サラ・ヴァーゲンクネヒト同盟とは
前回の本コラムで、1月8日にドイツに新しく誕生した政党「BSW」について書いた。BSWのBは同盟で、SWはサラ・ヴァーゲンクネヒトの頭文字。つまり、「サラ・ヴァーゲンクネヒト同盟」である。
まもなく、哲学者クラウス=リュディガー・マイ著のヴァーゲンクネヒト論、『共産主義者:サラ・ヴァーゲンクネヒト』が上梓される。著者がYouTubeで語っていたヴァーゲンクネヒトについての分析が興味深かったので、アマゾンを覗くと、同書の紹介欄には次のようにあった。
「国民の過半数は現在の政権を拒絶している。多くの人は、断固それに対抗し、彼らの利益を代弁してくれる政治家と政党を見つけようと、虚しい努力をしている。その空隙を埋めてくれるのが彼女かもしれない」
ヴァーゲンクネヒト氏は54歳のカリスマ政治家で、左翼、右翼を問わず熱烈なファンが多い。基本的にはバリバリの共産主義思想の持ち主だが、才色兼備のうえ、仕草や身なりがとにかくフェミニンで、パンツスーツ姿など見たことがない。エレガントで古典的な装いは、懐古主義かと見紛うほどだ。
新党の党名に、彼女の名が使われているのは、氏の独裁を象徴しているわけではなく、他にあまり名の知られた党員がいないからだ。他の党名だと、選挙の際、有権者の頭の中で、その党名とヴァーゲンクネヒト氏が結びつかず、不利になる可能性がある。
つまり、い換えれば、BSWの人気も知名度も、まさにヴァーゲンクネヒト氏たった一人に掛かっていると言える。
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