これが民主主義の国か?
北海道警察の「暴挙」が問題になっている。
事の発端は、安倍晋三首相が7月、札幌市で参院選の街頭演説をした際、ヤジを飛ばした複数の聴衆らが北海道警に強制的に排除されたことだ。
この問題は道議会でも取り上げられ、答弁に立った道警の山岸直人本部長は「トラブル防止のための措置だった」と述べ、適正な職務執行だったとの考えを示した。しかし、騒動は収まりそうにない。
7月19日、特別公務員職権乱用罪などに当たるとして札幌地検に告発状が提出され、また8月10日には、排除された当事者やその支援者らが抗議デモを実施した。さらにその最中、新たな“排除事例”も発覚。抗議の声が全国に広がりつつある。
これまでの状況を整理しておこう。
7月15日夕刻、参院選のための遊説で北海道入りしていた安倍晋三首相がJR札幌駅前で選挙カーに登壇し、自民党公認候補の応援演説を始めた直後のこと――。
道路を隔てて約20メートル離れた位置にいた、聴衆の男性が「安倍やめろ」「帰れ」などと連呼し始めた。すると、警備に当たっていた北海道警の制服・私服の警察官5、6人が男性を取り囲み、服や体をつかんではるか後方へと移動させたのだった。
その直後には、「増税反対」と叫んだ女性も、同様に排除された。また、政策に疑問を投げかけるプラカードを掲げようとした女性らも高圧的に制止されるなど、異様な光景が展開された。
その場にいたマスコミ、市民らは騒然とし、写真や映像にその模様を収め、SNSへ投稿する人も出た。すぐさま反発の声が多数上がった。
「警察による強権発動だ」
「とても民主主義の国で起きたこととは思えません」
「日本はもう戦前戦中かと見紛う」
また、国民民主党で総合選対本部長相談役を務める小沢一郎氏は、ツイッターでこう記した。
《どんどん暗い戦前みたいになっている。お友達は何をやっても罪に問われることはないが、「こんな人たち」による政権批判は許されない。すぐそこまで「暗黒」がやってきている。後から後悔しても遅い。選挙で止めないと、必ず「いつか来た道」に戻る》
確かに戦前のような暴挙である。現在の警察には、こうしたことを行う権限はないのだ。