINE『とにかくたやつ全部ぜんぶく』、雑誌ざっし月刊げっかんKAMINOGE『プロレスには全然ぜんぜん関係かんけいなくはないはなし』を連載れんさいちゅう著書ちょしょ:フラワーカンパニーズの単行本たんこうぼんえぞこない』、ユニコーンの単行本たんこうぼん服部はっとり ザ・インサイド・ストーリー』(ともにリットーミュージック)。月刊げっかんCUT2022ねん9がつごう掲載けいさいの、岡田おかだじゅんいち坂口さかぐち健太郎けんたろうの『ヘルドッグス』についてのインタビューを担当たんとうした。


予告編よこくへん

●まずはキャスティングをかたらせてほしい…全員ぜんいん奇跡きせきのような配役はいやくとハマり具合ぐあい
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宣伝せんでん資料しりょうのコメントやPR取材しゅざいなどで、「このやく最初さいしょは○○にオファーしたけど、ダメだったので××になりました」なんてことを映画えいが監督かんとくは、いない。本当ほんとうはそうであっても、まず○○にオファーした、最高さいこうだった、けてくれてよかった、みたいなはなしをするものだ。あたりまえだが。

ぎゃくうと、すべてのやく一発いっぱつのオファーでまる映画えいがなど、ほぼない。役者やくしゃやそのスタッフが、気持きもてきにはってくれたが、物理ぶつりてきにスケジュールをわせることができなかった、というケースも、うまでもなく、こりるので。

だが、この『ヘルドッグス』は、なにからなにまですべてのやくが、一発いっぱつまったんじゃないか? というような、ありえないことをついおもってしまう、ていると。あ、実際じっさいはどうなのか、らずにいています。

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主演しゅえんけんこう昭吾しょうご岡田おかだじゅんいちは、かれ原田はらだ眞人まさとのタッグありきではじまっている映画えいがなので、この考察こうさつからははずす。かれ相棒あいぼう室岡むろおか秀喜ひできえんじる坂口さかぐち健太郎けんたろうも、こんなオファーがあったら、本人ほんにんもマネージャーもやりたくないはずがないだろうとおもうので、同様どうようはずす。

しかし、かれらの直属ちょくぞくのボスである土岐ときつとむ北村きたむら一輝いっきや、その愛人あいじん吉佐きさ恵美えみうら松岡まつおか茉優あたりはもちろん、のキャラクターたち──原作げんさくとはちがうが「魅力みりょくてき人柄ひとがら」であることは共通きょうつうするひがしさやかい会長かいちょう秘書ひしょ熊沢くまさわ伸雄のぶお吉原よしはら光夫みつおにしても、2018ねん公開こうかいの『ギャングース』をえるいきおいで「あく組織そしきわかきボス」やくがハマっているひがしさやかい会長かいちょう十朱とあけ義孝よしたか=MIYAVIにしても、もしダメだったらだれ適役てきやくだったか、おもかばないほどだ。

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連絡れんらくがかり」のマッサージころもりゅう典子のりこ大竹おおたけしのぶは、シンプルに「よくツモれたな、このひとを」と、おどろいた。サロンの常連じょうれんきゃく尾上おがみ右近うこんや、拷問ごうもんじょう管理人かんりにん番犬ばんけん村上むらかみあつしには、「ここにこのひと? 贅沢ぜいたく!」と、びっくりした。

そして。それ以外いがい、つまり映画えいが公式こうしきサイトの人物じんぶつ相関そうかんっていないような人物じんぶつたちのキャスティングまで、いちいち「おっ!」とおもわされるのが、ほんさくなのだった。

物件ぶっけん案内あんないにヤクザたちをれて業者ぎょうしゃが、六角ろっかくまことだったり。そのヤクザのしたが、はえぎわの山口やまぐちわたるふとしだったり。それからひがしさやかい若手わかてきたえる格闘かくとうじょうのコーチが、村上むらかみ和成かずなり(総合そうごう格闘かくとう→プロレスラー)だったのは、ハマっているとかをえて、ただうれしかったです、ファンとしては。

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と、キャスティングだけでテンションがって長々ながながいてしまったが、冷静れいせいになってかんがえると、キャスティングがかったから、いい映画えいがになったわけではない。このキャスティングを、自分じぶんがすばらしくかんじたのは、そのように演出えんしゅつされているからだ。

ある作品さくひんですばらしくえた役者やくしゃが、べつ作品さくひんでは「あれ?」みたいな按配あんばいになっていることは、よくある。そういうれいたりにするたびに、演出えんしゅつって大事だいじなんだなあ(あたりまえだ)、役者やくしゃかがやくかどうかって監督かんとくにかかっているんだなあ(もっとあたりまえだ)、と、実感じっかんする。

まずい。依頼いらい指定していされた文字数もじすうをオーバーしている。つぎこう。えーと、ではつぎの、自分じぶんかんじた、この映画えいが魅力みりょく


ほんさく最大さいだい魅力みりょくは…“原作げんさく改変かいへん”が最高さいこうちがってるけどすごくいい!」
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小説しょうせつだろうがマンガだろうが、原作げんさく熱心ねっしんなファンであればあるほど、それが映像えいぞうされた作品さくひんは、わないものだ。「このキャラ、こんなやつじゃない!」とか、「こんな展開てんかいじゃない!」とか、「そもそも全体ぜんたいにこんなえがかれかた物語ものがたりじゃない!」とか、らないポイントは、いくらでもてくる。ようは、自分じぶんがそうなのです、というはなしだが。

かとって、ぎゃくに、なるべく原作げんさく空気くうきかんこわさないように、マンガ原作げんさくならそのマンガのコマでえがかれている風景ふうけいをそのまま映像えいぞうえるくらい、忠実ちゅうじつ再現さいげんしている作品さくひんもあったりするが、それはそれでまたらない。そのまんまやないか。だったら映画えいがにせんでええがな。というですね。

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いていてつくづく、おのれがいかにうっとうしいきゃくであるかを自覚じかくしてイヤになるが、つまり、自分じぶんのようなうっとうしいきゃくを、つくしゅかすには、そいつのおもみを粉々こなごなにするぐらいの、「ちがってるけどすごくいい!」という説得せっとくりょくというか、破壊はかいりょくというか、とにかくそんなけたエネルギーが、画面がめんあふれている作品さくひんにしないとダメなんだな。と、ぼくほんさくて、おもったのだった。

当然とうぜんながら、登場とうじょう人物じんぶつのキャラクターも、ストーリーも、原作げんさくからけっこうえてある。吉原よしはら光夫みつおえんじるひがしさやかい会長かいちょう秘書ひしょ熊沢くまさわ伸雄のぶおが、原作げんさくちがうのは前述ぜんじゅつのとおりだし、けんだかひがしさやかい潜入せんにゅうさせた警視庁けいしちょうぐみとくたい阿内おうちは、原作げんさくでは酒向さこうかおるみたいにスラッとしてなくて、もっと泥臭どろくさいキャラクターだ。

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原作げんさく重要じゅうよう役割やくわりたしているてきキャラが画面がめんてこなかったりするし、ぎゃく松岡まつおか茉優の吉佐きさ恵美えみうらのように、原作げんさくには存在そんざいしないキャラもいる。だれだれによって、どんな理由りゆうでどのタイミングでころされるか、というのも、えてあったりする。なによりも、原作げんさく後半こうはんにおける、あの怒涛どとう展開てんかいが……やめとこう。キリがないから。

というような、原作げんさくからえたポイントにたいして、「なんでこうえたの?」という疑問ぎもんが、いてこない。なんでこうえたのか、説明せつめいされなくても、ればその必然ひつぜんがわかるし、納得なっとくさせられる。そういう作品さくひんになっている、というはなしだ。


●やっぱり、岡田おかだじゅんいちのアクションがとてつもない…リアルで生々なまなましくある
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ああ、もう規定きてい文字数もじすうを、余裕よゆうえてしまった(編集へんしゅうちゅう:だいたい2000文字もじくらいで、と依頼いらいしていました)。

編集へんしゅうのテンポにをみはったこととか、「セリフがききとれなくてもいい」という演出えんしゅつ方針ほうしんが、作品さくひんにリアリティとスピードかんあたえていることとか、(この特集とくしゅう連載れんさいで)ほういていたが「十朱とあけ突然とつぜんボトルをまわり」や、「室岡むろおか部屋へやになぜか神輿しんよがある」や、「みどろのころいがおこなわれているのにカラオケでうたうのをやめない」などなどの、どうかしてる登場とうじょう人物じんぶつたちのどうかしてる言動げんどうとか。きたいこと、まだいろいろあるのに。

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とくに、アクション俳優はいゆうけんアクション構成こうせいとしての岡田おかだじゅんいち大好だいすきです! で、この作品さくひんにおいてもすばらしい仕事しごとっぷりです! というけんについては、ちゃんと言及げんきゅうしたかった。ドニー・イェンならカンフー、イコ・ウワイスならシラット、トニー・ジャーならスタント、というような、そのアクションのベースを特定とくていのルーツにいている俳優はいゆう/アクション構成こうせいとはちがう、かといって「せる」ことに極端きょくたんはりっているハリウッドのアクション映画えいがともちがう、岡田おかだじゅんいちならではの、「リアルで生々なまなましくあることを前提ぜんていに、ひと魅了みりょうするアクション」の哲学てつがくのようなものが、この作品さくひんからはかんじられるので。

岡田おかだじゅんいちが、ブルース・リーが考案こうあんしたことでられるジークンドー、フィリピンの格闘技かくとうぎであるカリ、佐山さやまさとししたシューティングのながれをむUSAおさむと、3種類しゅるい武術ぶじゅつ格闘技かくとうぎきわめている(=ひとつきわめてよしとしなかった)理由りゆうのひとつ、そのあたりにあるのではないか、というもする。

もういちかいかせてもらうわけにはいかないですかね?


最後さいごに…はやくも続編ぞくへん期待きたいだい
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あとひとつだけ。ほんさくは、さんさくある『ヘルドッグス』シリーズのいちさく『ヘルドッグス 地獄じごくいぬたち』を原作げんさくにしている。さつ煉獄れんごく獅子ししたち』は、その前日ぜんじつたんろしで2022ねん8がつ刊行かんこうされたばかりのさんさく天国てんごく修羅しゅらたち』は、そのたんである。

さんさつほうは、ほんさくつづさく映画えいがとして、そのままだと物語ものがたりながてき齟齬そごをきたす部分ぶぶん修正しゅうせいすれば、わりとすんなり映像えいぞうできそうだけど、いちさつはどうするんだろう? というのは、さんさつともんだじょう映画えいがひとなら、だれもがいだ疑問ぎもんだとおもう。

あきらめるのか。それとも、なんとかしてがたにするのか。してくれることをのぞみます。って、もう映画えいがもシリーズになる、と、勝手かってめつけているが。

ぶん兵庫ひょうごまきつかさ(ライター)

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インタビュー

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