食道しょくどうがん（扁平へんぺい上皮じょうひがん）ステージ4闘病とうびょう中ちゅうのプロレスラーで東京とうきょう・文京ぶんきょう区く議会ぎかい議員ぎいんの西村にしむら修おさむが16日にち、がんが脳のうに転移てんいしたことを明あかした。5日にちに都内とないの病院びょういんで突然とつぜんけいれんを起おこして失神しっしん。ICU（集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつ）に搬送はんそうされた。抗こうがん剤ざい治療ちりょうは中断ちゅうだんとなり、まずは脳腫瘍のうしゅようを治療ちりょうするため、18日にちから放射線ほうしゃせん治療ちりょうをスタートさせる。

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　4月がつに食道しょくどうがんステージ4と診断しんだんされ、順調じゅんちょうに治療ちりょうを続つづけていた西村にしむらが、予期よきせぬ異変いへんに襲おそわれた。

　抗こうがん剤ざい治療ちりょう第だい5クールの初日しょにち。病室びょうしつで昼食ちゅうしょくを取とり、午後ごご3時じごろ、ラウンジでパスタを食たべた直後ちょくごだった。けいれんを起おこして意識いしきを失うしない、ばったりと床ゆかに倒たおれた。倒たおれたときのことは、「全まったく覚おぼえていない」。ベッドの上うえで一いち度どは目覚めざめたものの、再ふたたび失神しっしんした。ICUに搬送はんそうされ、頭部とうぶのMRI検査けんさを受うけると、がんが脳のうに転移てんいしていることが分わかった。

　ICUでは3日にちを過すごした。その後ご、ナースステーションに隣接りんせつする個室こしつに移動いどうし、さらに3日にち。病院びょういんによる“監視かんし状態じょうたい”が続つづいた。

「医者いしゃからは『病院びょういんでよかった』と何なん回かいも言いわれました。これが車くるまの中なかだったらやばかったですからね」

　脳腫瘍のうしゅようの大おおきさは3センチ未満みまんで、18日にちから1回かい15分ふん×5日間にちかんの放射線ほうしゃせん治療ちりょうを受うける。

「3センチ以上いじょうなら開ひらけ頭あたま手術しゅじゅつだからうんと軽かるく済すんだ」と言いうものの、がんの怖こわさを実感じっかんした形かたちだ。実じつは第だい5クール前まえにはCT検査けんさで、左上ひだりうえ半身はんしんに広ひろがっていたがんが「7割わり消滅しょうめつ」したことを確認かくにんしており、喜よろこんでいた矢先やさきのアクシデントだった。

「目めが覚さめなかったら死しんでいますから。かなり考かんがえさせられましたね。今回こんかいは本当ほんとうやばかった」と本音ほんねを漏もらした。

　9日間にちかんに及およぶ入院にゅういんで体力たいりょくは激減げきげんした。「体力たいりょくが下したの下したの下したまで落おちましたよね。メシをほとんど食くってない8泊はく。いかに口くちから食たべ物ものを入いれることが大事だいじか」。これまでは入院にゅういん中ちゅうもダンベルを持もち込こみ、スクワットなどの運動うんどうをこなしていたが、絶対ぜったい安静あんせいでは身動みうごきが取とれない。体重たいじゅうは100キロから94キロまで急降下きゅうこうかした。

　8月がつ24日にちには、5か月げつぶりの復帰ふっき戦せんが控ひかえる。「テリー・ファンク1周忌しゅうき追悼ついとう・大仁田おおにた厚あつデビュー50周年しゅうねん記念きねん大会たいかい『川崎かわさき伝説でんせつ2024』」（神奈川かながわ・富士通ふじつうスタジアム川崎かわさき）で、83歳さいになる師しドリー・ファンク・ジュニアと組くみ、大仁田おおにたと電流でんりゅう爆破ばくはマッチで激突げきとつする。

「間違まちがいなくこれはドリーさんのファイナルになりますよね。それがまさかの電流でんりゅう爆破ばくは。ドリーさんが出でるというなら私わたしが守まもるしかない。何なにがプロレスなのか分わからなくなってしまっている世よの中なかで、これこそがプロレス。そういうものが見みせられるんじゃないかなって思おもいはあります。それを見みせられれば成功せいこうですよね」

　手術しゅじゅつ困難こんなんながん、脳のう転移てんい、電流でんりゅう爆破ばくは……。ドクターストップがかからないほうがおかしい、無謀むぼうな挑戦ちょうせんだ。

　しかし、西村にしむらは「ボロボロになるときはボロボロになったほうがいい。そこから這はい上あがりますよ」とキッパリ。

　命いのちをかけてリングを目指めざしていく。