香港ほんこんで春はるの訪おとずれを呼よぶ風物詩ふうぶつしで、毎年まいとし恒例こうれいの「花はな展てん」として親したしまれてきた「香港ほんこんフラワーショー2025（香港ほんこん花卉かき展覽てんらん）」が3月14日にち、銅鑼どら湾わんのビクトリアパークで開幕かいまくした。

ワールドツアーをテーマにデザインされた景観けいかん展示てんじのひとつでアフリカをテーマにしたコーナー

　今年ことしのフラワーショーはコスモスをテーマフラワーに決きめ、「栄光えいこうに輝かがやきを開花かいかさせる（Ablaze with Glory綻ほころび放ひ英姿えいし）」をテーマに、香港ほんこんや中国ちゅうごく本土ほんど、外国がいこくの園芸えんげい企業きぎょう・団体だんたいなど計けい238が出展しゅってんしている。海外かいがい勢ぜいでは、日本にっぽん、インドネシア、韓国かんこく、パキスタン、フィリピン、シンガポール、ベトナムなど11カ国かこくから81社しゃが出展しゅってん。フラワーショー運営うんえいの総そう予算よさんは約やく5,000万まん香港ほんこんドルをだという。

　フラワーアレンジメントや軽食けいしょく、園芸えんげい品ひんの販売はんばいなどの屋台やたいも登場とうじょう。フラワーアレンジメントの実演じつえん、ガーデニング講座こうざ、音楽おんがく、文化ぶんかパフォーマンスなど、幅広はばひろい世代せだいの来場らいじょう者しゃを対象たいしょうとした、教育きょういく、レクリエーション、アクティビティーも用意ようい。今年ことしはバスキングによる大道芸だいどうげいや、家庭かてい向むけのフラワーアートの実演じつえんも加くわえるなど、多彩たさいなプログラムをそろえる。

　特設とくせつ会場かいじょうの入いり口くちには、花はなで作つくり上あげる看板かんばん「花はな壁かべ（フラワーウオール）」が今年ことしも登場とうじょうした。小ちいさなコスモスを使つかって、大おおきなコスモスを6本ほん描えがいた看板かんばんを設置せっちし、その手前てまえには、赤あか、黄色おうしょく、紫むらさき、色いろとりどりのチューリップ約やく1万まん本ほんをじゅうたんのように敷しき詰つめ、彩いろどりを加くわえている。

　昨年さくねんからパンダフィーバーに沸わく香港ほんこんであることから、入いり口くち付近ふきんにある香港ほんこん政府せいふの区画くかくには香港ほんこんを象徴しょうちょうする2階かい建だてトラムのオブジェに花はなを敷しき詰つめ、窓まどからジャイアントパンダが顔かおをのぞかせたり、のけぞったりしている演出えんしゅつも。横よこには尖とんが沙すな咀のフェリーターミナルにある時計とけい台だいなども再現さいげんした。

　会場かいじょう内ないには多おおくの花はなを使つかってかたどられたジャイアントパンダの姿すがたも見みられるほか、ワールドツアーをテーマにデザインした景観けいかん展示てんじもある。「ヨーロッパ横断おうだんグランドジャーニー」として、英国えいこくの庭園ていえん、オランダの風車かざぐるま、ギリシャ風ふうの小屋こや、フランスのラベンダー畑はたけなどが表現ひょうげんされたエリアや、「アフリカの不思議ふしぎ」では、カーネーション、ワスレナグサ、菊きく、ラベンダー、パンジー、アネモネなど、さまざまな種類しゅるいの植物しょくぶつ約やく4万まん4000本ほんを使つかい、学生がくせいたちがゴリラ、カバ、ラクダ、キリンなどの動物どうぶつを切きり花ばなで表現ひょうげんした愛あいらしい花壇かだんのインスタレーションを作つくり上あげたコーナーもある。

　ほかにも、ヒマラヤ、マレーシアのキナバル山さん、日本にっぽんの富士山ふじさん、北京ぺきんの世界せかい遺産いさん「天壇てんだん」、シンガポールのランドマークであるガーデンズ・バイ・ザ・ベイ内ないのスーパーツリーなども再現さいげんした。「アメリカ大陸あめりかたいりくへの冒険ぼうけん」エリアでは、マヤのピラミッド、イースター島とうのモアイ像ぞう、西部せいぶ開拓かいたく時代じだいのカウボーイなどのインスタレーションを通つうじて、文化ぶんかと遺産いさんを体験たいけんすることができるようにしている。

　会場かいじょう内ないに設置せっちしたフラワーディスプレー「A Gifts of Nature」は、さまざまな花はなで埋うめ尽つくされた巨大きょだいなギフトボックスに見立みたてて、夜間やかんはライトアップ。さらに、ツリガネソウ、オトメギキョウ、ムラサキハナナス、白しろい花はなをつけるペトレア・ウォルビリスなどの珍めずらしい花はなを咲さかせる植物しょくぶつコーナーやクズウコン科かの葉は物ぶつ植物しょくぶつを展示てんじした区画くかくもある。

　併あわせて、地元じもと出身しゅっしんの90代だいアーティスト「花はな婆ばば婆ばば（花はなばあさん）」の作品さくひんも展示てんじ。中華ちゅうか鍋なべ、折おり畳たたみ椅子いす、プラスチックの洗面せんめん器きなど、日にち用品ようひんをキャンバスに、子こどものような、エネルギーに満みちた色いろ鮮あざやかな作品さくひんを生うみ出だしている。

　子こどもたちが遊あそべるエリアとして土曜どよう・日曜にちようの10時じ～18時じは、中央ちゅうおう芝生しばふ広場ひろばのスライダーなども稼働かどうしている。

　開園かいえん時間じかんは9時じ～21時じ。入場にゅうじょう料りょうは14香港ほんこんドル。今月こんげつ23日にちまで。