【完全かんぜんリスト】西島にししま秀俊ひでとし、NYタイムズが選えらぶ2021年ねん最高さいこうの俳優はいゆうに選出せんしゅつ「控ひかえめでメランコリックな存在そんざい感かん」

写真しゃしん／間庭まにわ裕ひろし基もと

世界せかいの映画えいが賞しょうで快かい進撃しんげきを続つづけている濱口はまぐち竜介りゅうすけ監督かんとく作さく「ドライブ・マイ・カー」に主演しゅえんした西島にししま秀俊ひでとしが、デンゼル・ワシントン、ホアキン・フェニックスらと並ならび米べいニューヨーク・タイムズ紙しが選えらぶ2021年ねん最高さいこうの俳優はいゆうに選出せんしゅつされた。

その年としの最高さいこうの俳優はいゆうを選出せんしゅつする「Great Performers／The Best Actors」は、同紙どうしが毎年まいとし行おこなう恒例こうれい企画きかくで、今年ことし選出せんしゅつされたのは14人にん。アジアからは唯一ゆいいつ、西島にししまが選えらばれた。日本人にっぽんじんではこれまで、04年ねんに栗山くりやま千明ちあき（「キル・ビル」）、06年ねんに渡辺わたなべ謙けん（「硫黄いおう島とうからの手紙てがみ」）と菊地きくち凛りん子こ（「バベル」）が選出せんしゅつされているが、日本にっぽん映画えいがへの出演しゅつえんで選出せんしゅつされたのは西島にししまが初はつとなる。

「ドライブ・マイ・カー」は、村上むらかみ春樹はるきの同名どうめい短編たんぺんを映画えいが化かしたもの。妻つまを亡なくした舞台ぶたい俳優はいゆうであり演出えんしゅつ家かの家いえ福ぶく（西島にししま）が、チェーホフの戯曲ぎきょく「ワーニャ叔父おじさん」を演出えんしゅつすることになり、愛車あいしゃのサーブで東京とうきょうから演劇えんげき祭さいのある広島ひろしまへ向むかう。そこで出会であった寡黙かもくな専属せんぞくドライバーのみさき（三浦みうら透子とうこ）と過すごすなかで、家いえ福ぶくはそれまで目めを背そむけていたことに気きづかされていくという物語ものがたりだ。

カンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいで脚本きゃくほん賞しょうなど4冠かんを獲得かくとくし、先日せんじつ発表はっぴょうされた第だい31回かいゴッサム賞しょうでは最優秀さいゆうしゅう国際こくさい映画えいが賞しょう、第だい87回かいニューヨーク映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょうでは作品さくひん賞しょうを受賞じゅしょう。第だい94回かい米まいアカデミー賞しょう国際こくさい長編ちょうへん映画えいが賞しょう部門ぶもんの日本にっぽん代表だいひょう作品さくひんに決定けっていしている。

米べいニューヨーク・タイムズ紙しが選えらぶ2021年ねん最高さいこうの俳優はいゆう14人にんと選出せんしゅつ理由りゆうは下記かきの通とおり（順不同じゅんふどう）。

■クリステン・スチュワート「スペンサー」

スチュワートは、ダイアナ妃ひの人生じんせいを変かえたクリスマス休暇きゅうかに焦点しょうてんを当あてた「スペンサー」で、チャールズ皇太子こうたいしとの離婚りこんを決意けついするダイアナ妃ひ役やくを演えんじた。

同紙どうしは、スチュワートとダイアナ妃ひは、現代げんだい文化ぶんかにおいて「多おおくの有名人ゆうめいじんと同様どうように、二に次元じげん的てきであると同時どうじに、自分じぶんのイメージに溺おぼれて果はてしなくミステリアスな存在そんざいである」といい、「名声めいせいとその不幸ふこうを、身みをもって知しるスチュワートのような人物じんぶつだけが、ダイアナ妃ひの謎なぞに迫せまることができるのかもしれない」「（スチュワートは）その恐おそれるべき才能さいのうを完全かんぜんかつ大胆だいたんに発揮はっきしている」と評ひょうしている。

■ウィル・スミス「ドリームプラン」

スミスは、世界せかい最強さいきょうのテニスプレイヤーと称しょうされるビーナス＆セリーナ・ウィリアムズ姉妹しまいを育そだてあげたテニス未み経験けいけんの父親ちちおやリチャードの実話じつわを基もとに描えがいた「ドリームプラン」での演技えんぎが評価ひょうかされた。

同紙どうしは、「彼かれはリチャード・ウィリアムズになりきっているわけではない。彼かれは、ウィル・スミスとしてのエッセンス、つまり彼かれの魅力みりょく、意欲いよく、知性ちせい、狡猾こうかつさを用もちいて、リチャード・ウィリアムズになることがどのような感かんじなのかを私わたしたちに伝つたえている」と述のべている。

■ルース・ネッガ「PASSING 白しろい黒人こくじん」

ネッガは、1920年ねんを舞台ぶたいに、高校こうこう時代じだいの友人ゆうじん2人にんの予期よきせぬ再会さいかいがもたらす危機ききを描えがいた「PASSING 白しろい黒人こくじん」で、主人公しゅじんこうのひとりで白人はくじんのふりをして生いきるクレア・ケンドリー役やくを演えんじた。

「PASSING 白しろい黒人こくじん」は、ネラ・ラーセンの1929年ねんの小説しょうせつ「白しろい黒人こくじん」を、俳優はいゆうのレベッカ・ホールの長編ちょうへん初はつメガホンで映画えいが化か。モノクロで製作せいさくされた本ほん作さくでは、ネッガ演えんじるクレアが黒人こくじんなのか白人はくじんなのかが謎なぞに包つつまれたまま物語ものがたりが進行しんこうする。その答こたえは複雑ふくざつで、クレアは白人はくじんと黒人こくじんの境界きょうかい線せんを行いき来きする。

同紙どうしは、「ネッガは、この終おわりなき自己じこ革新かくしんを危険きけんな種類しゅるいの自由じゆうとして演えんじており、華はなやかで一見いっけん恐おそれを知しらないクレアが、このゲームが実際じっさいにはどれほど危険きけんなものかを知しっていることをほのめかしている」と、難役なんやくをこなしたと解説かいせつしている。

■ギャビー・ホフマン「C'mon C'mon（原題げんだい）」

ホフマンは、ホアキン・フェニックス主演しゅえんのヒューマンドラマ「C'mon C'mon（原題げんだい）」での演技えんぎが、評価ひょうかされた。

ラジオジャーナリストのジョニー（フェニックス）は、姉あねヴィヴ（ホフマン）から息子むすこの世話せわを頼たのまれ、元気げんきいっぱいの甥おいっ子こにロサンゼルスでの生活せいかつを教おしえようと、一緒いっしょに国くに中ちゅうを旅たびすることを決きめる。

同紙どうしは、「映画えいがのなかでもっとも稀まれなことのひとつは、知識ちしき人じんを信頼しんらいできる形かたちで描えがくことだ」といい、教師きょうしであり、作家さっかであり、学者がくしゃでもあるヴィヴ役やくのホフマンの演技えんぎは、「彼女かのじょの授業じゅぎょうを受うけたり、彼女かのじょの論文ろんぶんを読よんだりしたくなるような説得せっとく力りょくを持もっている」と評ひょうした。

■西島にししま秀俊ひでとし「ドライブ・マイ・カー」

西島にししまは、「ドライブ・マイ・カー」で、妻つまを亡なくし、背せを向むけてきた現実げんじつに向むき合あうことになる舞台ぶたい俳優はいゆうで演出えんしゅつ家かの家いえ福ぶく悠ゆう介かい役やくを演えんじて評価ひょうかを得えた。

同紙どうしは、西島にししまの演技えんぎについて「村上むらかみ春樹はるきの原作げんさくを濱口はまぐち竜介りゅうすけが映画えいが化かしたこの作品さくひんは、悠ゆう介かいと彼かれの置おかれた状況じょうきょうについての私わたしたちの思おもい込こみを静しずかに解とき、スピリチュアルな理解りかいのようなものに到達とうたつする。西島にししま秀俊ひでとしはその力ちからの鍵かぎを握にぎっており、彼かれの控ひかえめでメランコリックな存在そんざい感かんは、鋭するどいウィットと痛烈つうれつで批判ひはん的てきな知性ちせいを隠かくし持もっている」と説明せつめいしている。

■デンゼル・ワシントン「マクベス」

ワシントンは、ジョエル・コーエンが監督かんとく、脚本きゃくほんを務つとめた「マクベス」でタイトルロールを演えんじた。スコットランドの武将ぶしょうマクベスが、魔女まじょたちの予言よげんに野心やしんを掻かき立たてられて主君しゅくんを暗殺あんさつし王位おういに就つくが、重圧じゅうあつに耐たえきれず錯乱さくらんして次々つぎつぎと罪つみを重かさねていくさまを描えがき出だす。

同紙どうしは、ワシントンとシェイクスピアという組くみ合あわせを、「明あきらかに偉大いだいなレシピ」と断言だんげん。「ワシントンの『マクベス』へのアプローチには明白めいはくなものはない。忠実ちゅうじつな軍人ぐんじんであり夫おっとでもあるマクベスは、最初さいしょは倦怠けんたい感かんという感情かんじょうを持もっているように見みえるが、そこから殺人さつじん狂きょうに至いたるまでの過程かていは、悲劇ひげき的てきな感情かんじょうの力作りきさく」と絶賛ぜっさんしている。

■ホアキン・フェニックス「C'mon C'mon（原題げんだい）」

フェニックスは、突然とつぜん甥おいっ子この世話せわをすることになったラジオジャーナリストのジョニー役やくを演えんじたヒューマンドラマ「C'mon C'mon（原題げんだい）」での演技えんぎに注目ちゅうもくが集あつまった。

同紙どうしは、「『ジョーカー』で米べいアカデミー主演しゅえん男優だんゆう賞しょうを受賞じゅしょうしたフェニックスは、過激かげきな変身へんしん劇げきで知しられているが、彼かれの真しんの才能さいのうは常つねに繊細せんさいさにある」「本ほん作さくで彼かれはまたしても肉体にくたい的てきに変化へんかしている。彼かれのつぶやきのような言葉ことば遣づかいと肩かたの落おち具合ぐあいから、彼かれがジョニーであると信しんじることができる。本ほん作さくでの彼かれは、彼かれが演えんじている悲かなしくて優やさしい男おとこ以外いがいの人間にんげんには到底とうてい見みえない」とそのカメレオン俳優はいゆうぶりを評価ひょうかした。

■テッサ・トンプソン「PASSING 白しろい黒人こくじん」

トンプソンは、「PASSING 白しろい黒人こくじん」で、1920年ねんを舞台ぶたいに白人はくじんのふりをして生いきるかつての友人ゆうじんクレアと再会さいかいするアイリーン・レッドフィールド役やくを演えんじた。

「PASSING 白しろい黒人こくじん」は、ネラ・ラーセンの1929年ねんの小説しょうせつ「白しろい黒人こくじん」を、俳優はいゆうのレベッカ・ホールの初はつメガホンで映画えいが化か。同紙どうしは本ほん作さくでのアイリーンの役割やくわりを、「クレアがこの映画えいがのパズルだとしたら、アイリーンはそのパズルを解とき明あかそうとする人物じんぶつ。クレアが大胆だいたんで衝動しょうどう的てきなのに対たいし、アイリーンは礼儀れいぎ正ただしく慎重しんちょうであり、友人ゆうじんの前まえでは謎なぞの倦怠けんたい感かんに悩なやまされる」と解説かいせつ。

トンプソンの演技えんぎを、「おとなしいアイリーンの動揺どうようを声こえ、目め、息いきに染しみ込こませ、それらの感情かんじょうが一体いったいとなって表現ひょうげんされない感情かんじょうの嵐あらしとなる様子ようすを描えがいた」と評ひょうした。

■ボー・バーナム「ボー・バーナムの明あけても暮くれても巣すごもり」

「ボー・バーナムの明あけても暮くれても巣すごもり」は、YouTuber出身しゅっしんという異色いしょくの経歴けいれきを持もつ人気にんきコメディアンで、「エイス・グレード　世界せかいでいちばんクールな私わたしへ」で長編ちょうへん映画えいが監督かんとくデビューを果はたしたバーナムが、コロナ禍かで巣すごもり生活せいかつを送おくりながら自みずから出演しゅつえん、撮影さつえいをしたNetflixのスペシャル番組ばんぐみ。

本ほん作さくは、隔離かくりされたバーナムの自宅じたくで撮影さつえいされ、バーナムは自分じぶん自身じしんを演えんじている。30歳さいを目前もくぜんにして、次つぎに何なにをすべきかを探さぐっている、頭脳ずのう明晰めいせきでクリエイティブな男おとこだ。バーナムは、劇げき中ちゅうで面白おもしろ可笑おかしい歌うたを歌うたい、体からだと魂たましいをさらけ出だし、いまの状況じょうきょうの悲惨ひさんさを考察こうさつしている。

同紙どうしは、「バーナムは自分じぶん自身じしんを演えんじるだけでなく、インターネット全体ぜんたい、つまり私わたしたちひとりひとりの頭あたまのなかに存在そんざいする声こえ、気分きぶん、ジョーク、面白おもしろみのない性格せいかくの不協和音ふきょうわおんを演えんじている。すべてが、少すこしばかりリアルすぎるのだ」と、現実げんじつ世界せかいの真しんに迫せまる構成こうせいを評価ひょうかした。

■ジョゼフィーヌ＆ガブリエル・サンズ「Petite maman（原題げんだい）」

双子ふたごのジョゼフィーヌ＆ガブリエル・サンズは、森もりで出会であったふたりの少女しょうじょの魅惑みわく的てきな友情ゆうじょうを描えがいた心理しんりドラマ「Petite maman（原題げんだい）」に出演しゅつえんした。

祖母そぼを亡なくしたばかりのネリー（ジョゼフィーヌ）は、母親ははおやの子こども時代じだいの家いえを片付かたづけるのを手伝てつだいつつ、家いえのなかや周囲しゅういの森もりを探検たんけんする。そんなある日ひ、ネリーはツリーハウスを作つくっている同おない年どしの女おんなの子こマリオン（ガブリエル）に出会であう。

同紙どうしは、「本ほん作さくの設定せっていはあまりにも奇妙きみょうで繊細せんさいなため、説明せつめいするとネタバレになってしまう」と前置まえおきし、「この双子ふたごの姉妹しまいはお互たがいに完璧かんぺきに自然体しぜんたいで、遊あそび心ごころのあるあたたかい姉妹しまいの絆きずなを、心しんを揺ゆさぶるものに変かえている」と選出せんしゅつ理由りゆうを明あかしている。

■ベネディクト・カンバーバッチ「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

カンバーバッチは、トーマス・サベージの小説しょうせつが原作げんさくの心理しんりスリラー「パワー・オブ・ザ・ドッグ」で、不穏ふおんな行動こうどうをとる主人公しゅじんこうフィル・バーバンク役やくを演えんじた。

本ほん作さくの舞台ぶたいは、1920年代ねんだいの米べいモンタナ。牧場ぼくじょうを共同きょうどう経営けいえいするフィルとジョージは、性格せいかくが正せい反対はんたいの兄弟きょうだい。弟おとうとジョージがシングルマザーのローズと結婚けっこんしたのが気きにくわないフィルは、ローズに対たいしていじめとも言いえる行動こうどうを取とり続つづける。そのつらさに耐たえられず、ローズは酒さけに溺おぼれるように。あるときからフィルがなぜかローズの息子むすこピーターの面倒めんどうを進すすんで見みるようになると、彼かれの真意しんいはどこにあるのかと、ローズの不安ふあんはますます強つよまる。

同紙どうしは、「カンバーバッチは、聡明そうめいで頭脳ずのう明晰めいせきな男性だんせいを演えんじることを得意とくいとしてきた」「フィルも、ある意味いみではこの仲間なかまに属ぞくしている。イェール大学だいがくを卒業そつぎょうし、博識はくしきで音楽おんがくの才能さいのうもあり、頭あたまの回転かいてんが速はやく、残酷ざんこくな皮肉ひにくを言いう才能さいのうもある。しかし、彼かれが世間せけんに示しめしている人物じんぶつ像ぞうは、西部せいぶのかろうじて文化ぶんか的てきな男おとこであり、荒々あらあらしく、意地悪いじわるで、ストイックな男おとこらしさの代名詞だいめいしのような人物じんぶつだ。果はたして彼かれは何者なにものなのか？　怪物かいぶつか、それとも殉教者じゅんきょうしゃなのか？　本ほん作さくはその答こたえを導みちびき出だすのに時間じかんをかけ、カンバーバッチはフィルがいなくなった後のちでさえもその謎なぞを残のこしている」と、謎なぞめいた複雑ふくざつな男おとこを体現たいげんした演技えんぎ力りょくを評価ひょうかした。

■カティア・パスカリウ「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ」

パスカリウは、セックステープ流出りゅうしゅつ騒動そうどうを描えがいた風刺ふうしコメディ「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ」で、個人こじん的てきなセックステープがインターネット上じょうに流出りゅうしゅつし、キャリアが脅おびやかされる女性じょせい教師きょうしのエミリア役やくを演えんじた。本ほん作さくは、第だい71回かいベルリン国際こくさい映画えいが祭さいで金かね熊ぐま賞しょうを獲得かくとくしている。

本ほん作さくは、コロナ禍かでの撮影さつえい環境かんきょうを反映はんえいして、俳優はいゆうはマスク姿すがたで登場とうじょうする。その理由りゆうについてメガホンをとったラドゥ・ジュード監督かんとくは、「セックスの滑稽こっけいな面めんを示しめしつつ、リアリティを追求ついきゅうした。マスクも俳優はいゆうたちの安全あんぜん性せいを守まもると同時どうじに、現在げんざいをそのまま反映はんえいさせようと思おもったため」と説明せつめいしている。

同紙どうしは、「この映画えいがは、ルーマニアの舞台ぶたい俳優はいゆうであるカティア・パスカリウが顔かおの半分はんぶんが見みえない状態じょうたいで観客かんきゃくの注目ちゅうもくを集あつめられるか否ひかにかかっている。インターネット上じょうのセックススキャンダルに巻まき込こまれた教師きょうしを演えんじるパスカリウは、嫌いやなこと、不安ふあんなこと、議論ぎろんの多おおいこの時代じだいのヒーロー的てきな女性じょせいになっている」と評ひょうした。

■オナー・スウィントン・バーン「The Souvenir: Part II（原題げんだい）」

スウィントン・バーンは、ジョアンナ・ホッグ監督かんとくが若わかき芸術げいじゅつ家かの初恋はつこいと自己じこ発見はっけんを描えがいた自伝じでん的てき作品さくひん「スーヴェニア　私わたしたちが愛あいした時間じかん」（2019）の続編ぞくへん「The Souvenir: Part II（原題げんだい）」に前作ぜんさくと同おなじくジュリー役やくで主演しゅえんした。

「スーヴェニア　私わたしたちが愛あいした時間じかん」は、1980年代ねんだい初頭しょとう、映画えいが学校がっこうに通かよう温室おんしつ育そだちの学生がくせいジュリーが、外務省がいむしょうに勤つとめるという教養きょうよう豊ゆたかだが怪あやしげな年上としうえの男性だんせいアンソニーと出会であい親密しんみつな関係かんけいになるなかで、自分じぶんが撮とりたい世界せかいを見出みいだしていくさまを描えがいた。

同紙どうしは、スウィントン・バーンが実母じつぼでジュリーの上品じょうひんな母親ははおや役やくを演えんじたティルダ・スウィントンと共演きょうえんしていることに触ふれ、「『スーヴェニア』は2部ぶ構成こうせいの物語ものがたりで、スウィントン・バーンは自分じぶんの力ちからに対たいする自信じしんを、劇げき中ちゅうのジュリーの成長せいちょうとともに高たかめていくようだ。ということは、もちろん、彼女かのじょの自信じしんは最初さいしょからそこにあったということだ」と俳優はいゆうとしての資質ししつを評価ひょうかしている。