WRXではなく、あえてNAスポーツのSRXを選えらんだインプレッサオーナーの23年ねん

2023.06.26 07:00

約やく23年ねんに渡わたり2台だいのインプレッサSRXを乗のり継ついできたというオーナーさん。初代しょだいインプレッサの後期こうき型がただけに設定せっていされた希少きしょうなグレードを選択せんたくし、運転うんてんに慣なれていなかった最初さいしょの1台だいはオートマ、2台だい目めはマニュアル車しゃを選択せんたくした。NAの魅力みりょく、充実じゅうじつしたカーライフをご紹介しょうかいしよう。

1992年ねんから発売はつばいされたスバル・インプレッサシリーズ。その中なかでも水平すいへい対向たいこうエンジンEJ20ターボとフルタイム4WDを組くみ合あわせたインプレッサWRXは、世界せかいラリー選手権せんしゅけん(WRC)で戦たたかうために開発かいはつされた高性能こうせいのうモデルとして高たかい知名度ちめいどを誇ほこる。
そんな初代しょだいインプレッサWRXをはじめターボモデルが人気にんきを集あつめるいっぽうで、NAモデルのスポーツグレードもラインアップされていたのをご存ぞんじだろうか。
今回こんかいご紹介しょうかいさせていただく香川かがわ県けん在住ざいじゅうの岡田おかださんは、初代しょだいインプレッサの後期こうき型がただけに設定せっていされた本格ほんかくNAスポーツ、インプレッサSRXをこよなく愛あいするオーナーさんだ。

子供こどもの頃ころにミニカーを買かってもらったことをきっかけにクルマ好すきになったという岡田おかださんは、父親ちちおやがレガシィに乗のっていたことや水平すいへい対向たいこうエンジンが好すきなことからスバル車しゃ好すきに。
「僕ぼくはセダン車しゃが好すきなんですけど、スバルのセダンというとインプレッサかレガシィなんですよね。でもレガシィだと僕ぼくにとってはサイズが大おおきいし、見みた目めもタイプじゃなかったんです。となると、もうインプレッサしか選択肢せんたくしが残のこっていなくて、さらに好すきな80年代ねんだいから90年代ねんだいのノンターボとなると、もう選択肢せんたくしがかなり狭せまくなるわけですよ」

「もともとターボ仕様しようがあまり好すきではなくて、ノンターボのツインカムエンジンのグレードを探さがしていたところインプレッサSRXという選択せんたくになりました。それに僕ぼくは大学生だいがくせいでマニュアル免許めんきょを取とったものの、学生がくせいの時ときに全然ぜんぜんクルマに乗のらんかったので、マニュアル車しゃの運転うんてんができなくてオートマ車しゃを探さがしていたんです。乗のり心地ごこちが気きに入いって、購入こうにゅう後ごは約やく10年間ねんかん乗のっていました」

こうしてオートマの愛車あいしゃも十分じゅうぶん気きに入いっていたという岡田おかださんだが、仕事しごとの関係かんけいでマニュアル車しゃに乗のって練習れんしゅうする機会きかいを持もったことで、改あらためてマニュアル車しゃの運転うんてんの楽たのしさを実感じっかんし、マニュアル車しゃを探さがすことにしたのだという。
「3ヶ月かげつくらいオークションで中古ちゅうこ車しゃを探さがしてもらって、ようやくこのクルマがでてきたんです。状態じょうたいを見みて綺麗きれいだったこともあって購入こうにゅうしました。ボディカラーは好すきな色いろの青あおと白しろとシルバーのどれかだったらいいなと思おもっていたので、ちょうどよかったです」

こうして今いまから13年ねん前まえの2010年ねん、岡田おかださんは現在げんざいの愛車あいしゃである1999年ねん式しきのインプレッサSRX(GF-GC8)のMT車しゃを手てに入いれ、大事だいじに乗のり続つづけているのである。
それにしても、岡田おかださんはなぜ選択肢せんたくしを狭せばめてまでNAモデルにこだわるのか?「NAスポーツならではのフィーリングが好すき」といった感かんじかと予想よそうしていたが、少すこし違ちがった。

「ターボ車しゃが嫌いやなわけではないんです。正直しょうじきそっちの方ほうが速はやくていいんですけど、自制心じせいしんがない僕ぼくはターボに乗のると踏ふみ込こむ可能かのう性せいがあると思おもったんですよ。というのも、昔むかし父ちちが乗のっていたレガシィがターボ仕様しようで、練習れんしゅうに乗のっとったんですがやっぱり自分じぶんには合あわんのやろうなって…。それでNAのクルマが欲ほしいなと思おもったんです」

そう、岡田おかださんがNAモデルを求もとめる理由りゆうはターボで踏ふみ込こんでしまうリスクをなくすための自制心じせいしんからだったのだ。それでもドライブが大好だいすきだというオーナーさんにとって、このインプレッサSRXは、理想りそうどおりの1台だいだったというわけだ。

そんな岡田おかださんのSRXへのカスタムのこだわりは、純正じゅんせいらしさを損そこなわずにさりげなく似合にあうカスタムを施ほどこすイメージなのだという。
「とにかく純正じゅんせいのイメージを壊こわさないように1代目だいめのAT仕様しようのインプレッサの時ときから気きをつけてパーツ交換こうかんしています。今いま、そのパーツの多おおくはMT仕様しようインプレッサに移植いしょくされています。気きにいっているのはフェイス周まわりで、純正じゅんせいバンパーの下したのフロントリップ、それから、6本ほんスポークのホイールです。これは最終さいしゅう型がたのWRX用ようをネットオークションで探さがして購入こうにゅうしたものです。赤あかいキャリパーは22Bというグレードからの流用りゅうようで、見みた目め重視じゅうしで選えらびました。それとショックはWRX専用せんようのものです。このクルマの純正じゅんせいパーツは大体だいたいほかのモデルのインプレッサやWRXから流用りゅうようできるので、社外しゃがい品ひんを使つかっているのはフジツボのマフラーとエンドレスのブレーキパッドくらいですね。ヘッドライトのガラスも交換こうかんして綺麗きれいにしていますよ。」

エンジンルームや内装ないそうについては「車内しゃないで変かえているところはペダルと、純正じゅんせいCDデッキが壊こわれたのでカロッツェリア製せいデッキに交換こうかんしパイオニア製せいドアスピーカーにかえたくらいです。エンジンルームは見みた目めがちょっと寂さびしいのでタワーバーを追加ついかしてみました」と、こちらも純正じゅんせいの雰囲気ふんいきを崩くずさない範囲はんいでのカスタムを楽たのしんでいるそうだ。

現在げんざいはセカンドカーのプレオ・ネスタとの2台だい体制たいせい。普段ふだん乗のりはプレオで、このSRXは休やすみの日ひのたまに行いくドライブやイベントの時ときに動うごかすことが多おおいそうで「僕ぼくの周まわりにはクルマ好すきの人ひとがいないので、オフ会かいは岡山おかやまの方ほうまで行いくことが多おおいです」とのこと。また、消耗しょうもうを減へらして少すこしでも長ながく大事だいじに乗のっていたいから車庫しゃこ保管ほかんしているそうだ。

「ボディは一いち度どだけ純正じゅんせい色しょくで全ぜん塗装とそうして、去年きょねんはコーティングも施工しこうしました。メンテナンスに関かんしてはオイル交換こうかんを半年はんとしに1回かい、そして車検しゃけんごとにミッションやパワステブレーキやデフなどの全部ぜんぶのオイル交換こうかんをするようにしています。ただ、長ながく維持いじしていくにしても、だんだんパーツの供給きょうきゅうがされなくなるのかなって…。以前いぜんリアワイパーの付つけ根ねが壊こわれたんですけど部品ぶひんが見みつけるのに時間じかんを要ようしたことがあって、そういうことが今後こんごはどんどんでてきそうだなって。なにせ初年度しょねんど登録とうろくからは25年ねん目めになりますからね」

ちなみに岡田おかださんが調しらべたところによると、SRXの新車しんしゃ登録とうろく台数だいすうは香川かがわ県けんで5台だい、愛媛えひめ県けんでも7台だいしかいないくらい希少きしょうで、さらにこのクルマは走行そうこう距離きょりも現在げんざい6万まん7000kmと年とし式しきからすれば非常ひじょうに少すくない部類ぶるいに入はいる。オーナーさんが大事だいじに長ながく乗のっていきたいと考かんがえるのも当然とうぜんだろう。

「次つぎに乗のりたいクルマも今いまのところないので、直なおせるかぎりはずっとこれに乗のっていたいですね。このクルマは僕ぼくに取とっては“欲求よっきゅう"そのものなんです。これに乗のったら満足まんぞくするというか、週しゅうに1回かいくらいとはいえこれに乗のらんかったらストレスみたいなのが出でてきて自分じぶんの体調たいちょうがあまり良よくないような気きがするんで。本当ほんとうになかったら困こまりますね」

フラッグシップモデルとしてインプレッサWRXが王道おうどうをひた走はしる中なか、影かげに隠かくれてしまった感かんもあったNA搭載とうさいのスポーツグレードであるインプレッサSRX。
しかし岡田おかださんのように、リスペクトするスバル車しゃのコンパクトセダンで、スポーティな4WDの走はしりをNAで楽たのしみたい人ひとにとってはオンリーワンの魅力みりょく的てきな1台だいだったのは確かくか。