長崎追想 父・井上ひさしへの旅
劇場公開日:2023年1月2日
解説
昭和の文豪・井上ひさしの娘で劇団「こまつ座」代表の井上麻矢が、生前に父が構想した作品「母と暮らせば」に関連する長崎の地をたどる旅路を記録したドキュメンタリー。
井上ひさしは自身の戯曲「父と暮せば」の対となる作品として、被爆死した若者と母との交流を描いた「母と暮せば」を構想したが、実現することなく死去。その後、娘である麻矢の企画により山田洋次監督のメガホンで映画化が実現。さらに、麻矢が代表を務める劇団「こまつ座」で舞台にもなったが、長崎での公演は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止になってしまう。そこで麻矢は、映画「母と暮せば」の思い出の地をたどる旅に出る。そして、その中で今も残る戦争の悲劇や、知られざる長崎の真実に触れる。
監督は「祈り 幻に長崎を想う刻(とき)」「天心」などを手がけた松村克弥。
2022年製作/110分/日本
配給:Kムーブ、サクラプロジェクト
劇場公開日:2023年1月2日
スタッフ・キャスト
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2023年6月9日
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鑑賞方法:映画館
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長崎にも痛々しい原爆の傷跡が残っているが、自分はまだ訪ねたことがない。原爆マリア、時が止まった時計、美しい長崎の街並みと凶暴な戦争の傷痕がきれいにきちんと映像としておさまっている。
井上ひさし戯曲作品の、父と暮せば の、初演なのか、富田靖子が演じるお芝居の一部をこの映画で見れたのは良かった。
時計、マリア像、などに、父と暮せば、に父子の会話でのみ登場する研究者が広島で集め保管している被爆したモノたちをなんとなく想起した。そういう間接的な井上ひさし像を提示してもらった方が長崎という主題に迫れたと思うのだが。
監督さん井上ひさしと娘のマヤさんの関係性には個人的には興味がないのでその部分に盛り込まれるやや過剰さがもう少し抑えられ、長崎追想にもっと力が注がれたらなお良かったかもしれない。ナレーション美輪明宏はわずかなパートでありそれもあれっ?!という感じで、残念。