オスカー史上しじょう最もっとも物議ぶつぎを醸かもした受賞じゅしょう結果けっか　米べいバラエティが選出せんしゅつ

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毎年まいとし様々さまざまな理由りゆうから批評ひひょう家かや映画えいがファンの間あいだで激はげしい論争ろんそうを巻まき起おこす米こめアカデミー賞しょうの受賞じゅしょう結果けっか。第だい95回かいアカデミー賞しょう授賞じゅしょう式しきを目前もくぜんに控ひかえ、米べいバラエティが同どう賞しょうの長ながい歴史れきしのなかでも特とくに物議ぶつぎをかもした受賞じゅしょう結果けっかを選出せんしゅつした。比較的ひかくてき最近さいきんのものから50年ねんも遡さかのぼるものまで、巷ちまたを騒さわがせた“番狂ばんくるわせ”な受賞じゅしょう結果けっかをその経緯けいいとともにいくつかご紹介しょうかいしよう。

▽ウィル・スミスがビンタ事件じけんの直後ちょくごに主演しゅえん男優だんゆう賞しょうを受賞じゅしょう

昨年さくねんのアカデミー賞しょう授賞じゅしょう式しきで何なによりも大おおきな話題わだいをさらったビンタ事件じけん。プレゼンターとして登壇とうだんしていたクリス・ロックが妻つまジェイダの髪型かみがたをジョークのネタにしたことに激昂げっこうしたスミスが、ステージに駆かけ上あがりロックに平手打ひらてうちを見舞みまわせるという衝撃しょうげきの行動こうどうに及およんだ直後ちょくご、「ドリームプラン」で主演しゅえん男優だんゆう賞しょうを受賞じゅしょう。その際さいには、スタンディングオベーションからブーイングまで、会場かいじょうにいた出席しゅっせき者しゃからの反応はんのうは真まっ二ぷたつに割われた。その後ご、スミスは公式こうしきに謝罪しゃざいし、同どう賞しょうを主催しゅさいする米べい映画えいが芸術げいじゅつ科学かがくアカデミー（AMPAS）を自みずから脱退だったいしたが、今後こんご10年間ねんかんアカデミー関連かんれんのイベントに出入でいり禁止きんしとなった。

▽「クラッシュ（2005）」が「ブロークバック・マウンテン」を抑おさえ作品さくひん賞しょうに

2人ふたりのカウボーイの20年ねんにわたる愛あいの行方ゆくえを繊細せんさいに描えがいたアン・リー監督かんとくによる珠玉しゅぎょくのラブストーリー「ブロークバック・マウンテン」は、ベネチア国際こくさい映画えいが祭さいで金きむ獅子しし賞しょう、ゴールデングローブ賞しょうで最優秀さいゆうしゅう作品さくひん賞しょう（ドラマ）に輝かがやくなど、第だい78回かいアカデミー賞しょう作品さくひん賞しょうの大だい本命ほんめいとみられていた。だが、授賞じゅしょう式しきが近ちかづくにつれ、AMPASの理事りじや会員かいいんによる同性愛どうせいあい差別さべつ発言はつげんが次々つぎつぎと浮上ふじょう。結果けっか、ポール・ハギス監督かんとくの群像ぐんぞう劇げき「クラッシュ」が作品さくひん賞しょうを受賞じゅしょうしたものの、一部いちぶの批評ひひょう家かたちは今いまなお「最もっとも納得なっとくの行いかない受賞じゅしょう作さく」との呼よび声ごえも。

▽「ROME ローマ」が「グリーンブック」にまさかの敗北はいぼく

前述ぜんじゅつの「クラッシュ」の「最もっとも納得なっとくの行いかない受賞じゅしょう作さく」という不名誉ふめいよなタイトルを奪うばったのが、第だい91回かいアカデミー賞しょうで作品さくひん賞しょうに輝かがやいたピーター・ファレリー監督かんとくの「グリーンブック」だ。作品さくひん賞しょうを含ふくむ同どう年度ねんど最多さいたタイの10部門ぶもんにノミネートされていたアルフォンソ・キュアロン監督かんとくの「ROMA ローマ」がまさかの敗北はいぼくを喫きっしたのは、Netflix映画えいがに作品さくひん賞しょうを授与じゅよしたくないという古風こふうなアカデミー会員かいいんらによる密ひそやかな抵抗ていこうの表あらわれだった。

▽「ボヘミアン・ラプソディ」が編集へんしゅう賞しょうを受賞じゅしょう

世界中せかいじゅうで社会しゃかい現象げんしょうを巻まき起おこした大だいヒット作さく「ボヘミアン・ラプソディ」だが、第だい91回かいアカデミー賞しょうでラミ・マレックの主演しゅえん男優だんゆう賞しょうを含ふくむ4部門ぶもんに輝かがやいたのち、同どう作さくの編集へんしゅうがいかにお粗末そまつなものかを解説かいせつした動画どうがが視聴しちょう回数かいすう300万まん回かいを超こえたのをきっかけに批判ひはんが高たかまり、編集へんしゅう賞しょうを受賞じゅしょうしたジョン・オットマン本人ほんにんさえ「見みるたびに、穴あながあったら入はいりたいという気持きもちになる」と認みとめる結果けっかに。

▽「恋こいにおちたシェイクスピア」が「プライベート・ライアン」に勝利しょうり

オスカー史上しじょう最もっとも物議ぶつぎをかもした世紀せいきの番狂ばんくるわせは、やはり第だい71回かいアカデミー賞しょうにおける作品さくひん賞しょうだろう。本命ほんめい中ちゅうの本命ほんめいだったスティーブン・スピルバーグ監督かんとくの壮大そうだいな戦争せんそうドラマ「プライベート・ライアン」から作品さくひん賞しょうを奪うばったのは、今いまでは犯罪はんざい者しゃとして服役ふくえき中ちゅうの当時とうじの大物おおものプロデューサー、ハーベイ・ワインスタインによる金かねに物ものを言いわせた宣伝せんでんキャンペーンの成果せいかだった。

▽ロマン・ポランスキーが監督かんとく賞しょうを受賞じゅしょう

第だい75回かいアカデミー賞しょうでは、1977年ねんに未成年みせいねんの少女しょうじょに性的せいてき暴行ぼうこうを加くわえたとして有罪ゆうざい判決はんけつが下くだったためフランスに逃亡とうぼう中ちゅうだったポランスキー監督かんとくが、「戦場せんじょうのピアニスト」で監督かんとく賞しょうを受賞じゅしょうするも、米国べいこくに入国にゅうこくできないため授賞じゅしょう式しきを欠席けっせきするという前代未聞ぜんだいみもんの事態じたいに。ポランスキー監督かんとくにはその後ご、#MeTooや#Times Upなどの反はんセクハラ運動うんどうが高たかまったことを受うけ、アカデミーから除名じょめい処分しょぶんを下くだされている。

▽「ライフ・オブ・パイ　トラと漂流ひょうりゅうした227日にち」が撮影さつえい賞しょうを受賞じゅしょう

貨物かもつ船せんの遭難そうなんにより1匹ひきのトラと救命きゅうめいボートで漂流ひょうりゅうすることになった少年しょうねんの運命うんめいを壮大そうだいなスケールで描えがいた同どう作さくは、臨場りんじょう感かんと透明とうめい感かんあふれる幻想げんそう的てきな映像えいぞう美びで人々ひとびとを魅了みりょうした。撮影さつえいを手てがけたクラウディオ・ミランダは、第だい85回かいアカデミー賞しょうで見事みごと撮影さつえい賞しょうを受賞じゅしょうしたものの、大だい部分ぶぶんが実写じっしゃではなくVFXによるものだったことから論争ろんそうが勃発ぼっぱつ。フィルムメーカーと批評ひひょう家かたちの間あいだで、実際じっさいの撮影さつえいと視覚しかく効果こうかとの線引せんひきをめぐり激はげしい議論ぎろんが交かわされる結果けっかとなった。

▽マーロン・ブランドが主演しゅえん男優だんゆう賞しょうを辞退じたい

名優めいゆうマーロン・ブランドが「ゴッドファーザー」で主演しゅえん男優だんゆう賞しょうを受賞じゅしょうしたのは、ちょうど50年ねん前まえにあたる第だい45回かいアカデミー賞しょうだ。だが、ブランドは賞しょうを辞退じたいしただけでなく、アパッチ族ぞくの女優じょゆう兼けん活動かつどう家かを代理だいりとして送おくり込こみ、映画えいが業界ぎょうかいにおける先住民せんじゅうみん差別さべつへの抗議こうぎを綴つづった“受賞じゅしょうスピーチ”を読よませるという奇行きこうに出でて、会場かいじょうを騒然そうぜんとさせたのだった。