追想ジャーニー
劇場公開日:2022年11月11日
解説
ドラマ「神様のえこひいき」の藤原大祐が映画初主演を務め、高校生の主人公が30年後の自分と追想の旅に出る姿を描いたドラマ。
高校生の文也は母親とケンカし、勉強もしないで居眠りしてしまう。気がつくと何故か舞台の上におり、目の前には見知らぬ男がいた。やがて同級生で幼なじみのくるみとクラスメイトのゆりえが舞台上に現れ、どちらと付き合うか決めるよう迫られる。夢なのか現実なのかも分からない中、見知らぬ男はこれが現実であり、自分は30年後の文也だと話す。そして文也がいる舞台は、過去の出来事を追想してその時に選択した内容を変えられる不思議な場所だった。
「そこのみにて光輝く」の高橋和也が30年後の文也を演じ、「ヒメアノ~ル」の佐津川愛美、「ベイビーわるきゅーれ」の高石あかりが共演。「一人の息子」の谷健二が監督を務めた。
2022年製作/66分/G/日本
配給:セブンフィルム
劇場公開日:2022年11月11日
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2023年12月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
自分の人生を演じ、自分の人生を鑑賞する
今思えばあれが分岐点だった…なんて何歳になっても分からない!!
過去の選択は変えられないのだから、“今”を1番に生きよう
生き方の正解なんてない。好きにやって、生きてられさえすればそれでいいのかも
演劇を少しやってた身なので、演劇らしさがもっとあれば良かったな。声の出し方とかセットや小道具の使い方とか
サスを使って印象的な舞台とか場転は作れるけど、もう少し演出に意味を持たせられたら解釈の余地が広がってもっと良い作品になりそう!狭い舞台でも見せ方は無限大!!
2023年8月6日
iPhoneアプリから投稿
よい作品!
とても気に入った。
人生には、いくつもの分岐点がある。
48年も生きていれば「過去のあのときに戻ってやり直したい」という場面を誰もが複数持っているだろう。
この映画の設定で面白いのは、主人公が「退行睡眠」によって過去のいくつかのポイントに戻り、当時の姿のままの関係者と触れ合うにあたって、48歳の自分ではなく18歳の自分に代役を努めさせるところだ。
任せきりではなく、二人三脚で過去から順におさらいをしていく。
そして48歳は自分が過去に犯した選択ミスであるのに、18歳に責任があるかのように説教臭く迫る。
ところが、33歳になった幼なじみが登場するあたりから力関係に変化が生じ、実の娘が登場したところで完全に立場が逆転する。
48歳は、実年齢に近いポイントになればなるほど、情けないほどに自分の弱さをさらけ出す。
それを見た18歳は息を吹き返したかのように、今度は48歳を後押しする存在となるわけだ。
そして、それぞれにラストシーンを迎える。
18歳は冒頭のシーンと比べて驚くほどに豹変して魅力的な少年となり、48歳は長年のトラウマであった存在から思いがけない激励を受ける。
その両方に大きく関わった存在、それは……
現実の人生では過去に戻ってやり直したり、過去の自分に言って聞かせて自分とは違う人生を歩ませたりすることはできない。
しかしおそらく、ほとんど全ての人々が望むことなのではないだろうか。
その望みを観客に代わって主人公が体験してくれる、そんな話。
話の大部分を占める「退行睡眠」シーンのチープさも、いい味を出していて心に残る。
2023年7月30日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
擦り切れた高校生・文也が「アラフィフになった自分」との関わりを通して成長する話……でもあるのですが、真の主題はアラフィフの成長譚。徐々におじさん文也の言動から違和感が漂い始め、終盤で物語全体の方向性が反転する様は圧巻でした。変わることから逃げていたのは、大人の文也の方だったのですね。
「人生はいつからでも変えられる」というテーマの創作物は巷に多く溢れているものの、巧みなシナリオのおかげで、他にないほど強烈な形でメッセージが伝わってきました。ラストシーンの母親のセリフがとても素敵です。
世界観の設定は結構雑なので、「よく作られた」映画を期待して鑑賞すると序盤は肩透かしを食らうかもしれません。とはいえ、総合的な印象としては、説明は最低限で済ませメインのヒューマンドラマに尺を割いたのは、とても良い判断だったように思います。
多くの人に見られてほしい良作でした。
2023年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
怠惰な生活をおくる主人公の高校生の元にふとやってくる冴えないおっさん。
ついて行った先は小さな劇場の舞台。そこにはクラスメイトが二人。「どっちを選ぶの?」
人生の分岐点はこんなちょっとしたことから大きく枝分かれしていくのか。。。
冒頭から登場している冴えないおっさんが、実は主人公の将来の姿であったことをバラさないのがニクい!主人公とおっさんが傷跡を照らし合わせる場面は、今までの「時空がアレしてアレする」系の映画へのリスペクトさえ感じて感慨深い。
映画のシーンほとんどを舞台形式にすることで、制作上の障壁のほとんど全てを解決してしまうと言うスゴ技に感心!
突然現れる主人公の娘との和解。それによって母との和解も決意する。
結局は、自分を認めてあげる作業だったんよね。
この映画 もっともっと長くても見られます。「短いな!」って思うくらい。
でも、人生って確かに短いもんね。好き勝手生きなきゃ。