“デートカー”として人気にんきを博はくした「ホンダ・プレリュード」を解説かいせつ･･･懐なつかしの名車めいしゃをプレイバック

一世いっせいを風靡ふうび（ふうび）したあのクルマ、日本にっぽん車しゃの歴史れきしを切きり開ひらいていったあのエポックメイキングなクルマを令れい和わのいま振ふり返かえってみれば、そこには懐なつかしさだけではない何なにか新あたらしい発見はっけんがあるかもしれない。バブル期きに“デートカー”なる言葉ことばを生うみ出だしたとされるパーソナルクーペ「ホンダ・プレリュード」の歴代れきだいモデルを紹介しょうかいする。

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目指めざしたのは大人おとなのパーソナルクーペ　初代しょだい ホンダ･プレリュード
新風しんぷうはバブルの訪おとずれとともに　2代目だいめ ホンダ・プレリュード
きらびやかで甘あまく切せつない空気くうき感かん　3代目だいめホンダ･プレリュード
デートカーからの脱却だっきゃく 4代目だいめホンダ・プレリュード
デートカーブームの終焉しゅうえん 5代目だいめホンダ･プレリュード

1978年ねんに登場とうじょうしたスペシャルティーカー「プレリュード」は、「シビック」「アコード」に続つづく第だい3のモデルであると同時どうじに、同年どうねんにスタートしたホンダの新しん販売はんばい店てんチャンネル「ベルノ」の専売せんばいモデルであった。発表はっぴょうにあたってホンダは「プレリュードは、前ぜん席せきを重視じゅうしした4人にん乗のりの室内しつない、国産こくさん車しゃで初はじめての電動でんどう式しきサンルーフを標準ひょうじゅん装備そうび（「Eタイプ」除のぞく）、見みやすく配慮はいりょした世界せかいでもまれな、集中しゅうちゅうターゲットメーターなど、数すう多おおくの新あたらしい技術ぎじゅつを採用さいよう。パーソナルライフを楽たのしむための2ドアフィックストクーペである。」と紹介しょうかいした。ボディーはロングノーズ・ショートデッキの3ボックスで、このスタイルは最終さいしゅう型がたとなった5代目だいめモデルにまで受うけ継つがれた。デビュー時じに搭載とうさいされたエンジンは1.8リッター直じき4のCVCC（複ふく合あい渦うず流りゅう調整ちょうせい燃焼ねんしょう方式ほうしき）で、最高さいこう出力しゅつりょく90PS（ホンダマチック車しゃは85PS）を発生はっせい。全車ぜんしゃFFで、ストラット方式ほうしきの4輪りん独立どくりつ懸架けんかサスペンションとワイドトレッド、前後ぜんご輪わのスタビライザー、軽かるい踏力で安定あんていして作動さどうするブレーキなどを採用さいようしたシャシーによる爽快そうかいな走行そうこうがうたわれていた。

2代目だいめ「ホンダ・プレリュード」は、“ホンダ独自どくじの新しん技術ぎじゅつを数多かずおおく導入どうにゅうしたFFスペシャルティーカー”として1982年ねん11月に発表はっぴょうされた。低ていボンネットやリトラクタブルヘッドライト、なめらかなボディー形状けいじょうなどで優すぐれた空そら力りょく特性とくせいを実現じつげんしたというエクステリアデザインは斬新ざんしんのひとことだった。インテリアは、低てい位置いちにレイアウトされたインストゥルメントパネルやホールド性せいを考慮こうりょしたフルバケットシートで独自どくじの世界せかい観かんを構築こうちく。小径しょうけいで太ふといグリップのステアリングホイールや、カラーフィルター式しき液晶えきしょうデジタルメーター（「XX」グレードに4万まん円えんの有償ゆうしょうオプションとして設定せってい）などでスポーティーなイメージが強調きょうちょうされている。エンジンは1.8リッターの直ちょく4 SOHC 12バルブ。サイドドラフト可変かへんベンチュリー型がたキャブレターを2連装れんそうし、最高さいこう出力しゅつりょく125PS、最大さいだいトルク153N・mを発生はっせいする（グロス値ち）。ダブルウイッシュボーン式しきのフロントサスペンションやホンダの独自どくじ開発かいはつによる日本にっぽん初はつの4輪りんアンチロックブレーキ、ホンダマチックと呼よばれる高こう効率こうりつをうたうロックアップ機構きこう付つき4段だんATなど、新しん技術ぎじゅつの惜おしみない投入とうにゅうも話題わだいとなった。

3代目だいめとなる「ホンダ・プレリュード」は1987年ねん4月がつに発売はつばいされた。「人ひととクルマのよりよい一体いったい感かんを創つくり上あげる」というコンセプトのもとに、ホンダの先進せんしんテクノロジーを結集けっしゅうして開発かいはつ。優すぐれた基本きほん性能せいのうをベースに、「ドライバーの意志いしにより素直すなおに応こたえる高こう次元じげんの感覚かんかく性能せいのうの実現じつげんをめざした」という。プレリュードを象徴しょうちょうするロー＆ワイドフォルムは、低ひくく抑おさえた1295mmの全ぜん高こうはそのままに、全長ぜんちょうを4460mm（従来じゅうらい車しゃ比ひ＋85mm）、全幅ぜんぷくを1695mm（同どう5mm）に拡大かくだいした超ちょう偏平へんぺいエアロスタイルに進化しんか。エンジンの徹底てっていしたコンパクト化かと後ご傾かたぶけレイアウトの採用さいようにより、FF車しゃとは思おもえない超ちょう低ていボンネット（ボンネット中央ちゅうおう部ぶで従来じゅうらい車しゃ比ひ30mm低下ていか）を実現じつげんしている。大型おおがたセンターコンソール付つきのラップラウンド形状けいじょうインストゥルメントパネルや、機能きのう的てきなメーターレイアウトを採用さいようするなど、コックピット全体ぜんたいがスポーティーなイメージでトータルデザインされた。エンジンは最高さいこう出力しゅつりょく145PS（ネット値ち）を発生はっせいする2リッター直じき4 DOHC 16バルブと、同どう110PS（同どう）の2リッター直じき4 SOHC 12バルブをラインナップ。サスペンションは4輪りんダブルウイッシュボーン式しきで、4WSシステムは世界せかい初はつの舵かじ角かく反応はんのう式しきに進化しんかしている。

1991年ねん9月がつに登場とうじょうした4代目だいめ「プレリュード」。ホンダはスペシャルティーカーとは何なにかを原点げんてんから考かんがえ、よりワイド＆ショートで個性こせい的てきな3ナンバーサイズ専用せんようのスタイリングと、前ぜん席せき優先ゆうせんと割わり切きった2シーター感覚かんかくのインテリアを採用さいよう。ドライバーの意いのままに応こたえる鮮あざやかな走はしりが追求ついきゅうされたほか、運転うんてん席せき＆助手じょしゅ席せきSRSエアバッグシステム、TCS、ABS、LSDといった安全あんぜん装備そうびを盛もり込こむことでこれからの時代じだいをリードするクルマを目指めざしたという。特とくに、個性こせい的てきなツインリフレクターヘッドランプや大型おおがたで三角形さんかっけい状じょうのテールランプ、強つよく絞しぼり込こんだリアビュー、新しん発想はっそうのバイザーレスグラフィックメーターパネルなどは従来じゅうらい型がたと一線いっせんを画かくす、新あたらしいプレリュードのアイデンティティーとなった。エンジンは新しん開発かいはつの2.2リッター直じき4で、最高さいこう出力しゅつりょく200PSを誇ほこるVTECと160PSのDOHC 16バルブの2タイプが設定せっていされた。新しん設計せっけいの4輪りんダブルウイッシュボーンサスペンションや、ハンドリング性能せいのうの向上こうじょうと自然しぜんなフィーリングを両立りょうりつさせるという操舵そうだ角速度かくそくど制御せいぎょ機構きこうが組くみ込こまれたハイパー4WSなど、メカニズム面めんの進化しんかも注目ちゅうもくされた。

5代目だいめ「プレリュード」は、1996年ねん11月に発表はっぴょうされた。開発かいはつのテーマは「洗練せんれんされた大人おとなの感性かんせいをも魅了みりょうするクーペ」。マニュアルシフト感覚かんかくの操作そうさが行おこなえる新しんオートマチックトランスミッション「Sマチック（シーケンシャルスポーツシフト）」や、剛性ごうせい感かんあるブレーキフィーリングと旋回せんかい制動せいどう性能せいのうを向上こうじょうさせる新しんABS、クラストップレベルの冷却れいきゃく性能せいのうを実現じつげんする高熱こうねつ線せん吸収きゅうしゅうUVカットガラス＆新型しんがたエアコンディショナーなど、当時とうじ最新さいしんの技術ぎじゅつや装備そうびが盛もり込こまれた。光源こうげんを高たかい位置いちに置おき、広ひろく遠とおくまで光ひかりを到達とうたつさせる大だい光量ひかりりょうフリーフォームリフレクターヘッドライトが組くみ込こまれた個性こせい的てきなフロントマスクや、ボディーやピラーデザイン、着座ちゃくざ位置いち等とうの見直みなおしにより2ドアクーペとして十分じゅうぶんな居住きょじゅう空間くうかんが確保かくほされたパッケージデザインが特徴とくちょうだ。トップモデルの「タイプS」には、専用せんようチューニングが施ほどこされた最高さいこう出力しゅつりょく220PS/7200rpm、最大さいだいトルク221N・m/6500rpmを発生はっせいする2.2リッター直じき4 DOHC VTECエンジンを搭載とうさい。1リッターあたり100PSを超こえる高こう出力しゅつりょくユニットとして注目ちゅうもくを集あつめた。