オペレーション・ミンスミート　ナチを欺あざむいた死体したいのレビュー・感想かんそう・評価ひょうか

遺体いたいがスペインにたどり着ついてからの計算けいさん違ちがい、そもそも計画けいかくが甘あますぎない？すべてがこうなったらいいな、なのよ。所詮しょせんスパイ小説しょうせつ家かの考かんがえた作戦さくせんよねと思おもっちゃう。あと恋愛れんあい、それいる？私わたしはいらない。もしどうしても入いれたいんだとしたら相手あいては60のジイさんじゃないって。コリン・ファースがどうしてもって駄々だだこねたのかね？冒頭ぼうとうの妻子さいしがアメリカ行いく件けんもイマイチよく分わからないまま片付かたづけられちゃうし、弟おとうとの共産党きょうさんとう疑惑ぎわくはいいの？放ほったらかしで？何なにから何なにまでピンとこない映画えいがでした。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうヒトラーを騙だます作戦さくせんというからかなりハラハラドキドキのストーリーかと思おもっていましたが、ずっと淡々たんたんとしたままでした
でもそれで面白おもしろくなかったって事ことはなく、このオペレーションミンスミートが成功せいこうするかどうかっていうシーンはそれなりに楽たのしめました
常つねに緊張きんちょう感かんあるストーリーじゃなくて、ユーエン、チャムリー、ジーンの三角さんかく関係かんけいも絡からめながらの人間にんげん模様もようが中心ちゅうしん
あんな作戦さくせんを成功せいこうさせた4人にんが「マーティン少佐しょうさとパムの恋愛れんあい」を作つくり上あげていくのがとても楽たのしそう
完璧かんぺきに架空かくうの2人ふたりを作つくり上あげる事ことに4人にん全員ぜんいんが夢中むちゅうで作戦さくせんを成功せいこうさせる事ことはどうでもよさそうに見みえるくらい
実際じっさいはそんな事ことなかったんだろうけど
そんな感かんじで緊張きんちょう感かんじない人達ひとたちがすごい作戦さくせんを成功せいこうさせた感かんじだったけど、二に重じゅう三さん重じゅうスパイのいる世界せかいで味方みかたなのに見張みはったりするのはなんか悲かなしい
でもあのラストで良よかった
あの4人にんのその後ごも幸しあわせになっていたようで良よかったです
それにしてもあの作戦さくせんを成功せいこうさせた事実じじつがホントすごい
コリン・ファースはこんな役やくがはまり役やくです

重層じゅうそう的てきでロマンティックでもあり、だけど戦争せんそうの重おもさを感かんじさせる。英国えいこく流りゅうのアイロニー、ユーモア、センチメンタル。大変たいへん面白おもしろかった。映画えいが館かんで観みればよかった…。後悔こうかい。

<映画えいがのことば>
「艦長かんちょう、潜水せんすい艦かんに180cmの魔法瓶まほうびんが？」
「積つめるが…乗組のりくみ員いんたちには、何なにと言いえばいい？」
「極秘ごくひの気象きしょう観測かんそく装置そうちだ…とでも。」
「まるで小説しょうせつですな。」
「だが、包囲ほういされているんだ。」
「ドイツに？」
「小説しょうせつ家かたちに。」

実際じっさいの遺体いたいを使つかって行おこなわれた作戦さくせんの名前なまえが「ミンスミート（挽ひき肉にく）」。
なんとも生々なまなましいネーミングですけれども。
「名なは体からだを表あらわす」とも言いわれるとおり、名なが「体からだを表あらわした」ネーミングではあったと思おもいます。評論ひょうろん子こは。
少すこしばかり、悍（おぞ）ましい感かんじがしないでもありませんけれども。

極秘ごくひの作戦さくせんであるだけに、ドイツ側がわにはもちろん、身内みうちであるイギリス軍ぐん内部ないぶでも秘密ひみつ厳守げんしゅが徹底てっていされる。
たとえイギリス軍ぐん内部ないぶといえども、周囲しゅういは（作品さくひんの執筆しっぴつネタを絶たえずかぎ回まわっている）小説しょうせつ家か＝スパイだらけだと思おもえとの含意がんいだったとのだろうと思おもいます。上うえ掲の映画えいがのことばは。

しかし、ちょっと立たち止どまって考かんがえてみると、要ようするに、イギリス海軍かいぐんの将校しょうこうに似にせた適当てきとうな遺体いたいにニセ文書ぶんしょを持もたせて、それでドイツ軍ぐんをだまくらかそうという、児戯じぎに類るいした、いわば「子こども騙だまし」みたいな作戦さくせん。
そんな作戦さくせんを、大だいの大人おとな―しかも歴れっきとした軍人ぐんじんが軍ぐんの作戦さくせん行動こうどうとして、真顔まがおで大だい真面目まじめに立案りつあんするというところには、コメディ的てきな要素ようそすら感かんじられてしまいます。

そんな作戦さくせんにまでたどり着つくほど、連合れんごう軍ぐんとしては戦局せんきょく的てきに窮地きゅうちに立たたされ、「起死回生きしかいせいの一策いっさく」ということだったのでしょう。
時どきのチャーチル首相しゅしょうも大だい乗のり気きだったようで、作戦さくせんの終了しゅうりょうを告つげた（成功せいこうを祝しゅくした？）彼かれののメッセージも、とてもとても秀逸しゅういつなものでした。評論ひょうろん子こには。

戦争せんそうにまつわるヒューマンドラマというよりは、奇想天外きそうてんがいな「極秘ごくひ作戦さくせん」の虚々実々きょきょじつじつを、程ほどよい「ゆるさ」で描えがいた娯楽ごらく作さくとしての色彩しきさいの方ほうが強つよいかとは思おもいますが、それで、佳作かさくとしての評価ひょうかは間違まちがいのない一本いっぽんだったと思おもいます。
評論ひょうろん子こは。

<映画えいがのことば>
世界せかいの運命うんめいは、あの死体したいにかかっている。

ナチスを欺あざむくための風変ふうがわり作戦さくせんの話はなし。
このような作戦さくせんを実際じっさい行いって成功せいこうさせたとは
事実じじつは知しりませんでしたが凄すごいですね。
緊張きんちょう感かんが半端はんぱないシーンの連続れんぞくで
思おもわず息いきをのんじゃいました。
ストーリー展開てんかいも役者やくしゃもいいのですが
恋こいバナはいらなかったような気きがします。
作戦さくせんのハラハラドキドキ感かんだけで良よかったかな。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんで、連合れんごう軍ぐんは欧州おうしゅう反抗はんこうの足あしがかりとして、シチリア侵攻しんこうを企たくらんでいた。
シチリアにはドイツ軍ぐんが多おおく配置はいちされていたので、これを除のぞくため侵攻しんこう地ちをギリシャと偽いつわる作戦さくせんを取とった。
偽造ぎぞうした密書みっしょを運はこぶ死体したい探さがしから始はじまり、信用しんようされるようにドラマを作つくっていった。
とても面白おもしろく、ここまで隠かくされていた秘話ひわも珍めずらしい。
007の原作げんさく者しゃ、イアン・フレミングが登場とうじょうする。

戦士せんしが戦場せんじょうで戦たたかう以外いがいのもうひとつの戦争せんそうも、
戦士せんしたちを守まもろうとする必死ひっしの戦たたかい。
二に重じゅう、三重みえスパイが居いる中なか、果はたして誰だれを信しんじていいのか、分わからなくなる。

予習よしゅうしたあとに観みた方ほうがいいなあと思おもいました。
登場とうじょう人物じんぶつの整理せいりや役割やくわり、関係かんけい性せいが分わかりにくく、特とくに少佐しょうさ（偽にせ）がスペインに漂着ひょうちゃくしたあたりからドイツに情報じょうほうが流ながれるところからがガツガツ進すすんでいくので置おいていかれる感覚かんかくがありました。
正直しょうじき、恋愛れんあいのところ（恋愛れんあいっぽいところ）はいらんのじゃないかなあと、そこを削けずって作戦さくせんの詳細しょうさいを掘ほってくれた方ほうが助たすかるかなあ。やっぱり余計よけいだと思おもう。
実際じっさいにあったインテリジェンスの泥臭どろくさいところや苦悩くのうが、特とくに死体したい探さがしやら偽にせの経歴けいれき作づくりとか、なかなかに興味深きょうみぶかい作品さくひんでした。

ナチスドイツを欺あざむいた作戦さくせん、オペレーション・ミンスミート。
シチリア侵攻しんこうを成功せいこうさせるため、死体したいに極秘ごくひ文書ぶんしょを持もたせ上陸じょうりく地点ちてんを欺あざむくという作戦さくせんが実話じつわだというのがすごい。
ストーリーは淡々たんたんと進すすんでいくが、死体したいにストーリーや設定せっていを持もたせて準備じゅんびを進すすめていく過程かていはおもしろかった。
登場とうじょう人物じんぶつにわかりづらさが、大筋おおすじは沿そっていける。
楽たのしめました。

第だい二に次じ大戦たいせん下か。連合れんごう国こくのシチリア上陸じょうりくを支援しえんする為ための情報じょうほう戦せんに挑いどむ諜報ちょうほう部員ぶいんの物語ものがたり。

実際じっさいにあったミンスミート作戦さくせんを下敷したじきにした映画えいがです。
丁々発止ちょうちょうはっしの情報じょうほう戦せんが繰くり広ひろげられるのかと思おもいきや、作品さくひんの大だい部分ぶぶんは主人公しゅじんこうと女性じょせい事務じむ員いんの恋こい、主人公しゅじんこう二に人にんの微妙びみょうな人間にんげん関係かんけいが描えがかれており、面白おもしろみを感かんじられません。
後半こうはんになって多少たしょう盛もり返かえしましたが、醒さめた期待きたい値ちが戻もどることなく終了しゅうりょう。

メインストーリーはミンスミート作戦さくせんだったはずですから、ストーリー構成こうせいの誤あやまりだったように思おもえてなりません。

私的してき評価ひょうかはやや厳いむしめです。

この作戦さくせんを知しらなかったので実じつに面白おもしろく鑑賞かんしょうできた。

冒頭ぼうとう、モンタギュー少佐しょうさの妻子さいしや弟おとうと（アイヴァ―・モンタギュー）の描写びょうしゃがあっさり流ながれ過すぎた感かん。

作戦さくせんとは言いえ、死体したいの人生じんせいを作つくり上あげるくだりは面白おもしろい。
さらに彼かれの功績こうせきを墓石はかいしに刻きざみ、敬意けいいを払はらう姿勢しせいに何なによりも感銘かんめいした。
良品りょうひん。

こんなトンデモ作戦さくせんが実際じっさいに実行じっこうされたということがまず驚おどろきだ。チャーチル首相しゅしょうが許可きょかしたとは… 古ふるいけど、へぇ〜ボタン10回かいだよ。ノルマンディー上陸じょうりく作戦さくせんは知しっているけど、ハスキー作戦さくせん、シチリア島とうへの上陸じょうりく作戦さくせんのことは知しらなかった。かなり大だい規模きぼな作戦さくせんだったらしい。「事実じじつは小説しょうせつより奇きなり」イアン・フレミングがこの映画えいがのナレーションだというのもおもしろい。この作戦さくせんの原案げんあんを考かんがえたのは彼かれなのだそうだ。まず、死体したいを手てに入いれる。次つぎに、死体したいの身分みぶん偽装ぎそうを完璧かんぺきにする。そして、自然しぜんにドイツ側がわの手てに渡わたるようにする。といった困難こんなんな課題かだいをひとつずつクリアしてゆく過程かていが興味深きょうみぶかかった。現在げんざいのロシアのウクライナ侵攻しんこうを見みていると、情報じょうほうがどんなに大事だいじかがわかる。今いまも変かわらない。そんなに張はり詰つめた緊張きんちょう感かんが感かんじられるような映画えいがではないが、史実しじつを再現さいげんした物語ものがたりとして楽たのしんだ。

監督かんとくジョン マッデンだったんですね。

最後さいごまでストーリーが頭あたまに入はいってこなかった。というか自分じぶんが理解りかいできなかっただけか。

会話かいわ劇げきでとにかく渋しぶい

劇場げきじょうなら寝ね落おちしてただろう。

本ほん作さくは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん下かヨーロッパ支配しはいを続つづけるドイツ軍ぐんに対たいして放はなったイギリス軍ぐんの作戦さくせんの舞台裏ぶたいうらを描えがく。

機密きみつ文書ぶんしょと見みせかけて、偽にせの情報じょうほうを流ながす作戦さくせんにはよりリアルな仕掛しかけが必要ひつようだった。

作戦さくせんそのものの成否せいひはもとより、
軍部ぐんぶ内ないでの内輪揉うちわもめや作戦さくせんチームの複雑ふくざつな人間にんげん模様もようも見みどころ。

実際じっさいの戦場せんじょう以上いじょうに神経しんけいを尖とがらす諜報ちょうほう部員ぶいんたちの影かげの活躍かつやくがここにある。

肝心かんじんな話はなしが浅あさい。

準備じゅんびを見みせてからの本番ほんばんは成功せいこうするかどうかを見みせる、コメディにも通つうじる構成こうせい。飽あきずに見みれた。

オペレーション・ミンスミート作戦さくせんとは、
イギリス軍ぐんがギリシャ上陸じょうりくを計画けいかくしている・・
という偽造ぎぞう文書ぶんしょを持もたせた死体したいを、
地中海ちちゅうかいに流ながし、ヒトラーを騙だまし討うちにするという
ものだった。

《感想かんそう》
地味じみ！地味じみ！地味じみ！

特とくにハラハラドキドキする程ほどでもないけれど、
ジワっと良よい部分ぶぶんもある。
コリン・ファースの耐たえる演技えんぎと表情ひょうじょうが好すき！！
死体したいの恋人こいびとの写真しゃしんを貸かすスタッフのジーン。
彼女かのじょとコリン・ファースは好すき合あう・・・
だけど手ても握にぎらない！！（まんま、スィートメモリーか？！)
まつ毛げを取とってあげるのも、なんと、なんと
作戦さくせんの内うちなんて・・・
ジーンには辛つらいわ！！
しかしこの殺風景さっぷうけいな映画えいがにジーン（ケリー・マクドナルド)との
プラトニックラブが、ほんのり彩いろどりを添そえてるのは確たしか！！

各国かっこくでも二に重じゅうスパイ、三重みえスパイがいたり、
人間にんげんの本心ほんしんが読よめない。
盗聴とうちょうに次つぐ盗聴とうちょう。
偽にせの電信でんしん、死体したいへの作戦さくせん下か工作こうさくに
数ヶ月すうかげつも！？！→腐くさらない？
スパイ作戦さくせんって殆ほとんど騙だまし合あいみたいなものね。

MI 5にイワン・フレミングがいて、
(ご存知ぞんじ、007の原作げんさく者しゃ)
「スパイ小説しょうせつを書かいてるんだ」と言いいながら、
タイプライターに向むかってたり、

極きめ付つけは、死体したいになった男性だんせいの墓はかに
献辞けんじが掘ほられている・・・など、
この映画えいがは実名じつめいなのでしょうね。

《総評そうひょう》
戦闘せんとうシーンが殆ほとんど無ない。
派手はでなドンパチがないと、
やはり、物足ものたりないのだった。

ジョン・マッデン監督かんとくの作品さくひんとあらば！と張はり切きって観みた。前作ぜんさく「女神めがみの見みえざる手て」は素晴すばらしく、衰おとろえを感かんじさせない手腕しゅわんに次つぎ作さくも期待きたいしたが...

良作りょうさくだとは思おもうし、コリン・ファースにケリー・マクドナルド、トーマス・ニューマン(音楽おんがく)も申もうし分ぶんないが、何なにか物足ものたりない、もうちょっと塩しおをひと振ふりしたい、薄うす味あじな感かんじ。

70〜80年代ねんだいならまだしも、現代げんだいの映画えいがとしては起伏きふくや緊迫きんぱく感かんが足たりないか。観客かんきゃくはもっと濃こい刺激しげき的てきな映画えいがを見慣みなれている。

事前じぜん知識ちしきが全まったくない状況じょうきょうで鑑賞かんしょうしました。
元々もともと本ほん作さくを鑑賞かんしょうする予定よていは無なかったのですが、観みたかった映画えいがの上映じょうえいまで時間じかんに余裕よゆうがあったため、ちょうど上映じょうえいしていた本ほん作さくもついでに鑑賞かんしょう。

結論けつろんですが、観みて良よかった！！凄すごい面白おもしろかったですね。
第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうに実施じっしされた、奇想天外きそうてんがいな欺瞞ぎまん作戦さくせん。「こんな子供こどもだましが成功せいこうするわけないだろ」と誰だれもが思おもうような作戦さくせんに、大だいの大人おとなたちが雁首がんくび揃そろえて頭あたま抱かかえて挑いどむ。そして(史実しじつだからネタバレじゃないですが)作戦さくせんは見事みごとに成功せいこうする。ユーモアがあって痛快つうかいで面白おもしろい！！

作戦さくせんとは関係かんけいない恋愛れんあい描写びょうしゃが邪魔じゃまだったところが個人こじん的てきに不満ふまんでしたが、それ以外いがいはかなりクオリティが高たかくて面白おもしろい映画えいがだったと思おもいます。

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1943年ねん、大戦たいせんで劣勢れっせい状態じょうたいにあったイギリス軍ぐんは、地理ちり的てきに要所ようしょとされていたイタリアのシチリア半島はんとうへの侵攻しんこうを計画けいかくしていた。しかしシチリアは既すでにドイツ軍ぐんによって占領せんりょうされており、下手へたに接近せっきんすれば迎撃げいげきされ、多おおくの犠牲ぎせいが出でてしまうことは明白めいはくであった。そんな中なか、英国えいこく諜報ちょうほう部ぶによって一ひとつの作戦さくせんが提案ていあんされる。それは、軍人ぐんじんに見みせかけた死体したいに「イギリスはギリシャ侵攻しんこうを計画けいかくしている」とする偽造ぎぞう文書ぶんしょを持もたせ、その死体したいを海うみに流ながしてドイツ軍ぐんに発見はっけんさせることにより、シチリアに配備はいびされたドイツ軍ぐんの人員じんいんをギリシャ防衛ぼうえいに割さかせるという突飛とっぴな作戦さくせんだった。
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本ほん作さくで描えがかれる「ミンスミート作戦さくせん」は実際じっさいに1943年ねんにイギリス軍ぐんが実行じっこうし、大だい成功せいこうを収おさめた軍事ぐんじ作戦さくせんです。成功せいこうするとは思おもえないあまりにも荒唐無稽こうとうむけいな作戦さくせんではありますが、入念にゅうねんな準備じゅんびとシミュレーションによって見事みごとにドイツを欺あざむき、シチリアの奪取だっしゅに成功せいこうします。

この映画えいがの上映じょうえい時間じかんのほとんどは、作戦さくせん準備じゅんびの描写びょうしゃに割さかれています。水死すいし体たいに見みえるような外傷がいしょうのない死体したいを探さがし、死体したいに「ウィリアム・マーティン海軍かいぐん少佐しょうさ」という偽装ぎそうの名前なまえと役職やくしょくを与あたえ、彼かれが恋人こいびとの写真しゃしんや手紙てがみや滞在たいざいしたホテルの領収りょうしゅう書しょなどを持もたせることで、あたかもウィリアム・マーティン海軍かいぐん少佐しょうさという人物じんぶつが実在じつざいしたかのように人物じんぶつ背景はいけいを練ねり上あげていく。リアリティがあるフィクションをみんなで協力きょうりょくして作つくり上あげていくその描写びょうしゃが非常ひじょうに面白おもしろい。ここは観みていてワクワクするシーンでしたね。

そして、完璧かんぺきな下しも準備じゅんびをしていよいよ作戦さくせん決行けっこう。あれだけ綿密めんみつな作戦さくせんを立たてていたものの、実際じっさいに作戦さくせんが行おこなわれると色々いろいろとトラブルが続出ぞくしゅつします。「機密きみつ文書ぶんしょを持もった死体したいが中立ちゅうりつ国こくのスペインに漂着ひょうちゃくしたら、スペインにいるドイツスパイがすぐさま死体したいの回収かいしゅうにくるだろう」と目論もくろんで、計画けいかく通どおりスペインに漂着ひょうちゃくしたにも関かかわらず、ドイツのスパイが死体したいを回収かいしゅうしに来こなかったり…。

もしかしたら計画けいかくは失敗しっぱいしたかもしれないという雰囲気ふんいきの中なか、スペインからイギリスに引ひき渡わたされた死体したいの所持しょじ品ひんから「偽装ぎそう文書ぶんしょが開封かいふうされている」ということが判明はんめいし、シチリアへの侵攻しんこうを決行けっこうする。するとドイツ軍ぐんはイギリスの作戦さくせん通どおりシチリアからギリシャに兵へいを移動いどうさせていたため、侵攻しんこう作戦さくせんは大だい成功せいこうを収おさめる。

映画えいがには描えがかれていませんが、この作戦さくせんの後のちにイギリス軍ぐんがマジの機密きみつ文書ぶんしょを紛失ふんしつしてドイツ軍ぐんに拾ひろわれてしまったことがあるそうで、その際さいにドイツ軍ぐんは「これもミンスミート作戦さくせんと同おなじく偽装ぎそう文書ぶんしょだ」と勘違かんちがいしてしまい、事前じぜんに相手あいての作戦さくせんを知しっていたにも関かかわらず準備じゅんびをせずに大おおきな損害そんがいを被こうむるという事案じあんもあったそうです。そういう史実しじつを調しらべてみると、この映画えいがは更さらに楽たのしめると思おもいます。

ただ若干じゃっかんの不満ふまん点てんがありました。それが随所ずいしょに見みられたラブロマンス要素ようそですね。
断言だんげんしますがこの映画えいがには恋愛れんあい要素ようそは一いちミリも要いりません。ただでさえこういう頭あたまを使つかう映画えいがは複雑ふくざつで難むずかしくなりがちなのだから、余計よけいな部分ぶぶんは削そぎ落おとして短みじかく簡潔かんけつ明瞭めいりょうにしないといけないんですよ。あちこちに散ちりばめられた恋愛れんあい要素ようそのせいでダラダラと長ながい映画えいがになってしまっている印象いんしょうで、結局けっきょく上映じょうえい時間じかんは128分ふんという2時じ間あいだ超こえになってしまっています。恋愛れんあい要素ようそを全部ぜんぶ排除はいじょして110分ふんくらいの尺しゃくにするか、上映じょうえい時間じかんは同おなじでいいから作戦さくせんに関かんする説明せつめいを追加ついかして分わかりやすくしてほしかったと思おもいます。

多少たしょうの不満ふまん点てんはありましたが、面白おもしろい映画えいがだったことは間違まちがいありません。観みておいて損そんは無ないと思おもいます。オススメです！！