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タイプライター - Wikipedia

タイプライター

かぎ押下おうか活字かつじ印字いんじする器械きかい

タイプライター英語えいご: typewriter)とは、文字もじばん打鍵だけんすることで活字かつじかみけ、文字もじ印字いんじする機械きかい筆記ひっき業務ぎょうむ高速こうそく各種かくしゅ原稿げんこう清書せいしょといった目的もくてき使用しようされ、カーボンはさんでふくすうまいかみ同時どうじ印字いんじすることで文書ぶんしょ複写ふくしゃもできたことから、会社かいしゃでの事務じむ個人こじん文章ぶんしょう作成さくせいなど 幅広はばひろ使つかわれた。

米国べいこくレミントンしゃE. Remington and Sons)のタイプライター(1907ねん
イタリア、オリベッティしゃのLINEA 88(1965ねん
日本にっぽんブラザー(工業こうぎょうの タイプライタ(1965ねん1974ねん
インクリボンしきのタイプライターで印字いんじする様子ようす。キーボードをすと、活字かつじインクリボンうえたたきつけられ、インクがかみのこる。

装置そうち内部ないぶ打鍵だけんした文字もじれつ記録きろくされ、印字いんじまえ修正しゅうせい可能かのうなものはワードプロセッサーともばれるが、区分くぶん曖昧あいまいである。

概要がいよう

編集へんしゅう

タイプライターが普及ふきゅうする以前いぜんは、かた口述こうじゅつし、書記しょき秘書ひしょなどがききとって文字もじにし、さらにから清書せいしょした。活字かつじほんをつくる場合ばあいは、職人しょくにん活版かっぱん作成さくせいする必要ひつようがあり、相当そうとう費用ひようがかかった。また会議かいぎ議事ぎじろくなどは通常つうじょう筆記ひっき速度そくどわないため、欧米おうべいでは数々かずかず速記そっきほう考案こうあんされ、書記しょき秘書ひしょとはべつ速記そっきしゃ独立どくりつした職業しょくぎょうとして確立かくりつしていた。

個人こじん使用しようできるタイプライターが登場とうじょうすると、著者ちょしゃ自身じしん活字かつじによる文章ぶんしょう作成さくせいできるようになった。また速記そっきほう習得しゅうとくしなくても口述こうじゅつをかなりの速度そくど記述きじゅつできるようになった。

欧文おうぶんけん英語えいごけんフランス語ふらんすごけん、スペインけん 等々とうとう)のタイプライターではタッチタイピング比較的ひかくてき容易よういにできるので、視覚しかく障害しょうがいしゃ文章ぶんしょううえ強力きょうりょくたすけにもなった。

録音ろくおん普及ふきゅうすると、録音ろくおんしたおときながらタイプするテープこし可能かのうとなった。これにより口述こうじゅつとタイプを同時どうじおこな必要ひつようがなくなり、外注がいちゅう出来できるなど自由じゆうした。これを専門せんもんとするオーディオタイピストというしょく登場とうじょうした。

タイプライターが普及ふきゅうするとタイプライターで清書せいしょ作成さくせいするタイピスト (typist) とばれる職業しょくぎょう誕生たんじょうした。

小規模しょうきぼ事務所じむしょ会社かいしゃではしばしば秘書ひしょがタイピストを兼任けんにんしたが、需要じゅよう増大ぞうだいともな専業せんぎょうのタイピストを養成ようせいする学校がっこう登場とうじょうした。20世紀せいき中頃なかごろにはタイピストは秘書ひしょ交換こうかんしゅ同様どうよう女性じょせい代表だいひょうてき職業しょくぎょうとなり、女性じょせい社会しゃかい進出しんしゅつ貢献こうけんした。

とく秘書ひしょがタイプライターをあつかえればタイピストをべつ雇用こようする必要ひつようがなくなるため、人々ひとびと組織そしき秘書ひしょにタイピング能力のうりょくもとめるようになり、タイピング速度そくどはやさが選考せんこう基準きじゅんのひとつとなり、経歴けいれきしょに「...words / minute(まいぶん...かたり)」などとかれるようになったり、秘書ひしょ面接めんせつ試験しけん実際じっさい口述こうじゅつ筆記ひっきをさせてタイピング速度そくど直接ちょくせつ確認かくにんするということがおこなわれるようになった。

個人こじん使用しようできるタイプライターが登場とうじょうしたのちも、タイピングの速度そくど正確せいかくさではタイピストにおとるため、タイピストの需要じゅようおおかった。

種類しゅるい

編集へんしゅう

動作どうさ方式ほうしきとしては、「手動しゅどうしき」にくわえて「電動でんどうしき」が登場とうじょうし、さらに(20世紀せいき後半こうはんに)エレクトロニクス技術ぎじゅつ進歩しんぽしたことでメモリ記憶きおく装置そうち)を内蔵ないぞうした「電子でんししき」もくわわった。

はこ可能かのうなケースきや速記そっき専用せんようステノタイプ)など様々さまざまなタイプライターが開発かいはつされた。

種類しゅるい分類ぶんるい

編集へんしゅう

手動しゅどうしきタイプライター

編集へんしゅう
 
タイプライターの基本きほん動作どうさ

アーム(またはハンマー、タイプバー)とばれる、先端せんたん活字かつじいている部品ぶひんが、機構きこうかいしてキーに直結ちょっけつしている。印字いんじしたい用紙ようしを、ローラーにセットする。任意にんいのキーを押下おうかすると、梃子てこ原理げんりでアームのさき部分ぶぶんが、インクリボンばれるインクませたおびうえから、ローラーに固定こていされたかみ瞬間しゅんかんてきたたきつける。そのさい、アームの先端せんたんについている活字かつじかたちでインクがかみむため、結果けっかてき印字いんじされる。押下おうかしたキーからゆびはなすと、アームがもと位置いちもどるのと同時どうじに、かみをセットしているローラー部分ぶぶん活字かつじ1文字もじぶんひだりにずれる。このため、いわゆる「キータッチ」はコンピュータのキーボードくらべると、大変たいへんおもい。

これをかえし、印字いんじ部分ぶぶんがある程度ていど右側みぎがわちかづくと改行かいぎょううなが意味いみでベルがり、利用りようしゃらせる仕組しくみになっている。打鍵だけんしたい単語たんご右側みぎがわ部分ぶぶんおさまりそうにないと判断はんだんした場合ばあいは、ローラー部分ぶぶんいている改行かいぎょうレバーをつかんで印字いんじ位置いち左側ひだりがわまでもどしてやる。これをかえことで、用紙ようし文字もじめていく。

アームの先端せんたんには、2種類しゅるい活字かつじ刻印こくいんされている。大文字おおもじ小文字こもんじ・あるいは数字すうじ記号きごう引用いんよう感嘆かんたんなど)がきざまれているが、これらの印字いんじ切替きりかえはシフトキーを押下おうかしながらタイプすることで実現じつげんする。

電動でんどうしき電子でんししきタイプライター

編集へんしゅう
   
IBMのタイプボール。
デイジーホイール先端せんたん活字かつじえられている。

アームがらみをけるために、一定いっていのタイムラグをって活字かつじつようにする機構きこう工夫くふうされた。やがて活字かつじこく機構きこう工夫くふうされることになり、IBM1961ねん発表はっぴょうしたセレクトリックゴルフボールよう部品ぶひん表面ひょうめん活字かつじ刻印こくいんされている「タイプボール」を搭載とうさいし、1978ねんには「デイジーホイール」が開発かいはつされ、そのこく機構きこう主流しゅりゅうとなる。改行かいぎょうかみおくり、こくなどの主要しゅよう動作どうさ手動しゅどうから電動でんどうえられるようになっていった(電動でんどうタイプライター)。

1970年代ねんだいごろから、電動でんどうタイプライターのしょ機能きのうくわえて、本体ほんたいバッファメモリそなえるものがあらわれた。これにより文字もじセンタリングアンダーラインデシマルタブ数字すうじ位置いちそろえ)などが容易よういおこなえるようになった。これを電子でんしタイプライターしょうする。なお電子でんししきでは、改行かいぎょう動作どうさはレバーではなく、改行かいぎょうキーを押下おうかすることでおこなう。欧文おうぶん電子でんしタイプライターはのちに「欧文おうぶんワードプロセッサ」へと発展はってんしていく。

電子でんしタイプライターの電子でんし制御せいぎょ機構きこうはのちに、コンピュータの入力にゅうりょく機器ききとして応用おうようされ、従来じゅうらいパンチカードかみテープ駆逐くちくして、主要しゅよう入力にゅうりょく機器ききとなっていく(→キーボード)。

言語げんごしゅごとのタイプライター

編集へんしゅう

欧文おうぶんようタイプライター(印欧語いんおうごようタイプライター)はおおむねたようなメカニズムで実現じつげんされているが、特殊とくしゅなアクセント記号きごう特殊とくしゅ記号きごう印字いんじできなければならないため、言語げんごごとにキーボードの配列はいれつおよび活字かつじことなっている。

英文えいぶんタイプライター
 
標準ひょうじゅんタイプライターの盤面ばんめん使用しようゆびしめ
  • 英文えいぶんタイプのキーの文字もじ配列はいれつ前後ぜんご4れつ左右さゆう12程度ていど一番いちばん手前てまえスペースバー横長よこながけられていた。今日きょうのコンピュータのキーボード採用さいようされている、いわゆるQWERTY配列はいれつとほぼおなじである。誤字ごじすには、修正しゅうせいえきるか、訂正ていせい用紙ようしをはさんでおな活字かつじうえからもう一度いちどむなどする必要ひつようがあった。
  • デスクに常置じょうちして使つか大振おおぶりのものと、ぶりでケースにれてはこびできるポータブルタイプがあった。
  • かみじゅうかさねて、そのあいだにカーボンさしはさめば、おくほうかみカーボンコピーとなる。
和文わぶんタイプライター

日本語にほんご文字もじかずたね)が桁違けたちがいにおおく、カタカナのみを印字いんじするだけでも、すでに印欧語いんおうごのアルファベットとくらべて文字もじかずおおくなる。さらに漢字かんじまでてるタイプになるとすうせん種類しゅるい文字もじ印字いんじする必要ひつようがあり、欧文おうぶんのタイプライターとはまったことなったメカニズムとなっている。

初期しょき発明はつめい改良かいりょう

編集へんしゅう
 
初期しょきのタイプライター(19世紀せいきまつ
シャーロック・ホームズ博物館はくぶつかん所蔵しょぞう

タイプライターは1人ひとり人間にんげん発明はつめいしたわけではない。自動車じどうしゃ電話でんわ電信でんしんなどと同様どうようおおくの人間にんげん発明はつめい改良かいりょうかかわり、結果けっかとして経済けいざいてき装置そうちまれた。実際じっさい、ある歴史れきしはタイプライターはおおよそ52かい発明はつめいなおされ、すこしずつ使つかえるものになってきたとしている[1]

1714ねんイギリスヘンリー・ミル(en)はタイプライターのような機械きかいについて特許とっきょ取得しゅとくしているが、詳細しょうさい不明ふめいである。初期しょきのタイプライター開発かいはつしゃとしては、カーボン発明はつめいした イタリアじんPellegrino Turri などがいる。これら初期しょき機械きかいは、文字もじけない人々ひとびとのために考案こうあんされた。

1829ねんウィリアム・オースチン・バート(en)が特許とっきょ取得しゅとくした "Typographer" とばれる機械きかいも、すうおおくの初期しょき機械きかい同様どうよう、「世界せかいはつ」のタイプライターとされている。ロンドンサイエンス・ミュージアムでは、「タイプライターの機構きこうとして、文書ぶんしょのこっている発明はつめいとして世界せかいはつ」であるされるが、そういう意味いみでは Turri の発明はつめい文書ぶんしょのこっているし、バートよりもふる[2]発明はつめいしゃ自身じしん使つかっても、その機械きかい手書てがきよりおそかった。バートと支援しえんしゃの John D. Sheldon は特許とっきょってくれるひとつけられず、バートのタイプライターが発売はつばいされることはなかった。その機械きかいはキーではなくダイヤルで文字もじえらんでいたため、「キーボード・タイプライター」ではなく「インデックス・タイプライター」とばれた。

19世紀せいきなかごろ、ビジネスの通信つうしん文書ぶんしょえてきたころから、文章ぶんしょうくプロセスを機械きかいする需要じゅようたかまってきた。速記そっき電信でんしんでは1分間ふんかんに130程度ていどしるすことができるが、普通ふつうにペンを使つかって文章ぶんしょうくと1分間ふんかんに30程度ていど限界げんかいであった(1853ねん記録きろく[よう出典しゅってん]

1829ねんから1870ねんにかけて、印刷いんさつ機械きかいやタイピング機械きかいでいくつも特許とっきょ取得しゅとくされているが、いずれも商業しょうぎょうてき生産せいさんにはむすびつかなかった。

Charles Thurber は、1843ねん盲人もうじんのためのタイプライター、1845ねんにはしょこうのためのタイプライターの特許とっきょ取得しゅとくした。1855ねんイタリアのジュゼッペ・ラヴィッツァ(it)は Cembalo scrivano o macchina da scrivere a tasti筆記ひっきチェンバロもしくはキーしき筆記ひっき機械きかい)とばれるタイプライターの原型げんけい開発かいはつした。使用しようしゃがタイプした文字もじをそのることができるてん目新めあたらしかった。1861ねんブラジル神父しんぷ Francisco João de Azevedo は、ナイフといった手近てぢか材料ざいりょう道具どうぐ自分じぶんようのタイプライターをつくった。同年どうねん、ブラジル皇帝こうていペドロ1せいは、この発明はつめいとなえてきんメダルを授与じゅよした。ブラジルでは、Francisco João de Azevedo がタイプライターの発明はつめいしゃとされており、そのことがこれまでも論争ろんそうたねとなってきた。1865ねんアメリカの John Pratt が Pterotype という機械きかいつくり、それが1867ねんサイエンティフィック・アメリカン掲載けいさいされ、発明はつめい刺激しげきした。1864ねんから1867ねんあいだに、みなみティロル当時とうじオーストリア一部いちぶ出身しゅっしん大工だいく Peter Mitterhofer がいくつかのタイプライターをつくり、1867ねんつくったものは完全かんぜん動作どうさした。

商業しょうぎょう生産せいさんされたはつのタイプライター

編集へんしゅう
 
ハンセンのライティングボール

1865ねんデンマークラスムス・マリング=ハンセン(en) がハンセン・ライティングボール(en)とばれるものを発明はつめいした。これが1870ねん製品せいひんとして商業しょうぎょう生産せいさんされ、タイプライターとしてはじめて販売はんばいされた。これはヨーロッパでは成功せいこうおさめ、ロンドンのオフィスなどで20世紀せいきはじめごろまで使つかわれていた[よう出典しゅってん]

一部いちぶ機種きしゅでは、かみいただい改行かいぎょうさいもど動作どうさキャリッジ・リターン復帰ふっき)をソレノイド使つかって実現じつげんしていた。このため、かれを「電動でんどうしき」タイプライターの発明はつめいしゃとすることもある。マリング=ハンセンのむすめいたほん Hvem er Skrivekuglens Op finder? によれば、1865ねん、キーボード部分ぶぶん陶製とうせいにした試作しさくでキーの配置はいちえることでよりはやけることを発見はっけんした。

ライティングボールは、半球はんきゅううえにいくつもピストンじょうのものがあってそこに文字もじいてあり、それをむと反対はんたいがわにあるかみにその文字もじ印字いんじするようになっていた。この機構きこうと、ゆび配置はいち考慮こうりょして文字もじ配置はいちすることで最高さいこう速度そくど文章ぶんしょうをタイプできるようになり、それによって手書てがきよりも高速こうそくける最初さいしょのタイプライターとなった。

マリング=ハンセンは1870年代ねんだいから1880年代ねんだい開発かいはつつづすうおおくの改良かいりょうおこなったが、基本きほんてき機構きこうはそのままであった。1870ねん最初さいしょ機種きしゅでは、かみ木製もくせいはこなか円筒えんとう装着そうちゃくされていた。1874ねん機種きしゅでは円筒えんとうわりにキャリッジが使つかわれるようになった。1875ねん機種きしゅはじめて電気でんきがなくても使つかえるものとなった。マリング=ハンセンは1873ねんウィーン万博ばんぱく1878ねんパリ万博ばんぱく出品しゅっぴんし、どちらでもしょう受賞じゅしょうしている[3][4][5]

商業しょうぎょうてき成功せいこうおさめた最初さいしょのタイプライター

編集へんしゅう

商業しょうぎょうてき成功せいこうおさめた最初さいしょのタイプライターは、ミルウォーキークリストファー・レイサム・ショールズらが1867ねん発明はつめいしたものであるが、ショールズ自身じしんはこの機械きかいらず、推奨すいしょうすることさえ拒否きょひしている。その特許とっきょ(79,265ごう)は Densmore and Yost が1まん2000ドルでり、E・レミントン・アンド・サンズ当時とうじミシン製造せいぞうられていた)に製造せいぞう依頼いらいし、Sholes and Glidden Type-Writer として発売はつばいした。"typewriter" という用語ようごはこのときはじめてまれた。レミントンのタイプライター生産せいさん1873ねん3月1にち開始かいしされた[よう出典しゅってん]。キー配列はいれつQWERTYであり、それがこの機械きかい商業しょうぎょうてき成功せいこうした原因げんいんであった[よう出典しゅってん]。そして、QWERTY配列はいれつ業者ぎょうしゃにも徐々じょじょ採用さいようされていった。

このタイプライターは水平すいへいかみたいしてしたからうえにタイプアームがけて印字いんじするようになっていたため、使用しようしゃからは印字いんじされた文字もじ確認かくにんできなかった。初期しょきのキーボード・タイプライターでは印字いんじしたものがえないという問題もんだいがよくあり、キャリッジ・リターンでかみがスクロールされてはじめて印字いんじしたくだりえるようになっていた。このような配置はいちにしないとったのちのタイプアームがもと位置いちもどることを保証ほしょうできなかったためである。その巧妙こうみょう機械きかい設計せっけいによって印字いんじした文字もじ即座そくざえるようなタイプライターが登場とうじょうし、"visible typewriters" とばれた。たとえば1895ねんオリベッティせいのタイプライターなどがある。印字いんじえないふるかたちのタイプライターは1915ねんごろまで生産せいさんされていた[よう出典しゅってん]

標準ひょうじゅん

編集へんしゅう
 
6つのキーを同時どうじ押下おうかしたために、タイプアームがからんでしまった状態じょうたい

1910ねんまでに、手動しゅどうまたは機械きかいしきのタイプライターの設計せっけい一種いっしゅ標準ひょうじゅんされた状態じょうたいいたった。製造せいぞう業者ぎょうしゃによってこまかい差異さいはあるものの、かくキーにアームがつながっていて、その先端せんたん活字かつじ部分ぶぶんがあるという基本きほん構造こうぞうはほとんどのタイプライターでおなじである。正確せいかく位置いち文字もじ印字いんじするため、アームはインクリボンにかうまでそのうご方向ほうこう誘導ゆうどうされる。キーをつよつと、円筒えんとうじょうのプラテンのまえられたインクリボン(帯状おびじょう織物おりものインクませたもの)に対応たいおうするアームがたる。かみはプラテンのまわりにきつけてあり、「キャリッジ・リターン」バーを操作そうさすることでつぎくだり位置いち回転かいてんし、くだり先頭せんとう位置いち印字いんじできる位置いち設定せっていされる。

シフトキー発明はつめい重要じゅうようである。このキーには、アームぐん保持ほじしているバスケットをうごかすことで物理ぶつりてきにアームがける位置いちをシフトさせる「バスケットシフト」しきと、キャリッジがわうごかすようにする「キャリッジシフト」しきがあった。アームの先端せんたんに2種類しゅるい活字かつじ通常つうじょう大文字おおもじ小文字こもじ)があって、シフトキーによってことなる文字もじ印字いんじできるため、キーのかず半分はんぶんにできる。シフトキーの発明はつめいによってタイプライターの機構きこう簡略かんりゃくされ、製造せいぞうコストが劇的げきてき低減ていげんされ、タイピストの操作そうさ単純たんじゅんされた。この双方そうほう要因よういんによって、シフトキーはすぐさま各社かくしゃ採用さいようされていった。一部いちぶ機種きしゅではダブルシフト方式ほうしき採用さいようされ、かくキーに3種類しゅるい文字もじ対応たいおうさせることができた。

シフトキーは通常つうじょうのキーよりもうごかす機構きこうおおきく押下おうかするのにつよちから必要ひつようとしたが、キーボードの外側そとがわにあるため、ちからはいりづらい小指こゆびでシフトキーを押下おうかし、シフトキーをしながら3つも4つも文字もじつのは至難しなんわざであった。そこで「シフトロック」キー(現代げんだいえばCapsLockキー)が考案こうあんされた。CapsLockとはことなり、シフトロックは2つのキーでおこなう。シフトキーを押下おうかしつつシフトロックキーを押下おうかすると、単純たんじゅんなロック機構きこう作用さようしてシフト状態じょうたいがロックされる。アンロックするには、シフトキーのみを押下おうかする。

20世紀せいき初頭しょとう、"Noiseless"と名付なづけられたタイプライターが登場とうじょうした。これは Wellington Parker Kidder が開発かいはつし、最初さいしょ機種きしゅ1917ねんに Noiseless Typewriter Company が発売はつばいした。その契約けいやくむすばれ、1924ねんにはレミントン、1929ねんにはアンダーウッドが同様どうよう機種きしゅ発売はつばいしている[6]。しかし、消費しょうひしゃはタイプライターの騒々そうぞうしいおときであったらしく、この系統けいとうのタイプライターは成功せいこうしなかった[7]

通常つうじょうのタイプライターでは、アームはインクリボンとかみ衝突しょうとつすることで減速げんそくする。"Noiseless" タイプライターは複雑ふくざつ機構きこうでアームを減速げんそくさせてからインクリボンとかみ若干じゃっかんおそ速度そくどける[6]。こうすることでタイプライターの騒音そうおん高周波こうしゅうは成分せいぶんたしかに低減ていげんされたが、ぎゃくてい周波しゅうは成分せいぶん強調きょうちょうされる結果けっかとなり、広告こうこくにあるように「あなたのデスクからすうフィートの場所ばしょ使つかっても、なにこえない」ということはありなかった。

電動でんどうしき

編集へんしゅう

電動でんどうタイプライターがひろ使つかわれるようになるのは1世紀せいきちかのちになるが、その基本きほんは1870ねんトーマス・エジソン発明はつめいした Universal Stock Ticker にある。この装置そうち電信でんしん受信じゅしん内容ないようかみテープに文字もじ数字すうじかたち印字いんじするものである。

最初さいしょ電動でんどうしきタイプライターは1902ねんスタンフォードBlickensderfer Manufacturing Company製造せいぞうした。手動しゅどうしき同社どうしゃのタイプライターと同様どうよう、タイプアームではなく円筒えんとうがたのタイプホイールを使つかっていた。しかし、当時とうじ電力でんりょく系統けいとうがまだ標準ひょうじゅんされておらず、都市としによって交流こうりゅうであったり直流ちょくりゅうであったりしたため、この電動でんどうしき商業しょうぎょうてきには成功せいこうしなかった。1909ねん、Charles Krum と Howard Krum ははつ実用じつようてきなテレタイプ装置そうち特許とっきょ申請しんせいした。こちらもタイプアームではなくタイプホイールを使つかっていた。どちらも目新めあたらしさはあったが、商売しょうばいにはむすびつかなかった。

カンザスシティの James Fields Smathers は1914ねん世界せかいはつ実用じつようてき電動でんどうしきタイプライターを発明はつめいしたとされている。1920ねん軍隊ぐんたい勤務きんむえてもどると、販売はんばい可能かのう機種きしゅし、1923ねんに Northeast Electric Company of Rochester に製品せいひん開発かいはつ依頼いらいした。同社どうしゃあらたなモーターの市場いちば模索もさくしていたため、Smathersのデザインをさらに進歩しんぽさせ、タイプライター製造せいぞう業者ぎょうしゃめるかたちにした。そして1925ねん、レミントンがNortheastのモーターを使つかった電動でんどうタイプライターを発売はつばいした。

2500だい電動でんどうタイプライターを生産せいさんしたのちに、Northeastはレミントンに今後こんご製造せいぞう契約けいやくむすぶよう依頼いらいした。しかし、そのころのレミントンはおおきな合併がっぺい進行しんこうしており、レミントンランドへと改組かいそされた。あらたな経営けいえいじんはNrotheastとの契約けいやくのぞまなかったため、Northeastは自前じまえでタイプライター生産せいさんし、1929ねん最初さいしょ機種きしゅ発売はつばいした。

1928ねんゼネラルモーターズ傘下さんかにあったデルコ・エレクトロニクスがNortheastを買収ばいしゅうし、タイプライター事業じぎょうは Electromatic Typewriters, Inc. としてスピンオフされた。1933ねんにIBMがこれを買収ばいしゅうし、100まんドルかけて電動でんどうタイプライターのさい設計せっけいおこない、1935ねんに IBM Electric Typewriter Model 01 を発売はつばいした。1958ねんまでIBMのげの8%は電動でんどうタイプライターによるものであった。

電動でんどうタイプライターはキーと印字いんじ機構きこう直接的ちょくせつてき機械きかいてき接続せつぞく不要ふようとした。「電子でんししき」タイプライターとはことなり、電動でんどうタイプライターの電気でんきてき部品ぶひんはモーターのみである。従来じゅうらいのタイプライターではキー押下おうか直接ちょくせつタイプアームをうごかしていたが、電動でんどうタイプライターではタイプアーム部分ぶぶんをモーターで駆動くどうするようになった。

 
IBM Selectric II (ラテン文字もじ/ヘブライ文字もじ対応たいおう
 
Selectric II のラテン文字もじ/ヘブライ文字もじ対応たいおうのタイプボール

IBMとレミントンランドの電動でんどうタイプライターがしばらくのあいだアメリカ市場いちばをリードしていたが、1961ねん、IBMが IBM Selectric typewriter発売はつばいした。これはタイプアームではなくタイプボールとばれる部品ぶひん使つかっている。タイプボールはゴルフボールを若干じゃっかんおおきくした形状けいじょうで、その表面ひょうめん活字かつじならんでいる。Selectricはラッチや金属きんぞくテープや滑車かっしゃ使つかい、タイプボールを回転かいてんさせて適切てきせつ活字かつじ印字いんじ位置いちるようにし、それをインクリボンとプラテンにける。また、従来じゅうらいかみ装着そうちゃくしたプラテンのがわが1文字もじ印字いんじするごとによこにずれていたが、Selectricではタイプボールのほう左右さゆう移動いどうするようになった。

この方式ほうしきには様々さまざま利点りてんがある。とく複数ふくすうのキーを同時どうじ押下おうかしたときタイプアームがからまるという問題もんだいきなくなった。また、1つの文書ぶんしょ複数ふくすう種類しゅるい字体じたい使つかえるようになった。この機構きこうは1960年代ねんだいのコンピュータ端末たんまつにもひろ採用さいようされた。これにはつぎのような利点りてんがあった。

  • それなりに印字いんじはやく、ジャミング(アームのからまり)もきない。
  • テレタイプ端末たんまつなどにくらべて印字いんじ品質ひんしつがよい。
  • みじかちいさい物理ぶつりてきりょく印字いんじ起動きどうできる。
  • シフトキーによるバスケットの移動いどう不要ふようとなり、ちから不要ふようになった。
  • かみきつけるプラテンを左右さゆううごかさなくなったため、連続れんぞく使つかいやすくなった。

Selectric を採用さいようしたコンピュータ端末たんまつとして IBM 2741 端末たんまつなどがある。また、IBM System/360コンソールにも同様どうよう機構きこう使つかわれた。これらは、通常つうじょうのタイプライターよりも機構きこう耐久たいきゅうせいたかめている。

IBMはまた、レミントンにくらべて学校がっこうへのみを重視じゅうししていた。これは、生徒せいとたちがIBMのタイプライターでまねべば、将来しょうらい社会しゃかいじんになったときにIBMのタイプライターをえらぶであろうとの思惑おもわくがあった[よう出典しゅってん]

そののIBMは、インクリボンを透明とうめいなプラスチックの薄膜うすまくのリボンにかわいた粉末ふんまつ塗布とふしたものに転換てんかんした。これはかえ使つかえないが、IBMはさらにカートリッジしきにして交換こうかん容易よういにした。そのふくつぎ効果こうかとして、使用しようみリボンからタイプした内容ないよう容易よういれるという問題もんだいしょうじ、機密きみつ文書ぶんしょでの使用しようには問題もんだいがあった[8]

 
Composer の出力しゅつりょく結果けっか。タイプボールをえることでローマンたい、ボールドたい、イタリックたい使つかえる。

このために考案こうあんされたのが "Correcting Selectrics" である。これは、リボンのまえにふきようテープをき、印字いんじ部分ぶぶんのこった塗料とりょう粉末ふんまつをふきって、どういう文字もじ印字いんじしたのかわからなくするものである。また、この機種きしゅでは文字もじ間隔かんかくをタイピングの途中とちゅうでも変更へんこう可能かのうであった。ただし、Selectric はいずれもとうはばであり、大文字おおもじの "W" からピリオドまでおなはば印字いんじされていた。プロポーショナル印字いんじ可能かのうなタイプアームを使つかった IBM Executive もあったが、プロポーショナルでないSelectricのほうがよくれていた。じつほかにもプロポーショナル印字いんじ可能かのうなものが2機種きしゅあった。1つは Selectric Composer で、みぎはし余白よはく調整ちょうせいできるなど、タイプライターというよりも組版くみはん機械きかいおもむきがある。もう1つはもっと安価あんかな IBM Electronic Typewriter 50 で、余白よはく調整ちょうせいはできない。1970ねんごろまでにオフセット印刷いんさつ活版かっぱん印刷いんさつわって使つかわれはじめ、Composerは組版くみはんシステムの出力しゅつりょく装置そうちとして使つかわれるようになった。この場合ばあいコンピュータを使つかってキーストローク入力にゅうりょく磁気じきテープに記録きろくし、そこにオペレーターがフォーマットようコマンドを挿入そうにゅうし、その磁気じきテープをComposerにませて印字いんじ出力しゅつりょくて、それを写真しゃしん複製ふくせい原版げんばんとする。

IBMによる改良かいりょう一部いちぶは、のち競合きょうごう他社たしゃがより安価あんか機種きしゅ採用さいようした。たとえば1970年代ねんだいスミス・コロナ電動でんどうタイプライターは、交換こうかん容易よういなインクリボン・カートリッジを各種かくしゅそろえていた。おなごろ複写ふくしゃ進歩しんぽによってカーボンコピーが徐々じょじょ不要ふようになっていった。

電子でんししき

編集へんしゅう
 
電子でんししきタイプライター - タイプライターの進歩しんぽ最終さいしゅう段階だんかいCanon Typestar 110(1989ねん

つぎのタイプライターの進化しんかは「電子でんししき」である。電子でんししきになって、タイプボールから金属きんぞくまたはプラスチックせいのデイジーホイール機構きこう主流しゅりゅうとなった。デイジーホイールは円盤えんばんじょうで、はなびらのような形状けいじょう先端せんたん活字かつじならんでいる。プラスチックせいデイジーホイールは金属きんぞくせいより単純たんじゅん安価あんかであるが、磨耗まもうしやすい。一部いちぶ電子でんししきタイプライターはメモリを内蔵ないぞうし、外部がいぶ記憶きおく媒体ばいたいとして磁気じきカードや磁気じきディスケットを使つかえ、一種いっしゅワードプロセッサ基本きほんてきおなじである。Selectricや従来じゅうらい機種きしゅことなり、「電子でんししき」は集積しゅうせき回路かいろ使つか複数ふくすう電子でんし機械きかい部品ぶひん使つかっている。なかには「ディスプレイ・タイプライター」とばれるものや[9]「ワードプロセッシング・タイプライター」とばれるものがあり、とく後者こうしゃはディスプレイが1ぎょうしか表示ひょうじできない小型こがた機種きしゅすことがおおい。

1990ねんげが低下ていかしたためIBMはタイプライター部門ぶもんレックスマーク売却ばいきゃくした。

後世こうせいへの影響えいきょう

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キーボード配列はいれつ: "QWERTY" とそれ以外いがい

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QWERTY配列はいれつ手動しゅどうしきタイプライター

現在げんざいのコンピュータのキーボードのキーの位置いちくだりごとにすこしずつずれているのは、手動しゅどうしきタイプライターの名残なごりである。

1874ねんのショールズらのタイプライターで、QWERTY配列はいれつ確立かくりつした。ショールズが仲間なかまともにタイプライターを開発かいはつしているとき、様々さまざまなキー配列はいれつためしたとおもわれるが、それについての文書ぶんしょはほとんどのこっていない[10]。QWERTY配列はいれつのホームポジションのくだりにはほぼアルファベットじゅんならび (a-s-d-f-g-h-j-k-l) があることから、出発しゅっぱつてんはアルファベットじゅんのキー配置はいちであったとかんがえられている[11]。QWERTY配列はいれつ英語えいごようタイプライターやコンピュータようキーボードのデファクトスタンダードとなった。ラテン文字もじ使用しようしているほか言語げんごは、QWERTY配列はいれつをアレンジしたものを使つか場合ばあいがある。たとえば、フランス語ふらんすごAZERTY配列はいれつ、イタリアのQZERTY配列はいれつ、ポルトガルのHCESAR配列はいれつ、ドイツQWERTZ配列はいれつなどである。

さらなる効率こうりつもとめ、Dvorak配列はいれつのようなまったことなる配列はいれつ提案ていあんされてきたが、QWERTY配列はいれつ代替だいたいするにはいたっていない。

QWERTY配列はいれつについての諸説しょせつ

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QWERTY配列はいれつは、英語えいごによくてくる単語たんごでも複数ふくすうくだり必要ひつようがあり、かんがえられる最高さいこう効率こうりつてき配列はいれつというわけではない。手動しゅどうしきタイプライターでは、活字かつじアームが完全かんぜんもどってからつぎのキーをたないと、アームがたがいにからって故障こしょうする(アームがらみ)。現在げんざいもっと一般いっぱんてきなキーボード配列はいれつであるQWERTY配列はいれつかんする巷説こうせつで、打鍵だけん速度そくどとして故障こしょうふせぐための配列はいれつかんがされたとわれることがある。また、にはタイプライターのセールスマンが、顧客こきゃくたいして簡単かんたんうつくしく「typewriter」という単語たんご打鍵だけん披露ひろうできるようにしたものであるともわれる(qwerty配列はいれつでは「typewriter」という文字もじよこいちれつならんでいる)。QWERTY配列はいれつもっともそれらしい説明せつめいとしては、つづけてつことがおお文字もじのアームをとおくにはなすことで、内部ないぶ機械きかい故障こしょうこしにくくしたというせつがある[11][12]

これらの巷説こうせつたいし、京都大学きょうとだいがく安岡やすおか孝一こういち京都外国語大学きょうとがいこくごだいがく安岡やすおか素子もとこは『キーボード配列はいれつ QWERTYのなぞ』40-41・162ぺーじにおいて、「英語えいご連続れんぞくする文字もじもっと頻度ひんどたかいのは「th」であるにもかかわらず、TとHはQWERTY配列はいれつ(のキーボードじょうでのキーの距離きょり)でははなれていない」「英語えいご連続れんぞくする文字もじのうち、もっと使用しよう頻度ひんどたかい「th」にかんしては、たしかに『ショールズ・アンド・グリデン・タイプ・ライター』において、「T」と「H」の活字かつじぼうはほぼ対角線たいかくせんじょう位置いちしている。しかし、そのつぎ使用しよう頻度ひんどたかい「er」+「re」にかんしては、活字かつじぼうはほとんどとなわせに配置はいちされている」「当時とうじ商標しょうひょうは『Sholes & Glidden Type-Writer』なのに、SholesもGliddenもひとつのだんつことはできない。Type-Writerにしてもハイフンをふくんでおり、ハイフンがおなだんにない以上いじょう、このせつはナンセンスとわざるをえない」と反論はんろんしている[13]。しかし、TとHのタイプバーの距離きょり(タイプバスケットじょうでははなれていた[14][15])にかんしての問題もんだいにキーボードじょうでのキーの距離きょりすことや、当時とうじ実機じっき銘板めいばんには「TYPE WRITER」の文字もじのみが独立どくりつして「Sholes」や「Glidden」とはべつ記載きさいされていること、また「TYPE」と「WRITER」の文字もじあいだにハイフンをふくんでいないこと(1874ねん[3][4]1876ねん)は考慮こうりょされていない。

キーの省略しょうりゃく

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Shuangge せい中国語ちゅうごくごタイプライター。2,450のキーがある。
 
和文わぶんタイプライター

ふるいタイプライターでは、内部ないぶ機構きこう簡易かんいやコストダウンのため、特定とくていのキーがはぶかれているものがある。この場合ばあい字体じたいほかホモグリフ)を代用だいようとしててて打鍵だけんする。れいとして、数字すうじの「1」を小文字こもじの「l」(エル)・おなじく数字すうじの「0」を大文字おおもじの「O」(オー)で代用だいようする、などである。また、バックスペースを使つかい、2つの文字もじおな位置いち印字いんじしてキーが存在そんざいしない文字もじ印字いんじする手法しゅほう存在そんざいした(感嘆かんたんをアポストロフィーとピリオドで代替だいたいするなど)。また、スペースバーを押下おうかしたままにすると、文字もじおくりがされず、おな位置いち複数ふくすう文字もじてる機構きこう存在そんざいした。

言語げんごによる配列はいれつちが

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ラテン文字もじ以外いがいのキーボード配列はいれつでは、QWERTYはまった関係かんけいない。キリル文字もじのキー配列はいれつでは、ロシアによくある文字もじならび ыва、про、ить がキー配列はいれつじょうならんでいる。このために3ほんゆびをローリングさせるようにうごかすことでてる。

中国語ちゅうごくご日本語にほんごなどのひがしアジア言語げんごようのタイプライターには、すうせん文字もじ機構きこう必要ひつようである。これらの操作そうさ簡単かんたんではないが、1980年代ねんだいにワードプロセッサが登場とうじょうするまで、プロのタイピストがそういったタイプライターを操作そうさしていた。

コンピュータ関連かんれんへの影響えいきょう

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タイプライター関連かんれん用語ようごは、現代げんだいでも使つかわれているものがある。以下いかれいしめす。

バックスペース
カーソルを通常つうじょうとは反対はんたい方向ほうこううごかすキーストローク。タイプライターでは、プラテンをスペースキーとぎゃく方向ほうこううごかす。
カーボンコピー
これの略称りゃくしょう "CC" は電子でんしメールのコピー送信そうしんさき意味いみする。「CC」ではすべての配信はいしんさき受信じゅしんしゃすべてに開示かいじされる。本人ほんにんほかにはだれけたかをからなくするのが「BCC」(ブラインド・カーボン・コピー)。
キャリッジ・リターン (Carriage return, CR)
くだりわりをしめし、つぎくだり先頭せんとうへの復帰ふっきしめす。
カーソル
タイプライターでは、つぎ文字もじ印字いんじされる位置いちしめたてせん。コンピュータでは、つぎ文字もじ表示ひょうじされる位置いちしめすマーカーである。
改行かいぎょう (line feed, LF)
カーソルつぎくだり移動いどうさせること。タイプライターでは、プラテンを回転かいてんさせてつぎくだりおくる。
シフト
大文字おおもじなどキーのうえかれている文字もじをタイプするための修飾しゅうしょくキーの1つ。タイプライターでは、キャリッジ機構きこう全体ぜんたい上下じょうげにシフトさせ、タイプアームじょうべつ活字かつじ印字いんじさせる機構きこうであった。シフトキーには上向うわむきの矢印やじるしかれているものがあるが、これはキャリッジ機構きこうをシフトすることをあらわし、タイプライターの名残なごり
タブキー
Tabulate KeyのことでTabulateとは作表さくひょう意味いみ。タブキーを押下おうかすることであらかじめめられた文字数もじすうぶんキャリッジが移動いどうする。この機構きこうにより使用しようしゃ手作業てさぎょうでキャリッジを移動いどうさせる手間てまはぶかれ、作表さくひょう容易よういとなった。
tty (teletypewriter)
UnixけいOSの「端末たんまつ」デバイスめい表示ひょうじするコマンド。

利用りようしゃ

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ウィリアム・フォークナー書斎しょさいにある愛用あいようのアンダーウッドせい Universal Portable。フォークナーの自宅じたくであった Rowan Oakミシシッピ大学だいがく博物館はくぶつかんとして保存ほぞんしている。

当初とうしょ事務じむよう機器ききであったが、個人こじんようタイプライターの登場とうじょうにより、著述ちょじゅつなども使つかうようになった。

哲学てつがくしゃフリードリヒ・ニーチェは、偏頭痛へんずつう失明しつめい初期しょき症状しょうじょうへの対策たいさくとしてタイプライターを使つかった。

マーク・トウェイン自伝じでんなかで、『トム・ソーヤーの冒険ぼうけん』(1876ねん)の出版しゅっぱんしゃわたした原稿げんこうはタイプライターでったもので、自身じしんをタイプライターを使つかった世界せかいはつ小説しょうせつしょうしている。しかし、タイプライター収集しゅうしゅう歴史れきしの Darryl Rehr はトウェインの記憶きおく間違まちがっているとし、タイプライター原稿げんこう出版しゅっぱんしゃおくったのは『ミシシッピの生活せいかつ』(1883ねん)が最初さいしょであると指摘してきしている[16]

ヘンリー・ジェイムズは、口述こうじゅつしてタイピストにタイピングさせていた[7]

E・E・カミングスは、タイプライターの詩的してき効果こうかねらい、意図いとてき使つかった最初さいしょ詩人しじんである。

ウィリアム・S・バロウズ小説しょうせつについてのザ・ニューヨーカー書評しょひょうによると、「かれが 'Soft Typewriter' と機械きかい我々われわれ生活せいかつき、ほんき、実在じつざいさせる」という信念しんねんがしばしば小説しょうせつあらわれている。『はだかのランチ』の映画えいがばんでは、かれのタイプライターはきていてむしのような姿すがたをしており、かれほんかせる。この 'Soft Typewriter' に着想ちゃくそう映画えいがとして『主人公しゅじんこうぼくだった』もある。

アーネスト・ヘミングウェイった状態じょうたいでタイプライターを使つかってほん執筆しっぴつした。かれ使つかっていたロイヤルしゃせいタイプライターは、晩年ばんねんをすごしたハバナFinca Vigia保存ほぞんされている。

ジャック・ケルアックは1分間ふんかんに100てるほどタイピングがはやく、『路上ろじょう』をさいにもロールじょうかみ使つかい、かみえでタイピングが中断ちゅうだんされないようにしていた。なかには36メートルにもおよぶものもあった。このかみ食器しょっきだなにおくたなであるとするせつ、ファックスようのロールというせつ製図せいずようかみわせたものであったというせつがある[7]どう時代じだいのタイピングのはや作家さっかとしてはリチャード・ブローディガンがいる。かれは、まえもって詳細しょうさいにプロットをかんがえ、1分間ふんかんに90から100速度そくどでそれをタイプしたとかたっている[17]

トム・ロビンズStill Life with Woodpeckerくためにタイプライターを購入こうにゅうしたが、それが道具どうぐとしては複雑ふくざつすぎ、冷淡れいたんすぎるとかんじて、タイプライターをてた。

レナード・コーエン小説しょうせつなげきのかべ』をげたのち、タイプライターをゲ海げかいてたとわれている。

ウィリアム・ギブスンは、機械きかいしきタイプライターで『ニューロマンサー』をげ、『カウント・ゼロ』の途中とちゅうまでおなじタイプライターでいていたが、故障こしょうして部品ぶひんはいらないという事態じたい発生はっせいし、仕方しかたなく Apple IIcえた[18]セオドア・カジンスキーは、いわゆる「ユナボマー・マニフェスト」を機械きかいしきタイプライターでいた。

収集しゅうしゅう

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タイプライターは実用じつようひんとして利用りようされることはったが、現代げんだいでは骨董こっとうてき価値かち見出みいだされ収集しゅうしゅう多数たすう存在そんざいする。

俳優はいゆうトム・ハンクスはタイプライターの収集しゅうしゅう趣味しゅみとしており、新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう(COVID-19)により隔離かくり対象たいしょうとなったさいにはスミス・コロナのタイプライターを持参じさんした[19]

日本にっぽんにおけるタイプライター

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日本語にほんごよう仮名かめいタイプライター(olivetti lettera 32)

日本にっぽんでは欧文おうぶんタイプライターは、マ字まじでしか日本語にほんご印字いんじができないこともあり、欧文おうぶんビジネス文書ぶんしょ頻繁ひんぱん作成さくせいする事業じぎょうしょや、日本語にほんごマ字まじ表記ひょうき使用しようった事業じぎょうしょ以外いがいではもちいられなかった。カタカナの印字いんじ可能かのうにした「カナタイプライター」も存在そんざいしたが、ひらがなや漢字かんじ印字いんじには対応たいおうできず、ぎゃく漢字かんじてるようにした「和文わぶんタイプライター」はその入力にゅうりょく文字種もじしゅおおさから入力にゅうりょく煩雑はんざつすぎ、タイプライターはあまり普及ふきゅうせず、ながらく手書てがきとガリ版がりばん多用たようされていた。

1970年代ねんだいわりに欧文おうぶんワードプロセッサの機能きのうに「かな漢字かんじ変換へんかん機能きのうくわえた「日本語にほんごワードプロセッサ(ワープロ)」が登場とうじょうした。1980年代ねんだい以降いこう、エレクトロニクス技術ぎじゅつ進展しんてんによりメモリや文章ぶんしょう表示ひょうじできる液晶えきしょう画面がめんそなえた実用じつようレベルのてい価格かかく製品せいひん徐々じょじょ発売はつばいされた。

当初とうしょは、せいぜい1~2ぎょう程度ていどしか記憶きおく編集へんしゅうできないようなものからはじまったが、画面がめんじょう文章ぶんしょう編集へんしゅう修正しゅうせいをしたうえ印字いんじできる機械きかい登場とうじょうする。印刷いんさつ品質ひんしつでもやがていつくと、タイプライターの優位ゆういくなり、販売はんばいすう激減げきげんしていった。

1990年代ねんだい以降いこうになると、PC画面がめんじょうワープロソフト多数たすうぺーじをまとめて作成さくせいしておいて、プリンターで一気いっきにまとめて印字いんじするやりかたうつっていき、1990年代ねんだい後半こうはんから2000年代ねんだい初頭しょとうにはタイプライターそしてワープロは店舗てんぽからえていった。

朝鮮半島ちょうせんはんとうにおけるタイプライター

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日本にっぽん統治とうち時代じだいにタイプライターが導入どうにゅうされ、その当時とうじ日本にっぽん主流しゅりゅうで、漢字かんじ文化ぶんかけんにおけるタイプライターの共通きょうつうでもある「」の名称めいしょうしたしまれ、日本にっぽん本国ほんごくでは戦後せんごからタイプライターとばれるようになった反面はんめん朝鮮半島ちょうせんはんとうでは現在げんざい타자기)の名称めいしょうしたしまれている。その副産物ふくさんぶつとしてハングルキーボードの原型げんけいである「ハングル」が開発かいはつされ、大韓民国だいかんみんこく韓国かんこく)および朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく北朝鮮きたちょうせん)になったのちもちいられていた。

ハングルはハングルしかてないことや、英文えいぶんタイプライターとおな感覚かんかくてることもあり、朝鮮ちょうせんちゅう社会しゃかい現象げんしょうとなり、当時とうじ子供こども文章ぶんしょうのみにもちいられていたハングル単独たんどくぶんがその当時とうじ朝鮮ちょうせんぶん主流しゅりゅうであった漢字かんじハングルじりぶんってわるほど普及ふきゅうし、北朝鮮きたちょうせん文化ぶんか漢字かんじそのものを廃止はいしするまでにいたった。韓国かんこくでもハングル単独たんどくぶん主流しゅりゅうであるが、報道ほうどう略語りゃくごなどのきょくわずかな場面ばめん漢字かんじもちいられることがある。

タイプライターが登場とうじょうする作品さくひん

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音楽おんがく

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  • フランスの作曲さっきょくエリック・サティはバレエ音楽おんがくパラード』(1916ねん)のなかでタイプライターを楽器がっきとして使用しようした。
  • 作曲さっきょくルロイ・アンダーソンは、『タイプライター』(1950ねん)というタイプライターを使つかったきょくいており、アメリカでは多数たすうのラジオ番組ばんぐみのテーマきょくとして使つかわれていた。
  • ドリー・パートンきょく『9から5まで』では、打楽器だがっきとしてタイプライターのおと使つかっている。
  • ピューリッツァーしょう受賞じゅしょうしたミュージカル喜劇きげきハウ・トゥー・サクシード』(作詞さくし作曲さっきょくフランク・レッサー)はだい企業きぎょう内情ないじょう皮肉ひにくった楽曲がっきょくであるが、そのなかでタイプライターおん使つかったきょく A Secretary is Not a Toy がある。
  • トム・トム・クラブは1981ねんのシングル Wordy Rappinghood序奏じょそうにタイプライターのキーをカタカタたたおと使つかった。
  • ブライアン・イーノのアルバム『テイキング・タイガー・マウンテン』のなかChina My China というきょくではタイプライターが打楽器だがっきとして使用しようされている[20]
  • 様々さまざま楽器がっき演奏えんそうする作曲さっきょくヤン・ティルセンは、タイプライターを打楽器だがっきとしてよく使つかっている。たとえば、1996ねんのアルバム Rue des Cascadesなかの "Pas si simple" など。
  • パール・ジャムの2000ねんのアルバム『バイノーラル』のかくしトラックにある 'Writer's Block' では、エディ・ヴェダーがタイプライターのキーをなんたたおとはいっている。
  • おなじくパール・ジャムの2009ねんのアルバム『バックスペイサー』は、そのタイトルがタイプライターのバックスペース・キーに由来ゆらいする。
  • トーマス・ドルビーは、アルバム The Flat Earthなかきょく Dissidents でタイプライターおん使つかっている。
  • 大統領だいとうりょう陰謀いんぼう』(1976ねん)では、タイプライターを騒々そうぞうしいおと新聞しんぶんしゃ編集へんしゅうしつたされている様子ようすえがかれている。
  • しろくろのナイフ』(1985ねん)では、スミス・コロナのタイプライターの "t" がうえにずれていることが殺人さつじんはん発見はっけんするさいおおきな役目やくめたす。
  • 未来みらい世紀せいきブラジル』(1985ねん)では、タイプライターが頻繁ひんぱん登場とうじょうする。
  • ミザリー』(1990ねん)では、ロイヤルしゃのタイプライターが使つかわれていた。
  • デヴィッド・クローネンバーグの『はだかのランチ』(1991ねん原作げんさくウィリアム・S・バロウズ)では、タイプライターが怪物かいぶつ変身へんしんする。
  • つぐない』(2007ねん)では、タイプライターが物語ものがたりじょうもサウンドトラックでも重要じゅうよう役割やくわりたす。
  • タイピスト!』(2012ねん)では、タイプライター早打はやう世界せかい大会たいかいでの優勝ゆうしょう目指めざ様子ようすえがかれている。
  • スティーブン・J・キャネル自身じしんのプロダクションのロゴ(動画どうが)に、自分じぶんつくえかってタイプしている姿すがた使つかっている。最後さいごにはタイプライターからかみし、げる。げたかみがアニメーションで変化へんかし、最終さいしゅうてきにプロダクションのロゴマークになる。
  • ジェシカおばさんの事件じけん簿』では、アンジェラ・ランズベリーえんじるジェシカ・フレッチャーがタイプライターにかってミステリー小説しょうせつ執筆しっぴつする姿すがたがしばしばえがかれている。
  • NCIS 〜ネイビー犯罪はんざい捜査そうさはん』では、マクギーはタイプライターでほん執筆しっぴつした。そのほんのファンがマクギーのしたゴミをあさってかれのタイプライターのインクリボンをさがそうとしたことがきっかけとなり、2人ふたり人間にんげんころされるというエピソードがある。
  • 仮面かめんライダーW』では、偶数ぐうすうはなし最後さいごにてひだり翔太しょうたろう依頼いらい報告ほうこくしょつくさい使用しようしている。
  • 37かいおとこ』では、主人公しゅじんこうかみ太郎たろうはハードボイルドを専門せんもんとする日本人にっぽんじん作家さっかであるが、原稿げんこう執筆しっぴつにはカナタイプライターを使用しようしていた。された原稿げんこうは、女性じょせい秘書ひしょ仮名漢字かなかんじじりぶんとしてよんひゃく字詰じづ原稿げんこう用紙ようし清書せいしょして編集へんしゅうしゃにわたされた。
  • 灼眼しゃくがんのシャナII(Second)』では、シャナ(ほのおかみ灼眼しゃくがん)のお目付めつやくであるヴィルヘルミナ・カルメルが、有事ゆうじさいにタイプライターを使用しようしている場面ばめんがある。
  • ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では、タイプライターで手紙てがみ代筆だいひつする仕事しごと作品さくひんのテーマとなっている。
  • ルパンさんせい』TVアニメばんおおくでは、冒頭ぼうとう付近ふきんでタイプライターでサブタイトルをよう演出えんしゅつ常用じょうようされている。ただし、おと印字いんじ速度そくど手動しゅどうハンマーしきふうであるが、漢字かんじ仮名かめいはいじった日本語にほんごぶんで、通常つうじょう手動しゅどうハンマーしきタイプライターではありないものとなっている。

ほう科学かがくてき識別しきべつ

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タイプライターの製造元せいぞうもと機種きしゅ特定とくていすることはほう科学かがくにおける文書ぶんしょ鑑定かんてい一部いちぶである。機械きかい部品ぶひん公差こうさにより、個々ここのタイプライターには文字もじごとに位置いちがずれたり、かすれたりといった指紋しもんのような差異さいしょうじる。それを利用りようして、タイプされた文書ぶんしょがどのタイプライターでたれたものかを鑑定かんていすることが可能かのうである。インクリボンも同様どうよう解析かいせき可能かのうである。

レオポルドとローブ事件じけんアルジャー・ヒス事件じけんでタイプライターの分析ぶんせきおこなわれた。東側ひがしがわ諸国しょこくではタイプライター(および、印刷いんさつ複写ふくしゃプリンター)は統制とうせいされたテクノロジーで、秘密ひみつ警察けいさつ個々ここのタイプライターとその所有しょゆうしゃ把握はあくしていた。ソビエト連邦れんぽうでは、タイプライターはKGB配下はいかFirst Department管轄かんかつであった。これは、はん体制たいせいもの地下ちか出版しゅっぱんものにとってはおおきな危険きけんをもたらした。

おも製造せいぞう会社かいしゃ

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丸善まるぜんせい電動でんどうタイプライター(1979ねん撮影さつえい

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Acocella, Joan (April 9, 2007). The Typing Life: How writers used to write. The New Yorker. 
  2. ^ William Austin Burt's Typographer. Science Museum. (1829) 
  3. ^ Otto Burghagen (1898). Die Schreibmaschine. Illustrierte Beschreibung aller gangbaren Schreibmaschinen nebst gründlicher Anleitung zum Arbeiten auf sämtlichen Systemen 
  4. ^ Dieter Eberwein,. Nietzsches Schreibkugel. Ein Blick auf Nietzsches Schreibmaschinenzeit durch die Restauration der Schreibkugel. Eberwein-Typoskriptverlag. Schauenburg 2005. 
  5. ^ Johanne Agerskov (1925). Hvem er Skrivekuglens Opfinder? 
  6. ^ a b [1]Reproduction of advertisement for Noiseless typewriters, with list of models and diagram of typebar mechanism
  7. ^ a b c [2] Acocella, Joan, "The Typing Life: How writers used to write", The New Yorker, April 9, 2007, a review of The Iron Whim: A Fragmented History of Typewriting (Cornell) 2007, by Darren Wershler-Henry
  8. ^ Ellen, David (2005). Scientific Examination of Documents. CRC Press. pp. 106–107. ISBN 0849339251 
  9. ^ アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい 4,620,808ごう
  10. ^ Liebowitz, S. J.; Stephen E. Margolis (1990). “The Fable of the Keys”. Journal of Law & Economics (The University of Chicago) XXXIII (April 1990). http://wwwpub.utdallas.edu/~liebowit/keys1.html 2008ねん6がつ18にち閲覧えつらん. "This article examines the history, economics, and ergonomics of the typewriter keyboard. We show that David's version of the history of the market's rejection of Dvorak does not report the true history, and we present evidence that the continued use of Qwerty is efficient given the current understanding of keyboard design." 
  11. ^ a b David, P.A. (1986): Understanding the Economics of QWERTY: the Necessity of History. In: Parker, William N.: Economic History and the Modern Economist. Basil Blackwell, New York and Oxford.
  12. ^ Consider QWERTY”. 2008ねん6がつ18にち閲覧えつらん。 “QWERTY's effect, by reducing those annoying clashes, was to speed up typing rather than slow it down.”
  13. ^ 安岡やすおか孝一こういち安岡やすおか素子もとこ『キーボード配列はいれつ QWERTYのなぞ』、東京とうきょう、NTT出版しゅっぱん、2008ねん3がつISBN 978-4-7571-4176-6
  14. ^ The Truth of QWERTY:Monday, April 27, 2009”. 2010ねん7がつ3にち閲覧えつらん
  15. ^ Sholes & Glidden Type-Writerの活字かつじぼう配置はいち - yasuokaの日記にっき:2008 ねん 05 がつ 19 にち”. 2010ねん7がつ3にち閲覧えつらん
  16. ^ The First Typewriter”. Rehr, Darryl. 2009ねん2がつ1にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2009ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  17. ^ Foster, Edward H., Richard Brautigan, Twayne 1983.
  18. ^ ウィリアム・ギブスンのブログ 2006ねん10がつ13にちこう参照さんしょう
  19. ^ 名前なまえは「コロナ」 いじめ被害ひがい少年しょうねんにトム・ハンクスさんが… - NHK
  20. ^ Williams, Richard T (2004ねん7がつ8にち). “Brian Eno: Taking Tiger Mountain (By Strategy) (reissue)”. PopMatters. 2018ねん8がつ2にち閲覧えつらん

特許とっきょ

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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