“初はじめての青あお鬼おに”に最適さいてき！ やり込こみ要素ようそも充実じゅうじつの「青あお鬼おに」Switch/Steam版ばんを先行せんこうプレイレポート

　ゲームスタジオとLiTMUSは、Nintendo Switch/Steam用よう謎なぞ解ときホラーアクションアドベンチャー「青あお鬼おに」を7月がつ26日にちに発売はつばいする。

　「青あお鬼おに」は2004年ねんに公開こうかいされ、ゲーム実況じっきょうやメディアミックスなどで爆発ばくはつ的てきな人気にんきを博はくしてきたホラーゲーム。新あらたにリリースされるソフトでは、これまでにないゲームモード「青あお鬼おに -藍あい編へん-」や“史上しじょう最高さいこう”と謳うたわれる倍速ばいそくモードなどが追加ついかされている。また、本ほん作さくの登場とうじょうによりSwitchでは初はじめて「青あお鬼おに」がプレイできる形かたちとなる。

　今回こんかいはそんな本ほん作さくをリリース前まえに先行せんこうプレイする機会きかいを得えられたので、「青あお鬼おに」シリーズに触ふれたことがない人ひとにも伝つたわるように、ゲームとしての魅力みりょくを詳くわしくレポートしていきたい。なお、今回こんかいはSteam版ばんをプレイしている。

「青あお鬼おに」シリーズって何なに？

　「青あお鬼おに」シリーズの原点げんてんは、noprops氏しが「RPGツクールXP」によって制作せいさくしたPC向むけのフリーソフトだ。廃墟はいきょとなった洋館ようかんに足あしを踏ふみ入いれた主人公しゅじんこうを操あやつり、青あおい色いろをした不気味ぶきみな見みた目めの怪物かいぶつ・青あお鬼おにから逃にげ回まわりながら生還せいかんを目指めざしていく……という内容ないようで、スリルあふれる青あお鬼おにとのチェイスと、さまざまなギミックを用もちいた謎なぞ解ときを楽たのしむことができる。

　そのゲーム性せいはいわゆる“ゲーム実況じっきょう”と相性あいしょう抜群ばつぐんで、「ニコニコ動画どうが」を中心ちゅうしんとして大おおきなムーブメントを呼よぶことに。最終さいしゅう兵器へいき俺おれ達たちのキヨさんが2012年ねん5月がつから投稿とうこうした「超ちょう高速こうそく青あお鬼おに」シリーズを始はじめとして、さまざまなゲーム実況じっきょう者しゃたちの動画どうがが人気にんきを博はくしてきた。

　リリースから10年ねん以上いじょうが経たった今いまでもホラーゲーム実況じっきょうの鉄板てっぱんタイトルとして知しられており、近年きんねんではゲーム実況じっきょう者しゃのみならず、バーチャルYouTuberの剣持けんもち刀がたな也さんやさくらみこさんなども本ほん作さくの実況じっきょう配信はいしんを行おこなっている。

　またオリジナル版ばんのほか、派生はせい作品さくひんも多数たすう制作せいさくされており、人間にんげん100人にんと青あお鬼おにがサバイバルを繰くり広ひろげるiOS/Android向むけオンラインアドベンチャー「青あお鬼おにオンライン」や、初はつの一人称いちにんしょう視点してんとなるSteam用よう3Dホラーアクション「最さい恐おそれ -青あお鬼おに-」などが話題わだいを呼よんだ。メディアミックスの展開てんかいも盛さかんで、ノベライズやコミカライズのほか、TVアニメや劇場げきじょうアニメ、実写じっしゃ映画えいがなども制作せいさくされている。

シリーズ初はつの一人称いちにんしょうホラー「最さい恐おそれ -青あお鬼おに-」

　なお第だい1作さく目めの「青あお鬼おに」はこれまでPCのフリーソフト版ばんやブラウザ版ばん、スマートフォン版ばんが存在そんざいしたが、今回こんかいはより手軽てがるに本ほん作さくを遊あそべるNintendo Switch版ばんが発売はつばいされる。またPC版ばんについても、フリーソフト版ばんと比くらべると格段かくだんに遊あそびやすい仕様しようとなっている印象いんしょうだ。

ホラーの神髄しんずいが詰つめ込こまれた「青あお鬼おに」

　「青あお鬼おに」の物語ものがたりは、主人公しゅじんこうのひろしが友人ゆうじんたちと共ともに町外まちはずれの洋館ようかんに足あしを踏ふみ入いれることから始はじまる。ひろしはオカルトの類るいを一切いっさい信しんじない勇気ゆうきある少年しょうねんなのだが、すぐさま友人ゆうじんとはぐれ、洋館ようかんに閉とじ込こめられた上うえ、正体しょうたい不明ふめいの怪物かいぶつ・青あお鬼おにに襲おそわれてしまう。

　新作しんさく「青あお鬼おに」ではこのお馴染なじみの展開てんかいが「メインストーリー」として実装じっそうされているのだが、内容ないよう的てきにはほとんどオリジナル版ばんから変かわっていない。基本きほん的てきな操作そうさ方法ほうほうについても同様どうようで、上下じょうげ左右さゆうの移動いどうのほか、オブジェクトを調しらべたり、メニューを開ひらいたりするだけのシンプルな操作そうさで楽たのしめる。

すべての始はじまりとなった不気味ぶきみな館かん

たけしに卓郎たくろう、美香みか……ファンにはお馴染なじみの登場とうじょう人物じんぶつたち

主人公しゅじんこうの名前なまえは「ひろし」以外いがいにも変更へんこう可能かのう

　あらためて「青あお鬼おに」の楽たのしみ方かたについて紹介しょうかいしておくと、“究極きゅうきょくの鬼おにごっこ＆かくれんぼ”とでも言いうべきゲーム性せいが醍醐味だいごみとなっている。主人公しゅじんこうが閉とじ込こめられる洋館ようかんの中なかには、至いたるところから青あお鬼おにが出現しゅつげんする。不気味ぶきみでグロテスクな見みた目めをしたその謎なぞの存在そんざいは、きわめて狂暴きょうぼうで、わずかにでも触ふれるとゲームオーバー。プレーヤーはその魔まの手てをかいくぐりながら、建物たてものを隅々すみずみまで探索たんさくし、謎なぞを解といていかなくてはならない。

　なにより恐おそろしいのは青あお鬼おにの挙動きょどうで、こちらを発見はっけんした瞬間しゅんかんに目めまぐるしいスピードで迫せまってくる姿すがたはトラウマもの。プレーヤー側がわは攻撃こうげきはもちろん、一切いっさい抵抗ていこうすることができないため、何なにかに隠かくれたり障害しょうがい物ぶつを使つかって回避かいひしたりする必要ひつようがある。

　しかも青あお鬼おには神出鬼没しんしゅつきぼつで、いつどこからどんな風ふうに襲おそい掛かかってくるかわからない。死しと隣となり合あわせの恐怖きょうふを味あじわいながら洋館ようかんを探索たんさくし、謎なぞを解といていくなかで、唯一ゆいいつ無二むにのスリルを味あじわえるだろう。

洋館ようかん内ないのギミックも不気味ぶきみなものばかり

　なお新作しんさく「青あお鬼おに」では「メインストーリー」のほかにも、より難易なんい度どが高たかくなる「倍速ばいそくモード」、新あらたに追加ついかされた新しんモード「青あお鬼おに -藍あい編へん-」が用意よういされており、メニュー画面がめんではクリア時じのスコアランキングも確認かくにんできる。

オリジナル版ばんと新作しんさく「青あお鬼おに」との違ちがいは？

　また新作しんさく「青あお鬼おに」は、フリーソフトのオリジナル版ばんと比くらべるとさまざまな箇所かしょがアップグレードされている。

　まずゲーム体験たいけんとして、“大おおきな画面がめんで鮮明せんめいな画像がぞうが表示ひょうじされる”のはとても魅力みりょく的てきだ。Nintendo SwitchならTV画面がめん、PC版ばんなら高こう解像度かいぞうどのフルスクリーン画面がめんでプレイできるので、オリジナル版ばんよりも一層いっそうゲームに没入ぼつにゅうしながら楽たのしめるはず。

　またグラフィックに関かんしては、洋館ようかんのギミックを調しらべたときにリアルな画像がぞうが表示ひょうじされるようになっており、高たかい臨場りんじょう感かんを味あじわえる。建物たてものに隠かくされた仕掛しかけやアイテムが見みやすくなっているのも特徴とくちょうで、必要ひつようなものを発見はっけんできず攻略こうりゃくに詰つまる……ということが起おこりにくいストレスフリーな作つくりだ。

　ホラーゲームで重要じゅうような演出えんしゅつ面めんのクオリティも進化しんかしており、たとえばクローゼットに隠かくれているときに青あお鬼おにに見みつかった際さいのカットインが、よりリアルで恐怖きょうふ心しんを煽あふられる映像えいぞうになっている。

　そのほかメニュー画面がめんで確認かくにんできるアイテムの説明せつめい文ぶんがより丁寧ていねいなものに変かわっているのも、地味じみにうれしいポイントだ。

　なお、ほとんど誤差ごさレベルではあるものの、主人公しゅじんこうが移動いどうする速度そくどと青あお鬼おにの移動いどう速度そくどは、オリジナル版ばんと比くらべてやや遅おそくなっている印象いんしょう。そのため体感たいかん的てきには、やや難易なんい度どが下さがっているように感かんじられる。

　ただし今いま作さくには倍速ばいそくモードが実装じっそうされており、2倍ばい速そくから15倍ばい速そくまでゲーム速度そくどを変更へんこうすることができる。速度そくどが速はやくなれば速はやくなるほど、ちょっとした判断はんだんの遅おくれや操作そうさミスがゲームオーバーにつながりやすくなるため、実質じっしつ的てきには難易なんい度どが高たかくなるのと同おなじこと。

　すでにゲームをクリアしたことがある人ひとにとっても、通常つうじょうのゲームプレイでは物足ものたりない人ひとにとっても、モチベーションが高たかまる機能きのうではないだろうか。ちなみに15倍ばい速そくというのは、「青あお鬼おに」史上しじょう最高さいこうとなる速度そくど設定せっていだという。

主人公しゅじんこうと共ともに青あお鬼おにの移動いどうスピードも上あがっていく

やり込こみが楽たのしい新しんモード「青あお鬼おに -藍あい編へん-」

　さらに本ほん作さくの目玉めだまとなるのが、完全かんぜん新作しんさくのモードとなる「青あお鬼おに -藍あい編へん-」だ。このモードでは見知みしらぬ館かんの一室いっしつで目めを覚さました藍あい（あい）という少女しょうじょが主人公しゅじんこうとなり、館かんからの脱出だっしゅつを目指めざしていくことになる。

　脱出だっしゅつの手掛てがかりは一切いっさいないため、手探てさぐりで館かんを調しらべる必要ひつようがあるのだが、当然とうぜんその道中どうちゅうには青あお鬼おにが次々つぎつぎと登場とうじょう。見慣みなれない建物たてものの中なかで突如とつじょ青あお鬼おにが出現しゅつげんしたときのスリルは満点まんてんで、生いき延のびるためには咄嗟とっさの機転きてんと判断はんだん力りょくが求もとめられる。

　しかもこのモードが面白おもしろいのは、挑戦ちょうせんするたびに館かんの構造こうぞうが変かわるということ。いくらマップを覚おぼえて青あお鬼おにからの逃走とうそうルートを考かんがえても、次つぎの挑戦ちょうせんではまたその経験けいけんがリセットされてしまう。何なん度どでも新鮮しんせんな恐怖きょうふを味あじわえる画期的かっきてきなモードだ。

　図書としょ室しつや礼拝れいはい堂どう、牢屋ろうやなど、お馴染なじみの部屋へやが色々いろいろと登場とうじょうするのだが、とくに心臓しんぞうがぎゅっと縮ちぢみ上あがるのは照明しょうめいのない真まっ暗くらな部屋へや。初はつ見みるではどこにドアがあるのかもわからないので、青あお鬼おにから逃にげている最中さいちゅうに暗闇くらやみに飛とび込こんでしまうと絶望ぜつぼう感かんに包つつまれる。

　「青あお鬼おに -藍あい編へん-」はマルチエンディング形式けいしきとなっており、エンディングシナリオは全部ぜんぶで3パターン用意よういされているとのこと。「何なにがエンディングの分岐ぶんき条件じょうけんとなっているのか」というところまで含ふくめて、館かんでの謎なぞ解ときを楽たのしんでみてほしい。

　本ほん作さくの魅力みりょくをまとめると、「青あお鬼おに」がより手軽てがるで快適かいてきにプレイできるようになっていることや、何なん度どでも遊あそべる新しんモードの追加ついかによってやり込こみ要素ようそが強つよくなっていることが印象いんしょう的てき。いわば「青あお鬼おに」の決定けってい版ばんと言いえるかもしれない。

　「タイトルは聞きいたことがあるけど遊あそんだことがない……」という人ひとにもピッタリな作つくりとなっているので、この機会きかいに伝説でんせつのホラーゲームに挑戦ちょうせんしてみてはいかがだろうか。