ディーゼルエンジンは圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか のため高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ となる。一般 いっぱん にピストンエンジンは圧縮 あっしゅく 比 ひ =膨張 ぼうちょう 比 ひ であることから、高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ 、高 こう 膨張 ぼうちょう 比 ひ エンジンとすると熱 ねつ 効率 こうりつ が高 たか まる。圧縮 あっしゅく 比 ひ を上 あ げることを気体 きたい の熱 ねつ 力学 りきがく だけで解析 かいせき すると、対数 たいすう 的 てき に効率 こうりつ は上 あ がり続 つづ けるものの圧縮 あっしゅく 比 ひ 15を超 こ えると伸 の び悩 なや む。一方 いっぽう で高 こう 圧縮 あっしゅく は摩擦 まさつ 損失 そんしつ と可動 かどう 部品 ぶひん の重量 じゅうりょう 増 ぞう による慣性 かんせい 損失 そんしつ を増大 ぞうだい させ、特 とく に高 こう 回転 かいてん で機械 きかい 損失 そんしつ が急増 きゅうぞう する。また高 こう 圧縮 あっしゅく になるほど着火 ちゃっか しやすいが、むしろ着火 ちゃっか により完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう しにくくなるため、適正 てきせい な圧縮 あっしゅく 比 ひ は14台 だい だといわれている。膨張 ぼうちょう 比 ひ はより大 おお きくても良 よ い。ただし、低温 ていおん 時 じ や高地 こうち でのエンジン始動 しどう 性 せい のため圧縮 あっしゅく 比 ひ は14より大 おお きいものが多 おお い。
ディーゼルエンジンは高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ エンジンなので発火 はっか 点 てん さえ確保 かくほ できれば精製 せいせい 度 ど の低 ひく い安価 あんか な燃料 ねんりょう を使用 しよう できる(重油 じゅうゆ やいわゆるサラダ油 さらだゆ ・廃 はい 潤滑油 じゅんかつゆ も使用 しよう できる。ただし場合 ばあい によりアセトン ・ナフサ ・アルコール および予熱 よねつ で流動 りゅうどう 性 せい を高 たか める必要 ひつよう がある)。ただし、その実現 じつげん には高価 こうか な前 ぜん 処理 しょり 装置 そうち や特殊 とくしゅ なエンジンオイルが必要 ひつよう になる。低 てい 燃費 ねんぴ だがエンジン本体 ほんたい に高 たか い圧縮 あっしゅく 比 ひ に耐 た え得 え る構造 こうぞう 強度 きょうど が必要 ひつよう になるため大 おお きく重 おも くなり、初期 しょき 費用 ひよう が高 たか い。稼動 かどう 回転 かいてん 域 いき はガソリンエンジンより低 てい 回転 かいてん でかつ狭 せま いため、車両 しゃりょう の発進 はっしん には有利 ゆうり だが、より多段 ただん の変速 へんそく 機 き が必要 ひつよう になる。
拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう の特徴 とくちょう から気筒 きとう 容積 ようせき あたりの出力 しゅつりょく が低 ひく い代 か わりに、気筒 きとう 容積 ようせき に制限 せいげん がなく、巨大 きょだい なエンジンを実現 じつげん できる。熱 ねつ 効率 こうりつ は良 よ いので必要 ひつよう な出力 しゅつりょく が得 え られるまでエンジンを大型 おおがた 化 か することができる。この場合 ばあい 、大型 おおがた ほど低速 ていそく 回転 かいてん になるが、これは大型 おおがた 船舶 せんぱく など低速 ていそく 回転 かいてん ・大 だい 出力 しゅつりょく が必要 ひつよう な用途 ようと においては極 きわ めて都合 つごう がよく、実際 じっさい に超 ちょう 大型 おおがた 低速 ていそく ディーゼルエンジンが大型 おおがた 商船 しょうせん の主 しゅ 機関 きかん として広 ひろ く用 もち いられている。
空気 くうき だけを圧縮 あっしゅく した中 なか で燃料 ねんりょう が自己 じこ 発火 はっか するため、予 よ 混合 こんごう 燃焼 ねんしょう ガソリンエンジン で問題 もんだい となるノッキング (というよりノッキングの原理 げんり を逆用 ぎゃくよう して着火 ちゃっか させるようなものである。)やデトネーション が発生 はっせい しない。そのため過 か 給 きゅう による吸入 きゅうにゅう 充填 じゅうてん 量 りょう の増加 ぞうか で気筒 きとう 容積 ようせき あたりの低 てい 出力 しゅつりょく を補 おぎな うことが容易 ようい である。スロットルバルブを持 も たず低速 ていそく でも排気 はいき 圧力 あつりょく が高 たか いことから、ターボチャージャー により排気 はいき エネルギー の一部 いちぶ を回収 かいしゅう し、効率 こうりつ を維持 いじ したまま排気 はいき 量 りょう 1リットル当 あ たりの出力 しゅつりょく を100馬力 ばりき 程度 ていど からそれ以上 いじょう にすることも可能 かのう である。
一般 いっぱん 的 てき な中 なか 速 そく 、高速 こうそく ディーゼルエンジンには4ストローク機関 きかん が使 つか われ、大型 おおがた 船舶 せんぱく や大型 おおがた 発電 はつでん には、低速 ていそく 2ストローク・ユニフロー掃気ディーゼルエンジン が使 つか われている。2ストロークエンジンで新 しん 気 き をシリンダーに送 おく り込 こ むためには、何 なん らかの過 か 給 きゅう が必要 ひつよう となる。ガソリンエンジンでは安価 あんか なクランクケース 圧縮 あっしゅく が使 つか われているが、ディーゼルエンジンでは過 か 給 きゅう 機 き と頭上 ずじょう 排気 はいき 弁 べん を併用 へいよう するユニフロー掃気ディーゼルターボエンジンだけが生産 せいさん 中 ちゅう である。
4ストロークサイクル・ディーゼルエンジンの各 かく 行程 こうてい :
吸入 きゅうにゅう 行程 こうてい - ピストン が下 した 死 し 点 てん まで下 さ がり、空気 くうき をシリンダー 内 うち に吸 す い込 こ む
圧縮 あっしゅく 行程 こうてい - ピストンが上 うえ 死 し 点 てん まで上 あ がり、空気 くうき をシリンダー内 ない で圧縮 あっしゅく 加熱 かねつ する
膨張 ぼうちょう 行程 こうてい - 燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 ない の高温 こうおん 高 だか 圧 あつ の空気 くうき に燃料 ねんりょう を噴射 ふんしゃ すると、燃料 ねんりょう が自己 じこ 発火 はっか し、膨張 ぼうちょう した燃焼 ねんしょう ガスがピストンを下 した 死 し 点 てん まで押 お し下 さ げる
排気 はいき 行程 こうてい - フライホイール の慣性 かんせい や、他 た の気筒 きとう での膨張 ぼうちょう などによりピストンが上 うえ 死 し 点 てん まで上 あ がり、燃焼 ねんしょう ガスをシリンダー外 がい に押 お し出 だ す
2ストロークサイクル・ディーゼルエンジンの各 かく 行程 こうてい (ユニフロー掃気の場合 ばあい ):
上昇 じょうしょう 行程 こうてい - ピストンの上昇 じょうしょう によって掃気ポート、排気 はいき 弁 べん の順 じゅん にふさがれ、前半 ぜんはん までに掃気が完了 かんりょう し、後半 こうはん (過半 かはん )で圧縮 あっしゅく が行 おこな われる。その後 ご に圧縮 あっしゅく 上 じょう 死 し 点 てん 付近 ふきん で燃料 ねんりょう を噴射 ふんしゃ し点火 てんか する。
下降 かこう 行程 こうてい - 前 ぜん 過半 かはん で膨張 ぼうちょう が行 おこな われた後 のち 、排気 はいき 弁 べん が開 ひら き、内圧 ないあつ が下 さ がり、直後 ちょくご にピストンの下降 かこう によって掃気ポートが開 ひら き、吸気 きゅうき が排気 はいき を押 お し出 だ す、掃気が始 はじ まる。
拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう
ディーゼル機関 きかん は噴霧 ふんむ 燃焼 ねんしょう における液 えき 滴 しずく の拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう である。燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 ない の圧縮 あっしゅく 加熱 かねつ した空気 くうき に液体 えきたい 燃料 ねんりょう を噴射 ふんしゃ すると、複数 ふくすう の微細 びさい な液 えき 滴 しずく が蒸発 じょうはつ しながら、個別 こべつ に表面 ひょうめん の拡散 かくさん 域 いき が燃 も えやすくなり、自己 じこ 発火 はっか と拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう を繰 く り返 かえ し、隣 となり の液 えき 滴 しずく に燃 も え拡 ひろ がる。近年 きんねん 、液 えき 滴 しずく 間 あいだ の燃 も え拡 ひろ がりの主 しゅ 要因 よういん は着火 ちゃっか に伴 ともな うマランゴニ対流 たいりゅう による蒸発 じょうはつ ガスの噴出 ふんしゅつ で、着火 ちゃっか を伝播 でんぱ すると分 わ かった。そして重力 じゅうりょく 下 か では高 こう 圧 あつ になるほど、自然 しぜん 対流 たいりゅう により、マランゴニ対流 たいりゅう が阻害 そがい され、燃 も え拡 ひろ がり速度 そくど が低下 ていか する。その他 た 、高 こう 圧 あつ になるほど熱 ねつ 拡散 かくさん 率 りつ と物質 ぶっしつ 拡散 かくさん 係数 けいすう も減少 げんしょう するため、燃 も え拡 ひろ がり速度 そくど に限界 げんかい がある[ 1] 。
拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう は一気 いっき に着火 ちゃっか 、燃焼 ねんしょう しないので、火花 ひばな 点火 てんか ・均一 きんいつ 予 よ 混合 こんごう 燃焼 ねんしょう で起 お こる点火 てんか プラグを起点 きてん に広 ひろ がる火炎 かえん 面 めん の伝播 でんぱ はない。適切 てきせつ な着火 ちゃっか 遅 おく れは拡散 かくさん 、混合 こんごう 域 いき の拡大 かくだい により、良好 りょうこう な拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう をもたらし、燃焼 ねんしょう 室 しつ の隅 すみ には空気 くうき だけが止 と まっているので圧縮 あっしゅく 比 ひ が高 たか くても異常 いじょう 燃焼 ねんしょう によるノッキングは発生 はっせい しない。ただし低温 ていおん 始動 しどう 時 じ や着火 ちゃっか 性 せい の悪 わる い燃料 ねんりょう では長 なが い着火 ちゃっか 遅 おく れから一気 いっき に予 よ 混合 こんごう 的 てき に燃焼 ねんしょう するディーゼルノックが発生 はっせい する。
軽油 けいゆ ディーゼルが確実 かくじつ に低温 ていおん 始動 しどう するため圧縮 あっしゅく 比 ひ を16 - 18程度 ていど にしてきた。この高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ では暖 だん 機 き 後 ご の高 こう 負荷 ふか 時 じ に大量 たいりょう の燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ が行 おこな われると、燃焼 ねんしょう 室 しつ が大幅 おおはば に発火 はっか 点 てん を超 こ えているため、燃料 ねんりょう が著 いちじる しく不 ふ 均一 きんいつ で濃 こ い領域 りょういき において、気化 きか する前 まえ の液 えき 滴 しずく まで早期 そうき に発火 はっか し低 てい 酸素 さんそ 状態 じょうたい で不完全 ふかんぜん 燃焼 ねんしょう して大量 たいりょう のスス状 じょう PMが発生 はっせい していた。PMは発 はつ がん性 せい のある大気 たいき 汚染 おせん 物質 ぶっしつ となる。本来 ほんらい は十分 じゅうぶん に拡散 かくさん して気化 きか しかけている液 えき 滴 しずく の表面 ひょうめん から内部 ないぶ に向 む かって完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう したい。さらに完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう する条件 じょうけん でも空気 くうき 余剰 よじょう の燃焼 ねんしょう ガスが高温 こうおん 、高 こう 圧 あつ となるため、余 あま った酸素 さんそ と窒素 ちっそ が結合 けつごう し窒素 ちっそ 酸化 さんか 物 ぶつ (NOx )も大量 たいりょう 発生 はっせい する。
従来 じゅうらい は「圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか 」の条件 じょうけん を優先 ゆうせん し、「拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう 」にとっては高 こう 圧 あつ すぎて、過 か 早着 そうちゃく 火 ひ による不完全 ふかんぜん 燃焼 ねんしょう により排気 はいき ガスが汚 きたな く、効率 こうりつ も低下 ていか していた。高 こう 圧縮 あっしゅく の問題 もんだい を低減 ていげん しつつ、上 うえ 死 し 点 てん で点火 てんか したときの十分 じゅうぶん な膨張 ぼうちょう 比 ひ を考 かんが えると、自動車 じどうしゃ 用 よう 軽油 けいゆ ディーゼルの圧縮 あっしゅく 比 ひ は14台 だい が良 よ いとされている。この圧縮 あっしゅく 比 ひ で燃料 ねんりょう が自己 じこ 発火 はっか できる手段 しゅだん として燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ の高 こう 圧 あつ 化 か と多段 ただん 噴射 ふんしゃ が必要 ひつよう になる。高 こう 圧 あつ 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ で油 あぶら 滴 しずく を微細 びさい 化 か して気化 きか しやすくし、多段 ただん 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ によって空気 くうき を含 ふく んだ拡散 かくさん 領域 りょういき を拡大 かくだい し、高温 こうおん になりすぎない雰囲気 ふんいき で完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう をさせる。低温 ていおん 始動 しどう には#予熱 よねつ 機構 きこう を拡充 かくじゅう する。
このような不 ふ 均一 きんいつ な拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう とは均一 きんいつ 混合 こんごう 気 き が燃焼 ねんしょう 室 しつ 全体 ぜんたい に広 ひろ がる前 まえ に発火 はっか しているに等 ひと しいので原理 げんり 的 てき にシリンダー容積 ようせき を使 つか い切 き ることが難 むずか しく、容積 ようせき あたりの出力 しゅつりょく が低 ひく い。高 こう 圧縮 あっしゅく であることから燃焼 ねんしょう 速度 そくど が遅 おそ く、高 こう 回転 かいてん で運転 うんてん できない。
PCCI(予 よ 混合 こんごう 圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか )
1995年 ねん にはディーゼル機関 きかん の低 てい 負荷 ふか 領域 りょういき でPCCI(Premixed Charged Compression Ignition、〔不 ふ 均一 きんいつ 〕予 よ 混合 こんごう 圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか )が実用 じつよう 化 か される。これは吸気 きゅうき 過程 かてい で燃料 ねんりょう を噴射 ふんしゃ し不 ふ 均一 きんいつ な予 よ 混合 こんごう 気 き を生成 せいせい した後 のち に一気 いっき に圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか させるもので、制御 せいぎょ されたノッキングと言 い えるものである。予 よ 混合 こんごう 燃焼 ねんしょう なのでPMが発生 はっせい しないうえに、EGR と併用 へいよう して低 てい 負荷 ふか 時 じ の燃焼 ねんしょう 温度 おんど を低下 ていか し、ディーゼルノックとNOxを低減 ていげん しながら、希薄 きはく 燃焼 ねんしょう による燃費 ねんぴ を向上 こうじょう する手段 しゅだん とされている[ 2] 。
ただしPCCIは高 こう 負荷 ふか 時 じ には激 はげ しいディーゼルノックを発生 はっせい させるため使用 しよう できない。高 こう 負荷 ふか 時 じ の有害 ゆうがい 排気 はいき 低減 ていげん には圧縮 あっしゅく 比 ひ 14台 だい で、きれいな拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう を実現 じつげん することが必要 ひつよう になる。
燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち (燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ ポンプと燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 弁 べん )
編集 へんしゅう
ディーゼルエンジンにおいて燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ が着火 ちゃっか と燃焼 ねんしょう の制御 せいぎょ 手段 しゅだん なので、噴射 ふんしゃ 装置 そうち は重要 じゅうよう な部品 ぶひん となる。現在 げんざい 2,000 bar (約 やく 2,000気圧 きあつ )程度 ていど の高 こう 圧 あつ と多段 ただん 噴射 ふんしゃ が必要 ひつよう とされており、かなりの高額 こうがく 部品 ぶひん になっている。自動車 じどうしゃ 用 よう ディーゼルエンジン・コストの半分 はんぶん は燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 系 けい で占 し める。
初期 しょき から50年 ねん ほどは大型 おおがた エンジンの起動 きどう 用 よう と共有 きょうゆう する圧縮 あっしゅく 空気 くうき で燃料 ねんりょう を噴射 ふんしゃ する「空気 くうき 噴射 ふんしゃ 」もあったが、効率 こうりつ が悪 わる く圧力 あつりょく を高 たか められないために廃 すた れた。燃料 ねんりょう だけを高 こう 圧 あつ 噴射 ふんしゃ する「無 む 気 き 噴射 ふんしゃ 」になった後 のち の経緯 けいい を以下 いか に示 しめ す。
かつてはプランジャーポンプの一 いち 行 ぎょう 程 ほど の加圧 かあつ と吐出 としゅつ だけで一 いち 回 かい の燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ を実現 じつげん する「ジャーク式 しき 」ポンプだったので、多段 ただん 噴射 ふんしゃ できなかった。噴射 ふんしゃ 量 りょう は機械 きかい 制御 せいぎょ によるプランジャーの有効 ゆうこう ストローク量 りょう で決 き まった。従来 じゅうらい のジャーク式 しき ポンプはエンジン回転 かいてん 数 すう や負荷 ふか によって燃料 ねんりょう 圧力 あつりょく と噴射 ふんしゃ 量 りょう が変化 へんか する欠点 けってん がある。燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 弁 べん は燃料 ねんりょう 圧力 あつりょく の増減 ぞうげん で従属 じゅうぞく 的 てき に自動 じどう 開閉 かいへい するものだった。いずれも噴射 ふんしゃ ポンプと噴射 ふんしゃ 弁 べん の間 あいだ にある長 なが い噴射 ふんしゃ 管 かん を毎回 まいかい 低圧 ていあつ に戻 もど す影響 えいきょう のため、噴射 ふんしゃ 圧 あつ が低 ひく く、近年 きんねん では使 つか われなくなってきた。
列 れつ 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプの一 いち 例 れい
分配 ぶんぱい 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプの一 いち 例 れい
列 れつ 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプ
一 ひと つのプランジャーポンプが単 たん 気筒 きとう の燃料 ねんりょう 加圧 かあつ と吐出 としゅつ を担当 たんとう し、気筒 きとう 数 すう 分 ぶん のポンプが一 いち 列 れつ に並 なら んでいる構造 こうぞう 。ジャーク式 しき ポンプの中 なか では低速 ていそく 回転 かいてん から噴射 ふんしゃ 量 りょう が安定 あんてい するので大型 おおがた 車 しゃ に用 もち いられた。噴射 ふんしゃ ポンプと噴射 ふんしゃ 弁 べん の間 あいだ にある噴射 ふんしゃ 管 かん を毎回 まいかい 低圧 ていあつ に戻 もど す影響 えいきょう のため実現 じつげん できる燃料 ねんりょう 圧力 あつりょく は200 bar強 きょう まで。それ以上 いじょう に高 たか めようとしても噴射 ふんしゃ 管内 かんない で衝撃波 しょうげきは を発生 はっせい させるなど損失 そんしつ が大 おお きくなり現実 げんじつ 的 てき でない。
分配 ぶんぱい 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプ、別名 べつめい ロータリーポンプ
一 ひと つのプランジャーポンプが全 ぜん 気筒 きとう の燃料 ねんりょう 加圧 かあつ と吐出 としゅつ を実現 じつげん する。プランジャーが1サイクルに1回転 かいてん しながら気筒 きとう 数 すう 倍 ばい の往復 おうふく 運動 うんどう をする、プランジャーの外周 がいしゅう に気筒 きとう の分配 ぶんぱい のための切 き り欠 か けがあり該当 がいとう 位置 いち の吐出 としゅつ ポートと重 かさ なったときに噴射 ふんしゃ される。プランジャーポンプは全 ぜん 気筒 きとう に共有 きょうゆう されるが、毎回 まいかい 、加圧 かあつ と吐出 としゅつ を繰 く り返 かえ すので、コモンレールのように蓄圧 ちくあつ しない。
1990年代 ねんだい 後半 こうはん から以下 いか の方法 ほうほう で高 こう 圧 あつ 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ を電子 でんし 制御 せいぎょ している。基本 きほん 的 てき にポンプで加圧 かあつ だけを分担 ぶんたん し、従属 じゅうぞく 弁 べん との間 あいだ に配置 はいち した電子 でんし 制御 せいぎょ 弁 べん が噴射 ふんしゃ 量 りょう とタイミングを分担 ぶんたん する。
電磁 でんじ 式 しき 噴射 ふんしゃ ポンプ
コモンレール
サプライポンプが共通 きょうつう (コモン)の圧力 あつりょく 管 かん (レール)に高 こう 圧 あつ 燃料 ねんりょう を蓄 たくわ えてから、気筒 きとう ごとに電子 でんし 制御 せいぎょ 弁 べん を内蔵 ないぞう した噴射 ふんしゃ ノズル(インジェクター)が噴射 ふんしゃ する。電子 でんし 制御 せいぎょ 弁 べん が噴射 ふんしゃ のタイミングと噴射 ふんしゃ 量 りょう を分担 ぶんたん し、高 こう 圧 あつ で多段 ただん 噴射 ふんしゃ を実現 じつげん する。ソレノイド 式 しき インジェクターは1,800気圧 きあつ で1サイクルあたり5回 かい ほど噴射 ふんしゃ できる。2012年 ねん 現在 げんざい のピエゾ 式 しき インジェクターは2,500気圧 きあつ の超 ちょう 高圧 こうあつ で燃料 ねんりょう を1サイクルあたり9回 かい 噴射 ふんしゃ できる[ 3] 。
ユニットインジェクター
噴射 ふんしゃ ポンプと噴射 ふんしゃ 弁 べん が一体 いったい 式 しき の噴射 ふんしゃ 装置 そうち 、1930年代 ねんだい から機械 きかい 式 しき のものが存在 そんざい し、1990年代 ねんだい に電子 でんし 制御 せいぎょ 化 か された。気筒 きとう ごとにユニットインジェクターを設置 せっち する。すなわち高 こう 圧 あつ パイプを引 ひ き回 まわ さなくても済 す むため大型 おおがた エンジンに適 てき する。単純 たんじゅん な構造 こうぞう のため、高 こう 圧 あつ 化 か はコモンレールよりも先行 せんこう した、ただし多段 ただん 噴射 ふんしゃ は不得意 ふとくい で、対応 たいおう するには二 ふた つの電磁 でんじ 弁 べん を併用 へいよう するなど複雑 ふくざつ な構造 こうぞう になる。OHC がユニットインジェクターのプランジャーポンプを駆動 くどう し、第 だい 一 いち の電磁 でんじ 弁 べん がポンプの加圧 かあつ の開始 かいし と終了 しゅうりょう を精密 せいみつ に制御 せいぎょ し、1サイクル毎 ごと の噴射 ふんしゃ 量 りょう を決 き める。多段 ただん 噴射 ふんしゃ するには加圧 かあつ 行程 こうてい の内部 ないぶ で第 だい 二 に の電磁 でんじ 弁 べん が噴射 ふんしゃ 弁 べん の開閉 かいへい を制御 せいぎょ する。したがって大 おお まかな噴射 ふんしゃ タイミングに制限 せいげん がある。
ディーゼルエンジンではガソリンエンジンとは異 こと なる特性 とくせい に応 おう じた装置 そうち が必要 ひつよう になるため、かなりの高 こう コストになる。上記 じょうき の燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち や後段 こうだん の排 はい ガス対策 たいさく 用 よう の後処理 あとしょり 装置 そうち が代表 だいひょう 例 れい であるが、これら以外 いがい でも、原理 げんり 的 てき に振動 しんどう と騒音 そうおん が大 おお きくなるため、ディーゼルエンジンでは2次 じ バランサーを追加 ついか したり、防 ぼう 振 ふ ゴムによる固定 こてい に高度 こうど な技術 ぎじゅつ が使用 しよう され、また大型 おおがた 車 しゃ に圧縮 あっしゅく 開放 かいほう ブレーキ も使用 しよう される。
燃料 ねんりょう 油 ゆ 清浄 せいじょう 機 き はC重油 じゅうゆ から不純物 ふじゅんぶつ を取 と り除 のぞ く装置 そうち 。1950年 ねん ごろ舶用 はくよう 大型 おおがた ディーゼルエンジンで安価 あんか なC重油 じゅうゆ を使 つか うために開発 かいはつ された燃料 ねんりょう の前 ぜん 処理 しょり 装置 そうち 。それまでディーゼルエンジンは一定 いってい 水準 すいじゅん 以上 いじょう のグレードにあるA重油 じゅうゆ までしか使 つか えなかった。C重油 じゅうゆ は製油 せいゆ 残 ざん 渣といえる劣悪 れつあく な燃料 ねんりょう で、不純物 ふじゅんぶつ の混入 こんにゅう が前提 ぜんてい となる。燃料 ねんりょう 油 ゆ 清浄 せいじょう 機 き は残 ざん 渣油を加熱 かねつ して流動 りゅうどう 性 せい を高 たか めてから、水分 すいぶん や固形 こけい 分 ぶん を遠心分離機 えんしんぶんりき で取 と り除 のぞ き、さらにフィルターで濾過 ろか して細 こま かな混入 こんにゅう 物 ぶつ の除去 じょきょ を図 はか る。
安価 あんか を求 もと める残 ざん 渣油は軽質 けいしつ 油 ゆ を蒸留 じょうりゅう した残 のこ り物 もの なので、製油 せいゆ 技術 ぎじゅつ が向上 こうじょう し、利用 りよう 価値 かち のある各種 かくしゅ 成分 せいぶん を高度 こうど に分留 ぶんりゅう できるようになるにつれ、残 ざん 渣部は相対 そうたい 的 てき に低質 ていしつ 化 か していく。したがって一定 いってい 品質 ひんしつ に止 と まらないため、燃料 ねんりょう 油 ゆ 清浄 せいじょう 機 き も高性能 こうせいのう 化 か を求 もと められる。1970年 ねん 以降 いこう に製油 せいゆ 法 ほう の進展 しんてん によって導入 どうにゅう された接触 せっしょく 触媒 しょくばい 分解 ぶんかい 装置 そうち からアルミナ、シリカ微粒子 びりゅうし が残 ざん 渣油に混入 こんにゅう するようになり、ピストンリング、シリンダーライナー、燃料 ねんりょう ポンプを短時間 たんじかん で損傷 そんしょう する事故 じこ が多発 たはつ するようになった。燃料 ねんりょう 油 ゆ 分析 ぶんせき サービスと併用 へいよう して事故 じこ の防止 ぼうし を図 はか っている[ 4] 。
火花 ひばな 点火 てんか のような着火 ちゃっか 機構 きこう を持 も たず、着火 ちゃっか には空気 くうき の断熱 だんねつ 圧縮 あっしゅく による高温 こうおん を利用 りよう しているため、寒冷 かんれい 地 ち での長時間 ちょうじかん 停車 ていしゃ 後 ご など燃焼 ねんしょう 室 しつ が冷 ひ え切 き った状態 じょうたい からの始動 しどう や、標高 ひょうこう が高 たか く空気 くうき 密度 みつど が小 ちい さいところで始動 しどう する場合 ばあい は、吸気 きゅうき が着火 ちゃっか に必要 ひつよう な温度 おんど に達 たっ しないことがあり、「予熱 よねつ 」が必要 ひつよう となる。燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 ない に頭部 とうぶ を露出 ろしゅつ させた「グロープラグ 」で予熱 よねつ を行 おこな ったり、場合 ばあい によりインテークマニホールド 直前 ちょくぜん に置 お かれた「インテークヒーター 」で吸気 きゅうき を加熱 かねつ する。マツダのSKYACTIV-D では始動 しどう にはグロープラグを用 もち い、始動 しどう 直後 ちょくご には可変 かへん 排気 はいき 弁 べん の遅 おそ 閉 と じによって高温 こうおん の排気 はいき ガスを吸気 きゅうき 管 かん に吹 ふ き返 かえ して(内部 ないぶ EGR )、吸気 きゅうき を暖 あたた めている。
小型 こがた ディーゼルエンジンの始動 しどう にはガソリンエンジンと同様 どうよう にスターターモーター によってクランク軸 じく を回転 かいてん させ、燃焼 ねんしょう サイクルを開始 かいし するが、圧縮 あっしゅく 比 ひ が高 たか いため、同 どう 程度 ていど の排気 はいき 量 りょう に対 たい して2 - 3倍 ばい 程度 ていど に大 おお きな出力 しゅつりょく のスターターモーターを備 そな える必要 ひつよう があり、自動車 じどうしゃ などでもバッテリー を2個 こ 直列 ちょくれつ にして電装 でんそう 系 けい を24 V とするものがある。
大型 おおがた エンジンの始動 しどう には圧縮 あっしゅく 空気 くうき をシリンダー内 ない に吹 ふ き込 こ み、ピストンを直接 ちょくせつ 動 うご かすための装置 そうち が必要 ひつよう となる。あらかじめ補助 ほじょ 動力 どうりょく 装置 そうち を起動 きどう して発電 はつでん や圧縮 あっしゅく 空気 くうき を生成 せいせい しておく場合 ばあい が多 おお い。
ディーゼルエンジンは着火 ちゃっか に電気 でんき を用 もち いていないため、エンジンキーをオフの状態 じょうたい にし(バッテリー からの電源 でんげん を断 た つ)ても停止 ていし しない。運転 うんてん を停止 ていし させる方法 ほうほう には以下 いか の3種類 しゅるい がある。
燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう ストップ
主 おも に小型 こがた エンジンに多 おお い方法 ほうほう 。古 ふる い列 れつ 型 がた ポンプには、手動 しゅどう 式 しき やキーオフの状態 じょうたい でモーター が噴射 ふんしゃ ポンプのスリーブ制御 せいぎょ ロッドを直接 ちょくせつ 動 うご かして燃料 ねんりょう を絞 しぼ るものがあるが、分配 ぶんぱい 型 がた 以降 いこう では、キーオフで「閉」となる電磁 でんじ 弁 べん が用 もち いられている。ピストンが吸気 きゅうき を圧縮 あっしゅく する力 ちから で停止 ていし するため、振動 しんどう が出 で ることと、停止 ていし 位置 いち が同 おな じになりやすい[ 注釈 ちゅうしゃく 2] 短所 たんしょ もある。
吸気 きゅうき ストップ
インテークマニホールド 直前 ちょくぜん に置 お かれたインテークシャッターで吸気 きゅうき を絞 しぼ る方法 ほうほう 。停止 ていし は滑 なめ らかで、振動 しんどう が少 すく ない。シャッターのアクチュエーター には、モーターまたは負 ふ 圧 あつ 駆動 くどう のダイヤフラムが用 もち いられる。
圧縮 あっしゅく 力 りょく の開放 かいほう
てこ などで給 きゅう 排気 はいき バルブ を「開 ひらく 」の状態 じょうたい にし、ピストンが吸気 きゅうき を圧縮 あっしゅく しないようにする方法 ほうほう 。手動 しゅどう でクランキングを行 おこな う小型 こがた の発動 はつどう 機 き などでは、始動 しどう 時 じ の負担 ふたん 軽減 けいげん のためにデコンプレッション機構 きこう を利用 りよう するが、その機構 きこう を停止 ていし 時 じ にも用 もち いるもの。未 み 燃焼 ねんしょう ガスや燃料 ねんりょう が排出 はいしゅつ される欠点 けってん があり、主流 しゅりゅう ではない。
エンジンオイル#ディーゼル車 しゃ も参照 さんしょう 。ディーゼルエンジンでは正 まさ しく添加 てんか 剤 ざい が加 くわ えられたエンジンオイル でないと、シリンダー内 ない の燃料 ねんりょう の燃 も え残 のこ った微粒子 びりゅうし が、ピストン側面 そくめん のトップリング付近 ふきん でエンジンオイルの主成分 しゅせいぶん である鉱物 こうぶつ 油 ゆ と結合 けつごう して沈積 ちんせき 物 ぶつ を作 つく り、リングを固着 こちゃく する「リングスティック」という現象 げんしょう が起 お きる。これを防止 ぼうし するために、エンジンオイルにはピストンリング付近 ふきん に溜 た まる燃 も え残 のこ り、つまり「煤 すす 」や「スラッジ」を洗 あら い流 なが してエンジンオイル中 ちゅう に分散 ぶんさん させる清浄 せいじょう 分散 ぶんさん 剤 ざい が加 くわ えられる。また、排気 はいき (EGR )やブローバイガス の還流 かんりゅう で、それらに含 ふく まれる硫黄 いおう などによる酸 さん でエンジンオイルが変質 へんしつ するのを防 ふせ ぐ酸化 さんか 防止 ぼうし 剤 ざい や、腐蝕 ふしょく 防止 ぼうし 剤 ざい 、粘 ねば 度 たび を適正 てきせい に保 たも つ粘 ねば 度 たび 指数 しすう 向上 こうじょう 剤 ざい も加 くわ えられている。
船舶 せんぱく 用 よう 潤滑油 じゅんかつゆ についての詳細 しょうさい はユニフロー掃気ディーゼルエンジン#船舶 せんぱく 用 よう を参照 さんしょう されたい。船舶 せんぱく 用 よう ディーゼルは大別 たいべつ して中 なか ・高速 こうそく なトランクピストン式 しき 4ストロークと、低速 ていそく なクロスヘッド式 しき 2ストロークに分 わ けられ、前者 ぜんしゃ のトランクピストン式 しき の潤滑油 じゅんかつゆ は一般 いっぱん 的 てき な高速 こうそく ディーゼルエンジンに近 ちか い。しかし後者 こうしゃ のクロスヘッド式 しき は大量 たいりょう に硫黄 いおう 分 ぶん の残留 ざんりゅう するC重油 じゅうゆ を使 つか う特大 とくだい 型 がた ディーゼルエンジンとなり、シリンダライナ潤滑 じゅんかつ 用 よう のシリンダ油 ゆ とそれ以外 いがい の潤滑 じゅんかつ を行 おこな うシステム油 ゆ の2種類 しゅるい が存在 そんざい する特徴 とくちょう がある。シリンダ油 ゆ は燃焼 ねんしょう 後 ご に発生 はっせい する硫酸 りゅうさん 成分 せいぶん を中和 ちゅうわ するために塩基 えんき 価 か (アルカリ価 か )の高 たか い「高 こう アルカリ価 か シリンダ油 ゆ 」が求 もと められる。中和 ちゅうわ しないとエンジン内部 ないぶ がすぐに腐食 ふしょく してしまうためである。
ディーゼルエンジンのエンジンオイルは、ガソリンエンジンのものに比 くら べ、早期 そうき に多 おお くの微粒子 びりゅうし を取 と り込 こ むため、オイルフィルター は大型 おおがた で高 こう 効率 こうりつ なものが使 つか われる。一部 いちぶ エンジンでは、本来 ほんらい のオイル流 りゅう 路 ろ とは別 べつ に設 もう けられた、遠心 えんしん 式 しき や吸着 きゅうちゃく 式 しき によるバイパス式 しき フィルターで微粒子 びりゅうし を取 と り除 のぞ いてオイルパンに戻 もど すものもある[ 5] 。
不純物 ふじゅんぶつ の多 おお いC重油 じゅうゆ を使 つか うディーゼル機関 きかん では、シリンダー部 ぶ を潤滑 じゅんかつ した高 こう アルカリ価 か シリンダ油 ゆ は汚 けがれ すぎてフィルタでも再 さい 利用 りよう できず廃油 はいゆ となる。その代 か わりクランク室 しつ はシリンダ室 しつ とは分離 ぶんり され独立 どくりつ のオイル経路 けいろ で循環 じゅんかん して潤滑 じゅんかつ される。
ディーゼルエンジンは、スロットルバルブが不要 ふよう なこと[ 注釈 ちゅうしゃく 3] や吸気 きゅうき 脈動 みゃくどう が大 おお きいことなどで、ガソリンエンジンと比較 ひかく してインテークマニホールドでの負 ふ 圧 あつ 生成 せいせい には適 てき していない。そのため、真空 しんくう 倍 ばい 力 りょく 式 しき のブレーキブースター を用 もち いるディーゼル車 しゃ では、Vベルト やギヤ で駆動 くどう する専用 せんよう の真空 しんくう ポンプ と、負 ふ 圧 あつ 貯蔵 ちょぞう タンクを備 そな えている。
このポンプの潤滑 じゅんかつ にはエンジンオイルが兼用 けんよう される。
大型 おおがた 低速 ていそく であるほどディーゼルエンジンの長所 ちょうしょ が引 ひ き立 た ち、短所 たんしょ が目立 めだ たなくなる傾向 けいこう にある。逆 ぎゃく に小型 こがた 高速 こうそく ではガソリンエンジンが有利 ゆうり になる。このため小型車 こがたしゃ のエンジンはガソリンで、大型 おおがた 車 しゃ のエンジンはディーゼルになることが多 おお い。鉄道 てつどう の気動車 きどうしゃ はディーゼルがほとんどであり、船舶 せんぱく も、軍用 ぐんよう や高速 こうそく 船 せん 、小型 こがた 船 せん (20トン未満 みまん )の船 ふね 外 がい 機 き などの例 れい を除 のぞ き、ディーゼルエンジンであることが一般 いっぱん 的 てき である。
ガソリンエンジンは点火 てんか 方式 ほうしき が「火花 ひばな 点火 てんか 」、燃焼 ねんしょう 方式 ほうしき が「均一 きんいつ 予 よ 混合 こんごう 燃焼 ねんしょう 」である。あらかじめ燃料 ねんりょう を気化 きか させた混合 こんごう 気 き をシリンダーに吸入 きゅうにゅう 、圧縮 あっしゅく したのち、電気 でんき 火花 ひばな により点火 てんか する。均一 きんいつ 混合 こんごう 気 き に満 み たされた燃焼 ねんしょう 室 しつ に火炎 かえん 面 めん 伝播 でんぱ が発生 はっせい し燃焼 ねんしょう 域 いき が半球 はんきゅう 状 じょう に広 ひろ がって間欠 かんけつ 燃焼 ねんしょう する。シリンダー直径 ちょっけい が大 おお きすぎると火炎 かえん 伝播 でんぱ 速度 そくど が間 ま に合 あ わずシリンダーの外周 がいしゅう に近 ちか い混合 こんごう 気 き まで点火 てんか できなくなるので、シリンダ直径 ちょっけい (ボア )に限界 げんかい (自動車 じどうしゃ 用 よう の場合 ばあい 10 cm 、容積 ようせき で800 cc ほど)がある。一方 いっぽう で予 よ 混合 こんごう 燃焼 ねんしょう では粒子 りゅうし 状 じょう 物質 ぶっしつ (PM) は発生 はっせい しない。ただし圧縮 あっしゅく 行程 こうてい で燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ する直 ちょく 噴ガソリンエンジンは気化 きか できない液 えき 滴 しずく の残 のこ る不 ふ 均一 きんいつ な成層 せいそう 燃焼 ねんしょう なので、粒子 りゅうし 状 じょう 物質 ぶっしつ が発生 はっせい する。
ディーゼルエンジンは拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう なので容積 ようせき に制限 せいげん はない。ただし、高 こう 圧 あつ 下 か の拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう 速度 そくど は遅 おそ いので大 だい 容積 ようせき エンジンは低 てい 回転 かいてん に限 かぎ られる。これは、むしろ大型 おおがた 船舶 せんぱく やポンプ、発電 はつでん 機 き などの大 だい 出力 しゅつりょく エンジンにとって都合 つごう が良 よ い。1万 まん 馬力 ばりき を超 こ える巨大 きょだい 出力 しゅつりょく の歯車 はぐるま 減速 げんそく 機 き は信頼 しんらい 性 せい に乏 とぼ しいので、低速 ていそく エンジンの直接 ちょくせつ 出力 しゅつりょく が求 もと められるため。ただし速度 そくど 変化 へんか の激 はげ しい車両 しゃりょう には多段 ただん 変速 へんそく 機 き が必要 ひつよう になる。
ガソリンエンジンは混合 こんごう 気 き の吸入 きゅうにゅう 量 りょう をスロットルバルブによって絞 しぼ ることで出力 しゅつりょく を制御 せいぎょ するのに対 たい し、ディーゼルエンジンは燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 量 りょう だけで出力 しゅつりょく 制御 せいぎょ するため、ポンピングロスが少 すく なく、効率 こうりつ が良 よ い。また同 おな じ理由 りゆう でディーゼルは負荷 ふか 変動 へんどう によって空 そら 燃 もえ 比 ひ も変 か わり、全般 ぜんぱん 的 てき にも希薄 きはく 燃焼 ねんしょう であり、理想 りそう 空 そら 燃 もえ 比 ひ は実現 じつげん できない。これは容積 ようせき あたりの燃料 ねんりょう の充填 じゅうてん が少 すく ないことを意味 いみ し、気筒 きとう 容積 ようせき あたりの出力 しゅつりょく が低 ひく い傾向 けいこう にあるが、過 か 給 きゅう により補完 ほかん できる。特 とく にスロットルがないため低 てい 回転 かいてん から排気 はいき 量 りょう が多 おお いのでターボチャージャーとの相性 あいしょう が良 よ い。
ただし、最近 さいきん では両者 りょうしゃ の構成 こうせい が近 ちか づいている。2012年 ねん に圧縮 あっしゅく 比 ひ を同 おな じ14にした、高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ ガソリンエンジンと低 てい 圧縮 あっしゅく 比 ひ ディーゼルエンジンがマツダから出荷 しゅっか されている。他社 たしゃ のガソリンエンジンでも吸気 きゅうき の可変 かへん バルブタイミング機構 きこう により吸入 きゅうにゅう 量 りょう を変 か えたり、低温 ていおん 多量 たりょう EGRバルブにより排気 はいき と吸気 きゅうき の割合 わりあい を変 か えて出力 しゅつりょく を調整 ちょうせい するようになり、スロットルバルブ は必須 ひっす でなくなった。これらの改善 かいぜん のため近年 きんねん ガソリンエンジンの効率 こうりつ が上昇 じょうしょう し、ディーゼルとの差 さ が縮 ちぢ まっている。
さらに事実 じじつ 上 じょう 、同 おな じ点火 てんか 、燃焼 ねんしょう モードを持 も つエンジンが開発 かいはつ 中 ちゅう である。まず、ガソリン燃料 ねんりょう でありながら圧縮 あっしゅく 比 ひ 14台 だい にて圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか を目標 もくひょう としているHCCI(Homogeneous-Charge Compression Ignition:(均一 きんいつ )予 よ 混合 こんごう 圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか )エンジンが開発 かいはつ 中 ちゅう [ 注釈 ちゅうしゃく 4] であり、通称 つうしょう ディゾットエンジンとも呼 よ ばれる[ 注釈 ちゅうしゃく 5] [ 6] 一方 いっぽう で、1995年 ねん にはディーゼルエンジンでありながら低 てい 負荷 ふか 領域 りょういき で予 よ 混合 こんごう を用 もち いる PCCI(Premixed Charged Compression Ignition:(不 ふ 均一 きんいつ )予 よ 混合 こんごう 圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか )が実用 じつよう 済 ず みであるなど、ガソリンとディーゼルエンジンの区分 くわ けが曖昧 あいまい になりつつある[ 2] 。
圧縮 あっしゅく 比 ひ が高 たか く、燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 うち の空気 くうき 過剰 かじょう 率 りつ が大 おお きいため、作動 さどう ガスの比熱 ひねつ 比 ひ が高 たか く図示 ずし 熱 ねつ 効率 こうりつ が高 たか い(投入 とうにゅう したエネルギーに対 たい して燃焼 ねんしょう ガスの温度 おんど 上昇 じょうしょう に使 つか われる割合 わりあい が低 ひく い)と言 い われている。ただし、これは大型 おおがた 低速 ていそく エンジンの場合 ばあい であり、高速 こうそく エンジンでは損失 そんしつ も多 おお い。2010年 ねん 現在 げんざい の大型 おおがた 舶用 はくよう ディーゼルの熱 ねつ 効率 こうりつ が50 %に達 たっ するのに対 たい し自動車 じどうしゃ 用 よう ディーゼルの熱 ねつ 効率 こうりつ は40 %、ガソリン機関 きかん の熱 ねつ 効率 こうりつ が30 %程度 ていど 、ガソリンアトキンソンサイクル機関 きかん の熱 ねつ 効率 こうりつ は30 %台 たい 後半 こうはん である。また重量 じゅうりょう 、負荷 ふか 変動 へんどう 、速度 そくど 、変速 へんそく の効率 こうりつ が加味 かみ される自動車 じどうしゃ の走行 そうこう パターンを与 あた えた場合 ばあい には差 さ が縮 ちぢ まる。以下 いか に乗用車 じょうようしゃ 用 よう エンジンのトップランナー方式 ほうしき の実効 じっこう 率 りつ の報告 ほうこく 書 しょ の結果 けっか を示 しめ す。2005年 ねん の予備 よび 調査 ちょうさ のときより2010年 ねん の結果 けっか のほうが、Tank to Wheel効率 こうりつ の差 さ は半分 はんぶん に縮 ちぢ まっている。同 おな じ程度 ていど の排気 はいき 規制 きせい を満 み たすために差 さ が縮 ちぢ まったともいえる。
この報告 ほうこく 書 しょ の効率 こうりつ の算出 さんしゅつ 方法 ほうほう について、まず燃料 ねんりょう を比較 ひかく すると軽油 けいゆ はガソリンに比 くら べ密度 みつど が12 %大 おお きく、容積 ようせき あたりの熱量 ねつりょう も9 %大 おお きい。しかし質量 しつりょう あたりの熱量 ねつりょう は5 %小 ちい さい。熱量 ねつりょう あたりの二酸化炭素 にさんかたんそ (CO2 )発生 はっせい 量 りょう は2.5 %多 おお く、質量 しつりょう あたりのCO2 発生 はっせい 量 りょう は2 %少 すく ない。容積 ようせき あたりのCO2 発生 はっせい 量 りょう は10 %多 おお い[ 7] 。このような燃料 ねんりょう の異 こと なるエンジンを燃料 ねんりょう の容積 ようせき や質量 しつりょう 単位 たんい で比 くら べられないため、生産 せいさん エネルギーと消費 しょうひ エネルギーとを比 くら べている。
このように補正 ほせい したTank to Wheel効率 こうりつ ではJC08モード でディーゼルはガソリンより3.5 %しか良 よ くない[ 8] 。ただし、10・15モード なら8.5 %良 よ い[ 9] 。さらにWell to Wheel総合 そうごう 効率 こうりつ のJC08モードの効率 こうりつ とCO2 排出 はいしゅつ 量 りょう では11 %良 よ い[ 10] 。さらに Well to Wheel総合 そうごう 効率 こうりつ の10・15モードのCO2 排出 はいしゅつ 量 りょう では18 %良 よ い[ 11] 。
まとめると、自動車 じどうしゃ 用 よう ディーゼルは現在 げんざい の厳 きび しい排気 はいき 規制 きせい の下 した でもJC08モードのTank to Wheel効率 こうりつ ではガソリンエンジンより3.5 %エネルギー効率 こうりつ が良 よ いが、軽油 けいゆ の熱量 ねつりょう あたりのCO2 発生 はっせい 量 りょう は2.5 %多 おお く、クルマ単体 たんたい でのCO2 の排出 はいしゅつ 量 りょう の差 さ はほとんどない。ただし、Well to Wheel 総合 そうごう 効率 こうりつ のJC08モードのCO2 排出 はいしゅつ 量 りょう で11 %良 よ い結論 けつろん は変 か わらない。これはガソリンの精製 せいせい に軽油 けいゆ よりもエネルギーを消費 しょうひ しているためである[ 12] 。
車両 しゃりょう 用 よう ディーゼルは高速 こうそく 道路 どうろ の定 じょう 速 そく 走行 そうこう など負荷 ふか が一定 いってい の状態 じょうたい なら熱 ねつ 効率 こうりつ どおりにガソリンより3割 わり ほど効率 こうりつ が良 よ い。しかし常用 じょうよう 回転 かいてん 域 いき が狭 せま いことから市街地 しがいち 走行 そうこう のような負荷 ふか 変動 へんどう と加減 かげん 速 そく を含 ふく む走行 そうこう パターンでは一気 いっき にガソリンとの差 さ がなくなる。変速 へんそく が単純 たんじゅん な10・15モードの効率 こうりつ がJC08モードより良 よ いことからうかがえる。
ディーゼルエンジンには点火 てんか 装置 そうち とスロットルバルブが不要 ふよう であるため、構造 こうぞう が単純 たんじゅん 化 か でき、信頼 しんらい 性 せい が高 たか い。
ディーゼルエンジンは拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう の範囲 はんい であれば圧縮 あっしゅく 時 じ の筒 つつ 内 ない が空気 くうき だけなので、過 か 給 きゅう してもプレイグニッション ・ノッキング やデトネーション がない。スロットルバルブがないため、低速 ていそく でも排気 はいき が多 おお く、ターボチャージャーとの相性 あいしょう が良 よ く、容積 ようせき あたりの低 てい 出力 しゅつりょく を補 おぎな うことができる。さらに大型 おおがた エンジンでは排気 はいき エネルギーを出力 しゅつりょく 軸 じく に、より多 おお く回収 かいしゅう するターボコンパウンド も可能 かのう である。
ガソリンエンジンには点火 てんか 時 じ の火炎 かえん の伝播 でんぱ 速度 そくど によりシリンダ直径 ちょっけい に限界 げんかい があるのに対 たい し、ディーゼルエンジンにはその限界 げんかい がないので大型 おおがた 化 か に適 てき している。ガソリンエンジンでは、多 た 気筒 きとう 化 か で排気 はいき 量 りょう を確保 かくほ して高 こう トルクを得 え るか、高 こう 回転 かいてん 化 か で出力 しゅつりょく を上 あ げなければならないのに対 たい し、ディーゼルエンジンでは気筒 きとう 容積 ようせき の拡大 かくだい で可能 かのう となり、構造 こうぞう が単純 たんじゅん 化 か されフリクション ロスも抑 おさ えられ、熱 ねつ 効率 こうりつ が高 たか まる。大型 おおがた エンジンほどディーゼルエンジンの利点 りてん が活 い きてくる。
ディーゼル燃料 ねんりょう の引火 いんか 点 てん はガソリンに比 くら べて80 ℃ほど高 たか いため、爆発 ばくはつ ・火災 かさい 事故 じこ に対 たい する余裕 よゆう が大 おお きい。特 とく に被弾 ひだん することを前提 ぜんてい とした軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう で、このメリットが大 おお きい[ 注釈 ちゅうしゃく 6] 。軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう のエンジンは航空 こうくう 燃料 ねんりょう のJP-8 等 ひとし と併用 へいよう することも考慮 こうりょ され、ディーゼル化 か を進 すす めている。ガスタービン燃料 ねんりょう は軽油 けいゆ よりも上質 じょうしつ 油 ゆ であるが、燃料 ねんりょう を共有 きょうゆう することで有事 ゆうじ の兵站 へいたん が合理 ごうり 化 か される。
ディーゼルエンジンのうち、4ストローク機関 きかん は吸気 きゅうき 系統 けいとう 側 がわ に掃気用 よう の補 ほ 機 き を持 も たず、噴射 ふんしゃ ポンプでシリンダー内 ない に直接 ちょくせつ 燃料 ねんりょう を噴射 ふんしゃ する構造 こうぞう のため(ガソリン直 ちょく 噴エンジン を除 のぞ く)、ガソリンエンジンと異 こと なり始動 しどう 時 じ に何 なん らかの方法 ほうほう でクランクシャフトを逆 ぎゃく 方向 ほうこう に回転 かいてん させることにより、逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん をさせることができる。例 たと えば、自動車 じどうしゃ の場合 ばあい は変速 へんそく 機 き を前進 ぜんしん ギアに入 い れた状態 じょうたい で車体 しゃたい を後進 こうしん 方向 ほうこう に押 お したり、坂道 さかみち で下 くだ り方向 ほうこう に空 そら 走 そう させたりすると、クランクシャフトは逆 ぎゃく 回転 かいてん するため、デコンプ を開 ひら いておくなど始動 しどう の予防 よぼう 措置 そち を講 こう じない限 かぎ りは逆 ぎゃく 回転 かいてん 状態 じょうたい でエンジンが押 お しがけ始動 しどう してしまう危険 きけん 性 せい [ 13] がある。自動車 じどうしゃ でこのような状態 じょうたい になると、変速 へんそく 機 き が前進 ぜんしん ギアの際 さい に車体 しゃたい は後退 こうたい し、後進 こうしん ギアの際 さい に逆 ぎゃく に前進 ぜんしん が行 おこな われることになる。この現象 げんしょう は事故 じこ や労働 ろうどう 災害 さいがい を誘発 ゆうはつ する原因 げんいん になる一方 いっぽう で、船舶 せんぱく などその特性 とくせい を活用 かつよう することで変速 へんそく 機 き を介 かい することなく逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん のみによる後退 こうたい 運転 うんてん が可能 かのう となることも意味 いみ している。
4ストロークディーゼルで逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん が始 はじ まった場合 ばあい 、吸排気 はいき 弁 べん の機能 きのう が逆転 ぎゃくてん するため、排気 はいき 管 かん から吸気 きゅうき し、エアフィルター側 がわ に排気 はいき が行 おこな われる[ 14] 。また、カムシャフトのバルブタイミング や噴射 ふんしゃ ポンプの噴射 ふんしゃ タイミングも適切 てきせつ に反転 はんてん させたものを使用 しよう しなければ十分 じゅうぶん な出力 しゅつりょく 性能 せいのう が得 え られないため[ 15] 、自動車 じどうしゃ ではあまり実用 じつよう 的 てき とはいえないが、中 なか ・小型 こがた 船 せん 舶用 はくよう 機関 きかん では古 ふる くはMANやスルザー、B&Wなどが前進 ぜんしん 用 よう と後進 こうしん 用 よう の2系統 けいとう のカムシャフトを可変 かへん バルブ機構 きこう で4ストロークディーゼルの逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん による後退 こうたい 航行 こうこう を実現 じつげん しており[ 16] 、航空 こうくう 用 よう エンジンではダイムラー・ベンツ DB 602 が同様 どうよう の機構 きこう を有 ゆう していた。しかし、今日 きょう では小型 こがた 船舶 せんぱく ではこのような逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん 機構 きこう ではなく、油圧 ゆあつ または電動 でんどう の遠隔 えんかく 操作 そうさ で断続 だんぞく されるクラッチと[ 17] 後退 こうたい 用 よう ギアボックスを組 く み込 こ むことで後退 こうたい 航行 こうこう が行 おこな われている[ 18] 。
なお、2ストローク機関 きかん では逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん をさせても掃気孔 きこう と排気 はいき 弁 べん または排気 はいき 孔 あな の機能 きのう が逆転 ぎゃくてん せず、掃気ポートタイミングも変化 へんか しないため、リードバルブ 式 しき ガソリンエンジン・ユニフローディーゼルエンジンどちらでも逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん は可能 かのう であり、ディーゼルエンジン特有 とくゆう の長所 ちょうしょ とはなっていない。ただし、ガソリンエンジンでは逆 ぎゃく 回転 かいてん が後退 こうたい に利用 りよう される例 れい は一部 いちぶ のスノーモビル 程度 ていど に限 かぎ られているが、船舶 せんぱく 用 よう ユニフローディーゼルエンジンにおいては、逆 ぎゃく 回転 かいてん 運転 うんてん により直接 ちょくせつ スクリューを逆 ぎゃく 回転 かいてん させ後退 こうたい 航行 こうこう を行 おこな う手段 しゅだん として一般 いっぱん 的 てき に用 もち いられている[ 19] 。
自動車 じどうしゃ 用 よう ディーゼルエンジンの価格 かかく はガソリンエンジンのほぼ倍 ばい になる(国産 こくさん 車 しゃ の車体 しゃたい 価格 かかく で、だいたい40万 まん から50万 まん 円 えん 程度 ていど 高 たか い)。スロットルと点火 てんか 装置 そうち が要 い らない代 か わりに、高価 こうか な燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 系 けい と補 ほ 機 き 類 るい が必要 ひつよう となりエンジン全体 ぜんたい は高 こう コストになる。
ディーゼルエンジンの主 しゅ たる短所 たんしょ は、大 おお きく重 おも くかつ、振動 しんどう が激 はげ しいことである。大 だい 重量 じゅうりょう ゆえエンジンの出力 しゅつりょく 重量 じゅうりょう 比 ひ が悪 わる く、軽量 けいりょう 化 か を要求 ようきゅう される航空機 こうくうき では、一部 いちぶ を除 のぞ いて従来 じゅうらい あまり採用 さいよう されず、レシプロエンジン全盛期 ぜんせいき においても主流 しゅりゅう 足 た りえなかった。また、圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか のため、高空 こうくう (低温 ていおん 、低 てい 気圧 きあつ )での始動 しどう 性 せい や信頼 しんらい 性 せい に乏 とぼ しいというのも、ディーゼルエンジンが敬遠 けいえん された大 おお きな理由 りゆう の一 ひと つである。
拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう ゆえ、黒 くろ 煙 けむり や粒子 りゅうし 状 じょう 物質 ぶっしつ (PM) が発生 はっせい しやすいうえに、燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 うち が高温 こうおん 高 だか 圧 あつ かつ希薄 きはく 燃焼 ねんしょう 域 いき (軽 けい 負荷 ふか 時 じ は30:1から60:1)で酸素 さんそ と窒素 ちっそ も過多 かた であるためNOx も発生 はっせい しやすく、密閉 みっぺい コックピットが普及 ふきゅう する前 まえ の飛行機 ひこうき においては、ディーゼルエンジンがパイロットたちに嫌 きら われた理由 りゆう でもある。排気 はいき 対策 たいさく をするにも、排気 はいき 中 ちゅう の残留 ざんりゅう 酸素 さんそ が多 おお い酸化 さんか 性 せい 雰囲気 ふんいき では三 さん 元 げん 触媒 しょくばい を使 つか えないため、PMとNOx 対策 たいさく に別々 べつべつ の後処理 あとしょり 装置 そうち が必要 ひつよう となり、重量 じゅうりょう もかさむとともに高 こう コスト化 か する。
高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ のため、ピストンリング や軸受 じくうけ にかかる面 めん 圧 あつ が高 たか く、十分 じゅうぶん な強度 きょうど を持 も たされた可動 かどう 部品 ぶひん の質量 しつりょう も大 おお きい、高速 こうそく 回転 かいてん させると摩擦 まさつ 損失 そんしつ などでエネルギーの損失 そんしつ が急増 きゅうぞう する。
高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ のため高 こう 回転 かいてん まで回 まわ らず、常用 じょうよう 回転 かいてん 域 いき が狭 せま いため、車両 しゃりょう 用 よう には走行 そうこう 速度 そくど に応 おう じた変速 へんそく が必要 ひつよう で、最適 さいてき な回転 かいてん 数 すう を外 はず すと効率 こうりつ が低下 ていか する。この2点 てん が調和 ちょうわ しないため、自動車 じどうしゃ 用 よう ディーゼル機関 きかん は大型 おおがた 舶用 はくよう ディーゼル機関 きかん より大幅 おおはば に低 てい 効率 こうりつ となっている。
ディーゼルエンジンでは燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち が点火 てんか 装置 そうち と出力 しゅつりょく 制御 せいぎょ 装置 そうち を兼 か ねるため高価 こうか になり、燃焼 ねんしょう 制御 せいぎょ も難 むずか しい。燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 系 けい がエンジンコストの半分 はんぶん を占 し める。
高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ であるため、吸排気 はいき 系 けい の脈動 みゃくどう も大 おお きく、こちらの振動 しんどう や騒音 そうおん も大 おお きい。船舶 せんぱく 用 よう 、コジェネレーション 用 よう では脈動 みゃくどう を抑 おさ えるためにアキュムレータ を備 そな えたものもある。
シリンダーヘッド 、シリンダーブロック 、ピストン 、コネクティングロッド 、クランクシャフト に高 たか い強度 きょうど と剛性 ごうせい が求 もと められ重量 じゅうりょう が嵩 かさ む。
加減 かげん 速 そく や発進 はっしん ・停止 ていし を頻繁 ひんぱん に求 もと められる車両 しゃりょう 用途 ようと では、大 だい トルクに耐 た えられる多段 ただん 変速 へんそく 機 き が必要 ひつよう となる。副 ふく 変速 へんそく 機 き 込 こ みで18段 だん や24段 だん にもなる変速 へんそく 機 き を手動 しゅどう で操作 そうさ するのは煩雑 はんざつ すぎて現実 げんじつ 的 てき でないため、優秀 ゆうしゅう な自動 じどう 変速 へんそく 機 き が必要 ひつよう になり、さらにに重 おも く、高 こう コスト化 か する。
吸気 きゅうき 管 かん 負 ふ 圧 あつ を得 え にくいため、乗用車 じょうようしゃ においてはブレーキブースター を別 べつ の経路 けいろ からとる必要 ひつよう がある。これもまた高 こう コストの原因 げんいん となる。
寒冷 かんれい 地 ち では燃料 ねんりょう 中 ちゅう のパラフィン が析出 せきしゅつ して燃料 ねんりょう フィルター で目 め 詰 づ まりする場合 ばあい がある。温暖 おんだん な地域 ちいき の軽油 けいゆ を入 い れて寒冷 かんれい 地 ち に移動 いどう して駐車 ちゅうしゃ していると、燃料 ねんりょう が流 なが れなくなって始動 しどう しなくなるおそれがある[ 20] 。
ディーゼルエンジンの容積 ようせき あたりの低 てい 出力 しゅつりょく を過 か 給 きゅう 、ターボチャージャー、ターボコンパウンドなどで補 おぎな うと、点火 てんか 装置 そうち の単純 たんじゅん さというメリットが相殺 そうさい され、高 こう コストになる。
乗用車 じょうようしゃ 用 よう ディーゼル機関 きかん では振動 しんどう 軽減 けいげん のため小 しょう 排気 はいき 量 りょう ながら多 た 気筒 きとう 化 か する傾向 けいこう があり、気筒 きとう 容積 ようせき の拡大 かくだい で大型 おおがた 化 か できる利点 りてん を生 い かしにくく、高 こう コストになる。
吸気 きゅうき 系統 けいとう にスロットル弁 べん を持 も たず、アクセルペダル の操作 そうさ が噴射 ふんしゃ ポンプの噴射 ふんしゃ 量 りょう のみを制御 せいぎょ するディーゼルエンジンは、噴射 ふんしゃ ポンプのリンケージの不具合 ふぐあい や調 しらべ 速 そく 機 き の破損 はそん などにより燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう が過多 かた となった場合 ばあい 、エンジン回転 かいてん 数 すう が過 か 回転 かいてん となったまま、オペレーターの操作 そうさ ではエンジン回転 かいてん 数 すう を制御 せいぎょ できなくなるディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう (英語 えいご 版 ばん ) 事故 じこ が発生 はっせい することがある[ 21] 。ディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう は、ターボチャージャーの軸受 じくうけ 部 ぶ のオイル漏 も れや過度 かど のブローバイの発生 はっせい などで霧 きり 化 か したエンジンオイルが吸気 きゅうき 系統 けいとう に大量 たいりょう に混入 こんにゅう した場合 ばあい [ 22] 、あるいは可燃 かねん 性 せい のガスが充満 じゅうまん した空間 くうかん に稼動 かどう 状態 じょうたい のディーゼルエンジンが置 お かれた場合 ばあい などの外的 がいてき 要因 よういん によっても発生 はっせい しうる[ 22] 。
ガソリンエンジンは燃料 ねんりょう 装置 そうち の不具合 ふぐあい 、たとえばチョーク弁 べん の誤作動 ごさどう などで燃料 ねんりょう の供給 きょうきゅう が吸入 きゅうにゅう 空気 くうき 量 りょう に対 たい して過多 かた となった場合 ばあい は、点火 てんか プラグ が失火 しっか してエンジンストール を起 お こすか、著 いちじる しくドライバビリティが低下 ていか していく。ガソリンエンジンでもスロットル弁 べん のリンケージの破損 はそん により、エンジン回転 かいてん 数 すう が過 か 回転 かいてん となったまま制御 せいぎょ 不能 ふのう になる暴走 ぼうそう が発生 はっせい する可能 かのう 性 せい はあるが、この場合 ばあい メインキースイッチやキルスイッチ を作動 さどう させるか、カーバッテリー の配線 はいせん やプラグコード を切断 せつだん するなどして強制 きょうせい 的 てき に点火 てんか 装置 そうち や点火 てんか プラグへの給電 きゅうでん を断 た つことで、オペレーターは暴走 ぼうそう を容易 ようい に停止 ていし させることができる。機械 きかい 式 しき 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち や機械 きかい 式 しき 燃料 ねんりょう ポンプ付 つ きキャブレター 式 しき のガソリンエンジンで、ランオン を併発 へいはつ するという特殊 とくしゅ な状況 じょうきょう でのみ、オペレーターの操作 そうさ だけではエンジンを完全 かんぜん 停止 ていし できない事態 じたい が発生 はっせい しうるが、それでもスロットル弁 べん を閉 と じれば回転 かいてん 数 すう は下 さ がり、更 さら にマフラー の排気 はいき 口 こう を塞 ふさ ぐことで容易 ようい に暴走 ぼうそう は止 と められる。
しかし、スロットル 弁 わきまえ (バタフライ・バルブ (英語 えいご 版 ばん ) )を持 も たず、圧縮 あっしゅく 圧力 あつりょく のみで自己 じこ 着火 ちゃっか するディーゼルエンジン、とりわけ噴射 ふんしゃ ポンプが機械 きかい 式 しき の場合 ばあい 、吸入 きゅうにゅう 空気 くうき 量 りょう を制限 せいげん する機構 きこう が何 なに もないため、ひとたび暴走 ぼうそう が発生 はっせい してしまうとメインスイッチやアクセルペダルをいくら操作 そうさ してもエンジンの過 か 回転 かいてん を停止 ていし することができなくなってしまう[ 23] さらにはターボチャージャー付 つ きディーゼルエンジンの場合 ばあい は、暴走 ぼうそう が発生 はっせい するとターボチャージャーも過 か 回転 かいてん 状態 じょうたい となるため、過 か 給 きゅう 圧 あつ のオーバーシュートも併発 へいはつ することでブローバイが燃焼 ねんしょう 室 しつ から大量 たいりょう にクランクケース 側 がわ に吹 ふ き抜 ぬ け、そのブローバイがPCVバルブ やEGR を通 つう じてインテーク側 がわ に大量 たいりょう に吸引 きゅういん されることにより、例 たと え噴射 ふんしゃ ポンプへの燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう が絶 た たれたとしても、多量 たりょう のブローバイによりインテークに吹 ふ き抜 ぬ けるエンジンオイルのみでディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう が継続 けいぞく する、ポジティブフィードバック 状態 じょうたい が成立 せいりつ してしまう場合 ばあい すらある[ 22] 。
このようなディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう をエンジンブロー に至 いた る前 まえ に停止 ていし させるには、燃料 ねんりょう タンク から噴射 ふんしゃ ポンプへの燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう を遮断 しゃだん するのみでは不十分 ふじゅうぶん で、エアクリーナー ボックスや吸気 きゅうき 口 こう に蓋 ぶた や栓 せん をはめ込 こ んだり、二酸化炭素 にさんかたんそ 消火 しょうか 器 き を吸気 きゅうき 口 こう に大量 たいりょう に吹 ふ き込 こ むことで吸入 きゅうにゅう 空気 くうき (酸素 さんそ )を遮断 しゃだん する[ 24] 、あるいは変速 へんそく 機 き をトップギアやオーバートップに入 い れた状態 じょうたい でフットブレーキ やサイドブレーキ を目 め 一 いち 杯 はい 掛 か けた状態 じょうたい でクラッチ を一気 いっき に繋 つな ぎ、クランクシャフトの回転 かいてん を無理矢理 むりやり 停止 ていし させエンスト を狙 ねら うなどの方法 ほうほう を採 と るしかない[ 25] 。自動車 じどうしゃ では走行 そうこう 中 ちゅう にアクセルペダルを戻 もど してもエンジン回転 かいてん の上昇 じょうしょう が止 と まらない、ディーゼルエンジン暴走 ぼうそう の兆候 ちょうこう が見 み られた場合 ばあい は、マニュアルトランスミッション では直 ただ ちにクラッチを切 き り、オートマチックトランスミッション 、セミオートマチックトランスミッション 、無 む 段 だん 変速 へんそく 機 き ではシフトレバー をニュートラルに入 い れてドライブトレイン への動力 どうりょく 伝達 でんたつ を絶 た った上 うえ で、路肩 ろかた に停車 ていしゃ して上記 じょうき の暴走 ぼうそう 停止 ていし の措置 そち を行 おこな う[ 26] 。アメリカ海軍 かいぐん では船舶 せんぱく 用 よう ディーゼルエンジンで暴走 ぼうそう が発生 はっせい した場合 ばあい には、燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう 弁 べん を閉 と じた上 うえ でデコンプ を開 ひら いて停止 ていし を図 はか るようにトレーニングマニュアルに記載 きさい している[ 27] 。
欧米 おうべい ではディーゼル機関 きかん 車 しゃ や[ 28] 、デトロイトディーゼル など旧式 きゅうしき のディーゼルターボエンジンをレストア した際 さい の試運転 しうんてん 時 じ に度々 どど こうした暴走 ぼうそう 事故 じこ が起 お きており、キャタピラー は燃料 ねんりょう 系統 けいとう を修理 しゅうり したディーゼルエンジンを初 はじ めて始動 しどう する際 さい には、作業 さぎょう 助手 じょしゅ は燃料 ねんりょう 系統 けいとう の修理 しゅうり ミスに伴 ともな う暴走 ぼうそう に備 そな えて吸気 きゅうき 口 こう に直 ただ ちに栓 せん が出来 でき るように備 そな えておくことを推奨 すいしょう している[ 29] 。日本 にっぽん でも2000年代 ねんだい 初頭 しょとう に、三菱自動車工業 みつびしじどうしゃこうぎょう の三菱 みつびし ・デリカ や三菱 みつびし ・チャレンジャー にて噴射 ふんしゃ ポンプの製造 せいぞう 工程 こうてい のミスに伴 ともな うディーゼルエンジン暴走 ぼうそう 事故 じこ が発生 はっせい し、リコール に至 いた っている例 れい がある[ 30] 。
可燃 かねん 性 せい ガスの充満 じゅうまん が発生 はっせい しやすい石油 せきゆ 化学 かがく プラントや鉱山 こうざん では、ディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう 事故 じこ が数多 かずおお く起 お きており、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 労働省 ろうどうしょう など海外 かいがい の労働 ろうどう 行政 ぎょうせい 機関 きかん は、産業 さんぎょう 用 よう ディーゼルエンジンに対 たい して、万 まん が一 いち 暴走 ぼうそう が発生 はっせい した際 さい に備 そな えて吸気 きゅうき 系統 けいとう と燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう 系統 けいとう の双方 そうほう にシャットダウン・バルブ (英語 えいご 版 ばん ) や安全 あんぜん 遮断 しゃだん 弁 べん (英語 えいご 版 ばん ) を備 そな え付 つ けるように義務付 ぎむづ けている[ 31] が、それでもすべてのディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう のフェイルセーフ の確立 かくりつ までには至 いた っておらず、2005年 ねん のテキサスシティ製油 せいゆ 所 しょ 爆発 ばくはつ 事故 じこ でもその過程 かてい において自動車 じどうしゃ のディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう が関連 かんれん していたことが確認 かくにん されている。
フィルター直前 ちょくぜん に追加 ついか インジェクターを持 も たない、燃焼 ねんしょう 再生 さいせい 式 しき のDPF・DPR等 とう が装着 そうちゃく されるディーゼルエンジンについては、軽油 けいゆ によってエンジンオイルが希釈 きしゃく されることとなるが、燃料 ねんりょう を含 ふく むエンジンオイルによって発生 はっせい したブローバイガスが、EGR機構 きこう によって吸気 きゅうき 系 けい に戻 もど されることによっても、ディーゼルエンジンの暴走 ぼうそう が発生 はっせい する。
定置 ていち 型 がた の内燃 ないねん 力 りょく 発電 はつでん やポンプなどの原動機 げんどうき 、舶 用 よう 動力 どうりょく 、トラック やバス といった大型 おおがた の自動車 じどうしゃ や戦車 せんしゃ のような軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう 、建設 けんせつ 機械 きかい ・農業 のうぎょう 機械 きかい などの大型 おおがた 特殊 とくしゅ 自動車 じどうしゃ [ 注釈 ちゅうしゃく 7] 、ディーゼル機関 きかん 車 しゃ や気動車 きどうしゃ などの鉄道 てつどう 車両 しゃりょう に使用 しよう される。発電 はつでん 、ポンプなどはディーゼルエンジンが主流 しゅりゅう であるが、LPGや天然 てんねん ガスなど気体 きたい 燃料 ねんりょう を用 もち いた電気 でんき 点火 てんか 式 しき ガスエンジン や、ガスタービンエンジン の場合 ばあい がある。
大 だい 出力 しゅつりょく を生 う み出 だ す大型 おおがた 舶用 はくよう エンジンと、そこから派生 はせい した定置 ていち 発電 はつでん 用 よう エンジンは、ディーゼル機関 きかん の独擅場 どくせんじょう と言 い える用途 ようと である。これらの分野 ぶんや は他 た 用途 ようと では常 つね に制約 せいやく ・問題 もんだい となる機関 きかん 本体 ほんたい および補 ほ 機 き の重量 じゅうりょう ・容積 ようせき をある程度 ていど 度外視 どがいし でき、ディーゼル機関 きかん の持 も つ大型 おおがた 化 か に適 てき した性質 せいしつ に合致 がっち した結果 けっか と言 い える。一方 いっぽう 、軍艦 ぐんかん においては、水上 すいじょう 戦闘 せんとう 艦 かん ではガスタービンエンジンと組 く み合 あ わせての巡航 じゅんこう 用 よう エンジンとして用 もち いられることが多 おお いほか、潜水 せんすい 艦 かん ではディーゼル・エレクトリック方式 ほうしき での推進 すいしん 器 き の駆動 くどう および発電 はつでん 機 き の原動機 げんどうき としての二 に 次 じ 電池 でんち の充電 じゅうでん にも用 もち いられる。
21世紀 せいき 現在 げんざい 、大型 おおがた 船舶 せんぱく では主 おも にC重油 じゅうゆ を使用 しよう する低速 ていそく ユニフロー掃気 2ストロークディーゼル機関 きかん が主流 しゅりゅう となっている。外 そと 航 こう 大型 おおがた 船舶 せんぱく 用 よう のエンジン自体 じたい の大 おお きさは、大 おお きな物 もの の一 いち 例 れい として長 なが さ約 やく 24メートル、高 たか さ約 やく 15メートル、重量 じゅうりょう が2000トン程度 ていど 、直列 ちょくれつ 11気筒 きとう で総 そう 排気 はいき 量 りょう 約 やく 2万 まん 2千 せん リットル、出力 しゅつりょく 約 やく 8.5万 まん 馬力 ばりき (MAN B&W 11K98ME型 がた )というものであり、耐用 たいよう 年数 ねんすう は20年 ねん 程度 ていど である。頭上 ずじょう 排気 はいき 弁 べん と強力 きょうりょく な過 か 給 きゅう 器 き を組 く み合 あ わせ、燃費 ねんぴ 上 じょう の要請 ようせい [ 32] と必要 ひつよう なトルクからピストン径 みち が1メートル弱 じゃく に対 たい しストロークは2.8メートル程度 ていど と、超 ちょう ロングストロークである。このサイズで物理 ぶつり 的 てき なピストンスピードを現状 げんじょう 以上 いじょう にするにはあまりに巨大 きょだい すぎるため、クランクシャフトの定 てい 格 かく 回転 かいてん 数 すう は毎 まい 分 ぶん 60–100回転 かいてん 程度 ていど と低速 ていそく になるが、その結果 けっか 、理論 りろん 上 じょう のディーゼルサイクルに近 ちか い特性 とくせい を現実 げんじつ 化 か できている。実際 じっさい に熱 ねつ 効率 こうりつ は50 %を超 こ え、55 %に迫 せま る水準 すいじゅん に到達 とうたつ する事例 じれい もあり、単体 たんたい の実用 じつよう 内燃 ないねん 機関 きかん としては最高 さいこう 水準 すいじゅん の熱 ねつ 効率 こうりつ を実現 じつげん している。また毎 まい 分 ぶん 100回転 かいてん 以下 いか の低速 ていそく は、船舶 せんぱく のスクリュー回転 かいてん にそのまま適用 てきよう できる速度 そくど でもあり、強度 きょうど 面 めん に制約 せいやく を抱 かか える減速 げんそく 歯車 はぐるま 装置 そうち を設 もう けることなく、クランクシャフトからの直結 ちょっけつ でスクリューを駆動 くどう できる。つまり実用 じつよう 上 じょう の動力 どうりょく 伝達 でんたつ 面 めん でも損失 そんしつ が少 すく なくなる。
船舶 せんぱく 用 よう 大型 おおがた 2ストロークディーゼル機関 きかん は、頭上 ずじょう 弁 べん 方式 ほうしき であることに加 くわ え、必要 ひつよう なトルクを出 だ すためにピストンの直径 ちょっけい が大 おお きくなりがちである。またピストン直径 ちょっけい の大 おお きさと燃費 ねんぴ 向上 こうじょう の要請 ようせい [ 32] ゆえにコネクティングロッド 部分 ぶぶん がピストン・ロッドと連結 れんけつ 棒 ぼう に2分割 ぶんかつ されたクロスヘッド構造 こうぞう を取 と らざるを得 え ないため、エンジンは総 そう じて非常 ひじょう に背 せ が高 たか い。
使用 しよう 燃料 ねんりょう が格安 かくやす のC重油 じゅうゆ (舶用 はくよう 燃料 ねんりょう 油 ゆ (PDF ) とも)であり、石油 せきゆ 精製 せいせい した後 のち の残 ざん 渣油由来 ゆらい の、粘 ねば 度 たび の高 たか い低質 ていしつ 燃料 ねんりょう であるため、極 きわ めて燃焼 ねんしょう 残 ざん 渣が汚 きたな く、シリンダー内部 ないぶ の潤滑 じゅんかつ には燃料 ねんりょう に含 ふく まれる硫黄 いおう から生成 せいせい される硫酸 りゅうさん に対抗 たいこう しうる船舶 せんぱく 用 よう シリンダー油 ゆ が必要 ひつよう である[ 32] 。船舶 せんぱく 用 よう シリンダーは油 あぶら 痛 いた みが激 はげ しいため、通常 つうじょう は使 つか い捨 す てであり[ 33] 、その他 た エンジン部分 ぶぶん の潤滑 じゅんかつ を担 にな うシステム油 ゆ とは経路 けいろ を独立 どくりつ させている[ 33] 。
4ストローク中 ちゅう 速 そく ディーゼル機関 きかん (300–1,000 rpm)は、大型 おおがた 漁船 ぎょせん からフェリー、客船 きゃくせん 、外 そと 航 こう 大型 おおがた 船舶 せんぱく まで幅広 はばひろ く使 つか われている。A重油 じゅうゆ が燃料 ねんりょう の、コンロッド でピストンとクランクとが結 むす ばれたトランクピストン機関 きかん が主流 しゅりゅう で、一部 いちぶ に残 ざん 渣油由来 ゆらい のC重油 じゅうゆ やACブレンド油 ゆ を使用 しよう できるものがある。熱 ねつ 効率 こうりつ では2ストローク低速 ていそく ディーゼル機関 きかん に及 およ ばないものの、出力 しゅつりょく 当 あ たりの重量 じゅうりょう や外形 がいけい 寸法 すんぽう が小 ちい さく機関 きかん 配置 はいち の自由 じゆう 度 ど が高 たか いという利点 りてん が有 あ り、それによる防 ぼう 振 ふ 、電気 でんき 推進 すいしん 化 か の容易 ようい なクルーズ船 せん やフェリー 、RO-RO船 せん のように構造 こうぞう 上 じょう 機関 きかん 室 しつ の高 たか さを抑 おさ えたい船 ふね で主流 しゅりゅう となっている。通常 つうじょう 、可変 かへん ピッチプロペラか減速 げんそく 機 き を介 かい して使 つか われる。
高速 こうそく 船 せん 艇 てい やプレジャーボート 、小型 こがた 漁船 ぎょせん などでは、A重油 じゅうゆ あるいは軽油 けいゆ を燃料 ねんりょう とする4ストローク高速 こうそく ディーゼル機関 きかん (1,000 rpm 以上 いじょう )が使 つか われており、小型 こがた のものでは自動車 じどうしゃ 用 よう と共通 きょうつう のエンジンが使 つか われている場合 ばあい も多 おお い。機関 きかん と駆動 くどう 系 けい を小型 こがた 化 か するために減速 げんそく 機 き 付 つ きの構成 こうせい になっている。
難点 なんてん として、C重油 じゅうゆ が燃料 ねんりょう の船舶 せんぱく 用 よう ディーゼルエンジンは、燃料 ねんりょう であるC重油 じゅうゆ を事前 じぜん 加熱 かねつ によって流動 りゅうどう 性 せい を高 たか める必要 ひつよう があり、これに関 かか わる補 ほ 機 き 類 るい が多数 たすう 必要 ひつよう になること、さらに一 いち 度 ど エンジンを休止 きゅうし させるとエンジン本体 ほんたい と補 ほ 機 き 類 るい の再始動 さいしどう に長時間 ちょうじかん を要 よう することから、船 ふね の停泊 ていはく 中 ちゅう もエンジンの低速 ていそく 回転 かいてん を続行 ぞっこう して各部 かくぶ の保温 ほおん と潤滑 じゅんかつ とを維持 いじ し、かつ燃料 ねんりょう 系統 けいとう の予熱 よねつ も同様 どうよう に維持 いじ せねばならない点 てん が挙 あ げられる。
1900年代 ねんだい から小型 こがた 船 せん に置 お ける試行 しこう 的 てき 採用 さいよう が始 はじ まったが、外 そと 航 こう 船舶 せんぱく として本格 ほんかく 的 てき な成功 せいこう を収 おさ めた最初 さいしょ のディーゼル船 せん は、1912年 ねん にB&W(バーマイスター・ウント・ウェイン)の1,250 hp ・4ストロークエンジン2基 き を搭載 とうさい して建造 けんぞう されたデンマーク の5,000 t級 きゅう 貨物 かもつ 船 せん 「セランディア 」(MS Selandia )である。この船 ふね は同 どう クラスの蒸気 じょうき 機関 きかん 搭載 とうさい 船 せん に比 ひ して3分 ぶん の1程度 ていど の燃料 ねんりょう 消費 しょうひ で航行 こうこう できた(かつ、蒸気 じょうき 船 せん のようなボイラー用 よう の真水 まみず が不要 ふよう であった)ことでその経済 けいざい 性 せい と航続 こうぞく 距離 きょり における優位 ゆうい 性 せい を立証 りっしょう し、実用 じつよう 的 てき 成功 せいこう を収 おさ めた。排煙 はいえん の量 りょう が蒸気 じょうき 船 せん に比 くら べて遥 はる かに少 すく ないため、蒸気 じょうき 船 せん のような太 ふと い煙突 えんとつ は実用 じつよう 上 じょう 不要 ふよう で、簡易 かんい な排気 はいき 管 かん を備 そな えるだけで済 す んだ(以後 いご のディーゼル船 せん では、主 しゅ として美観 びかん 上 じょう の見地 けんち から旧来 きゅうらい 同様 どうよう の煙突 えんとつ を模 も したファンネル を立 た て、その中 なか に外見 がいけん より細 ほそ い排気 はいき 管 かん を通 とお す事例 じれい が多 おお く見 み られる)。
その後 ご の第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 初期 しょき には、機関 きかん 室 しつ の密閉 みっぺい が容易 ようい でガソリン機関 きかん よりも大型 おおがた 化 か に適 てき し、航続 こうぞく 距離 きょり を伸 の ばせることから、当時 とうじ 急速 きゅうそく に実用 じつよう 水準 すいじゅん に達 たっ した潜水 せんすい 艦 かん の主 しゅ 動力 どうりょく に導入 どうにゅう された。第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん 後 ご の1920年代 ねんだい 以後 いご は通常 つうじょう の軍艦 ぐんかん ・商船 しょうせん にも本格 ほんかく 的 てき 普及 ふきゅう が始 はじ まったが、舶用 はくよう 動力 どうりょく の主流 しゅりゅう となるには時間 じかん がかかった。1950年 ねん 頃 ごろ までの船舶 せんぱく 用 よう 大型 おおがた ディーゼルエンジンにはある程度 ていど の高 こう 品質 ひんしつ な重油 じゅうゆ が必要 ひつよう であり、また単体 たんたい では蒸気 じょうき タービンに比肩 ひけん する大 だい 出力 しゅつりょく 化 か が進展 しんてん せず、大 だい 出力 しゅつりょく ・高速 こうそく の確保 かくほ には複数 ふくすう エンジンを連動 れんどう させて出力 しゅつりょく 合成 ごうせい する複雑 ふくざつ 化 か を強 し いられた(例 れい として1934年 ねん から1936年 ねん までに就役 しゅうえき したドイツの「ポケット戦艦 せんかん 」ことドイッチュラント級 きゅう 装甲 そうこう 艦 かん は12,000トン級 きゅう ディーゼル艦 かん で2軸 じく のスクリューを備 そな えていたが、49,000 hp級 きゅう の出力 しゅつりょく 確保 かくほ のためディーゼル機関 きかん 8基 き を搭載 とうさい 、4基 き ごとにスクリュー1軸 じく を駆動 くどう した)。このため、特 とく に大型 おおがた 船舶 せんぱく の動力 どうりょく としては、石炭 せきたん や粗悪 そあく 重油 じゅうゆ でも使用 しよう 可能 かのう な蒸気 じょうき ボイラーで作動 さどう し、なおかつ大 だい 出力 しゅつりょく 化 か の容易 ようい な蒸気 じょうき タービンを駆逐 くちく するまでには至 いた らなかった。
1920年代 ねんだい 、舶用 はくよう 大型 おおがた ディーゼル機関 きかん の分野 ぶんや では、4ストローク式 しき と2ストローク式 しき 、通常 つうじょう 構造 こうぞう の燃焼 ねんしょう 室 しつ を持 も つ単 たん 動 どう 式 しき と、ピストン下部 かぶ とクランク室 しつ との間 あいだ のクロスヘッド部 ぶ に別途 べっと 燃焼 ねんしょう 室 しつ を持 も つ複 ふく 動 どう 式 しき がそれぞれ並行 へいこう して市場 いちば に投入 とうにゅう され、出力 しゅつりょく 増大 ぞうだい を図 はか っていた。この過程 かてい で燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ は圧縮 あっしゅく 空気 くうき 式 しき から、より小型 こがた のエンジン同様 どうよう の無 む 気 き 噴射 ふんしゃ 式 しき へと進化 しんか した。
1930年代 ねんだい 初頭 しょとう 以降 いこう 、舶用 はくよう 大型 おおがた ディーゼル機関 きかん の国際 こくさい 市場 いちば を技術 ぎじゅつ 的 てき にリードしていたB&W、スルザー、MANの3社 しゃ は、燃焼 ねんしょう 頻度 ひんど を多 おお くでき高 だか 出力 しゅつりょく 化 か に適 てき する、クロスヘッド付 づけ の2ストローク複 ふく 動 どう 式 しき へ傾倒 けいとう するようになるが、この方式 ほうしき は複雑 ふくざつ 性 せい と熱 ねつ 負荷 ふか の面 めん で課題 かだい を抱 かか えていた。このため、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご にはクロスヘッドと2ストローク方式 ほうしき は維持 いじ されたが、複雑 ふくざつ な複 ふく 動 どう 式 しき 燃焼 ねんしょう 室 しつ が衰退 すいたい し、単 たん 動 どう 式 しき が主流 しゅりゅう となった。この時期 じき 、大日本帝國 だいにっぽんていこく 海軍 かいぐん においては艦 かん 政 せい 本部 ほんぶ が各種 かくしゅ 船舶 せんぱく 用 よう ディーゼルエンジンの開発 かいはつ を主導 しゅどう し、潜水 せんすい 艦 かん においては当初 とうしょ は水上 すいじょう 速力 そくりょく を重視 じゅうし する目的 もくてき で2ストロークディーゼル機関 きかん が多用 たよう された。戦前 せんぜん の伊 い 号 ごう 潜水 せんすい 艦 かん は複 ふく 動 どう 化 か された2ストロークディーゼル機関 きかん で水上 すいじょう 20ノットを超 こ える高速 こうそく 力 りょく を誇 ほこ っていたが、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん が始 はじ まると急速 きゅうそく に4ストローク単 たん 動 どう 式 しき へと移行 いこう し、水上 みずかみ 速力 そくりょく も10ノット中盤 ちゅうばん と急速 きゅうそく に低下 ていか した。2ストローク複 ふく 動 どう ディーゼル機関 きかん は大 だい 出力 しゅつりょく が可能 かのう ではあるが、騒音 そうおん が大 おお きく、排気 はいき 圧力 あつりょく が低 ひく いため排気 はいき 管 かん が水中 すいちゅう に没 ぼっ している潜水 せんすい 中 ちゅう はシリンダーが浸水 しんすい する危険 きけん 性 せい が高 たか く、主 おも 機 き のディーゼルエンジンの駆動 くどう が行 おこな えなかった。これはすなわちシュノーケル を用 もち いた主 しゅ 機関 きかん での水中 すいちゅう 連続 れんぞく 航行 こうこう に不向 ふむ きで、水中 すいちゅう での移動 いどう は事実 じじつ 上 じょう 、電動 でんどう 機 き のみに頼 たよ らざるを得 え ないことを意味 いみ していた。そのため、大幅 おおはば な性能 せいのう 低下 ていか は覚悟 かくご の上 うえ で4ストロークへの移行 いこう が行 おこな われたのである。4ストロークへの移行 いこう により出力 しゅつりょく は低下 ていか したが、騒音 そうおん は抑 おさ えられ燃費 ねんぴ も大幅 おおはば に向上 こうじょう 、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 末期 まっき の伊 い 四 よん 百 ひゃく 型 がた 潜水 せんすい 艦 かん では水上 すいじょう 航続 こうぞく 距離 きょり が37,500海里 かいり (約 やく 7万 まん キロ、世界 せかい 一周 いっしゅう の約 やく 1.5倍 ばい )にも達 たっ するものとなった[ 34] 。
1940年代 ねんだい 後期 こうき 、液体 えきたい 燃料 ねんりょう としては最 もっと も廉価 れんか だが低質 ていしつ な残 ざん 渣油を低速 ていそく ディーゼルエンジンで用 もち いる試 こころ みが進 すす められ、在来 ざいらい ディーゼル機関 きかん での高 こう 品質 ひんしつ 燃料 ねんりょう への混合 こんごう 試用 しよう のほか、事前 じぜん 加熱 かねつ 濾過 ろか 装置 そうち による流動 りゅうどう 性 せい 改善 かいぜん 、ロングストローク化 か を徹底 てってい したクロスヘッド式 しき 単 たん 動 どう 型 がた 構造 こうぞう によるシリンダー壁 かべ 潤滑 じゅんかつ の保護 ほご で、残 ざん 渣油のみを燃料 ねんりょう とできるエンジンが実用 じつよう 化 か されるようになった。
蒸気 じょうき タービンを代替 だいたい するためのディーゼル機関 きかん 大 だい 出力 しゅつりょく 化 か 過程 かてい で、低速 ていそく ディーゼル機関 きかん の特性 とくせい を生 い かした排気 はいき タービンによる静 せい 圧 あつ 過 か 給 きゅう が1950年代 ねんだい 前半 ぜんはん から実用 じつよう 化 か された。その最初 さいしょ は1952年 ねん にB&Wがタンカー「ドルテ・マースク」(10,630 GRT )用 よう に製作 せいさく した6,500 HP機関 きかん である。競合 きょうごう 各社 かくしゃ も1953–55年 ねん までに静 しずか 圧 あつ 過 か 給 きゅう 方式 ほうしき 導入 どうにゅう に進 すす んだ。以後 いご 、舶用 はくよう ディーゼルの大型 おおがた 化 か ・大 だい 出力 しゅつりょく 化 か と高 こう 効率 こうりつ 化 か が進行 しんこう し、舶用 はくよう 機関 きかん としての経済 けいざい 優位 ゆうい 性 せい は圧倒的 あっとうてき なものとなった。ただし1970年 ねん 頃 ごろ までは、国際 こくさい 的 てき な石油 せきゆ 需要 じゅよう 増大 ぞうだい に応 おう じて超 ちょう 大型 おおがた 化 か が進 すす むタンカーの巨大 きょだい 動力 どうりょく に蒸気 じょうき タービン機関 きかん しか用意 ようい できなかったため、ディーゼル機関 きかん の出力 しゅつりょく ベースのシェアが一時 いちじ 低下 ていか した時期 じき もあった。しかし1973年 ねん の石油 せきゆ 危機 きき が到来 とうらい すると、運行 うんこう コストの低減 ていげん が至上 しじょう 命令 めいれい となり、タンカーでも際限 さいげん なく大型 おおがた 化 か する機運 きうん は失 うしな われた。ほぼ全 すべ ての商船 しょうせん は30万 まん トン以下 いか で十分 じゅうぶん とされ、ほとんどディーゼル動力 どうりょく 化 か された。
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 後 ご の石油 せきゆ 精製 せいせい 技術 ぎじゅつ の向上 こうじょう に伴 ともな い、原油 げんゆ からは従来 じゅうらい より多 おお くの高 こう 品質 ひんしつ 成分 せいぶん を取 と り出 だ すことができるようになった反面 はんめん 、高度 こうど な精製 せいせい 後 ご に残 のこ る残 ざん 渣油の品質 ひんしつ は年々 ねんねん 低下 ていか し、残 ざん 渣油由来 ゆらい のC重油 じゅうゆ に含 ふく まれる硫黄 いおう 等 とう の有害 ゆうがい 不純物 ふじゅんぶつ の含有 がんゆう 量 りょう は高 たか くなっていった。この燃料 ねんりょう 粗悪 そあく 化 か 進行 しんこう にも大型 おおがた 舶用 はくよう ディーゼル機関 きかん は時代 じだい ごとの技術 ぎじゅつ 改良 かいりょう で耐 た えてきたが、1990年代 ねんだい 以降 いこう 、残 ざん 渣油由来 ゆらい 燃料 ねんりょう に起因 きいん する硫黄 いおう 酸化 さんか 物 ぶつ や、燃焼 ねんしょう 過程 かてい で生成 せいせい が避 さ けられない窒素 ちっそ 酸化 さんか 物 ぶつ や粒子 りゅうし 状 じょう 物質 ぶっしつ などが入 はい り混 こん じる、船舶 せんぱく からの排気 はいき ガスによる地球 ちきゅう 環境 かんきょう 汚染 おせん が取 と り沙汰 ざた されるようになり、新 あら たな課題 かだい となっている。
レーシングカーアウディ・R10 TDI に搭載 とうさい された5.5 L V型 がた 12気筒 きとう ディーゼルエンジン
世界中 せかいじゅう で大型 おおがた の自動車 じどうしゃ (トラック およびバス 、特装車 とくそうしゃ ・特種 とくしゅ 車 しゃ )や建設 けんせつ 機械 きかい に用 もち いられている。さらに日本 にっぽん においては税制 ぜいせい によりディーゼル燃料 ねんりょう である軽油 けいゆ がガソリンよりも安価 あんか なため[ 注釈 ちゅうしゃく 8] 経済 けいざい 性 せい を優先 ゆうせん する商用 しょうよう 車 しゃ はディーゼル比率 ひりつ が高 たか い。
乗用車 じょうようしゃ 用 よう のディーゼルは国 くに によって人気 にんき の差 さ が激 はげ しく、欧州 おうしゅう では、小型 こがた の乗用車 じょうようしゃ でも新車 しんしゃ 販売 はんばい 台数 だいすう の約 やく 43 %がディーゼル車 しゃ (2006年 ねん )で、一時 いちじ は50 %を超 こ えた。一方 いっぽう で米国 べいこく では、乗用車 じょうようしゃ 市場 いちば におけるディーゼル車 しゃ のシェアはわずか0.5 %(2005年 ねん )しかなく、日本 にっぽん でもマツダ を除 のぞ き人気 にんき は無 な い。
2000年 ねん ごろには9–16リットル級 きゅう の中型 ちゅうがた エンジンでは直列 ちょくれつ 6気筒 きとう とインタークーラー・ターボ過 か 給 きゅう が採用 さいよう されて500 PS 程度 ていど の出力 しゅつりょく であり、16–30 Lの大型 おおがた では自然 しぜん 吸気 きゅうき V形 かたち 8気筒 きとう 以上 いじょう の配列 はいれつ が採用 さいよう されていた。高速 こうそく 定 じょう 速 そく 走行 そうこう の頻度 ひんど が高 たか い高速 こうそく バス や輸送 ゆそう 用 よう トラックには中型 ちゅうがた ターボチャージャー が適 てき し、滑 すべ りやすい道 みち (いわゆる低 ひく μ みゅー 路 みち )や走行 そうこう 抵抗 ていこう の大 おお きい悪 あく 路 ろ での微 ほろ ・低速 ていそく 走行 そうこう の機会 きかい の多 おお いダンプトラックには、レスポンスに優 すぐ れ扱 あつか いやすい大型 おおがた のV型 がた 8気筒 きとう ノンターボ エンジンが好 この まれてきたからである。
しかし、次第 しだい に厳 きび しくなる排 はい ガス規制 きせい の前 まえ に、各社 かくしゃ とも2010年 ねん までに排気 はいき 量 りょう を11–13リットル程度 ていど まで落 お とし、排気 はいき ガスの後処理 あとしょり 装置 そうち と親和 しんわ 性 せい が高 たか い直列 ちょくれつ 6気筒 きとう エンジンに生産 せいさん を絞 しぼ り込 こ んだため、排気 はいき 量 りょう の大 おお きなV型 がた 自然 しぜん 吸気 きゅうき ディーゼルは姿 すがた を消 け した。自動車 じどうしゃ 用 よう 4ストロークエンジンでは過 か 給 きゅう 機 き による高 こう 圧 あつ 化 か が進 すす み、すでに筒 つつ 内 ない 最高 さいこう 圧力 あつりょく (Pmax) の上昇 じょうしょう 限界 げんかい のために圧縮 あっしゅく 比 ひ は低下 ていか 傾向 けいこう にある。
排気 はいき 量 りょう 2–5リットル程度 ていど の小型 こがた ディーゼルエンジンの多 おお くは乗用車 じょうようしゃ 用 よう なので、静粛 せいしゅく 性 せい や排 はい ガス対策 たいさく を中 ちゅう 大型 おおがた エンジンよりも強 つよ く求 もと められ、コモンレールによる直接 ちょくせつ 噴射 ふんしゃ 式 しき となっている。
欧州 おうしゅう に比 くら べ日本 にっぽん では、CO2 の削減 さくげん メリットよりNOx やPMに対 たい する法 ほう 規制 きせい が優先 ゆうせん されたため、2000年 ねん 頃 ごろ から小型 こがた ディーゼルエンジン搭載 とうさい の乗用車 じょうようしゃ は減少 げんしょう した[ 5] 。しかしポスト新長 しんちょう 期 き 規制 きせい と呼 よ ばれる厳 きび しい基準 きじゅん 群 ぐん に対応 たいおう するクリーンディーゼル乗用車 じょうようしゃ が2010年 ねん 以降 いこう に発売 はつばい され、再 ふたた び徐々 じょじょ に増加 ぞうか していたが、フォルクスワーゲンの排出 はいしゅつ ガス規制 きせい 不正 ふせい 問題 もんだい 発覚 はっかく 以降 いこう ディーゼル乗用車 じょうようしゃ は(特 とく に欧州 おうしゅう の)規制 きせい 当局 とうきょく やメーカー、何 なに よりユーザーの三 さん 方 ぽう から見放 みはな されつつある。
装 そう 軌車両 しゃりょう においては、単 たん なる過 か 給 きゅう 機 き との組 く み合 あ わせでなく、タービン機関 きかん との複 ふく 合 あい 機関 きかん (ターボコンパウンド 機関 きかん )とされる例 れい (ルクレール )がある。
競技 きょうぎ の世界 せかい では、低速 ていそく のトルクの豊 ゆた かさから、ラリーレイド で重宝 ちょうほう される。サーキットレースでは1990〜2010年代 ねんだい 頃 ごろ の市販 しはん 車 しゃ 市場 いちば のクリーンディーゼルの流行 りゅうこう に合 あ わせて多数 たすう 投入 とうにゅう され、世界 せかい 選手権 せんしゅけん や国際 こくさい レースを制覇 せいは することもあったが、現在 げんざい ではブームは去 さ っている。
インド では古 ふる くからディーゼル二 に 輪 りん 車 しゃ が生産 せいさん 、販売 はんばい されていた(例 れい :富士重工業 ふじじゅうこうぎょう (現 げん ・SUBARU)製 せい の汎用 はんよう 型 がた 小型 こがた 空冷 くうれい 単 たん 気筒 きとう ディーゼルエンジン を搭載 とうさい したエンフィールド=ロビン・D-R400D )。
近年 きんねん 、イギリス陸軍 りくぐん がカワサキ 製 せい オフロードバイク にディーゼルエンジンを搭載 とうさい し運用 うんよう 開始 かいし した。これにより陸軍 りくぐん 車両 しゃりょう 燃料 ねんりょう の軽油 けいゆ への統一 とういつ 化 か を完了 かんりょう した。同様 どうよう の車輛 しゃりょう が、HDT M1030-M2 JP8(680 cc )として市販 しはん されている。
2002〜2008年 ねん 生産 せいさん のカワサキ・ミュール3010。953cc 4ストローク OHV 水冷 すいれい 直列 ちょくれつ 3気筒 きとう 自然 しぜん 吸気 きゅうき ディーゼルエンジンを搭載 とうさい した。
公道 こうどう を走 はし らない、オートバイから派生 はせい したオフロード車 しゃ のATV(全 ぜん 地形 ちけい 対応 たいおう 車 しゃ )/やUTV(サイド・バイ・サイド)でもディーゼルエンジンが用 もち いられることがある。
特 とく に業務 ぎょうむ 用 よう (ユーティリティ型 がた )のATV/UTVにおいては、低 てい 燃費 ねんぴ による原価 げんか 低減 ていげん 、急 きゅう 加速 かそく を必要 ひつよう としない、騒音 そうおん が問題 もんだい 視 し されないなどの観点 かんてん からディーゼルエンジンが搭載 とうさい されることがしばしある[ 36] 。
パッカード 製 せい の星 ほし 形 がた 9気筒 きとう
Diamond DA42に搭載 とうさい されたCenturion 1.7
パリ航空 こうくう ショー に展示 てんじ されるHIPE-AE440(2017年 ねん )
飛行船 ひこうせん においては1920年代 ねんだい から1930年代 ねんだい に開発 かいはつ されたLZ129ヒンデンブルク やLZ130 は、逆 ぎゃく 回転 かいてん 可能 かのう なディーゼルエンジン(ダイムラー・ベンツ DB 602 )により、プロペラ を駆動 くどう していた。カムシャフト上 じょう のギアを変 か えることにより回転 かいてん 方向 ほうこう を変 か えることができる。全 ぜん 出力 しゅつりょく からエンジン停止 ていし 、逆 ぎゃく 回転 かいてん させて全 ぜん 出力 しゅつりょく までの時間 じかん は60秒 びょう 以下 いか であった。これはまさに船舶 せんぱく 用 よう エンジンと同 おな じ機能 きのう である。
1929年 ねん に完成 かんせい したR101 飛行船 ひこうせん には直列 ちょくれつ 8気筒 きとう のビアドモア製 せい トルネードエンジンが5基 き 搭載 とうさい された。鉄道 てつどう 用 よう の4気筒 きとう エンジンを2つ組 く み合 あ わせて高 こう 出力 しゅつりょく 、軽量 けいりょう 化 か したものであった。気温 きおん の高 たか くなるインド航路 こうろ での利用 りよう が多 おお く見込 みこ まれたため、引火 いんか 点 てん の低 ひく いガソリンでの火災 かさい 事故 じこ の懸念 けねん からディーゼルが選択 せんたく された。飛行船 ひこうせん は固定 こてい 翼 つばさ 航空機 こうくうき と異 こと なり、連続 れんぞく 運転 うんてん を要求 ようきゅう されず、中 ちゅう 速 そく クラスの可逆 かぎゃく 回転 かいてん ディーゼル機関 きかん を流用 りゅうよう できたが、1930年代 ねんだい 末期 まっき の硬式 こうしき 飛行船 ひこうせん そのものの衰退 すいたい で、それ以上 いじょう の発展 はってん を見 み なかった。
固定 こてい 翼 つばさ 機 き において、最初 さいしょ にディーゼルエンジンが試 ため されたのは1920年代 ねんだい から1930年代 ねんだい にかけてであり、1928年 ねん 9月18日 にち にパッカード 製 せい の星 ほし 形 がた ディーゼルエンジンを搭載 とうさい したスチンソン デトロイター (機体 きたい 番号 ばんごう X7654)が初 はつ 飛行 ひこう に成功 せいこう している[ 37] 。パッカードのエンジンを搭載 とうさい した機体 きたい は発生 はっせい する黒 くろ 煙 けむり 対策 たいさく として機体 きたい 色 しょく を黒 くろ にしていたが、臭 にお いや黒 くろ 煙 けむり が不評 ふひょう だった。
代表 だいひょう 的 てき なものとしてはパッカードの空冷 くうれい 星 ほし 型 がた エンジン (黒 くろ 煙 けむり 排出 はいしゅつ や強度 きょうど 面 めん の欠陥 けっかん により早期 そうき に市場 いちば から淘汰 とうた された)や、対向 たいこう ピストン式 しき のユモ205 などがある。ソ連 それん では第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 ちゅう チャロムスキー Ach-30ディーゼルエンジンがイェモラーエフ Yer-2 やペトリャコフ Pe-8 などの爆 ばく 撃 げき 機 き に搭載 とうさい された。
フランス ではブロック(Bloch) がMB.203 爆 ばく 撃 げき 機 き にクレルジェ(英語 えいご 版 ばん ) 製 せい の星 ほし 型 がた ディーゼルエンジンを搭載 とうさい した。ロイヤル・エアクラフト・エスタブリッシュメント では1932年 ねん にロールスロイス・コンドル(英語 えいご 版 ばん )エンジン を圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか 式 しき エンジンに改造 かいぞう して、ホーカー・ホーズリー爆撃 ばくげき 機 き (英語 えいご 版 ばん ) に搭載 とうさい してテストした。
このように多 おお くのメーカーがエンジン開発 かいはつ を試 こころ みたが、ディーゼルエンジンは耐久 たいきゅう 性 せい と燃費 ねんぴ は良好 りょうこう だがスロットルの反応 はんのう が鈍 にぶ い、酷 ひど い排煙 はいえん と振動 しんどう などの理由 りゆう により、主流 しゅりゅう とはなり得 え なかった。
大戦 たいせん 後 ご のユニークな提案 ていあん としては複雑 ふくざつ なターボコンパウンド 機関 きかん の燃焼 ねんしょう にディーゼルを利用 りよう するネイピア ノーマッド があるが、これも実用 じつよう 化 か には至 いた らなかった。またアリソン 250 などディーゼル燃料 ねんりょう 対応 たいおう を謳 うた ったターボプロップエンジンも存在 そんざい するが、出力 しゅつりょく が落 お ちるため積極 せっきょく 的 てき に使 つか われることはなく緊急 きんきゅう 用 よう としている。
航空機 こうくうき 用 よう ガソリンエンジンの進化 しんか が頭打 あたまう ちになり、さらに2度 ど のオイルショックに加 くわ えて環境 かんきょう に悪影響 あくえいきょう を及 およ ぼす有 ゆう 鉛 なまり の航空 こうくう 用 よう ガソリンへの規制 きせい が強 つよ まったことから、従来 じゅうらい の航空機 こうくうき 用 よう レシプロエンジンの燃料 ねんりょう の価格 かかく が高 こう 止 と まりした。そのためヨーロッパでは1980年代 ねんだい 以降 いこう 、ジェット燃料 ねんりょう も利用 りよう 可能 かのう かつ低 てい 出力 しゅつりょく ではタービンエンジンよりも燃費 ねんぴ に優 すぐ れる、小型 こがた プロペラ機 き 向 む け低 てい 燃費 ねんぴ ディーゼルへの関心 かんしん が復活 ふっかつ した。1980年 ねん にNASAのグレン研究 けんきゅう センター ではコンチネンタル・モータース と共同 きょうどう で3気筒 きとう と6気筒 きとう の星 ほし 形 がた ディーゼルエンジンを発表 はっぴょう するなどしている。大 おお きく、重 おも く、振動 しんどう が大 おお きいという欠点 けってん を改善 かいぜん するため、「エアロディーゼル」と呼 よ ばれる軽量 けいりょう 化 か されたエンジンの開発 かいはつ が試 こころ みられている。一 いち 例 れい としてイギリスのDair[ 38] の2ストロークディーゼルが挙 あ げられる。これは重 おも たいシリンダヘッドを使 つか わず2つの対向 たいこう ピストン で一 ひと つの燃焼 ねんしょう 室 しつ を形成 けいせい する対向 たいこう ピストン式 しき エンジンの現代 げんだい 版 ばん である。しかし、-5 ℃ 以下 いか での始動 しどう が保証 ほしょう されない、着火 ちゃっか と燃焼 ねんしょう が安定 あんてい しないので高空 こうくう で使 つか えない、など、この形式 けいしき の性能 せいのう や信頼 しんらい 性 せい は決 けっ して高 たか くない。ディーゼルの適用 てきよう は低空 ていくう で使用 しよう する飛行船 ひこうせん ・軽 けい 飛行機 ひこうき ・ヘリコプターに限 かぎ られており、発展 はってん 性 せい は少 すく ない。
2001年 ねん ドイツのThielert(後 のち にTechnify Motors )が、ディーゼルエンジンでは第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご 初 はじ めてJAA(合同 ごうどう 航空 こうくう 当局 とうきょく 〈英語 えいご 版 ばん 〉 )による認証 にんしょう を取得 しゅとく した[ 39] [ 40] 。2002年 ねん に認証 にんしょう を取得 しゅとく したCenturion 1.7(TAE 125)エンジンとその後 ご のCenturion2.0エンジンはそれぞれメルセデス・ベンツ・Aクラス に搭載 とうさい されたOM668、OM640エンジンをベースにしており、ダイヤモンド・エアクラフト・インダストリーズ のDA40(英語 えいご 版 ばん ) やDA42(英語 えいご 版 ばん ) などの小型 こがた 機 き に採用 さいよう された。2010年 ねん までに合計 ごうけい 3000基 き 以上 いじょう が生産 せいさん されている。会社 かいしゃ は2008年 ねん に倒産 とうさん した後 のち 管財 かんざい 人 じん の元 もと で再建 さいけん が行 おこな われ、2013年 ねん に中国 ちゅうごく 航空 こうくう 工業 こうぎょう 集団 しゅうだん 公司 こうし (AVIC)傘下 さんか のコンチネンタル・モータース に買収 ばいしゅう された。
2010年 ねん にはEADS によって制御 せいぎょ されるディーゼルハイブリッド ヘリコプターのコンセプトが発表 はっぴょう された[ 41] 。EcoMotors社 しゃ の対向 たいこう ピストンエンジンが採用 さいよう されている。
2015年 ねん からNASAによって電動 でんどう のVTOL 機 はた やドローン をディーゼル・エレクトリック方式 ほうしき とすることで、航続 こうぞく 時間 じかん を延 の ばす研究 けんきゅう もおこなわれている[ 42] [ 43] 。
2015年 ねん 11月6日 にち にはエアバス・ヘリコプターズ がHIPE-AE440(V型 がた 8気筒 きとう 4.6リットル直 ちょく 噴ターボ )を搭載 とうさい した試験 しけん 機 き H120 の飛行 ひこう に成功 せいこう した[ 44] 。European Clean Sky initiativeの一環 いっかん として開発 かいはつ された。これにより、ヘリコプターで主流 しゅりゅう のターボシャフトエンジンであるチュルボメカ アリウス を搭載 とうさい した同型 どうけい 機 き よりも燃料 ねんりょう の消費 しょうひ が30 %低減 ていげん され、航続 こうぞく 距離 きょり が2倍 ばい 近 ちか くになり、高温 こうおん 高地 こうち での運用 うんよう 性 せい が向上 こうじょう するとされる[ 44] 。
現代 げんだい の航空 こうくう 法 ほう ではエンジンについてピストン とタービン に分 わ けているが、ガソリンとディーゼルどちらを使用 しよう するかについては言及 げんきゅう しておらず、ディーゼルエンジン搭載 とうさい 機 き もピストンの資格 しかく で操縦 そうじゅう ・整備 せいび できる。特 とく に日本 にっぽん では航空 こうくう 用 よう ガソリン が給油 きゅうゆ できる飛行場 ひこうじょう が減少 げんしょう し価格 かかく が上昇 じょうしょう していることから[ 45] 、より安価 あんか で給油 きゅうゆ できる場所 ばしょ が多 おお いJET-A1 に対応 たいおう したディーゼルエンジンに交換 こうかん する事業 じぎょう 者 しゃ もある[ 46] 。コンチネンタル・モータースでは換 かわ 装用 そうよう としてJET-A1対応 たいおう のエンジンと交換 こうかん 用 よう キットのセット販売 はんばい も行 おこな っている。またセスナでは172 にディーゼルエンジンを搭載 とうさい したモデルを販売 はんばい している[ 47] 。
大型 おおがた 構造 こうぞう 物 ぶつ や建築 けんちく 物 ぶつ の基礎 きそ 杭 くい を打 だ 設 しつらえ する杭 くい 打 う ち機 き の一 ひと つとしてディーゼルハンマがあった[ 48] 。自 みずか らの振動 しんどう と自重 じちょう で鋼管 こうかん 杭 くい やコンクリート杭 くい を打 う ち込 こ むもの(打撃 だげき 工法 こうほう )で、機械 きかい の移動 いどう が容易 ようい で効率 こうりつ も良 よ いメリットがあったが、騒音 そうおん や排気 はいき ガスの問題 もんだい から日本 にっぽん 国内 こくない では使用 しよう されなくなった。
ガソリンエンジンより熱 ねつ 効率 こうりつ の高 たか いディーゼルエンジンは、CO2 の発生 はっせい 量 りょう では環境 かんきょう への負荷 ふか が少 すく なくて済 す む。しかしPMやNOx の発生 はっせい 量 りょう はガソリンエンジンより大量 たいりょう で問題 もんだい を含 ふく んでいる[ 5] 。
気体 きたい だけを燃 も やす予 よ 混合 こんごう 燃焼 ねんしょう と異 こと なり、燃料 ねんりょう を液 えき 滴 しずく のまま燃 も やす噴霧 ふんむ 燃焼 ねんしょう の原理 げんり 上 じょう 、液 えき 滴 しずく の燃 も え残 のこ りとして、PM や黒 くろ 煙 けむり を発生 はっせい しやすいことが欠点 けってん である。またディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも高温 こうおん 高 だか 圧 あつ で、余分 よぶん に空気 くうき を取 と り込 こ む内燃 ないねん 機関 きかん なので、窒素 ちっそ 酸化 さんか 物 ぶつ (NOx ) の生成 せいせい 量 りょう も多 おお くなってしまう。
ディーゼル機関 きかん の低 てい 負荷 ふか 時 じ の空 そら 燃 もえ 比 ひ は30:1から60:1もの希薄 きはく に見 み えるが、均一 きんいつ 予 よ 混合 こんごう 燃焼 ねんしょう ではないので、低温 ていおん 燃焼 ねんしょう によるNOx低下 ていか は無 な い。むしろディーゼル機関 きかん は液 えき 滴 しずく 付近 ふきん の空気 くうき だけを消費 しょうひ する不 ふ 均一 きんいつ な拡散 かくさん 燃焼 ねんしょう のため、燃焼 ねんしょう 温度 おんど が高 たか いまま多量 たりょう の余剰 よじょう 空気 くうき を加熱 かねつ し、行程 こうてい あたり高 だか 負荷 ふか 時 じ よりも大量 たいりょう のNOxを生成 せいせい する。
ディーゼル機関 きかん は排気 はいき も酸素 さんそ 過多 かた となるので、ガソリン機関 きかん で多用 たよう されている排気 はいき 浄化 じょうか 用 よう の三 さん 元 げん 触媒 しょくばい を使 つか えない。三 さん 元 げん 触媒 しょくばい は理論 りろん 空 そら 燃 もえ 比 ひ で運転 うんてん する場合 ばあい に炭化 たんか 水素 すいそ (HC)・窒素 ちっそ 酸化 さんか 物 ぶつ (NOx)・一酸化 いっさんか 炭素 たんそ (CO) を同時 どうじ に浄化 じょうか できる。
但 ただ し新 あたら しい解決 かいけつ 、そこにそれ以上 いじょう の開発 かいはつ 水素 すいそ の内燃 ないねん 機関 きかん 車 しゃ およびトラックのための商業 しょうぎょう 的 てき に[ 49] [ 50] 。
ディーゼルエンジンの排気 はいき ガスの発 はつ がん性 せい について、WHO の下部 かぶ 機関 きかん である国際 こくさい がん研究 けんきゅう 機関 きかん (IARC)は長 なが らく「グループ2Aの発 はつ がん性 せい 」=「人 ひと に対 たい する発 はつ がん性 せい がおそらく(probably)ある」としてきたが、2012年 ねん 6月 がつ 、アメリカ国立 こくりつ がん研究所 けんきゅうじょ /国立 こくりつ 労働 ろうどう 安全 あんぜん 衛生 えいせい 研究所 けんきゅうじょ の大 だい 規模 きぼ 疫学 えきがく 調査 ちょうさ から、「グループ1」=「人 ひと に対 たい する発 はつ がん性 せい がある」と格上 かくあ げした[ 51] [ 52] 。
ディーゼル燃料 ねんりょう に硫黄 いおう が残留 ざんりゅう していると排気 はいき に有害 ゆうがい な硫黄 いおう 酸化 さんか 物 ぶつ (SOx ) が含 ふく まれる。また硫黄 いおう は酸化 さんか 力 りょく が大 おお きいので排気 はいき 浄化 じょうか 用 よう の酸化 さんか 触媒 しょくばい や還元 かんげん 触媒 しょくばい とも先 さき に反応 はんのう して無効 むこう にしてしまう。そのため自動車 じどうしゃ 用 よう エンジンへの対応 たいおう はもっぱら燃料 ねんりょう の脱硫 だつりゅう に頼 たよ っている。従来 じゅうらい 、欧州 おうしゅう の軽油 けいゆ が低 てい 硫黄 いおう 分 ぶん の北海 ほっかい 産 さん 原油 げんゆ から作 つく られるのに対 たい し、日本 にっぽん の軽油 けいゆ は高 こう 硫黄 いおう 分 ぶん の中東 ちゅうとう 産 さん 原油 げんゆ から作 つく られるため低 てい 硫黄 いおう 化 か が難 むずか しいと言 い われていた。しかし日本 にっぽん の脱硫 だつりゅう に関 かん しても2004年 ねん 末 まつ 、自動車 じどうしゃ 排出 はいしゅつ ガス規制 きせい に関連 かんれん する「自動車 じどうしゃ 燃料 ねんりょう 品質 ひんしつ 規制 きせい 値 ち 」の変更 へんこう が行 おこな われ、軽油 けいゆ に含 ふく まれる硫黄 いおう の許容 きょよう 限界 げんかい は、従来 じゅうらい の0.01 %質量 しつりょう 以下 いか から0.005 %質量 しつりょう 以下 いか へと改 あらた められ、欧州 おうしゅう と同 おな じ時期 じき に同 おな じレベルに低減 ていげん している[ 53] 。硫黄 いおう 分 ぶん には燃料 ねんりょう ポンプに対 たい して潤滑 じゅんかつ 作用 さよう があるため、脱硫 だつりゅう 後 ご の燃料 ねんりょう 油 ゆ には燃料 ねんりょう ポンプ保護 ほご のため潤滑 じゅんかつ 剤 ざい が添加 てんか される。
大型 おおがた 舶用 はくよう エンジンには3 %ほどの硫黄 いおう 分 ぶん の多 おお い粗悪 そあく な燃料 ねんりょう が使 つか われるため海水 かいすい スクラバー装置 そうち (排 はい ガス中 ちゅう に含 ふく まれるSOxを海水 かいすい に吸収 きゅうしゅう させる排煙 はいえん 脱硫 だつりゅう 装置 そうち )などの後処理 あとしょり で排気 はいき からSOx を除去 じょきょ しようとしている。湿式 しっしき スクラバーの後段 こうだん でNOx 低減 ていげん 触媒 しょくばい も使 つか えるようになるが、排気 はいき 温度 おんど が低下 ていか しすぎているので難 むずか しい。2012年 ねん 現在 げんざい 、欧州 おうしゅう で排 はい 気温 きおん を下 さ げすぎない乾式 かんしき スクラバーと#SCR の組 く み合 あ わせが開発 かいはつ 中 ちゅう である[ 54] 。
排 はい ガス中 ちゅう のNOx と黒 くろ 煙 けむり とは、二律背反 にりつはいはん の関係 かんけい にあり、しかも自動車 じどうしゃ の走行 そうこう 条件 じょうけん は、どちらの状態 じょうたい もあるので2000年代 ねんだい のPM、NOx 対策 たいさく では2つの後処理 あとしょり 装置 そうち が必要 ひつよう になる。
高 こう 圧 あつ 噴射 ふんしゃ で少量 しょうりょう の燃料 ねんりょう を完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう させ黒 くろ 煙 けむり の発生 はっせい を防 ふせ ごうとしても、高温 こうおん 高 だか 圧 あつ 下 か の窒素 ちっそ と酸素 さんそ (空気 くうき )により、NOx が生成 せいせい されてしまう。このため、低 てい 負荷 ふか 時 じ にはEGRを増 ふ やし燃焼 ねんしょう 温度 おんど を下 さ げてNOx を低下 ていか させる。
EGRを増 ふ やすと完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう しにくくなり黒 くろ 煙 けむり が増 ふ えるため、高 こう 負荷 ふか 時 じ にEGRは使 つか えない。またEGRをなくしても高温 こうおん 高 だか 圧 あつ 下 か で燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 量 りょう が増 ふ えると、不 ふ 均一 きんいつ な燃料 ねんりょう が早期 そうき に発火 はっか して、PMが発生 はっせい する。1990年代 ねんだい にコモンレール方式 ほうしき で多段 ただん 噴射 ふんしゃ が使 つか えるようになると、欧州 おうしゅう 自動車 じどうしゃ メーカーは発生 はっせい したPMを多段 ただん 噴射 ふんしゃ による後 のち 燃焼 ねんしょう で完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう しようとした。しかしNOxには無効 むこう だった。結局 けっきょく 、PM対策 たいさく とNOx 対策 たいさく のために、別々 べつべつ の後処理 あとしょり 装置 そうち が使 つか われた。
2012年 ねん に発売 はつばい されたマツダSKYACTIV-D の低 てい 圧縮 あっしゅく 比 ひ ディーゼルによって初 はじ めて高 こう 負荷 ふか 時 じ のNOx が低減 ていげん され、NOx の後処理 あとしょり 装置 そうち が不用 ふよう になった。
大型 おおがた 舶用 はくよう エンジンには硫黄 いおう 分 ぶん の多 おお いC重油 じゅうゆ が使 つか われるため、NOx 浄化 じょうか 触媒 しょくばい は容易 ようい に使 つか えない。また粗悪 そあく な重油 じゅうゆ を着火 ちゃっか するため圧縮 あっしゅく 比 ひ も低下 ていか できない。派生 はせい 型 がた の内燃 ないねん 発電 はつでん では水 みず 添加 てんか 燃焼 ねんしょう により燃焼 ねんしょう 温度 おんど を下 さ げてNOx を低減 ていげん している。水 みず の気化 きか 熱 ねつ で燃焼 ねんしょう ガス温度 おんど は低下 ていか し、水蒸気 すいじょうき は作用 さよう 気体 きたい となる。熱 ねつ 効率 こうりつ は2–3 %低下 ていか するだけでNOx を50 %低下 ていか する。さらに多層 たそう 水 すい 添加 てんか という高度 こうど な技 わざ を使 つか えば熱 ねつ 効率 こうりつ を維持 いじ して60 %のNOx 低減 ていげん が可能 かのう とされる[ 55] 。
日米 にちべい 欧 おう の各地 かくち では、ディーゼル自動車 じどうしゃ に対 たい する環境 かんきょう 規制 きせい が行 おこな われている。
国際 こくさい 海事 かいじ 機関 きかん (IMO)は海洋 かいよう 汚染 おせん 防止 ぼうし 条約 じょうやく 付属 ふぞく 書 しょ VI(MARPOL73/78 ANNEX VI)を1997年 ねん に採択 さいたく し、批准 ひじゅん 国 こく が定数 ていすう に達 たっ すると発効 はっこう するという手順 てじゅん で、2000年 ねん からSOx の規制 きせい を発効 はっこう し始 はじ め、定期 ていき 的 てき に規制 きせい を強化 きょうか する方針 ほうしん である。NOx については全 ぜん 海域 かいいき に適用 てきよう される2005年 ねん に発効 はっこう した第 だい 一 いち 次 じ 規制 きせい 、2011年 ねん に発効 はっこう した第 だい 二 に 次 じ 規制 きせい に続 つづ き、2016年 ねん にはECA(排出 はいしゅつ 規制 きせい 海域 かいいき )だけに極端 きょくたん に厳 きび しい第 だい 三 さん 次 じ 規制 きせい が掛 か けられる予定 よてい である[ 54] 。
排気 はいき ガス処理 しょり 技術 ぎじゅつ は、できるだけ低温 ていおん ・低圧 ていあつ で燃焼 ねんしょう させることでNOx の発生 はっせい を少 すく なく抑 おさ え、酸化 さんか 触媒 しょくばい やDPFによりPM、CO、HCを処理 しょり する方法 ほうほう と、できるだけ高温 こうおん で完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう させることでCO、HCの生成 せいせい を抑 おさ え、その結果 けっか 増加 ぞうか するNOx を窒素 ちっそ に還元 かんげん するNOx 還元 かんげん 触媒 しょくばい の2つを併用 へいよう する方法 ほうほう が主流 しゅりゅう 。
NOx 還元 かんげん 触媒 しょくばい に従来 じゅうらい 型 がた の三 さん 元 げん 触媒 しょくばい から派生 はせい したものと、SCRと呼 よ ばれるものの2つがある。また常時 じょうじ 同 おな じようにNOx を浄化 じょうか する「尿素 にょうそ SCRシステム」と、リーン燃焼 ねんしょう 中 ちゅう にNOx を吸蔵し、リッチ燃焼 ねんしょう 以降 いこう に浄化 じょうか 作用 さよう を進 すす める「吸蔵触媒 しょくばい 」の2つがあり、それぞれ組 く み合 あ わせられる。
そのほか、燃料 ねんりょう の改 あらため 質 しつ によりNOx を減 へ らす構想 こうそう があり、ジメチルエーテル 混入 こんにゅう 、水 みず エマルジョン 燃料 ねんりょう などの研究 けんきゅう が舶用 はくよう エンジンの分野 ぶんや を中心 ちゅうしん に進 すす んでいるが、供給 きょうきゅう 体制 たいせい の整備 せいび や、使用 しよう 者 しゃ が補給 ほきゅう を怠 おこた った場合 ばあい の対策 たいさく などの問題 もんだい があり、実用 じつよう 化 か は進 すす んでいない。
なお、NOx とPMの排出 はいしゅつ 量 りょう は前述 ぜんじゅつ の通 とお り二律背反 にりつはいはん であり、基本 きほん 的 てき に燃焼 ねんしょう のセッティングによって多 おお く排出 はいしゅつ される物質 ぶっしつ の処理 しょり に適 てき した処理 しょり 装置 そうち を搭載 とうさい する方式 ほうしき が基本 きほん なのだが、使用 しよう 状 じょう 況 きょう などによってはメーカーの意図 いと した通 とお りの作用 さよう をしなくなってしまうこともある(たとえば、尿素 にょうそ SCRシステムを採用 さいよう した車両 しゃりょう において、何 なん らかの理由 りゆう で燃焼 ねんしょう が低温 ていおん もしくは低圧 ていあつ になってしまい黒 くろ 煙 けむり を多 おお く排出 はいしゅつ することがある。逆 ぎゃく に、DPFを装備 そうび した車種 しゃしゅ において、メーカーの想定 そうてい 以上 いじょう の低温 ていおん ・低圧 ていあつ などによりPMがDPFの処理 しょり 能力 のうりょく 以上 いじょう に排出 はいしゅつ され燃料 ねんりょう が原因 げんいん ではないフィルターの目 め 詰 づ まりを引 ひ き起 お こすことがある)。また、後述 こうじゅつ のようにDPFの強制 きょうせい 再生 さいせい は燃料 ねんりょう の消費 しょうひ が多 おお く(=燃費 ねんぴ が悪 わる い)、尿素 にょうそ SCRシステムでも構造 こうぞう 上 じょう 燃費 ねんぴ の悪化 あっか は無視 むし できるほどに小 ちい さくとも一方 いっぽう で尿素 にょうそ 水 すい の消費 しょうひ 量 りょう はそのシステムを搭載 とうさい することの多 おお いトラック・バスにおいては莫大 ばくだい なものとなる。これらの事態 じたい を軽減 けいげん するために2010年代 ねんだい に入 はい りDPFと尿素 にょうそ SCRシステムを併用 へいよう した浄化 じょうか システムが普及 ふきゅう しはじめた(例 れい :ダイムラー グループが採用 さいよう するBlueTec等 とう )。併用 へいよう する場合 ばあい 燃焼 ねんしょう のセッティングを低温 ていおん 低圧 ていあつ または高温 こうおん 高 だか 圧 あつ の一方 いっぽう に振 ふ る必要 ひつよう がなく、またそれによりPMの発生 はっせい 量 りょう がDPFのみの車種 しゃしゅ のものより減 へ ることで強制 きょうせい 再生 さいせい の機会 きかい が減 へ り燃費 ねんぴ が改善 かいぜん される。一方 いっぽう NOx の発生 はっせい 量 りょう も尿素 にょうそ SCRシステムのみの車種 しゃしゅ の場合 ばあい よりは少 すく ないため尿素 にょうそ 水 すい の消費 しょうひ も抑 おさ えることができる。
排 はい ガスの一部 いちぶ を吸気 きゅうき 系 けい へ導入 どうにゅう する排気 はいき 再 さい 循環 じゅんかん (Exhaust Gas Recirculation, EGR )によって、吸気 きゅうき 中 ちゅう の酸素 さんそ 量 りょう を減 へ らしてピークの燃焼 ねんしょう 温度 おんど を下 さ げ、NOx の発生 はっせい を抑制 よくせい する。ディーゼルエンジンにはスロットルバルブはないため、低 てい 負荷 ふか 時 じ に極端 きょくたん な空気 くうき 過多 かた の希薄 きはく 燃焼 ねんしょう になるところにEGRを導入 どうにゅう し、NOx 低下 ていか に利用 りよう する。乗用車 じょうようしゃ の場合 ばあい は高 こう 負荷 ふか 時 じ にEGRは行 おこな われないが、トラックなどは高 こう 負荷 ふか 時 じ にもEGRを利用 りよう しているケースがある。また、EGRには燃焼 ねんしょう 時 じ の騒音 そうおん を低下 ていか させるメリットもある(酸素 さんそ 濃度 のうど を低減 ていげん でき、急激 きゅうげき な燃焼 ねんしょう を抑 おさ えることができる)。
ディーゼル排気 はいき に含 ふく まれる粒子 りゅうし 状 じょう 物質 ぶっしつ ( Particulate matter, PM )は、多 おお くの場合 ばあい 「DPF 」(Diesel Particulate Filter、ディーゼル微粒子 びりゅうし フィルター)と呼 よ ばれるセラミック製 せい のフィルターで捕 と らえて燃焼 ねんしょう 処分 しょぶん されるようになっている。
DPFは排気 はいき 管 かん の途中 とちゅう に挿入 そうにゅう され、内部 ないぶ に詰 つ められた多孔 たこう 質 しつ セラミックの微細 びさい な間隙 かんげき に排気 はいき を通過 つうか させスス状 じょう のPMを捕 と 集 しゅう する。
多孔 たこう 質 しつ の表面 ひょうめん には白金 はっきん などの金属 きんぞく 触媒 しょくばい が塗布 とふ してあり、300 ℃以上 いじょう の雰囲気 ふんいき 中 ちゅう でPMが触媒 しょくばい によって排気 はいき と化学 かがく 反応 はんのう を起 お こし、H2 OとCO2 の無害 むがい な気体 きたい に酸化 さんか され排出 はいしゅつ される。
エンジンからの排気 はいき 温度 おんど が低 ひく い状態 じょうたい が続 つづ く場合 ばあい には、「強制 きょうせい 再生 さいせい 」といって、手動 しゅどう で燃料 ねんりょう 過多 かた の排気 はいき を作 つく り出 だ し、定期 ていき 的 てき に高温 こうおん 状態 じょうたい を作 つく り出 だ してDPFに溜 た まったPMを無害 むがい 化 か して取 と り除 のぞ く。
触媒 しょくばい の多 おお くは硫黄 いおう に弱 よわ く、フィルターの目 め 詰 づ まりの原因 げんいん となるため、低 てい 硫黄 いおう 化 か された軽油 けいゆ 以外 いがい (不正 ふせい 軽油 けいゆ など)の使用 しよう はできないが、フィルターにセラミックを使 つか わず、金網 かなあみ と炭化 たんか 珪素 けいそ 繊維 せんい を用 もち いた製品 せいひん もあり、こちらは低 てい 硫黄 いおう 軽油 けいゆ 以外 いがい も使用 しよう 可能 かのう である。
SCR(Selective Catalytic Reduction, 選択 せんたく 的 てき 触媒 しょくばい 反応 はんのう )とは選択 せんたく 的 てき な触媒 しょくばい による還元 かんげん 作用 さよう のことで、排 はい ガス対策 たいさく の場合 ばあい はNOx だけを選択 せんたく して還元 かんげん 剤 ざい のアンモニア と反応 はんのう させ窒素 ちっそ と水 みず に還元 かんげん する浄化 じょうか 触媒 しょくばい 作用 さよう である。アンモニア還元 かんげん 剤 ざい を用 もち いるため従来 じゅうらい のNOx 還元 かんげん 触媒 しょくばい よりも高性能 こうせいのう である。アンモニアを得 え る方法 ほうほう で2つに分 わ かれる。
尿素 にょうそ SCRシステム
あらかじめ高 こう 純度 じゅんど の尿素 にょうそ を精製水 せいせいすい に溶 と かし込 こ んだ尿素 にょうそ 水 すい を独立 どくりつ したタンクに積載 せきさい しておき、走行 そうこう 中 ちゅう にNOx還元 かんげん 触媒 しょくばい の手前 てまえ に尿素 にょうそ 水 すい を噴霧 ふんむ し、高温 こうおん の排気 はいき 中 ちゅう で加水 かすい 分解 ぶんかい 反応 はんのう によりアンモニアを得 え る。幅広 はばひろ い排 はい ガス温度 おんど 領域 りょういき でNOx 還元 かんげん 性能 せいのう が高 たか い(実際 じっさい のシステムでは、HC 分 ぶん 低減 ていげん のため排 はい ガスはSCRに先立 さきだ ち二 に 次 じ 空気 くうき と酸化 さんか 触媒 しょくばい とで燃焼 ねんしょう させておき、またSCR処理 しょり 後 ご には残 のこ ったアンモニアを分解 ぶんかい するための酸化 さんか 触媒 しょくばい も必要 ひつよう である)。尿素 にょうそ 水 すい の補給 ほきゅう とシステム全体 ぜんたい の取 と り付 つ け場所 ばしょ の確保 かくほ できるトラック・バス等 とう において実用 じつよう 化 か されている。
NOx アンモニア吸蔵SCR
SCRにNOx吸蔵層 そう とアンモニア吸蔵層 そう を付加 ふか した、新 あたら しいコンバインドタイプのNOx 吸蔵還元 かんげん 触媒 しょくばい 。まず、リーン燃焼 ねんしょう 中 なか にNOx を吸蔵層 そう に取 と り込 こ んでおき、制御 せいぎょ 装置 そうち が適宜 てきぎ リッチ燃焼 ねんしょう を開始 かいし する。リッチ燃焼 ねんしょう 中 ちゅう に白金 はっきん 触媒 しょくばい によりCOとH2 OとNOx からアンモニアを生成 せいせい し吸蔵する。次 つぎ にリーン燃焼 ねんしょう するときにSCRが働 はたら いて、新規 しんき のNOx を窒素 ちっそ と水 みず に還元 かんげん する。米国 べいこく 排 はい ガス規制 きせい をクリアしたホンダ の触媒 しょくばい に使 つか われている。またベンツも尿素 にょうそ 噴射 ふんしゃ を行 おこな わないSCRにNOx 吸蔵機能 きのう を組 く み合 あ わせている。日産 にっさん も似 に た新型 しんがた 触媒 しょくばい を開発 かいはつ 、2008年 ねん に国内 こくない 販売 はんばい する車両 しゃりょう に搭載 とうさい すると発表 はっぴょう した(2009年 ねん 4月 がつ 時点 じてん で、エクストレイル のみが日本 にっぽん 国内 こくない で販売 はんばい されている)。
排 はい ガス中 ちゅう のNOx をリーン燃焼 ねんしょう 時 じ に取 と り込 こ み、その後 ご にリッチ燃焼 ねんしょう で還元 かんげん させる触媒 しょくばい のことである。NOx 還元 かんげん に上記 じょうき のSCRを使 つか わないもので、還元 かんげん 剤 ざい はHCとCOとH2 になり、三 さん 元 げん 触媒 しょくばい にNOx 吸蔵層 そう を追加 ついか したものと言 い える。ガソリン直 ちょく 噴エンジンで使 つか われてきたものであり、ディーゼルには一部 いちぶ で使 つか われている。
乗用 じょうよう ディーゼルエンジン用 よう としては、欧州 おうしゅう 仕様 しよう アベンシス で採用 さいよう されているDPFと一体化 いったいか しPMとNOx を同時 どうじ に還元 かんげん するトヨタ のDPNRがある。
NOx を還元 かんげん するのに燃料 ねんりょう 分 ぶん の多 おお いリッチ燃焼 ねんしょう が必要 ひつよう であり、軽油 けいゆ 内 ない の硫黄 いおう 分 ぶん が触媒 しょくばい の機能 きのう を奪 うば うのが欠点 けってん である。
ディーゼルエンジンの燃料 ねんりょう は、発火 はっか 点 てん が225 ℃程度 ていど であれば多様 たよう なものが使用 しよう できるが、灯油 とうゆ ・軽油 けいゆ ・重油 じゅうゆ が使 つか われる[ 注釈 ちゅうしゃく 9] 。ディーゼルエンジンに誤 あやま ってガソリン を給油 きゅうゆ すると、発火 はっか 点 てん が約 やく 300 ℃と高 たか いため点火 てんか できずにエンジンは止 と まる。給油 きゅうゆ 配管 はいかん と噴射 ふんしゃ ポンプからガソリンを除 のぞ くことで復旧 ふっきゅう できるが、潤滑 じゅんかつ 性 せい のないガソリンによって噴射 ふんしゃ ポンプを傷 いた める可能 かのう 性 せい がある。
軽油 けいゆ に水素 すいそ などを混合 こんごう した二元 にげん 燃料 ねんりょう の利用 りよう も可能 かのう である[ 56] が、エンジンや配管 はいかん の再 さい 設計 せっけい が必要 ひつよう となる[ 57] 。
一方 いっぽう で引火 いんか 点 てん については、軽油 けいゆ が約 やく 50 ℃であるのに対 たい して、ガソリンのそれは約 やく -40 ℃となるため、ガソリンを危険 きけん なものにしている。ガソリンは-40 ℃以上 いじょう で火 ひ に近 ちか づけるだけで危険 きけん だが、50 ℃以下 いか の軽油 けいゆ に火 ひ を近 ちか づけても、すぐに燃 も えるわけではない。それにも関 かか わらず、火 ひ がない環境 かんきょう でこれら2つの温度 おんど を上 あ げてゆくと、発火 はっか 点 てん の差 さ から先 さき に自 みずか ら火 ひ が着 つ くのは軽油 けいゆ である。この軽油 けいゆ の発火 はっか 点 てん の低 ひく さと引火 いんか 点 てん の高 たか さが、燃料 ねんりょう の爆発 ばくはつ を自己 じこ 着火 ちゃっか に頼 たよ るディーゼルエンジンでの使用 しよう を容易 ようい にしている。
航空機 こうくうき では、灯油 とうゆ に近 ちか い性質 せいしつ を持 も ち航空 こうくう 用 よう ガソリンより安価 あんか なジェット燃料 ねんりょう が使 つか える。これは現代 げんだい の固定 こてい 翼 つばさ 機 き ならびに回転 かいてん 翼 つばさ 機 き で主流 しゅりゅう のターボジェットエンジン ・ターボファンエンジン やターボシャフトエンジン といったガスタービンエンジン と燃料 ねんりょう を共用 きょうよう できる点 てん ではガソリンエンジンよりも有利 ゆうり であり、また低 てい 出力 しゅつりょく 機 き ではディーゼルエンジンを含 ふく むレシプロエンジンの低 てい 燃費 ねんぴ のメリットが大 おお きくなる。ノッキング 対策 たいさく として使用 しよう される有 ゆう 鉛 なまり ガソリン は有毒 ゆうどく で取 と り扱 あつか いが難 むずか しく、環境 かんきょう 負荷 ふか も大 おお きいため環境 かんきょう 税 ぜい の値上 ねあ げなどで規制 きせい される傾向 けいこう にある。そのため現代 げんだい では地方 ちほう の飛行場 ひこうじょう で燃料 ねんりょう 補給 ほきゅう に支障 ししょう をきたすことも少 すく なくない。以上 いじょう の理由 りゆう などにより、無人 むじん 機 き も含 ふく む軽 けい 飛行機 ひこうき や一部 いちぶ の小型 こがた ヘリコプターなどのように、タービンエンジンの強 つよ みである軽量 けいりょう 高 だか 出力 しゅつりょく やディーゼルエンジンの弱点 じゃくてん である低温 ていおん 環境 かんきょう や高 こう 高度 こうど での性能 せいのう を必要 ひつよう としない機材 きざい については、軍民 ぐんみん ともに複数 ふくすう の大 おお きな利点 りてん がある。
車両 しゃりょう においては、機材 きざい が大型 おおがた になるほどガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンが有利 ゆうり になりやすいという一般 いっぱん 的 てき 特徴 とくちょう に加 くわ えて、燃料 ねんりょう の引火 いんか 点 てん が高 たか いことから被弾 ひだん 時 じ の火災 かさい リスクが低 ひく いといった利点 りてん があり、とくに軍用 ぐんよう では多 おお く使 つか われている。また、上述 じょうじゅつ のように軍用 ぐんよう 航空機 こうくうき と燃料 ねんりょう を共用 きょうよう しやすい点 てん も、とくに補給 ほきゅう ルートや設備 せつび の限 かぎ られる戦場 せんじょう では大 おお きな優位 ゆうい 点 てん となる。
エミッション(排気 はいき ガス)低減 ていげん の足 あし かせとなる鉱物 こうぶつ 油 ゆ 由来 ゆらい の天然 てんねん 燃料 ねんりょう に代 か わり、次世代 じせだい のディーゼル燃料 ねんりょう として注目 ちゅうもく されているのが、GTL (Gas To Liquid、ガス・トゥー・リキッド)、BTL (Biomass To Liquid、バイオマス・トゥー・リキッド)、CTL (Coal To Liquid、コール・トゥー・リキッド)等 とう の合成 ごうせい 油 ゆ である。これらの燃料 ねんりょう は、単体 たんたい で、あるいは軽油 けいゆ に混合 こんごう してディーゼルエンジンに使用 しよう することで、排 はい ガスでは低 てい 公害 こうがい 化 か が期待 きたい できる。
GTL燃料 ねんりょう の原料 げんりょう は天然 てんねん ガス 、CTL燃料 ねんりょう は石炭 せきたん であり、軽油 けいゆ に比 くら べセタン価 か が高 たか く、SOx の原因 げんいん となる硫黄 いおう 分 ぶん やPMを発生 はっせい させるベンゼン ・キシレン などの芳香 ほうこう 族 ぞく 炭化 たんか 水素 すいそ をほとんど含 ふく まない。CNG や水素 すいそ とは異 こと なり常温 じょうおん でも液体 えきたい のため、現在 げんざい の燃料 ねんりょう 販売 はんばい ルートになじみやすい。ただし、加工 かこう 時 じ のエネルギー分 ぶん のCO2 排出 はいしゅつ 量 りょう がそのまま燃焼 ねんしょう させるより増加 ぞうか するために、地球 ちきゅう 環境 かんきょう には優 やさ しくない[ 58] 。また、硫黄 いおう が含 ふく まれないことから、潤滑 じゅんかつ 作用 さよう の点 てん で軽油 けいゆ に劣 おと るため、添加 てんか 剤 ざい で対応 たいおう する必要 ひつよう がある。
BTL燃料 ねんりょう は、植物 しょくぶつ を原料 げんりょう とし液体 えきたい 燃料 ねんりょう として合成 ごうせい したもので、GTL・CTL燃料 ねんりょう と同様 どうよう に硫黄 いおう や芳香 ほうこう 族 ぞく 炭化 たんか 水素 すいそ を含 ふく まず、燃焼 ねんしょう 時 じ に排出 はいしゅつ されるCO2 は植物 しょくぶつ が生長 せいちょう する際 さい に吸収 きゅうしゅう したCO2 量 りょう [ 注釈 ちゅうしゃく 10] に等 ひと しくなる、などの特徴 とくちょう がある。
これらの合成 ごうせい 油 ゆ は、高 こう セタン価 か 燃料 ねんりょう であるため、単体 たんたい 専用 せんよう ディーゼルエンジンとしてなら圧縮 あっしゅく 比 ひ を13–15:1へと低 てい 圧縮 あっしゅく 比 ひ 化 か でき、エネルギー効率 こうりつ を上 あ げ低 ひく 燃費 ねんぴ 化 か できるのも利点 りてん である。これらは、生産 せいさん 量 りょう が増加 ぞうか すれば価格 かかく も下 さ がっていくと見 み られており、今後 こんご のディーゼル燃料 ねんりょう の主流 しゅりゅう として期待 きたい されている[ 59] 。
ジメチルエーテル ((DM) をディーゼル燃料 ねんりょう として使 つか うことも実用 じつよう 化 か されつつある。メタノール を脱水 だっすい 縮 ちぢみ 合 あい 反応 はんのう 合成 ごうせい してエネルギー密度 みつど を上 あ げる方法 ほうほう ではなく、合成 ごうせい ガス からの直接 ちょくせつ 合成 ごうせい による低 てい 純度 じゅんど 低 てい 価格 かかく な大量 たいりょう 生産 せいさん が確立 かくりつ しつつある。原料 げんりょう として天然 てんねん ガス、石炭 せきたん 、植物 しょくぶつ など合成 ごうせい ガス化 か できるものなら良 よ く、有 ゆう 酸素 さんそ 燃料 ねんりょう でガス由来 ゆらい の合成 ごうせい 油 ゆ より合成 ごうせい エネルギー損失 そんしつ が少 すく ないのが利点 りてん である。
DME燃料 ねんりょう は軽油 けいゆ と同等 どうとう のセタン価 か で、硫黄 いおう 分 ぶん や芳香 ほうこう 族 ぞく 炭化 たんか 水素 すいそ を含 ふく まない。機械 きかい 式 しき 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ では低圧 ていあつ で体積 たいせき 変化 へんか するため噴射 ふんしゃ 量 りょう 制御 せいぎょ が難 むずか しかったが、コモンレールで高 こう 圧 あつ 安定 あんてい 化 か されたことにより噴射 ふんしゃ 量 りょう 制御 せいぎょ が正確 せいかく になり、適 てき した燃料 ねんりょう となった。
また、重油 じゅうゆ とDMEを混合 こんごう することで、排気 はいき ガスの浄化 じょうか が望 のぞ まれることも明 あき らかになりつつある。A重油 じゅうゆ と混合 こんごう した場合 ばあい 、NOx ,COx もボリュームパーセントでは低下 ていか する。
植物 しょくぶつ 油 ゆ をエステル交換 こうかん (メタノリシス)してグリセリン を除去 じょきょ し脂肪酸 しぼうさん メチルエステル(FAME )とした燃料 ねんりょう (Bio Diesel Fuel;BDF)である。
油脂 ゆし を水素 すいそ 化 か 分解 ぶんかい して作 つく る水素 すいそ 化 か 処理 しょり 油 ゆ (Bio Hydrofined Diesel; BHD)である。
1885年 ねん 、イギリス人 じん の発明 はつめい 家 か ハーバート・アクロイド・スチュアートがパラフィン を使 つか ったエンジンの可能 かのう 性 せい について調査 ちょうさ し始 はじ めた。これはガソリンと違 ちが いキャブレターで蒸発 じょうはつ させるのが難 むずか しかった[ 60] 。彼 かれ の発明 はつめい した焼玉 やきだま エンジン は1891年 ねん にリチャード・ホーンスビー・アンド・サンズ社 しゃ にて製造 せいぞう された。これは世界 せかい 初 はつ の加圧 かあつ 式 しき 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち を使 つか った内燃 ないねん 機関 きかん であった[ 61] 。このホーンスビー・アクロイド式 しき 機関 きかん は比較 ひかく 的 てき に低 てい 圧縮 あっしゅく 比 ひ で、圧縮 あっしゅく 加熱 かねつ による燃料 ねんりょう の着火 ちゃっか には温度 おんど は不十分 ふじゅうぶん であった。現代 げんだい 的 てき なディーゼルエンジンは直接 ちょくせつ 噴射 ふんしゃ と圧縮 あっしゅく 着火 ちゃっか を組 く み込 こ んだものであり、この2つのアイディアはアクロイド・スチュアートとチャールズ・リチャード・ビニー(Charles Richard Binney)によって1890年 ねん 5月 がつ に特許 とっきょ が取得 しゅとく されている[ 60] 。1890年 ねん 10月 がつ 8日 にち には、燃料 ねんりょう と空気 くうき を分 わ けてエンジンに供給 きょうきゅう する完全 かんぜん なエンジンの基本 きほん 的 てき な働 はたら きを詳 くわ しく述 の べたもうひとつの特許 とっきょ がとられた。アクロイドのエンジンと現代 げんだい のディーゼルエンジンの違 ちが いは冷 ひや 間 あいだ 始動 しどう 時 とき にシリンダーに特別 とくべつ に熱 ねつ を供給 きょうきゅう する必要 ひつよう があるかどうかである。1892年 ねん 、ディーゼルエンジンが発明 はつめい される1年 ねん 前 まえ にアクロイドスチュアートは追加 ついか の熱源 ねつげん を必要 ひつよう としない改良 かいりょう 版 ばん を作 つく り出 だ した[ 62] 。
ディーゼルの1897年 ねん のオリジナルエンジンが展示 てんじ されているドイツミュンヘン 、ドイツ博物館 はくぶつかん
1892年 ねん 、アクロイド・スチュアートは圧縮 あっしゅく 比 ひ の向上 こうじょう を可能 かのう にするウォータージャケット気化 きか 器 き の特許 とっきょ を取得 しゅとく した。同年 どうねん にトーマス・ヘンリー・バートンが実験 じっけん 的 てき に気化 きか 器 き をなくし、シリンダーヘッドに置 お き換 か えた高 こう 圧縮 あっしゅく 比 ひ 版 ばん を制作 せいさく した。それ故 こ 、高 たか い圧縮 あっしゅく 比 ひ を通 とお して着火 ちゃっか し、空気 くうき の予備 よび 加熱 かねつ に頼 たよ らなくなった。
ルドルフ・ディーゼル はアクロイドエンジンを発展 はってん させ、1892年 ねん にドイツ、スイス、イギリス、アメリカで特許 とっきょ を取得 しゅとく した[ 注釈 ちゅうしゃく 11] 。
1893年 ねん にアクロイドはエンジン開発 かいはつ をやめている。
ルドルフ・ディーゼル の1893年 ねん の特許 とっきょ 証書 しょうしょ
1892年 ねん : 2月 がつ 23日 にち 、ルドルフ・ディーゼルが "Arbeitsverfahren und Ausführungsart für Verbrennungskraftmaschienen" と題 だい した特許 とっきょ (RP 67207) を取得 しゅとく 。
1893年 ねん : ディーゼルが「既知 きち の蒸気 じょうき 機関 きかん と内燃 ないねん 機関 きかん を置換 ちかん する合理 ごうり 的 てき 熱 ねつ 機関 きかん の理論 りろん と構築 こうちく 」と題 だい する論文 ろんぶん を発表 はっぴょう 。
1897年 ねん : 8月 がつ 10日 とおか 、ディーゼルがアウクスブルク で初 はつ の実働 じつどう するプロトタイプを製作 せいさく 。
1898年 ねん : ディーゼルがロシアの石油 せきゆ 会社 かいしゃ Branobel にディーゼルエンジンのライセンスを供与 きょうよ 。同社 どうしゃ は蒸留 じょうりゅう していない石油 せきゆ で動 うご くエンジンに興味 きょうみ を持 も っていた。同社 どうしゃ の技術 ぎじゅつ 者 しゃ らは4年 ねん をかけて船用 せんよう のディーゼルエンジンを設計 せっけい 。
1898年 ねん : ディーゼルは製造 せいぞう 業者 ぎょうしゃ クルップ とスルザー にディーゼルエンジンのライセンスを供与 きょうよ 。両社 りょうしゃ はまもなく主 おも なディーゼルエンジン製造 せいぞう 業者 ぎょうしゃ となる。
1902年 ねん : 1910年 ねん までにMAN が据 す え置 お き型 がた ディーゼルエンジンを82機 き 製造 せいぞう 。
1903年 ねん : ニジニ・ノヴゴロド の造船 ぞうせん 所 しょ で、世界 せかい 初 はつ のディーゼルエンジン搭載 とうさい 石油 せきゆ タンカー "Vandal" が進水 しんすい 。
1904年 ねん : フランスで世界 せかい 初 はつ のディーゼル潜水 せんすい 艦 かん Z を建造 けんぞう 。
1905年 ねん : Alfred Büchi がディーゼルエンジン用 よう ターボチャージャー とインタークーラー を考案 こうあん 。
1908年 ねん : Prosper L'Orange がDeutz 社 しゃ と共 とも に、ニードル型 がた 噴射 ふんしゃ ノズルで精密 せいみつ に制御 せいぎょ 可能 かのう な噴射 ふんしゃ ポンプを開発 かいはつ 。
1909年 ねん : Prosper L'Orange がベンツ&シー 社 しゃ と共 とも に予 よ 燃焼 ねんしょう 室 しつ 式 しき の半球 はんきゅう 型 がた 燃焼 ねんしょう 室 しつ を開発 かいはつ 。
1910年 ねん : ノルウェー の探検 たんけん 船 せん フラム号 ごう にディーゼルエンジンを搭載 とうさい 。商船 しょうせん ではシェランディアが最初 さいしょ となる。
1912年 ねん : デンマーク 初 はつ のディーゼル船 せん シェランディア(Selandia ) 建造 けんぞう 。世界 せかい 初 はつ のディーゼル機関 きかん 車 しゃ 製作 せいさく 。
1913年 ねん : アメリカ海軍 かいぐん の潜水 せんすい 艦 かん がNELSECO社 しゃ 製 せい のディーゼルエンジンを採用 さいよう 。郵便 ゆうびん 船 せん ドレスデン号 ごう でイギリス海峡 かいきょう を渡 わた っているとき、ルドルフ・ディーゼル が謎 なぞ の死 し を遂 と げる。
1914年 ねん : ドイツのUボート がMAN社 しゃ 製 せい ディーゼルエンジンを搭載 とうさい 。
1919年 ねん : Prosper L'Orange 予 よ 燃焼 ねんしょう 室 しつ 式 しき の特許 とっきょ を取得 しゅとく し、ニードル噴射 ふんしゃ ノズルを製作 せいさく 。カミンズ がディーゼルエンジンを生産 せいさん 開始 かいし 。
1921年 ねん : Prosper L'Orange が連続 れんぞく 可変 かへん 出力 しゅつりょく 式 しき 噴射 ふんしゃ ポンプを製作 せいさく 。
1922年 ねん : ベンツがディーゼルエンジンを搭載 とうさい した初 はつ のトラクター を発売 はつばい 。
1923年 ねん : MAN 、ベンツ、ライムラー が初 はつ のディーゼルエンジン搭載 とうさい トラック を製作 せいさく し、試験 しけん を開始 かいし 。
1924年 ねん : フランクフルトモーターショー にディーゼルエンジン搭載 とうさい トラックが出展 しゅってん される。フェアバンクス・モース がディーゼルエンジンを生産 せいさん 開始 かいし 。
1927年 ねん : ボッシュ がトラック 用 よう 噴射 ふんしゃ ポンプと噴射 ふんしゃ ノズルを生産 せいさん 開始 かいし 。Stoewer が初 はつ のディーゼルエンジン搭載 とうさい 乗用車 じょうようしゃ を試作 しさく 。
1930年代 ねんだい : キャタピラー 社 しゃ が自社 じしゃ 製 せい トラクター用 よう にディーゼルエンジンの生産 せいさん を開始 かいし 。
1932年 ねん : MAN社 しゃ が160馬力 ばりき という当時 とうじ 世界 せかい 最高 さいこう 出力 しゅつりょく のディーゼルトラックを発売 はつばい 。
1933年 ねん : シトロエン が世界 せかい 初 はつ のディーゼルエンジン搭載 とうさい 乗用車 じょうようしゃ (Rosalie)を製作 せいさく 。イギリスのディーゼルエンジン研究 けんきゅう 者 しゃ ハリー・リカルド の設計 せっけい したエンジンを採用 さいよう [ 65] 。ディーゼルエンジンの使用 しよう が規制 きせい されていたため、発売 はつばい されなかった。一方 いっぽう 、日本 にっぽん ではヤンマー が小型 こがた 汎用 はんよう 高速 こうそく ディーゼルエンジンの自社 じしゃ 開発 かいはつ に成功 せいこう (「HB型 がた 」ディーゼルエンジン)。
1934年 ねん : マイバッハ が世界 せかい 初 はつ の鉄道 てつどう 車両 しゃりょう 用 よう ターボ ディーゼルを製造 せいぞう 。
1934年 ねん -35年 ねん : ドイツのユンカース が航空機 こうくうき 用 よう ディーゼルエンジン「ユモ(Jumo)」シリーズの生産 せいさん を開始 かいし 。有名 ゆうめい なユモ205 は第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の勃発 ぼっぱつ までに900台 だい 以上 いじょう 生産 せいさん されている。
1936年 ねん : メルセデス・ベンツ がディーゼル乗用車 じょうようしゃ 260D を製作 せいさく 。ハノマーグ やSaurer も相次 あいつ いでディーゼル乗用車 じょうようしゃ を生産 せいさん 。アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道 てつどう にスーパー・チーフ 用 よう のディーゼル機関 きかん 車 しゃ が採用 さいよう される。建造 けんぞう 中 ちゅう の飛行船 ひこうせん ヒンデンブルク でディーゼルエンジンを採用 さいよう (ダイムラー・ベンツ 製 せい エンジン 602LOF6)。
1936年 ねん : ソビエト連邦 れんぽう がBT-7 戦車 せんしゃ にVD-2ディーゼルエンジンを搭載 とうさい して実験 じっけん 、後 のち に改良 かいりょう 型 がた V-2エンジン搭載 とうさい のBT-7Mとして量産 りょうさん され、1939年 ねん 末 まつ より部隊 ぶたい 配備 はいび 開始 かいし 。
1937年 ねん : ソビエト連邦 れんぽう が開発 かいはつ 中 ちゅう の戦車 せんしゃ A-20及 およ びA-32にV-2ディーゼルエンジンを搭載 とうさい 。1939年 ねん にA-32の拡大 かくだい 改良 かいりょう 型 がた A-34が、T-34 として採用 さいよう される。
1937年 ねん : BMW が航空機 こうくうき 用 よう ディーゼルエンジン BMW 114 を試作 しさく 。
1940年 ねん : 航空機 こうくうき 用 よう ディーゼルエンジン・ユモ207A を搭載 とうさい したJu 86 P高々 たかだか 度 ど 爆撃 ばくげき /偵察 ていさつ 機 き が開発 かいはつ され、同年 どうねん から実戦 じっせん 投入 とうにゅう される。
1944年 ねん : Klöckner Humboldt Deutz AG (KHD)が空冷 くうれい 式 しき ディーゼルエンジンを開発 かいはつ 。
1953年 ねん : メルセデス・ベンツがターボ ディーゼル搭載 とうさい トラックをシリーズで発売 はつばい 。
1968年 ねん : プジョー が204 に小型車 こがたしゃ としては初 はつ のディーゼルエンジンを採用 さいよう 。横 よこ 置 お きで前輪 ぜんりん 駆動 くどう 。
1973年 ねん : DAF が空冷 くうれい 式 しき ディーゼルエンジンを採用 さいよう 。
1976年 ねん : 2月 がつ 、フォルクスワーゲン が乗用車 じょうようしゃ ゴルフ 用 よう のディーゼルエンジンの試験 しけん を開始 かいし 。チューリッヒ工科 こうか 大学 だいがく でコモンレール式 しき 噴射 ふんしゃ システムを開発 かいはつ 。
1977年 ねん : 初 はつ のターボディーゼル搭載 とうさい 乗用車 じょうようしゃ の生産 せいさん 開始 かいし (メルセデス・ベンツ・300SD)。
1994年 ねん : ボッシュがディーゼルエンジン用 よう ユニットインジェクターシステムを開発 かいはつ 。
1995年 ねん : デンソー がコモンレールシステム を世界 せかい で初 はじ めて実用 じつよう 化 か し、日野 ひの ライジングレンジャーに搭載 とうさい 。
1997年 ねん : アルファロメオ・156 で乗用車 じょうようしゃ 初 はつ のコモンレールを実現 じつげん 。
1998年 ねん : BMWがディーゼルエンジン搭載 とうさい の320dでニュルブルクリンク24時 じ 間 あいだ レース に優勝 ゆうしょう 。
2004年 ねん : 西 にし ヨーロッパで乗用車 じょうようしゃ のディーゼルエンジン搭載 とうさい 率 りつ が50 %を越 こ えた。
2008年 ねん : スバル が乗用車 じょうようしゃ 用 よう の水平 すいへい 対向 たいこう ディーゼルエンジンを導入 どうにゅう 。EGR システムで「ユーロ5」にも適合 てきごう 。
2021年 ねん 現在 げんざい 。△はエンジンを他社 たしゃ より供給 きょうきゅう を受 う けている
韓国 かんこく
欧米 おうべい では複数 ふくすう メーカーを買収 ばいしゅう した持株 もちかぶ 会社 かいしゃ を丸 まる ごと別 べつ の持株 もちかぶ 会社 かいしゃ が買収 ばいしゅう するなど大 だい 規模 きぼ な再編 さいへん が進行 しんこう 中 ちゅう であり、かつ合併 がっぺい によって消滅 しょうめつ したメーカーも多 おお い。
ドイツ
持株 もちかぶ 会社 かいしゃ Tognum AG の傘下 さんか にある MTU であるが2011年 ねん 9月 がつ に Daimler AG と Rolls-Royce plc のジョイントベンチャーである Engin Holding GmbH が Tognum の筆頭 ひっとう 株主 かぶぬし になった。
MTU
ダイムラー
ドイツ (e:Deutz AG )
Volkswagen AG(フォルクスワーゲングループ)) MAN SE(MANグループの持株 もちかぶ 会社 かいしゃ ) を買収 ばいしゅう
MAN Diesel & Turbo SE :ディーゼルエンジンを開発 かいはつ したルドルフ・ディーゼル を擁 よう していた。
フランス
スウェーデン
フィンランド
シス
Wärtsiläバルチラ
Sulzerスルザー (スイス)を買収 ばいしゅう し(現 げん ・バルチラ、スイス)とする
イギリス
その他 た
^ ディーゼルは微 ほろ 粉炭 ふんたん を含 ふく むさまざまな燃料 ねんりょう の使用 しよう を計画 けいかく したが、粉末 ふんまつ 燃料 ねんりょう の使用 しよう には成功 せいこう しなかった。1900年 ねん のパリ万国博覧会 ばんこくはくらんかい ではピーナッツ 油 あぶら での運転 うんてん を実演 じつえん した(バイオディーゼル を参照 さんしょう )。
^ フライホイール のリングギア上 じょう の何 なん 箇所 かしょ かが、いつもスターターモーターのピニオンギアの位置 いち に来 く る→偏 へん 磨耗 まもう の原因 げんいん
^ ディーゼルエンジンはスロットルバルブによる回転 かいてん 数 すう (出力 しゅつりょく )制御 せいぎょ ではないものの、アイドル時 じ や低 てい 回転 かいてん 域 いき の吸気 きゅうき 騒音 そうおん を抑 おさ えるため、コンバインドガバナーのように負 ふ 圧 あつ を必要 ひつよう とする調 しらべ 速 そく 機 き のため、アクセル全 ぜん 閉時に酸素 さんそ 過多 かた となって発生 はっせい するNOx を抑 おさ えるため、等 ひとし の目的 もくてき で、吸気 きゅうき 管 かん にバタフライバルブを備 そな えているものがある。この場合 ばあい 、一般 いっぱん 的 てき に言 い われる「ディーゼルエンジンの吸気 きゅうき 系 けい は負 ふ 圧 あつ にならない」は当 あ てはまらない。
^ この方式 ほうしき を初 はじ めて実用 じつよう 化 か したエンジンがマツダ のSKYACTIV-X である。
^ ディーゼ ルサイクルとオット ーサイクルの性質 せいしつ を併 あわ せ持 も つことから、メルセデス・ベンツ が名付 なづ けた造語 ぞうご 。
^ ただし、シリンダーブロック や燃料 ねんりょう タンク に直撃 ちょくげき 弾 だん を受 う けた場合 ばあい 、ガソリンエンジンに比 くら べ爆発 ばくはつ の危険 きけん は少 すく ないが、炎上 えんじょう する可能 かのう 性 せい はそれほど変 か わらない
^ 農業 のうぎょう 機械 きかい では主 おも に耕運機 こううんき 、トラクター 、コンバイン や6条 じょう 植 うえ 以上 いじょう の乗用 じょうよう 田植 たうえ 機 き などがある。
^ 軽油 けいゆ 引取 ひきと 税 ぜい が揮発 きはつ 油 ゆ 税 ぜい よりも税率 ぜいりつ が低 ひく く、その結果 けっか として燃料 ねんりょう そのものの価格 かかく は高額 こうがく である軽油 けいゆ のほうが小売 こうり 価格 かかく ではガソリンよりも1割 わり 強 きょう ほど安価 あんか になる。こうした軽油 けいゆ 優遇 ゆうぐう 税制 ぜいせい は先進 せんしん 国 こく に限 かぎ ると日本 にっぽん のみ[ 35] 。
^ ただし灯油 とうゆ ・重油 じゅうゆ を燃料 ねんりょう 油 ゆ にした自動車 じどうしゃ で公道 こうどう を走 はし ると軽油 けいゆ 引取 ひきと 税 ぜい の脱税 だつぜい 行為 こうい となる。
^ BTL燃料 ねんりょう は、生産 せいさん 過程 かてい と消費 しょうひ 過程 かてい でのCO2 の量 りょう が等 ひと しいことから、カーボンニュートラル とみなされ、京都 きょうと 議定 ぎてい 書 しょ の目標 もくひょう 達成 たっせい には非常 ひじょう に有効 ゆうこう となる。葉 は や茎 くき など、植物 しょくぶつ 全体 ぜんたい を原材料 げんざいりょう としたセルロース から作 つく られるBTL燃料 ねんりょう は、植物 しょくぶつ の種子 しゅし から得 え られるデンプン を元 もと にした植物 しょくぶつ 油 ゆ 燃料 ねんりょう (BDF /バイオ ディーゼル フューエル、SVO/ストレート ヴェジタブル オイル)に比 くら べ、植物 しょくぶつ の質量 しつりょう あたりのエネルギー量 りょう は2倍 ばい 、同 おな じ耕地 こうち 面積 めんせき から得 え られる収穫 しゅうかく 量 りょう は10倍 ばい 以上 いじょう と言 い われる。雑草 ざっそう などを原料 げんりょう にできるため、食物 しょくもつ 価格 かかく の高騰 こうとう や、水不足 みずぶそく の問題 もんだい を解決 かいけつ する一助 いちじょ ともなる
^ 圧 あつ 気 き 発火 はっか 器 き による発火 はっか 実験 じっけん の観察 かんさつ 冷凍 れいとう 機 き の発明 はつめい で著名 ちょめい であったカール・フォン・リンデ は、マレーシア のペナン島 とう での講演 こうえん に招 まね かれたときに土産 みやげ として圧 あつ 気 き 発火 はっか 器 き を譲 ゆず り受 う け、ドイツへ帰国 きこく した。1877年 ねん 頃 ごろ 、リンデがミュンヘン工業 こうぎょう 学校 がっこう での帰朝 きちょう 講演 こうえん で、この圧 あつ 気 き 発火 はっか 器 き を実演 じつえん して、葉巻 はまき に火 ひ をつけた。ルドルフ・ディーゼルは、この講演 こうえん を聴講 ちょうこう していた。ディーゼルは「この体験 たいけん は、高 こう 圧 あつ 内燃 ないねん 機関 きかん を発明 はつめい するのに、もっとも大 おお きな刺激 しげき となったもののひとつだった」と回顧 かいこ している
Diesel, Rudolf: Die Entstehung des Dieselmotors. Erstmaliges Faksimile der Erstausgabe von 1913 mit einer technik-historischen Einführung. Moers: Steiger Verlag, 1984.
ルドルフ・ディーゼル著 ちょ / 山岡 やまおか 茂樹 しげき 訳 やく ・解説 かいせつ : ディーゼルエンジンはいかにして生 う み出 だ されたか.東京 とうきょう : 山海 さんかい 堂 どう 1993.8
Rauck, Max J.: 50 Jahre Dieselmotor : zur Sonderschau im Deutschen Museum. München: Leibniz-Verlag 1949.
Joseph Needham 著 しる 、山田 やまだ 慶 けい 児 じ 訳 やく 『東 ひがし と西 にし の学者 がくしゃ と工匠 こうしょう (上 うえ )』河出書房新社 かわでしょぼうしんしゃ 、1974年 ねん 。 NCID BN01279791 。
下 しも 間 あいだ 頼 よりゆき 一 いち 「技術 ぎじゅつ の起原 きげん に機械 きかい と人間 にんげん の原点 げんてん をたずねる : 生活 せいかつ の知恵 ちえ の多彩 たさい な発展 はってん 」『日本 にっぽん 機械 きかい 学會 がっかい 誌 し 』第 だい 85巻 かん 第 だい 758号 ごう 、関西大学 かんさいだいがく 博物館 はくぶつかん 紀要 きよう 、1982年 ねん 1月 がつ 5日 にち 、33-37頁 ぺーじ 、NAID 110002473858 。