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アーンミーヤ - Wikipedia

アーンミーヤ

アフロ・アジア語族ごぞくセムぞくする現代げんだいアラビア、および口語こうごアラビア

アーンミーヤアラビア: اللغة العامية‎、al-lugha al-ʿāmmīya, アッ=ルガ(トゥ)・ル=アーンミーヤ,「通俗つうぞく大衆たいしゅう」の意味いみ)とは、アラビア口語こうごであり、文語ぶんごであるフスハーたい概念がいねんである。

アーンミーヤ

概要がいよう

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語義ごぎは「通俗つうぞく」であり、たとえばラテン語らてんごたいする「ぞくラテン語らてんご」のようなものである。アーンミーヤは多数たすう方言ほうげんかれているが、これを「ラフジャ」(لهجة, lahja, ラフジャ)とぶ。

イスラーム以前いぜんからアラビア部族ぶぞく方言ほうげんはなしていたアラブじん以外いがいかんしてはイスラーム・アラブつうじてひろまったフスハーがつたえられたが、その土地とち元々もともと使つかわれていた言語げんご影響えいきょう近隣きんりん地域ちいきとの関係かんけいせいからフスハーとはことなるアーンミーヤに分裂ぶんれつ。フスハー停滞ていたいなどを現在げんざいのような多様たよう方言ほうげん存在そんざいする状況じょうきょうとなった。

言語げんご学者がくしゃによっては、アラビア方言ほうげんマルタふくめる場合ばあいもある。マルタはロマンスからの借用しゃくよう非常ひじょうおおれたてん特異とくいであり、方言ほうげんではなく独自どくじ言語げんごであるとする学者がくしゃすくなからずいるが、実態じったいはその中間ちゅうかんである。(アフリカーンスオランダ関係かんけいおなじ。)

口語こうごアラビアしょ方言ほうげん

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地域ちいきまちによるちが

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アーンミーヤといっても方言ほうげん種類しゅるい様々さまざまであり、国内こくないでも意思いし疎通そつうむずかしいこともある。おながいでもまちによって発音はつおん語彙ごいちがうなど、そのひと社会しゃかいてき背景はいけい如実にょじつ反映はんえいしたものとなっている。

アラブじん同士どうし意思いし疎通そつう

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エジプト~アラビア半島はんとうかんしては方言ほうげんすくなくないが、衛星えいせい放送ほうそうつうじて他国たこくのバラエティー番組ばんぐみやテレビドラマ・映画えいがれる機会きかいおおいことからコンテンツ制作せいさくつよくに方言ほうげんほど地域ちいきでの認知にんちたか国外こくがいでの意思いし疎通そつう使つかえる機会きかいおおい。そのため字幕じまくくてもサウジアラビアじんがエジプトの映画えいがたのしんだり、イエメンじんがレバノンのドラマを日常にちじょうてき視聴しちょうするといったことがおこなわれている。

しかしマグリブ方言ほうげんとのかべおおきく、東側ひがしがわアラブ世界せかい(マシュリク)のアラブじんはまず字幕じまくしではフスハーしょくうす生粋きっすい同地どうち方言ほうげん理解りかいすることはできない。アラビア半島はんとうからきたアフリカへと移住いじゅうしたベドウィン部族ぶぞく末裔まつえいはなすアラビアいまでもルーツであるアラビア半島はんとうのアラブじんくとある程度ていど理解りかいできるというが、そののマグリブ方言ほうげんはベルベルフランス語ふらんすごはいじりかなりちがうものとなっている。

そのためエジプト~アラビア半島はんとう地域ちいきではマグリブ地方ちほう制作せいさくのマグリブ方言ほうげん番組ばんぐみ放送ほうそうされることもめずらしく、テレビをているうちにだいたい理解りかいできるようにもなるという機会きかいもマシュリクしょ方言ほうげんくら断然だんぜんすくない。

アラブじん日常にちじょう生活せいかつ文語ぶんごアラビア口語こうごアラビア

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文語ぶんごフスハーはすうひゃくねんまえまでイエメン南部なんぶ生活せいかつ会話かいわもちいる口語こうごとして使つかわれていた[1]が、現代げんだいではテレビやおや教育きょういくによるフスハーを習得しゅうとくした子供こども(ごくまれにアーンミーヤを拒否きょひしてはなせないこともある)や愛好あいこうらが会話かいわもちいるのみとなっており、通常つうじょう家族かぞくとは口語こうごのみで生涯しょうがい生活せいかつするのが普通ふつうとなっている。

アーンミーヤとフスハーの関係かんけいはヨーロッパでのロマンス諸語しょごラテン語らてんご、インドでの近代きんだいインド諸語しょごサンスクリット関係かんけいているが、フスハー会話かいわ色々いろいろなシーンでいまだ現役げんえき活躍かつやくしていることからだいぶ事情じじょうことなっているとえる。文化ぶんかじん同士どうしやかしこまったせきではフスハーだけで会話かいわする場合ばあいもあり、アラビア層状そうじょうきょう反映はんえいしたバイリンガルてき人間にんげん今日きょうでも数多かずおお存在そんざいする。

フスハーはニュースの言語げんご紹介しょうかいされることもあるがアーンミーヤのニュース番組ばんぐみがあったり、おな演説えんぜつなかでも文語ぶんご口語こうご混在こんざいしていたりと、フスハーとアーンミーヤを二分にぶんすることはむずかしい。

またメディアで採用さいようされている口語こうごのスタンダード(首都しゅと方言ほうげん準拠じゅんきょ)は首都しゅと特定とくていがい元々もともとはなされていた方言ほうげんとはまった同一どういつではなく、しょ方言ほうげんはな国民こくみん同士どうし相互そうご会話かいわするさいもちいる共通きょうつうとしてととのえられたフスハーにせいわゆるなまりを軽減けいげんしたものであったりする。これらはアラブ世界せかいにおいて文語ぶんごアラビア口語こうごアラビア折衷せっちゅう中間なかまがた[2]として認知にんちされている。

口語こうごアラビア正書法せいしょほう

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文語ぶんごではないためアーンミーヤの正書法せいしょほう正字せいじほう)は文法ぶんぽうとして確立かくりつされていないが、実際じっさいには話者わしゃ同士どうし文書ぶんしょ携帯けいたいメール・ネットをつうじてやりりするため同一どういつ方言ほうげんないではほぼ統一とういつされておりアラビア文字もじもちいて表記ひょうきされている。きん現代げんだいになってからは口語こうご文学ぶんがく執筆しっぴつするという運動うんどうおこり、口語こうごをアラビア文字もじ表記ひょうきした小説しょうせつ童話どうわなども発売はつばいされている。

英数字えいすうじによるチャットアラビア表記ひょうき

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携帯けいたい端末たんまつやパソコンがアラビア文字もじ対応たいおうしていなかった時代じだいには口語こうごアラビア英字えいじをあてたチャットアルファベット流行りゅうこうしたが、OSやインターフェースのアラビアすすんだ現在げんざいではややっている。

しかし英語えいご仏語ふつご影響えいきょうおおきい地域ちいきではアラビア文語ぶんご正書法せいしょほう正字せいじほう)が苦手にがて若者わかものおおく、かれらは口語こうごであってもアラビア文字もじ表記ひょうきすることを敬遠けいえん苦手にがてする傾向けいこうがあるためチャットアラビア表記ひょうきはそのようなそうつづ多用たようされている。

アーンミーヤの起源きげんとしては、従来じゅうらい古典こてんきたアラビアうちのクライシュ方言ほうげん古典こてん正則せいそくアラビア現代げんだいのフスハーの母体ぼたい)がイスラームきょうとも各地かくちひろまり、なが年月としつきあいだ分化ぶんか変化へんかしていったとかんがえられていた。

しかしながら現在げんざいではイスラームをひろめたアラブ戦士せんしたちの母語ぼごにはさまざまな古典こてんきたアラビア方言ほうげんはいじっておりそれらがかく土地とちごとにじり土着どちゃく言語げんご影響えいきょうけながら成立せいりつしたのがアーンミーヤであるとするせつもある。実際じっさいにエジプト方言ほうげんではアルファベットの発音はつおん人称にんしょう代名詞だいめいし指示しじ代名詞だいめいしなどにフスタート建設けんせつ駐留ちゅうりゅうした紅海こうかい沿岸えんがん付近ふきんしょ部族ぶぞく方言ほうげん名残なごりがあるとされるなど、関連かんれんせいみとめられるなどしている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ زبيد.. آخر مدينة ظلت تتكلم العربية الفصحى.. وقصتها مع الضيوف”. المنتصف نت. 2023ねん1がつ16にち閲覧えつらん
  2. ^ اللهجة البيضاء.. النطق المفهوم” (アラビア). www.albayan.ae. 2023ねん1がつ16にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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