2011年ねん10月がつ10日とおか 21時じ27分ふん取材しゅざい

アニメ宣伝せんでんマンが小説しょうせつ家かデビュー、まるでラノベのような現実げんじつを見みせつけられた「高橋たかはし祐ゆう馬ば氏し同人どうじん誌し即売そくばい会かい」

徳島とくしまで行おこなわれているイベント「マチ★アソビ vol.7」の中なかで、10月8日にちと10日とおかには人気にんきシナリオライター・脚本きゃくほん家かの虚きょ淵ふち玄げんさんによるサイン会かいが実施じっしされました。昨今さっこんのアニメの中なかでも特とくに大おおきなヒット作品さくひんである「魔法まほう少女しょうじょまどか☆マギカ」のシリーズ構成こうせいと全ぜん話はなしの脚本きゃくほんを担当たんとうし、さらには10月がつから放送ほうそうの始はじまった期待きたい作さく「Fate/Zero」の原作げんさく者しゃでもあるということで、サイン会かいの整理せいり券けんは「順番じゅんばんを把握はあくするためのチケット」ではなく「サインをもらえるかどうかの抽選ちゅうせん券けん」ともなり、10日とおかのサイン会かいの時ときには定員ていいん100名めいに対たいして250名めい近ちかくがチケットを求もとめて集あつまったそうです。

そんな中なか、虚きょ淵ふかしさんに負まけず約やく100人にんの行列ぎょうれつをほぼ告知こくち無なしで作つくり出だした男おとこが現あらわれました。「アニメ作品さくひんの宣伝せんでんを担当たんとうしていた男おとこが、ひょんなことから小説しょうせつを書かいて即売そくばい会かいで販売はんばいすることに。しかし、二に足そくのわらじにしては宣伝せんでんの仕事しごとは忙いそがしく、原稿げんこうが進すすまないままに即売そくばい会かいの日ひが近ちかづいてくる……」と、そのあらすじはまるでライトノベルかドラマのようなのですが、これはわずか半年はんとしの間あいだに起おこった現実げんじつのこと。しかも、これが「まどか」の前まえに非常ひじょうに高たかい人気にんきを集あつめていた作品さくひんである「化物ばけもの語ご」の宣伝せんでんを担当たんとうしていた人物じんぶつのもとに起おこったというのが面白おもしろいところ。不思議ふしぎな因果いんがを感かんじます。

ufotable cafeの階段かいだん下かに設もうけられたテーブル。同人どうじん誌し即売そくばい会かいというと多おおくのサークルが出展しゅってんして行おこなわれるものを想像そうぞうしてしまいますが、今回こんかいはたった1名めいによる同人どうじん誌し即売そくばい会かいです。

階段かいだんを駆かけ下おりてきたこの人ひとが本日ほんじつの主役しゅやく、高橋たかはし祐ゆう馬ばさん(以降いこう、ゆまさんと表記ひょうき)。本業ほんぎょうはアニプレックスの宣伝せんでん担当たんとうで、現在げんざい放送ほうそう中ちゅうの作品さくひんでは「アイドルマスター」を担当たんとう、過去かこには「空そらの境界きょうかい」「アイドルマスター」「ひだまりスケッチ」「俺おれの妹いもうとがこんなに可愛かわいいわけがない」なども手てがけました。

そもそもゆまさんが小説しょうせつを書かくに至いたった理由りゆうは5月に行おこなわれたマチ★アソビ vol.6にさかのぼります。このとき、業界ぎょうかい関係かんけい者しゃが結成けっせいしたバンドのゲリラライブが公園こうえんで行おこなわれたのですが、ゆまさんはこのバンドに対たいしてアンコールを要求ようきゅう。実際じっさいにアンコールが行おこなわれましたが、その代かわりに何なにかをやらなければならないことになり、小説しょうせつを書かくことになった、というわけ。イベントごとでは司会しかい者しゃとしてゲストを盛もり立たてる役やくに徹てっしていた人物じんぶつが主役しゅやくになったという、ちょっとドラマティックな話はなしです。

会場かいじょうには業界ぎょうかい関係かんけい者しゃからのコメントが寄よせられていましたが、この即売そくばい会かい当日とうじつの朝あさ9時じまで執筆しっぴつを続つづけていたため、みんな内容ないようを読よまずにコメントしています。中なかには製本せいほん作業さぎょうを手伝てつだっていたという人ひとまで……。

この本ほんが作つくられているということは9月に開催かいさいされた第だい4回かいマチ★アソビ前夜祭ぜんやさいにてすでに明あかされていましたが、実際じっさいにイベントの開催かいさい日び時じが発表はっぴょうされたのはこの前夜ぜんやに開催かいさいされたエンターテイメント業界ぎょうかい関係かんけい者しゃトークイベントでのこと。他たの会場かいじょうではまた別べつのイベントが実施じっしされているという環境かんきょうの中なか、特とくに有名ゆうめいな小説しょうせつ家かというわけではないにも関かかわらずしっかりと行列ぎょうれつが形成けいせいされていました。

自著じちょ「ユウキノアニメ」表紙ひょうしにどんどんサインを入いれていくゆまさん。1部ぶ100円えんという手頃てごろな価格かかく設定せっていも購入こうにゅうを踏ふみ切きらせる理由りゆうだったのかもしれません。

サインはかなり手慣てなれた様子ようすでした。

途中とちゅう、このあとに同おなじくサイン会かいが控ひかえている虚きょ淵ふち玄げんさんが様子ようすを覗のぞきに来きて、うろたえるゆまさんの姿すがた。

「マチ★アソビ、怖こわぇ！」とゆまさん。

行列ぎょうれつが少すこし短みじかくなってもまた後うしろに次つぎの人ひとが並ならぶという繰くり返かえしで、まったく購入こうにゅう者しゃの列れつが途切とぎれません。

そうこうしている間あいだに、在庫ざいこの箱はこは底そこが見みえてきました。

朝あさまで執筆しっぴつしたのちコピー機きで印刷いんさつして製本せいほんしたものなので、正確せいかくに何なん部ぶあるのかはわからなかったようですが、もう机つくえの上うえにあるものが全すべてという状態じょうたい。

完売かんばいが確定かくていして新規しんきの行列ぎょうれつはストップとなりましたが、それでも何人なんにんか買かいに来きた人ひとの姿すがたが見みられました。

いよいよ最後さいごの1部ぶ。

最後さいごのサインを書かき上あげました。

ゆまさんを中心ちゅうしんとして記念きねん撮影さつえい。内容ないようは二に部ぶ構成こうせいとなっているため、次つぎのマチ★アソビで後編こうへんの発売はつばいが行おこなわれるのかもしれません。

何なにかと突発とっぱつ的てきなイベントが発生はっせいするマチ★アソビですが、その極きわみがこのイベントであるといっても過言かごんではありません。ファンからは「挿絵さしえは誰だれがつけるんですか？」「アニメ化かはあるんですか？」との声こえもありましたが、マチ★アソビでのふとした業界ぎょうかい関係かんけい者しゃ同士どうしのトークから生うみ出だされた企画きかくが形かたちになるということは「魔法まほう少女しょうじょまどか☆マギカポータブル」が実証じっしょうしているため、今いまは夢物語ゆめものがたりに見みえるこの「ユウキノアニメ」アニメ化かも、ひょっとすると……ということはないこともないかもしれませんね。

2012年ねん10月がつ追記ついき：
2012年ねん10月がつに行おこなわれたマチ★アソビ vol.9の中なかで、ユウキノアニメ続編ぞくへんの即売そくばい会かいが開催かいさいされました。表紙ひょうしをユーフォーテーブルの石塚いしづかみゆきさんが担当たんとうし、約やく30分ふんで完売かんばいしました。