【持続じぞく可能かのうな恋こいですか？　第だい８話わ　感想かんそう】自分じぶんにとっての人生じんせいの優先ゆうせん順位じゅんいとは？

「自分じぶんにとっての人生じんせいの優先ゆうせん順位じゅんいって…？」

『持続じぞく可能かのうな恋こいですか?〜父ちちと娘むすめの結婚けっこん行進曲こうしんきょく〜』第だい８話わは、独立どくりつをサポートにするにあたり、コンサルタントの安奈あんな（瀧たき内ない公美くみ）から人生じんせいの優先ゆうせん順位じゅんいを聞きかれ、杏あんず花はな（上野うえの樹里いつき）は「今いまは仕事しごと、独立どくりつが一番いちばん」ということを伝つたえるところから始はじまる。

仕事しごと、お金かね、恋愛れんあい、結婚けっこん…。『自分じぶんらしく』生いきていくために、どれも大切たいせつだからと全すべてを取とりにいけるような人生じんせいを歩あゆむには難むずかしい。

何なにか一ひとつ選えらべば、何なにかを諦あきらめることになるのが今いまの厳きびしい世よの中なかだ。

第だい８話わは、杏あんず花はなと晴はれ太ふとし（田中たなか圭けい）が決きめた持続じぞく可能かのうな恋こいのためのルールが波乱はらんを巻まき起おこしていく。

晴はれ太ふとしの元もと妻つま・安奈あんなが抱かかえる不安ふあん

杏あんず花はなは自分じぶんらしさが何なにかわからないままであるものの、仕事しごとファースト、晴はれ太ふとしとはお互たがい無理むりなく付つき合あうことを心しんに決きめていた。

安奈あんなは杏あんず花はなの思おもいを汲くみ取とり、仕事しごと相手あいてとして独立どくりつへのプランを提案ていあんする。

しかしその裏うらで、杏あんず花はなと晴はれ太ふとしが交際こうさいしていることに気きづいている安奈あんな。

恋こいを持続じぞくさせるための、結婚けっこんしない交際こうさい。この無理むりのない付つき合あいが無意識むいしきに無理むりをさせているのではないかと心配しんぱいしていた。

安奈あんなは結婚けっこんする気きがない杏あんず花はなを虹にじ朗ろうにむやみに会あわせたくなかった。

杏奈あんなの願ねがいは虹にじ朗ろう（鈴木すずき楽らく）の母親ははおやになってくれること。

恋愛れんあいも再婚さいこんも自由じゆうと言いいながら、大阪おおさかでの仕事しごとで３年ねんもこの場所ばしょを離はなれる決断けつだんを迫せまられている中なか、虹にじ朗ろうを残のこしていくのが杏奈あんなにとって、何なにより不安ふあんなのだ。

林はやし太郎たろうに『お見合みあい』を申もうし込こんだ明里あけさとの衝撃しょうげきのひと言こと

一方いっぽう、林はやし太郎たろう（松重まつしげ豊ゆたか）は明里あけさと（井川いかわ遥はるか）からお見合みあいを申もうし込こまれる。

真意しんいが分わからず混乱こんらんする林太郎りんたろうだったが、明里あけさとは前回ぜんかいのデートで抱だいた林はやし太郎たろうへの感情かんじょうが何なにか確たしかめたいのだった。

林はやし太郎たろうは練習れんしゅうだと自分じぶんを納得なっとくさせて臨のぞんだお見合みあい当日とうじつ、明里あけさとから予想よそう外がいの言葉ことばが返かえってくる。

腰痛ようつう持もちで歳としが離はなれていて、介護かいごが視野しやに入はいった自分じぶんに『恋こい』の感情かんじょうを抱だいているという明里あけさとに驚おどろきを隠かくせない。

杏あんず花はなからも「お父とうさんと婚こん活かつするメリットある？」と言いわれたくらいだ。

しかしそれでも明里あけさとは、林はやし太郎たろうを思おもう満みたされない気持きもちこそが恋こいと呼よぶべきものだと感かんじていた。

そして同時どうじに『満みたされた気持きもちにもなる』のだ。

明里あけさとはこの辞書じしょ以上いじょうの意味いみをどう伝つたえるべきなのか悩なやんでいた。

林はやし太郎たろうはそれに「伝つたわりました」とだけ言いい、一旦いったん保留ほりゅうとして立たち去さってしまい、お見合みあいは終了しゅうりょうした。

そんな中なか、フランスから帰国きこくした颯（磯村いそむら勇いさむ斗と）は杏あんず花はなへお土産みやげを渡わたしに沢田さわだ家かに帰かえってきていた。

杏あんず花はながお土産みやげを開あけていると、突然とつぜん、颯は杏あんず花はなの左手ひだりてを取とり、跪ひざまずく。

その左手ひだりてにはめられたのは…まさかのスマホリングだった。

「これは婚約こんやく指輪ゆびわでプロポーズの流ながれでしょ！？」と思おもいつつ、すぐスマホを無なくす杏あんず花はなのことを、颯は一番いちばんに考かんがえて選えらんだのだ。

杏あんず花はなに思おもいは届とどかないままの颯だが、「杏あんず花はなが一番いちばん」と何なにの迷まよいもなく真まっ直すぐ伝つたえてくれるところについ惹ひかれてしまう。

そんな颯は、「身寄みよりのない子供こどもたちの学校がっこうを作つくることが夢ゆめだ」と語かたる。

幼おさない頃ころ、杏あんず花はなの家いえで笑わらいの絶たえない日々ひびを過すごしたことを思おもってのことだ。

颯は、杏あんず花はなと出会であったことで、新あたらしく世界せかいが広ひろがり、自分じぶんの夢ゆめを見みつけることができたのである。

キーワードとなるこの『新あたらしい世界せかい』。

前回ぜんかいでも、晴はれ太ふとしと杏あんず花はなの出会であいが二に人にんの世界せかいを広ひろげていると強つよく感かんじたが、誰だれかと関かかわることで知しらなかった自分じぶんを知しることになる。

出会であいは、自分じぶんらしさを知しるきっかけにもなるのだ。

しかし、自分じぶんらしさが何なにかを探さがし続つづけていると、やがて『自分じぶん』という檻おりを無意識むいしきに作つくってしまい、その中なかでもがき、行ゆく先さきを見失みうしなってしまうこともあるのだ。

MIKAKO（ゆりやんレトリィバァ）が言いう「自分じぶんらしさなんて探さがしてたら、不幸ふこうになる」の不幸ふこうとは、まさに行いく果はてだ。

杏あんず花はなも、仕事しごとを優先ゆうせんさせて、恋こいもする…自分じぶんらしく生いきるのなら、結婚けっこんは難むずかしいと考かんがえたからこそ、「お互たがい二に番ばんで」という晴はれ太ふとしとのルールを決きめた。

しかし、無理むりをしない日々ひびの中なかには『無理むり』が隠かくされている。

持続じぞくを追おい求もとめるあまり、持続じぞくさせるのに疲つかれるという矛盾むじゅんが起おきている。

二人ふたりはどうでもいい話題わだいでも沢山たくさん笑わらい合あっていたが、いつしか仕事しごとの邪魔じゃまか、虹にじ朗ろうの世話せわで大変たいへんか…と考かんがえ、気軽きがるに話はなせなくなっていた。

２人ふたりで決きめたルールが破やぶられた出来事できごと

ある日ひ、独立どくりつへ向むけた話はなし合あいをしていた杏あんず花はなのもとに晴はれ太ふとしから電話でんわがかかる。

「熱ねつを出だした虹にじ朗ろうを仕事しごとで遠とおい場所ばしょにいる自分じぶんに代かわって迎むかえに行いってほしい」ということだった。

仕事しごとファーストの杏あんず花はなに、お迎むかえを頼たのむことは二人ふたりが決きめたルールに反はんしていた。

そして晴はれ太ふとしも、虹にじ朗ろうを一番いちばんに考かんがえたいと思おもいつつも、生活せいかつを守まもるための仕事しごとは結局けっきょく外はずすことはできなかった。

杏あんず花はなは迎むかえに行いくと返事へんじをする。しかし仕事しごと相手あいてからは「成功せいこうしたいなら優先ゆうせん順位じゅんいを考かんがえろ」と言いわれ、一いち度どは颯に頼たのんだものの、どうしても気きになって杏あんず花はなは仕事しごとを抜ぬけて晴はれ太ふとし宅たくに向むかった。

人ひとの事情じじょうも知しらずに、優先ゆうせん順位じゅんいを勝手かってに決きめるなと思おもうところだが、問題もんだいの背景はいけいにある原因げんいんや何なにに悩なやんでいるのかは、他人たにんには知しる由よしもない。

何なにを優先ゆうせんさせるのか、全すべては自分じぶん次第しだいだ。

初はじめてそろって顔かおを合あわせた晴はれ太ふとし、杏あんず花はな、安奈あんな

そして同おなじ頃ごろ、晴はれ太ふとし達たちのもとに安奈あんなも駆かけつけ、初はじめて三さん人にんが顔かおを合あわせる。

安奈あんなは、二人ふたりの結婚けっこんを前提ぜんていにせぬまま、家庭かていにどんどん介入かいにゅうしてしまえば、まだ幼おさない虹にじ朗ろうも、杏あんず花はなもお互たがいを切きり離はなせなくなることを懸念けねんしていた。

今いま以上いじょうに無理むりすることを頑張がんばらなきゃならなくなる。

全部ぜんぶ任まかせっきりだった晴はれ太ふとしに代かわり、安奈あんなは家庭かていの全すべてを背負せおい、無理むりをして、限界げんかいを迎むかえたのだ。

自分じぶんができなかったからと生いき方かたを押おし付つけることこそ間違まちがっていることではあるが、ここで杏あんず花はなを縛しばり付つけることになる。

自分じぶんらしくいるためにお互たがい無理むりをしないというルールは、相手あいてを無理むりさせないように気遣きづかわせるだけの足枷あしかせにしかならなかった。

「無理むりすることを頑張がんばる」なんていう、言葉ことばがおかしいと笑わらえるような社会しゃかいには、まだ遠とおいのだ。

その夜よる、杏あんず花はなは電気でんきもつけない部屋へやの中なかで晴はれ太ふとしのことを考かんがえ、一人ひとり、涙なみだを流ながしていた。

杏あんず花はなは「晴はれ太ふとしとの恋こいを祝福しゅくふくしてほしい、林はやし太郎たろうのことも祝福しゅくふくするから」と伝つたえる。

林はやし太郎たろうは「どんな人ひととの将来しょうらいでも、新あたらしい世界せかいが広ひろがるから祝福しゅくふくしたい」と言いってくれていたからだ。

林はやし太郎たろうは「ああ」と言いうだけだった。電気でんきもつけず、ただ一人ひとりで泣なく杏あんず花はなを見みて、父ちちとして心しんから祝福しゅくふくはできなかった。

次回じかい、沢田さわだ夫婦ふうふの秘密ひみつが明あかされる？

そして杏あんず花はなと晴はれ太ふとし、林はやし太郎たろうと明里あけさとはそれぞれの関係かんけいがまた動うごき出だす。

「結婚けっこんを前提ぜんていにお付つき合あいしてくれませんか」と告白こくはくした杏あんず花はなだったが、晴はれ太ふとしからは「もう終おわりにしましょう」と別わかれを告つげられ、林はやし太郎たろうは明里あけさとからの交際こうさいの申もうし込こみを断たってしまう。

父ちち娘むすめ揃そろって失恋しつれんしてしまった二人ふたり。

そして沢田さわだ夫婦ふうふが抱かかえていた秘密ひみつとは…？それぞれの決断けつだん、恋こいもクライマックスへ加速かそくしていく。

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[文ぶん・構成こうせい／grape編集へんしゅう部ぶ]