音楽家おんがくか、モデル、タレントのMatt（29）が、今夏こんかに全国ぜんこくで上演じょうえんされるライブエンターテインメント『blast ブラスト！』のスペシャルサポーターを務つとめる。『blast ブラスト！』はブラスバンド、マーチングバンド、ドラム・コーをショーアップし、ミュージシャンの演奏えんそうとダンスで魅みせる音楽おんがくエンターテインメント。幼おさない頃ころから音楽おんがくに親したしんできたMattが、パフォーマンスへのこだわりや、ミュージシャンへの道みちを開ひらいてくれた人ひととの縁えんを振ふり返かえった。（取材しゅざい・文ぶん＝大宮おおみや高史たかし）

――音楽家おんがくかであるMattさんと『blast ブラスト！』との縁えんは。

「この作品さくひんでパーカッションを担当たんとうされる石川いしかわ直ただしさんです。僕ぼくは高校こうこうで吹奏楽すいそうがく部ぶに入はいっていて、1年生ねんせいの時ときに石川いしかわさんが演奏えんそう会かいのゲストに来きてくださり、一緒いっしょに演奏えんそうしてくださいました。石川いしかわさんはその頃ころから一流いちりゅうのドラマーで、『blast ブラスト！』や『Endless SHOCK』など有名ゆうめいな舞台ぶたいに出でていました。そんな方ほうと高校生こうこうせいの時ときに共演きょうえんできて、貴重きちょうな体験たいけんになったことを覚おぼえています。そして、再会さいかいできることをうれしく思おもいます」

――『blast ブラスト！』の見みどころはいかがですか。

「楽器がっきが主役しゅやくな上うえに、舞台ぶたいのセットが立体りったい的てきで臨場りんじょう感かんがより際立きわだちます。パフォーマンスも演奏えんそう者しゃ皆みなさんが一流いちりゅうな上うえに、それが舞台ぶたいの上うえで一挙手一投足いっきょしゅいっとうそくに全まったくブレがないんです。『リズムを合あわせるために、どれだけ練習れんしゅうを積つんだんだろう』と皆みなさんの陰かげでの努力どりょくを想像そうぞうすると、今いまの僕ぼくにはとても追おいつけないと思おもってしまいます。幕間まくあいや終演しゅうえん後ごもパフォーマーの演奏えんそうがあると聞きいているので、客席きゃくせきの僕ぼくたちも休きゅうむひまがなさそうです」

――Mattさんにとって、音楽おんがくを始はじめた原点げんてんは。

「一番いちばん古ふるい思おもい出では、父ちちが弾ひいていたピアノでしょうか。父ちちが肘ひじを手術しゅじゅつして、リハビリのためにピアノを始はじめたのが、僕ぼくが7歳さいの時ときでした。そして、その姿すがたを見みて僕ぼくもピアノを始はじめました。それからバイオリン、コントラバス、サックス……とずっと音楽おんがくを続つづけてきましたが、その頃ころからホームパーティーなどで演奏えんそうする機会きかいがあって。自然しぜんと人前ひとまえでのパフォーマンスにためらいがなくなりました。高校こうこうでも音楽おんがく三昧ざんまいの日々ひびを送おくることができました。もっとも、僕ぼくは楽譜がくふを読よむのが苦手にがてで、音符おんぷよりもコード進行しんこうに従したがった演奏えんそうする方ほうが好すきです。とはいえ、吹奏楽すいそうがく部ぶでは基本きほんに忠実ちゅうじつに楽譜がくふを読よむことが大切たいせつだったので、苦戦くせんもしました。今いまとなってはいい思おもい出でですが」

――父ちちの桑田くわた真澄ますみさんの姿すがたが、「音楽おんがくとの出会であい」になったと。

「父ちちは野球やきゅうが本業ほんぎょうでしたから、音楽おんがくに触ふれる時間じかんは限かぎられていました。それでも子こどもの頃ころは、多おおくのジャンルのコンサートに連つれて行いってくれたことが僕ぼくの音楽おんがくへの興味きょうみを伸のばしてくれたと思おもいます」

――そんな風ふうに音楽おんがくを楽たのしんできた中なかでの「最高さいこうの思おもい出で」とは。

「ケニー・Gさんというアメリカのサックス奏者そうしゃの演奏えんそう会かいに行いった時ときのことです。ケニーさんがサプライズで、客席きゃくせきから1人ひとりお客きゃくさんを舞台ぶたいに呼よんで演奏えんそうするシーンがありました。でも、その方ほうは演奏えんそうが終おわってからの状況じょうきょうをのみこめていなくて、次つぎの場面ばめんに移うつれないでいたところを、ケニーさんはサックスを吹ふきながら、曲きょくに乗のせてその人ひとを席せきまで連つれて行いきました。ケニーさんの即興そっきょうのエンターテイナーぶりと『音楽おんがくの力ちから』を実感じっかんできた出来事できごとでした」

――Mattさんは、Matt Roseとして音楽おんがく活動かつどうを続つづけ、アーティストとのコラボもしてきました。

「でも、ただ楽器がっきが弾はじけるだけでは今いまの自分じぶんはなかったと思おもいます。特とくに5年ねん前まえの秋あきに、ジェジュンさんがコンサートへのゲスト出演しゅつえんのオファーをいただいたことが大おおきなきっかけでした」

――得意とくいのピアノで、中島なかじまみゆきさんの『化粧けしょう』を披露ひろうした時ときのことですね。

「シークレットゲストとして呼よんでいただいた上うえに、僕ぼくのメイクに掛かけてなのか曲きょくに『化粧けしょう』を選えらんでいただいて（笑）。それまでちゃんとお話はなしをする機会きかいもなかったのに、音楽おんがく番組ばんぐみでの僕ぼくの演奏えんそうを見みてオファーをくれました。『Mattってピアノが弾はじけるんだ』と皆みなさんに覚おぼえてもらえる機会きかいになって、その年としの『NHK紅白こうはく歌合戦うたがっせん』では天童てんどうよしみさんの歌うたに合あわせて伴奏ばんそうしました。“アーティスト”としてあまりメディアにも出でていなかった僕ぼくに、好すきな音楽おんがくを仕事しごとにする大おおきなきっかけをくれたのがジェジュンさんです」

――その後ごに作曲さっきょくも始はじめて、ミュージシャンとしての活動かつどうも認知にんちされてきました。

「この春はるにもカリフォルニアに渡わたって、作曲さっきょくをしたり、世界せかい最大さいだい級きゅうの音楽おんがくフェス『コーチェラ』に初はじめて参戦さんせんできました。ただ、会場かいじょうがカリフォルニアの砂漠さばく地帯ちたいにあるので、砂すなぼこりがひどくて。皆みなさんはショールやサングラスで防備ぼうびしていたんですが、僕ぼくはほぼ無防備むぼうびで行おこなったので、折角せっかくのメイクが砂すなと風ふうでひどいことになっていました（笑）。最高さいこうのフェスでしたが、これが唯一ゆいいつの失敗談しっぱいだんですね」

――カリフォルニアでは、親したしくされている山本やまもと由ゆかり伸しん投手とうしゅがMLBのドジャースでプレーしています。

「山本やまもと由ゆかり伸しんくんとは彼かれがドジャースに移籍いせきする前まえから、ここ1年ねんほどで連絡れんらくを取とり合あう仲なかになりました。実じつは由ゆかり伸しんくんも大谷おおや（翔しょう平たいら）くんの活躍かつやくぶりも生なまで見みられました。ジャンルは違ちがっても、世界せかいレベルのパフォーマンスは目めが放はなせませんでした」

――最後さいごに今後こんごの音楽おんがく活動かつどうへの抱負ほうふを。

「美容びよう、タレント業ぎょう、音楽おんがく……どれも僕ぼくにとって大切たいせつですが、やはり音楽おんがくの比重ひじゅうを増ふやしていきたいです。今いままでは“タレント・Matt”が僕ぼくのパブリックイメージの9割わりくらいを占しめていたので、アーティストとしても覚おぼえてもらいたいです。それから、次つぎにコーチェラに参戦さんせんする時ときは、砂すな対策たいさくも万全ばんぜんにしていきます（笑）」

□Matt（マット）1994年ねん7月がつ18日にち、東京とうきょう都と生うまれ。桜美林大おうびりんだい芸術げいじゅつ文化ぶんか学がく群ぐん音楽おんがく専修せんしゅう卒そつ。1年ねん時じからブライダルモデルを始はじめ、卒業そつぎょう後ごの2017年ねんにTBS系けい『櫻井さくらい・有吉ありよしTHE夜会やかい』でテレビ初はつ出演しゅつえん。以降いこう、タレント活動かつどう。現在げんざいは、Matt Rose名義めいぎで音楽おんがくアーティストとしても活動かつどうしている。父ちちは投手とうしゅとして巨人きょじん、パイレーツでプレーした桑田くわた真澄ますみ氏し（現げん・巨人きょじん2軍ぐん監督かんとく）。182センチ。

【公演こうえん情報じょうほう】
『blast　ブラスト！』
東京とうきょう公演こうえん：7月がつ30日にち（火ひ）～8月がつ12日にち（月つき・休きゅう）
会場かいじょう：東急とうきゅうシアターオーブ
他た、7月がつ～9月がつ全国ぜんこく各地かくち21会場かいじょうで上演じょうえん
公式こうしきサイト：https://blast-tour.jp