【『正直しょうじき不動産ふどうさん』第だい9話わ感想かんそう・考察こうさつ】愛着あいちゃくの湧わくキャラクター、永瀬ながせ・山下やました智久ともひさにキュンとした瞬間しゅんかん

女おんなが男おとこを養やしなうなんてありえない。職場しょくばで女おんなというだけでナメられる。

そんな時代じだいはもう終おわった。

正直しょうじき不動産ふどうさんはメッセージの送おくり方かたが非常ひじょうに上手うまい。

新あたらしい時代じだいを生いきる我々われわれへ、古ふるい時代じだいの考かんがえ方かたを捨すてるよう気き付つきをくれる。

多様たよう化かしてきた現在げんざい、これまでの固定こてい観念かんねんとはおさらばしなければならない。

女性じょせいは家庭かていに入はいり、男性だんせいは外そとで働はたらく。これはもう当あたり前まえではないのだ。

別べつに女性じょせいの方ほうが収入しゅうにゅうが高たかければ女性じょせいが養やしなえばいい。男性だんせいが育児いくじをしたっていい。

女性じょせいだから見下みくだされ、無下むげに扱あつかわれる。そんな職場しょくばはこの時代じだいにはそぐわない。

そのような考かんがえが徐々じょじょに浸透しんとうしてきてはいるものの、やはりまだ『当あたり前まえ』な世よの中なかではない。

それなのに、永瀬ながせ（山下やました智久ともひさ）や月下げっか（福原ふくはら遥はるか）は「そんな時代じだい、まだあるんですね」とあえて言いい切きった。

古ふるい固定こてい観念かんねんを持もったままの人ひとは、このセリフにグサリと来きたのではないだろうか。

正直しょうじき不動産ふどうさんはその考かんがえを容赦ようしゃなく『時代遅じだいおくれ』であることを示しめした。

とても潔いさぎよく、「よくぞ言いってくれました」とも思おもった。

まだ古ふるい時代じだいの考かんがえ方かたにとらわれ、窮屈きゅうくつを感かんじ苦くるしんでいる人ひとは多おおいだろう。

大衆たいしゅうの意識いしきを少すこしずつ変かえていかなければならない。『正直しょうじき不動産ふどうさん』第だい９話わからは、そんな熱あつい想おもいと挑戦ちょうせん的てきなメッセージを感かんじた。

ついに明あきらかになった！ミネルヴァ鵤いかる社長しゃちょうと花澤はなざわの過去かこ

登坂とさか不動産ふどうさんの人員じんいんまでも奪うばい出だしたミネルヴァ不動産ふどうさん。

鵤いかる（高橋たかはし克典かつのり）がここまでする理由りゆうが気きになる永瀬ながせは、偶然ぐうぜん出会であった桐山きりやま（市原いちはら隼人はやと）に鵤いかるの過去かこについて聞きく。

鵤いかるは幼おさない頃ころに両親りょうしんに捨すてられ天涯孤独てんがいこどくだった。

不動産ふどうさん屋やの里親さとおやに引ひき取とられたが、虐待ぎゃくたいを受うけて育そだつ。

しかし、里親さとおやは住じゅう元もと不動産ふどうさんを騙だました地面じめん師しの主犯しゅはん格かくで潜伏せんぷく先さきのフィリピンで逮捕たいほされ、獄中ごくちゅうで死亡しぼう。

その逮捕たいほに協力きょうりょくしたのが登坂とさか社長しゃちょうだった。

では登坂とさか社長しゃちょうへの攻撃こうげきは、父親ちちおやの敵討かたきうちかとも思おもわれたが、そうではなかった。

鵤いかるは父親ちちおやを憎にくんでいたのである。自分じぶんが殺ころすはずだったのに、登坂とさかのせいで父親ちちおやは獄中ごくちゅうであっさり死しんだ。だから登坂とさかを恨うらんでいるのである。

実じつに歪いがんだ動機どうきだ。地面じめん師しの逮捕たいほに協力きょうりょくした登坂とさか社長しゃちょうは何なにも悪わるくない。

腑ふに落おちない気持きもちになったのは視聴しちょう者しゃも永瀬ながせも同おなじだろう。

気きになるのは登坂とさか社長しゃちょうである。

鵤いかるに怒いかりを覚おぼえるというよりは、どちらかというと仕方しかたないという雰囲気ふんいき。その心しんの余裕よゆうは何なになのだろうか。

最終さいしゅう回かいでの因縁いんねんの関係かんけいに決着けっちゃくがつくことを祈いのろう。

正直しょうじきに生いきる永瀬ながせにキュンとした瞬間しゅんかん

メガバンクに務つとめる榎本えのもと美波みなみ（泉いずみ里香りか）から、「結婚けっこんを前提ぜんていにお付つき合あいしてください」と猛烈もうれつなアタックを受うける永瀬ながせ。

初期しょきのころは女おんな遊あそびの激はげしい場面ばめんも多おおく見みせていたものの、ここ中盤ちゅうばんは仕事しごとに励はげむ姿すがたが主おもになり、ここに来きて永瀬ながせの恋愛れんあいパートが動うごき出だしたことにドキドキしている視聴しちょう者しゃも多おおいのではないだろうか。

永瀬ながせは正直しょうじきの祟たたり（たた）りにあい、なんだか優やさしくなった。

以前いぜんは客きゃくを人ひととして思おもっていなかった永瀬ながせだが、その心境しんきょうの変化へんかはプライベートにも確実かくじつに影響えいきょうしているように思おもえる。

結婚けっこんというワードが重おもいのだろうが、裏うらを返かえせば、結婚けっこんするつもりがないので軽かるい気持きもちでお付つき合あいし、榎本えのもとを傷きずつけたくないと考かんがえているようにも思おもう。

また、ボロアパートの窓まどから以前いぜん住すんでいたタワマンを見上みあげ、最初さいしょはすぐ戻もどりたいと思おもっていた永瀬ながせだが、最近さいきんはそう感かんじなくなっていた。

風呂ふろなしで電気でんきもチカチカするようなアパートだが、ここにいる方ほうがよっぽど生活せいかつしてる感かんじがする。

これも永瀬ながせの心しんの変化へんかだ。

見栄みえを張はって着飾きかざるより、正直しょうじきにありのまま、生活せいかつ感かんを出だして生いきることの心地ここちよさに気付きづいたのかもしれない。

榎本えのもとと肉にくじゃがを食たべているシーンでは、おでこにピンを付つけていた永瀬ながせが特とくに印象いんしょうに残のこっている。

職場しょくばでのスマートでイケメンな永瀬ながせとは違ちがい、オフの姿すがたは何なんだか幼おさなく、とてもキュートなのだ。

こんなキュンとなる姿すがたを、思おもいもよらないタイミングで出だしてくるのはずるい。

第だい９話わで改あらためて、「永瀬ながせ…変かわったなあ」と感かんじた。

いつもの居酒屋いざかやでは、月下げっかを褒ほめ、嬉うれしくて泣ないてしまう彼女かのじょの涙なみだを拭ふいてあげる。

最初さいしょは新人しんじん教育きょういくでさえ億劫おっくうそうにしていた永瀬ながせからは考かんがえられない姿すがただ。

お時間じかんのある人ひとは是非ぜひ、ドラマの初回しょかい、またはコラムの初回しょかいを読よんで欲ほしいのだが、この変かわりようは改あらためて見みても面白おもしろい。

我々われわれは約やく３か月げつ間あいだ、永瀬ながせという男おとこを見守みまもってきた。愛着あいちゃくも湧わき、どんどん魅力みりょく的てきになる。

また、一緒いっしょに戦たたかってきた正直しょうじき不動産ふどうさんの仲間なかまたちも、大おおいにドラマを盛もり上あげてくれた。

彼かれらとのお別わかれは辛つらいが、「正直しょうじき不動産ふどうさんという素晴すばらしいドラマに出会であえて本当ほんとうによかった」そう感謝かんしゃの意いを込こめて次回じかいの最終さいしゅう回かいを見届みとどけたいと思おもう。

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[文ぶん・構成こうせい／grape編集へんしゅう部ぶ]