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クリード 過去の逆襲 特集: 解説・見どころ・感想/これは映画ではない。人生だ。シリーズ最重要作の幕が上がる。 - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2023ねん5がつ26にち PROMOTION

  • 予告編よこくへん

クリード 過去かこ逆襲ぎゃくしゅう : 特集とくしゅう

2023ねん5がつ22にち更新こうしん

【これは映画えいがではない。人生じんせいだ】シリーズさい重要じゅうようさくまく
がる――! サーガ―全米ぜんべい最大さいだいのヒットの理由りゆうは、
なみだのファイナルラウンドのアツさ・親友しんゆうとの死闘しとう
衝撃しょうげき慟哭どうこく過去かこかれらの“こたえ”をいますぐに目撃もくげきせよ

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わたしたち人間にんげんは、しばしば映画えいがたいし“映画えいがえた体験たいけん”をもとめるものだ。「クリード 過去かこ逆襲ぎゃくしゅう」(5がつ26にち公開こうかい)は、まさにそんなねがいをかなえてくれる稀有けういちさくである。

これはもはや“人生じんせい”だ。なみだのファイナル・ラウンド。親友しんゆうとの死闘しとう。クリードの衝撃しょうげきてき過去かこ。そして……。

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いまさくはシリーズ最大さいだいのヒットを記録きろくし、辛口からくち批評ひひょうサイト「Rotten Tomatoes」では96%支持しじちょうこう評価ひょうかけるなど、ぜん世界せかいのファンに前代未聞ぜんだいみもんきゅう熱狂ねっきょうをぶちまけている。さらにはシリーズさんさくの“最後さいごにしてさい重要じゅうようさく”と位置いちづけられている内容ないようであり、「ロッキー」「クリード」のだいファンはもちろん、「全作ぜんさくているわけじゃない」というひとにも絶対ぜったいてもらいたい“傑作けっさく”でもある。

ということでほん特集とくしゅうではどころをわかりやすく解説かいせつしつつ、実際じっさい鑑賞かんしょうした編集へんしゅう部員ぶいんによる“白熱はくねつのレビュー”をおとどけする。いまこそたましい連打れんだび、映画えいがかんえつきろ――。


予告編よこくへん】「ロッキー」サーガ最大さいだい死闘しとう開幕かいまく

【シリーズさい重要じゅうようさくである6つの理由りゆう最大さいだいきゅうのラスト
バトル、全米ぜんべい特大とくだいヒット…もう“間違まちがいない一本いっぽん

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まずはいまさくどころを。シリーズさい重要じゅうようさくいたが、その理由りゆうとなる“6つのげきアツ”をご紹介しょうかいしていこう。


げきアツ①:物語ものがたり
クリード、ついに引退いんたい→“親友しんゆう”との死闘しとういどむ…なにがあったのか?
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世界せかいチャンピオンの防衛ぼうえいつづけ、華々はなばなしく引退いんたいしたクリード(マイケル・B・ジョーダン)。バラ色ばらいろ引退いんたい生活せいかつ謳歌おうかしていたある、ムショがりのおさななじみ・デイム(ジョナサン・メジャース)があらわれる。じつは、クリードには家族かぞく同然どうぜんおさななじみを宿敵しゅくてきえた、だれにもえない過去かこがあったのだ。

やがて運命うんめいみちびかれ、2人ふたりはリングで死闘しとうひろげることになる。なが激闘げきとう日々ひび満身まんしん創痍そういのクリードは、危険きけんかえりみずデイムにうが、それでもたたかわなればならない理由りゆうとは? 2人ふたりあいだなにがあったのか? なみだなぐいがはじまる――。


げきアツ②:だいヒット
全米ぜんべいで“サーガ”最大さいだい興行こうぎょう収入しゅうにゅう記録きろく圧倒的あっとうてきだか評価ひょうか
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全米ぜんべい公開こうかいされるや規格きかくがいのロケットスタートをり、公開こうかい3しゅうにして世界せかい累計るいけい2おく2420まんドル(3がつ20日はつか時点じてん)を突破とっぱ。これは前作ぜんさく「クリード ほのお宿敵しゅくてき」のぜんきょうおさむ(2おく1400まんドル)をえる数字すうじだ。また、全米ぜんべいだけの比較ひかくでも「ロッキー」「クリード」サーガすべての作品さくひんえるだいヒット記録きろく更新こうしんした。

さらにべい批評ひひょうサイト「Rotten Tomatoes」では観客かんきゃくスコア96%を記録きろく(4がつ10にち現在げんざい)。圧倒的あっとうてきこう評価ひょうかかい進撃しんげきゆえ、“間違まちがいない一本いっぽん”とえそうだ。


げきアツ③:監督かんとく主演しゅえん
マイケル・B・ジョーダン、完全かんぜん覚醒かくせいした“スター”がえる!
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主演しゅえんまえさくつづいてちょう人気にんき俳優はいゆうマイケル・B・ジョーダン。いまさくではなんと監督かんとくつとめ、長編ちょうへん映画えいが監督かんとくはつ挑戦ちょうせんしている。

一方いっぽうで、一作いつさく「クリード チャンプをおとこ」の監督かんとくだったライアン・クーグラー(「ブラックパンサー」など)は製作せいさく原案げんあんとして参加さんか。さらにサーガを代表だいひょうするロッキーやく、シルベスター・スタローンも製作せいさくとしてジョーダン監督かんとくをサポートし、いまさくには出演しゅつえんしない。

功労こうろうしゃたちがひょうたない作品さくひんだが、それだけに「クリード」が“「ロッキー」のスピンオフ”というからやぶり、完全かんぜんひとちしたともえる。まさに覚醒かくせいときむかえたジョーダン監督かんとくのビジョンと演出えんしゅつは、どれほどのちからめているだろうか? 期待きたいしてよう。


げきアツ④:映像えいぞう
“スポーツ映画えいが史上しじょうはつ”IMAX®で撮影さつえい! 劇場げきじょう熱気ねっきただようリングに
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映画えいがかんるべき最大さいだい理由りゆうがここだ。いまさくのファイトシーンはIMAXカメラで撮影さつえいされており、劇場げきじょう熱気ねっきバキバキのリングへと早変はやがわりするのだ。また、スポーツ映画えいががIMAXカメラで撮影さつえいされるのは史上しじょうはつとのこと。

マイケル・B・ジョーダンが「ファイト、アクション、すべてにおいてだいスクリーンで体験たいけんするにふさわしい。すべてのひと映画えいがかんたときに“そのにいたようだ”とおもってしい」と自信じしんちたコメントをせるように、臨場りんじょうかん抜群ばつぐん映画えいが体験たいけんになるだろう。予告編よこくへんにもその一端いったんおさめられているので、ぜひチェックを!


げきアツ⑤:対決たいけつ
マーベル「ブラックパンサー」「アントマン」の“2だいカリスマ”が激突げきとつ
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キャストもまたアツい。とく主演しゅえんのマイケル・B・ジョーダンは「ブラックパンサー」のキルモンガーやくいまさく宿敵しゅくてきやくのジョナサン・メジャースは「アントマン&ワスプ クアントマニア」のカーンやくられており、つまりマーベル映画えいがの“2だいカリスマ”が死闘しとうえんじることに興奮こうふんきんじえない。

また、クリードのつまビアンカやくのテッサ・トンプソンは「マイティ・ソー バトルロイヤル」、ほか共演きょうえんのウッド・ハリスが「アントマン」、フロリアン・ムンテアヌが「シャン・チー テン・リングスの伝説でんせつ」にも出演しゅつえん。「ロッキー」ファンでなくとも、かれらのアンサンブルにつよ興味きょうみがわいてくるだろう。


げきアツ⑥:神話しんわの“ファイナル・ラウンド”にしてさい出発しゅっぱつ クリードの人生じんせい見届みとどけよう――
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こうしていまさく事実じじつ整理せいりしていくと、ながらくあいされる“サーガ(伝説でんせつ)”の集大成しゅうたいせいともいえることがよくわかる。“なみだのファイナル・ラウンド”と銘打めいうたれてもいるため、これまでよりもなんじゅうばいもアツい映画えいが体験たいけんとなることは確実かくじつだ。

一方いっぽうで、「クリード」はさらなるひろがりも構想こうそうされている。“クリードの人生じんせい”は、我々われわれ人生じんせいおなじようにまだまだつづくのだ。その行方ゆくえを、しかと見届みとどけてほしい。


期待きたいおさえきれず】実際じっさいてきた たましい連打れんだ
完全かんぜん燃焼ねんしょうする116分間ふんかん 興奮こうふん感動かんどう感謝かんしゃ呼吸こきゅう困難こんなん

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さて、ここまでは“まえ期待きたいすること”を中心ちゅうしん記述きじゅつしてきた。では実際じっさい鑑賞かんしょうすると、どうだったのか? 映画えいが.com編集へんしゅうのレビューを、もちろんネタバレなしでつづっていこう。

結論けつろんからえば、いまさくは“絶対ぜったいるべきいちさく”だった。

筆者ひっしゃプロフィール:「クリード」ぜんさく鑑賞かんしょうみで、“ボクシング映画えいがはずれなし”としんきざんでいる男性だんせい記者きしゃ


目撃もくげき①:これはただの映画えいがではない。人生じんせいだ。
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もっと強烈きょうれつ印象いんしょうのこったのは、ただ映画えいがるのではなく、本当ほんとうにクリードの人生じんせいっているかのようにかんじられたことだ。序盤じょばんからその感覚かんかくがすさまじく、まさに映画えいが以上いじょう体験たいけんあじわうことができた。

家族かぞくごすクリードの幸福こうふくぼくにもよくわかるし、一方いっぽう不義理ふぎりをしたむかし親友しんゆうとのまずい再会さいかいおぼえがある。遠方えんぽう独居どっきょする年老としおいたはは同居どうきょをすすめるシーンもあり、ぼくはまだ経験けいけんしていないが、いずれはけてとおれぬ出来事できごとなだけに、登場とうじょう人物じんぶつたちはどうするのだろうとあせにぎった。

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自分じぶん人生じんせいとリンクするシーンのなんとおおいことか。ディテールやリアリティへのこだわりが、物語ものがたり現実げんじつのものにかんじさせ、なん変哲へんてつもない日常にちじょういちコマを、しんふかさるめい場面ばめんへとえていく。とくまえさくわかのクリードが成長せいちょうする姿すがたていたことで、なおさら“かれ人生じんせいとともにある”ようにおもえた。

そしてこのことが、映画えいが後半こうはんにとんでもない威力いりょくとなってぼくおそうこととなった。クリードとあなたの人生じんせい交差こうさしたとき経験けいけんしたことのない感動かんどうられるだろう。


目撃もくげき②:主役しゅやく俳優はいゆう演技えんぎりょくがすごすぎ クリードの葛藤かっとう、デイムの苦悩くのう感情かんじょうすうじゅうばい増幅ぞうふくする
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派手はでさとアツさだけではなく、俳優はいゆうじん卓抜たくばつした演技えんぎ素晴すばらしい。とく主役しゅやく2にんにスポットをてたい。ただの芝居しばいではない“りてきている”クラスの熱演ねつえんにノックアウトされるからだ。

まずはデイムやくのジョナサン・メジャース。出所しゅっしょ直後ちょくごのデイムが、クリードとともにアメリカンダイナーで食事しょくじするシーンがすさまじい。デイムは「敵意てきいはない」としめすためか、それともセレブになってしまった親友しんゆうへの気後きおくれか、卑屈ひくつっぽい笑顔えがおかべながらめしをう……全編ぜんぺんにわたり、トップ・オブ・トップの一流いちりゅう俳優はいゆうにしかできない、筆舌ひつぜつくしがたい表情ひょうじょうをみせてくれた。

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たいするクリードやくのマイケル・B・ジョーダン。自分じぶんのせいで運命うんめいわってしまったものまえにいるのに、自分じぶんだけがしあわせになっていのか? あれだけ屈強くっきょうなクリードがよわさをみせ、ムクムクと罪悪ざいあくかん贖罪しょくざい意識いしきそだっていく様子ようすかんぺきな精度せいど体現たいげんしてみせている。

こうした名演めいえんのつるべちに、スクリーンから片時かたときはなせない。演技えんぎつうじて、映画えいが情動じょうどうなんばいにもふくれあがっていくのだ。

やがてはじまる死闘しとう……ネタバレになるため、具体ぐたいてきなにがどうなってたたかうことになるのかはかせないが、以下いかからったメッセージや、その感動かんどう一部いちぶ以下いかからおつたえしていこう。いまさく鑑賞かんしょうおおきなモチベーションになるはずだ。


目撃もくげき③:メッセージの衝撃しょうげきてき感動かんどう全身ぜんしんつらぬく 過去かこからはげられない、しかし人間にんげん進歩しんぽする
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いまさくのメッセージはさまざまあるが、印象深いんしょうぶかいのは「わる過去かこからはげることができない」だ。

げても、わすれても、過去かこかならいつき、しんじられないほどつよちからかせる……ではどうすればよいのか? いまさく登場とうじょう人物じんぶつたちは、その背中せなかで、わたしたち観客かんきゃくこたえをしめしてくれる。その過程かていがとことん涙腺るいせん刺激しげきするのだ。

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またもうひとつ、「人間にんげん進歩しんぽしていく」ということ。ロッキーは少年しょうねん青年せいねん息子むすこ良好りょうこう関係かんけいきずけなかった。そのことが「ロッキー」シリーズのみならず「クリード」シリーズにまで波及はきゅうしていた。しかしいまさくのクリードはボクシングをつうじ、むすめとのきずなふかめていく。まえ世代せだい失敗しっぱいを、つぎ世代せだいがクリアしていくことのメタファーであり、人間にんげん進歩しんぽしていくのだといまさくつたえてくれるのだ。

しかし同時どうじに、物語ものがたりはある局面きょくめんから「ひとあやまちをかえす」とも示唆しさする。相反あいはんするテーマを同居どうきょさせつつも、矛盾むじゅん破綻はたんかげ一切いっさいせず、テーマの相反あいはん推進すいしんりょく力強ちからづよすすんでいく。脚本きゃくほん演出えんしゅつがゾッとするほどたくみい、としたかざるをなかった……。

このようにテーマやメッセージは、ぼくからだつよとっうごかすほどちからにあふれ、意識いしき劇的げきてきなさざなみをてた。登場とうじょう人物じんぶつ心情しんじょう見事みごと表現ひょうげんする俳優はいゆうじん演技えんぎ調和ちょうわし、ああ、このサーガがきだな、ぼくはそんなことをおもいながらスクリーンをつめていた。


目撃もくげき④:IMAXの迫力はくりょく次元じげん 映像えいぞうちからで「クリード」は飛躍ひやくてき進化しんかげた
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これでレビューも最終さいしゅうラウンドだ。やはり映像えいぞう迫力はくりょくかたらなければならない。IMAXでのファイトシーンが、これまでの作品さくひんとはまったくことなるてんであり、シリーズファンもぜひ期待きたいしてかんくとよいし、ファンでなくてもこれには衝撃しょうげきをくらうだろう。

げきちゅうにはおおくのファイトがおさめられている。こう精細せいさい映像えいぞう見張みはるが、たとえばリングのそこからたたか2人ふたりあおるようなアングルなど、カメラワークもあいまって臨場りんじょうかん半端はんぱではないのだ。

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そして、バトル演出えんしゅつかみがかっている。クリードが対戦たいせん相手あいておもたいパンチをかわす模様もようが、スローモーションでうつされる。クリードの視線しせんが、ガラきになった相手あいて脇腹わきばらそそがれている。通常つうじょう速度そくど映像えいぞうわり、矢継やつばやされたパンチをふたたびかわす。再度さいどスローになる。さきほどつめていた脇腹わきばらめがけ、クリードが渾身こんしんのカウンターをはなつ――まさにヘビーきゅうチャンプのている世界せかい体感たいかんできるような映像えいぞうである。

マイケル・B・ジョーダンは「あせつぶ衝撃しょうげきはだなみ足音あしおと、パンチ、音楽おんがく、すべてを確認かくにんできる。だから作品さくひん世界せかい完全かんぜん没入ぼつにゅうするだろう」とっていた。かれ言葉ことばうそいつわりではまったくなかったのだ。

上記じょうき以外いがいにも「斬新ざんしんだ」とおどろくようなファイトシーンが非常ひじょうおおまれている。4Dでもないのにリングのねつや、まとわりつく空気くうきたたかいのにおいまでかんじられるほどで、興奮こうふんゆえ呼吸こきゅう困難こんなん寸前すんぜんになることも――この映像えいぞう体験たいけんしにいくだけでも、鑑賞かんしょう料金りょうきんぶん価値かちおおいにある。


結論けつろんなんたい、なんだってブチがりたい
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以上いじょうほん記事きじ終了しゅうりょうだ。シリーズ最大さいだいきゅう感動かんどう興奮こうふんをしかとらった様子ようすは、すこしでもつたわっただろうか。

ほかにも特訓とっくんシーンの小気味こきみよさや、「自分じぶんのせいではないのに、ゆめあきらめなければならないつらさ」といったテーマなど、かたりたいことはそれこそやまのようにある。いまさくいち鑑賞かんしょうでとどまらず、さんかえたくなる魅力みりょくにあふれているので、なん劇場げきじょうあしはこびたいともおもった。

この「クリード 過去かこ逆襲ぎゃくしゅう」は、やはり“ファイナル・ラウンド”にしてシリーズさい重要じゅうようさく感動かんどう興奮こうふんを、いちはや映画えいがかん目撃もくげきしてほしい。

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