株式会社gumi<3903>代表取締役社長の川本です。それでは、当社第1四半期決算の説明をさせていただきます。本日は決算概要、そして業績回復の進捗を中心にご説明させていただきます。
まず初めに、2025年4月期における第1四半期の業績をご報告いたします。第1四半期においては、売上高は28億4800万円営業利益は6500万円、経常利益は2億6200万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億6700万円となりました。
売上に関しては、一部タイトルの売り上げが減少したことにより、QonQでは5億5100万円の減収となりましたが、運用コスト適正化等の取り組みが奏功し、5四半期ぶりに営業黒字に転換しました。経常利益に関しても、クルーズ社<2138>との協業案件である「エルゴスム」のFCTトークンや、gCC2号が保有するETHFIトークンの価格上昇に伴う営業外収益を計上したことにより、黒字で着地いたしました。
一方、親会社株主に帰属する四半期純利益については、6月7日に開示いたしました、希望退職に関連する費用等により、事業構造改革費用1億7200万円を計上したことに加え、先ほど申し上げた、gCC2号にて保有するトークンの未実現利益に対する繰延税金負債を計上したことなどに伴い、赤字にて着地しております。
続きまして、セグメント別業績についてご説明いたします。まずはモバイルオンラインゲーム事業になります。Q4においては、『アスタタ』の運用赤字や減価償却費の計上に加え、オリジナルタイトルの開発中止に伴う原価一括計上もあり、大きく営業赤字を計上いたしましたが、Q1におきましては、『アスタタ』を含む既存タイトルのコストコントロールを徹底した結果、営業黒字に転換いたしました。
なお、『アスタタ』につきましては、今月9月末をもってサービス終了することを決定しております。
続きまして、ブロックチェーン等事業になります。エンターテイメント領域では『ファンキルオルタナ』の売り上げは減少しておりますが、その他タイトルの開発コストが減少した影響もあり、黒字転換しております。アセットマネジメント領域においても、暗号資産市場の下落がありながらも、引き続き安定した利益を創出することができました。一方、投資その他においては、ファンド運営費用等の定常的なコストが発生しており、赤字となっておりますが、ブロックチェーン等事業全体としては大幅な増益となり、営業黒字を達成しております。
続きまして、ブロックチェーン等事業の利益に関する補足説明をさせていただきます。当社のブロックチェーン等事業において保有しているトークンの時価上昇による影響が、当社のPLにどのような影響を及ぼすのかの損益イメージです。
ブロックチェーン等事業を構成する全ての事業領域において、トークンの時価上昇は原則として、営業外損益として計上されることになりますが、OSHIトークンの受領は売上として計上しております。エンターテイメント領域におきましては、OSHIトークンが7月末に4.5円まで下落したため、評価損を計上しているものの、クルーズ社との協業案件である『エルゴスム』に付随し、当社が受領するFCTトークンの時価が大きく上昇し、評価益を計上したことで、経常利益の押し上げに大きく貢献いたしました。
アセットマネジメント領域におきましては、一部主要銘柄において評価損が発生したことから、Q1においては、営業外費用を計上いたしましたが、ポートフォリオの分散化と運用資産の拡大に努め、長期的な視点で運用を続けていきます。
投資領域におきましては、gCC1号ファンドの投資倍率は7.2倍と未だ順調に推移しており、gCC2号では保有しているETHFIトークンの価格上昇により持分法による投資利益を計上しております。Decimaファンドは優良案件への投資実行により、投資リターンの最大化を目指していきます。
続きまして、トピックスになります。まずは、SPST社との事業連携についてです。資本業務提携締結後から、SPST社とは密に連携を行っており、既に複数のプロジェクトが進捗しております。挑戦的な取り組みもあることから、これまで両社が培ってきた知見、経験を十分に生かすことで、新しい価値を生み出していく予定です。
続きまして、ブロックチェーンゲームである『ブレフロバーサス』に関して、Sui Foundationと共同で開発を行うことになりました。Suiは、デジタル資産の所有を迅速かつ安全に行い、そして誰もがアクセスできるようにするためにゼロから設計された、世界初のLayer1ブロックチェーンとスマートコントラクトのプラットフォームとなります。
当社は2023年6月にSuiのノードに参画し、これまでノード事業において関係構築を行ってきましたが、『ブレフロバーサス』のグローバル市場への本格展開に備えて、Suiから開発資金を一部拠出いただいた上で、共同開発を行っていくこととなりました。ゲーム領域と親和性の高いSuiのブロックチェーンを活用しつつ、両社が有するノウハウを掛け合わせることで、ユーザーの皆様に快適なブロックチェーンゲームを提供してまいります。
続きまして、クルーズ社との協業案件である『エルゴスム』についてです。事前登録者数は既に20万人を超え、10月11日に配信予定となっております。また、本作の配信に先立ち、当社はFCTトークンを6月より受領しており、Q1においては、当該トークンの時価上昇に伴い評価益を計上しております。当社は引き続き本トークンを継続して受領することから、継続的な収益を見込んでおります。
続きまして、gumi Cryptosの戦略的投資先であるdouble jump. tokyoがSBIグループを初めとした国内外の有力投資家より、総額15億円を超える資金調達を実施いたしました。また、当社がノード運営事業のバリデーターとして参画しているブロックチェーンの「Oasys」を運営するOasys社がSBIグループと戦略的業務提携を行っております。
当社は引き続き投資先を初めとして、関係各所の支援を行っていくことで、ひいては当社の企業価値を高めてまいります。
続きまして、モバイルオンラインゲーム事業における業績回復への進捗をご説明いたします。『アスタタ』に関しては、既にご説明差し上げた通り、Q4にて計上いたしました減損処理により、減価償却費が発生しないことに加え、運用費の最適化を実施した結果、大幅に赤字幅を縮小しております。また、この9月末をもって配信を停止する形となります。
その他の既存タイトルについても、コスト適正化を継続して行った結果、セグメント別黒字に大きく貢献する形となりました。新規タイトルの開発に関しては、IPタイトルである「ジョジョの奇妙な冒険」を含む複数の有力IPタイトルを鋭意開発しており、IPタイトルの開発費は原則として資産計上することから、PLへの影響は軽微となっております。
また、8月にはファンケルのIPを生かしたカジュアルゲームを低予算で配信いたしました。今後もコンソール領域やSteam等、新たな領域への対応も推進することで、更なる企業成長を図ってまいります。
続きまして、ブロックチェーン等事業における業績回復の進捗になります。ブロックチェーンゲーム領域におきましては、『ファンキルオルタナ』については、Q1の売り上げは想定を下回る形となりましたが、初のブロックチェーンゲームの運用により、社内に様々なノウハウが蓄積し始めております。
来年に配信予定の『ブレフロバーサス』にもこれらのナレッジを生かし、ユーザーの皆様に愛されるコンテンツを引き続き制作してまいります。
また、トピックスにおいてもご説明差し上げましたが、Suiと『ブレフロバーサス』を共同開発すること、『エルゴスム』のFCTトークンを受領開始するなど、順調に進捗した四半期となりました。
次にプラットフォーム領域に関してですが、OSHIトークンの価値が安定推移する中でOSHI3のアライアンスパートナーは順調に拡大し、現時点では14社まで拡大しております。引き続き各社との提携を強化することで、ユーザーの関心を高め、エコシステム全体の成長を促進していき、ひいてはOSHIトークンの価値を向上させ、収益を拡大させてまいります。
次に、アセットマネジメント領域については、運用元本の拡大を図ってまいりました。暗号資産マーケットが非常にボラタイルな中、有力なチェーンを見極め、ステーキング報酬と時価上昇に伴う収益をバランスよくポートフォリオ運営を行ってまいりました。引き続き、これまでの運用知見を生かしたポートフォリオの運営を行ってまいります。
次に、投資領域については、既存ファンドにおいては、gCC2号ファンドにて保有しているETHFIトークンの価格が上昇し、持分法による投資利益を計上するなど、有望な投資先にアプローチができております。引き続き計画的な投資回収を進め、収益を確保してまいります。
また、Decimaファンドについても、これまで20件の投資案件が進捗しておりますが、今後も市場調査とリスク評価を徹底し、優良な投資案件への投資を行っていくことで、安定したリターンを追求していきます。
続きまして、プラットフォームプロジェクトOSHI3について詳細をご説明いたします。当社はSBIグループとの強固な事業連携のもと、推し活構想であるOSHI3を展開しております。このプロジェクトは、従来のリアルな推し活をデジタル領域へと拡張し、ユーザーに新たな価値ある体験を提供することを目的としております。
その中で、OSHIトークンを基盤とした新たな経済圏を構築し、トークンの価値向上に向けたユーティリティの拡充および流動性の向上を目指し、包括的なアプローチを展開してまいります。これらを実現するために、当社として注力しているのは、
1.多様なコンテンツの提供
2.戦略的アライアンスの拡充
3.主要な大手暗号資産取引所への上場
4.イベントやDeFi施策の展開
という四つの柱となります。その具体的な取り組みに関し、ご説明いたします。
まず、多様なコンテンツの提供に関しては、OSHIトークンの利用価値を一層向上させるため、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを継続的に提供することに注力しております。既に好評いただいている『ファンキルオルタナ』に加え、次なる展開として、第2弾タイトル、『ブレフロバーサス』をSui Foundationとともに共同開発を進めております。さらに他社との協業を通じて、ゲームの分野にとどまらず、多様なコンテンツの提供も視野に入れ、順次投入していく計画です。
アライアンスの拡充としては、当社は推OSHIトークンのエコシステムをさらに拡大し、その可能性を引き出すために、凸版社やKDDI社といった国内外の有力企業との戦略的アライアンスを積極的に推進しております。
この取り組みにより、OSHIトークンの利用シーンを一段と広げ、市場での認知度向上を高めるとともに、その価値の増大を目指してまいります。これらの提携関係は、OSHIトークンの新たな活用機会を創出し、デジタル資産の革新を加速させる重要な要素になると考えております。当社はこのような戦略的な協業を通じて、OSHIトークンの市場地位を強化し、持続的な成長を支える基盤を構築してまいります。
主要な暗号資産取引所への上場に関しては、取引量の増大を図るとともに、ユーザーに対するアクセスの利便性を向上させることを企図しております。さらに上場のタイミングに合わせて大規模なマーケティング戦略を展開し、トークンの認知度を一層強化するための多彩なキャンペーンを実施してまいります。これによりユーザーに対してOSHIトークンのユニークな価値提案をより広く訴求し、取引量の増大を着実に進めてまいります。
これらの施策を通じて、8月末時点では45億円の時価総額となっておりますが、今期末にはOSHIトークンの時価総額を100億円に到達させることを目標としております。
イベント・DeFi施策等としては、認知度向上やユーザビリティの向上を目指したものとなります。新たにWeb3において、キラーコンテンツを創出すべく、グローバル規模で開催された半年間にわたる開発金支援プログラム「Wave Hack Global」におけるアイデアソンにOSHI3が参画いたしました。OSHI3のアイデアソンには17個のアイディアが応募されましたが、そのうち上位の2チームはWebXと連携したデモデーにてピッチを披露しております。今後も様々な施策を通じ、Web3産業の発展に寄与しつつ、OSHI3のブランド向上に向け取り組んでまいります。
また、OSHIトークンの流動性および価値の更なる向上を目的として、 DEXにおける流動性提供を8月14日に開始いたしました。ペアトークンとして、MCHCトークンを選定しており、これらにより、推しトークの利便性を向上させていきます。
また、OSHI Membership制度も導入いたしました。これはOSHIトークンを一定数量保有することで、OSHI3関連サービスや協賛企業から様々な特典が付与されたりすることで、ユーザーがOSHIトークンを保有し続けるメリットを生むものであります。以上のような施策を通じて、OSHIトークンの認知度向上やユーザビリティの向上を目指してまいります。
続いて、アセットマネジメント領域の施策に関してご説明いたします。当社は2018年の市場黎明期から培ってきた投資の目利き力を最大限に活用し、さらなる運用資産の拡大を図ってまいります。今後は、将来的に価値向上が見込まれる有望なチェーンを慎重に見極め、バリデーターとして参画することで、ステーキング報酬と暗号資産の時価上昇による利益を最適なバランスでポートフォリオに組み入れていく方針です。
現在、暗号資産市場の下落に伴い、当社の運用資産は大幅に縮小しておりますが、中長期目線での運用資産の拡大を考えております。今後もマーケットは成長を続けると見込んでおり、この市場の成長に合わせて、当社の収益力も飛躍的に向上させる計画です。
加えて、本事業においては、SBIグループとの強固な事業連携を基盤に、自社資本のみならず他社資本を組み込んだ新たな金融サービスの提供を検討しております。これにより、事業の規模をさらに拡大し、多様な投資機会を提供することで、より高い収益を実現してまいります。
次に投資領域に関してのご説明となります。当社では現在、総額200億円を超える規模で3つのファンドを運営しております。その中で2018年に組成されたgCC1号ファンドは、現在回収段階に入っております。1号ファンドに関しては、当社への帰属分は約55億円となっており、今後も継続的に投資回収を進めてまいります。
一方、gCC2号ファンドにつきましては、現在積極的に投資活動を展開しております。これまでに50件の投資を実行しており、ファンドの消化率は約48.5%に達しております。当社はこの投資活動を通じて、新たな成長機会を創出し、さらなる収益基盤の強化を図ってまいります。
さらに、Decimaファンドが45億円の資金調達を完了し、既に20件の投資案件を進めてまいりました。
これまでのファンド運用戦略を大きく拡張し、これまで未開拓であった国内のブロックチェーン、Web3、上場トークンといった新興領域への投資を実行してまいります。これにより、従来の投資分野を一層深めるとともに、新たな市場への進出を可能とし、より多様化されたポートフォリオの構築を通じて、リスクの最適化と収益機会の最大化を目指してまいります。
当社は今後も変化する市場環境に迅速かつ的確に対応し、更なる価値創造を追求してまいります。
なお、決算説明資料においては、本件ご説明以外にも、各事業のパイプライン業績の推移、そして既存タイトルの状況を記載しておりますが、こちらに関しては説明を割愛させていただきますのでご確認をいただければと思います。以上、駆け足ではございましたが、2025年4月期第1四半期決算並びに業績回復の進捗についてご説明をいたしました。
こちらで説明を終わらせていただきます。ご視聴いただき誠にありがとうございました。