【特別とくべつ企画きかく】

アーケードゲーム「空手からて道どう」が40周年しゅうねん！豪快ごうかいかつ多彩たさいな技わざが繰くり出だせる、名作めいさく空手からてアクションををプレイバック

鴫原しぎはら盛もり之の

2024年ねん6月がつ22日にち 00:00

【空手からて道どう】
1984年ねん6月がつ稼働かどう開始かいし

　データイーストが1984年ねん6月がつに発売はつばいしたアーケードゲーム「空手からて道どう」が、2024年ねん6月がつで稼働かどう40周年しゅうねんを迎むかえた。

　本ほん作さくは、左右さゆう2本ほんの4方向ほうこうレバーを使用しようし、空手からて家かを操作そうさしてCPUと1対たい1で戦たたかう格闘かくとうアクションゲーム。先さきに「一本いっぽん」を2回かい取とれば勝かちとなり、逆ぎゃくにCPUに2回かい先取せんしゅされるとゲームオーバーになる。CPUのレベルは、初段しょだん～十じゅう段だんと名人めいじんの計けい11段階だんかいに分わかれている。

　以下いか、本稿ほんこうでは後のちにも先さきにも珍めずらしい、空手からてを題材だいざいとした本ほん作さくの魅力みりょくを改あらためて振ふり返かえってみよう。

※写真しゃしんはNintendo Switch版ばんで撮影さつえい（以下いか同どう）

多彩たさいな突とっき、蹴けり技わざが繰くり出だせる楽たのしさは出色しゅっしょく

　本ほん作さくの最もっとも面白おもしろいところは、ボタンを一切いっさい使用しようせず、2本ほんのレバーだけで多彩たさいかつ豪快ごうかいな技わざを放はなつ、独特どくとくの操作そうさシステムにある。

　空手からて家かの移動いどうには左ひだりのレバーを、技わざを出だすときは右みぎのレバーを使用しようするが、レバー入力にゅうりょくの組くみ合あわせによって逆ぎゃく突とっき、飛とび横よこ蹴けり、足あし払はらい、後うしろ回まわし蹴けりなどの技わざが繰くり出だせる。技わざのモーションのカッコよさに加くわえ、技わざを出だすたびに「デヤーッ！」などと力ちからのこもったボイスが流ながれることで、自身じしんがまるで空手からて家かになったかのような気分きぶんになれる演出えんしゅつも実じつに快感かいかんだ。

　筆者ひっしゃが小学生しょうがくせいのときに、当時とうじのゲーム仲間なかまにすすめられたことがきっかけで本ほん作さくを遊あそび始はじめた。最初さいしょの頃ころは、ゲーム開始かいし直後ちょくごのチュートリアル（※道場どうじょうで数種類すうしゅるいの技わざを教おしえてくれる）で覚おぼえた3、4種類しゅるい程度ていどの技わざしか使つかえず、初段しょだんのCPUに何なん度ども負まかされた。だが、繰くり返かえし遊あそんでいるうちにすべての技わざの出だし方かたを覚おぼえ、CPUのクセがわかるようになるとどんどん勝かてるようになり、技わざが決きまったときの気持きもち良よさとも相あいまって、すっかり本ほん作さくの虜とりこになってしまった。

オープニングのシーンを経へて、まずは道場どうじょうで技わざの練習れんしゅうからスタートする

初戦しょせんは初段しょだんのCPUが相手あいて。2試合しあい勝かつと全国ぜんこく大会たいかいに進すすめる

最もっとも簡単かんたんな技わざの一種いっしゅ「前まえ蹴けり」が決きまったところ

二に段だん以降いこうは全国ぜんこく大会たいかいが舞台ぶたいとなる

「前方ぜんぽう宙返ちゅうがえり」でCPUの背後はいごに着地ちゃくちして……、

決きまり方かた次第しだいでは一本いっぽん、および高こう得点とくてんが取とれる大技おおわざ「飛とび後うしろ蹴けり」が炸裂さくれつ！

　初はつプレイから約やく40年ねんが経過けいかした今いまもなお、筆者ひっしゃの強烈きょうれつな印象いんしょうに残のこっているのが八はち段だん以降いこうのCPUの強つよさだ。八はち段だんのCPUは、それまでとは比較ひかくにならないほど動うごきが機敏きびんになり、こちらの技わざをことごく受うけ流ながしては、スキを突ついて一本いっぽん技わざをどんどん決きめてくる。筆者ひっしゃのゲーム仲間なかまの間あいだでは、八はち段だん以降いこうのCPUに勝かてるかどうかが本ほん作さくのゲームの腕うでを「うまい」と思おもってもらえるかどうかのバロメーターになっていたが、おそらくどのプレイヤーも八はち段だんが大おおきな「壁かべ」になっていたと思おもわれる。

　本稿ほんこうの執筆しっぴつのために本ほん作さくを久々ひさびさにプレイしたが、プレイヤー同士どうしでの対戦たいせんこそできない（※同年どうねんに登場とうじょうした、続編ぞくへんの「対戦たいせん空手からて道どう」は対戦たいせんが可能かのう）ものの、今いま遊あそんでも面白おもしろく、後ごの90年代ねんだいに大だいブームを巻まき起おこした数多すうたの対戦たいせん格闘かくとうゲームよりも、ずっと早はやい時期じきに登場とうじょうしていた事実じじつには改あらためて驚おどろかされた。

八はち段だん以降いこうのCPUはとにかく強つよい。ちょっとでもスキを見みせると、すかさず技わざを決きめられてしまう

最強さいきょうの敵てき、名人めいじん。機敏きびんな動うごきで、こちらの攻撃こうげきをことごとくかわす身みのこなしは必見ひっけん！

奇想天外きそうてんがいなボーナスゲームも必見ひっけん

　試合しあいに勝利しょうりすると、おそらく伝説でんせつの空手からて家か、大山おおやま倍ばい達たちのエピソードから着想ちゃくそうを得えたのであろう、演武えんぶと「牛殺うしころし」のボーナスゲームが遊あそべるのも本ほん作さくの面白おもしろいところだ。

　演武えんぶは、画面がめん右側みぎがわから飛とんでくる植木鉢うえきばちやビびール瓶るびんリンゴやビンなどを破壊はかいするものと、手刀てがたな一発いっぱつで瓦かわらや氷柱つららをを叩はたき割わる、いわゆる瓦かわら割わりの2種類しゅるいがある。それぞれ割わった数かずに応おうじて得点とくてんが加算かさんされ、後者こうしゃは10枚まいの瓦かわらを全部ぜんぶ割わると2000点てんのボーナスが獲得かくとくできる。途中とちゅうで失敗しっぱいしてもゲームオーバーにはならないので、前者ぜんしゃは技わざの練習れんしゅうにも利用りようできる。

　「牛殺うしころし」は、突進とっしんしてくる牛うしを倒たおせば3000点てんのボーナス得点とくてんが入はいるが、なぜかこの場面ばめんに限かぎり、舞台ぶたいが海岸かいがんに移動いどうする演出えんしゅつも実じつに（良よい意味いみで）おかしくて面白おもしろい。後のちに登場とうじょうした「ファイターズヒストリーダイナマイト」で、隠かくしボスしキャラとして本ほん作さくを元もとネタにした牛うしが登場とうじょうしたことも、とりわけカルトな作品さくひんが多おおい感かんのあるデータイーストのファンを自称じしょうする人ひとであれば、よくご存ぞんじのことだろう。

【鍛錬たんれんと本ほん作さくの名物めいぶつ「牛殺うしころし」】

最初さいしょのボーナスゲームは、画面がめん右側みぎがわから飛とんでくる物体ぶったいを割わる謎なぞの（？）鍛錬たんれん

瓦かわらや氷柱つららは1枚まい割わるごとに100点てん、全部ぜんぶ割わると2000点てんのボーナスが加算かさんされる

突進とっしんしてくる牛うしを退治たいじすると3000点てんのボーナスが入はいる

　現在げんざいでも本ほん作さくは、ハムスターのアーケードアーカイブス版ばんがNintendo Switchとプレイステーション4向むけに配信はいしんされているので気軽きがるに遊あそべる。たとえアーケードコントローラーを持もっていなくても、それぞれのコントローラーに搭載とうさいされたアナログスティック2本ほんを使用しようして、元祖がんそアーケード版ばんと同様どうようにプレイできるが実じつに嬉うれしい。