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バス (交通機関) - Wikipedia

バス (交通こうつう機関きかん)

大量たいりょう旅客りょかく輸送ゆそうすることを目的もくてきとする自動車じどうしゃ
バス会社かいしゃから転送てんそう

バス(Bus)は、大量たいりょう旅客りょかく輸送ゆそう目的もくてき設計せっけいされたものである。

おおくの地域ちいきにおいて、バス運転うんてんになるには通常つうじょう運転うんてん免許めんきょくわえ、特別とくべつ運転うんてん免許めんきょ必要ひつようとされる。

日本にっぽん国内こくないのバスについては日本にっぽんのバス参照さんしょうのこと。

 
ロンドン乗合のりあい馬車ばしゃ
 
1882ねん、ドイツのエレクトロモト
 
トロリーバス
 
実験じっけん運行うんこうちゅう自動じどう運転うんてんバス(2022ねん

バスの起源きげん17世紀せいきフランスブレーズ・パスカル考案こうあんした「5ソルの馬車ばしゃ」とばれる乗合のりあい馬車ばしゃである。乗合のりあい馬車ばしゃ前部ぜんぶうま操縦そうじゅうするための運転うんてんせきを、後部こうぶ人員じんいん輸送ゆそうするための客室きゃくしつそなえていた。比較的ひかくてき安価あんか運賃うんちん利用りようでき、一定いってい経路けいろ時刻じこくひょうにしたがって運行うんこうするなど現代げんだいのバスと共通きょうつうする特徴とくちょうっていた。なおつじ馬車ばしゃタクシー起源きげんである。

現代げんだいまでつづくバスの起源きげんであり、かつ「バス」の由来ゆらいとなったのは1826ねんにフランス・ナント運行うんこう開始かいしした乗合のりあい馬車ばしゃである。ナント郊外こうがい公衆こうしゅう浴場よくじょう経営けいえいしていた退役たいえき軍人ぐんじんスタニスラス・ボードリーは、ナント中心ちゅうしん浴場よくじょうあいだ送迎そうげいよう馬車ばしゃ運行うんこうしていた。ボードリーは市民しみんかれ馬車ばしゃ浴場よくじょうへのアクセスとは無関係むかんけい移動いどう手段しゅだんとして利用りようしていることにづき、乗合のりあい馬車ばしゃ事業じぎょう専念せんねんすることにした。

同様どうよう交通こうつう機関きかんはomnibusのとともにパリ(1828ねん)、ロンドン(1829ねん)、ニューヨークどう)など世界中せかいじゅうひろまった。

1831ねん、イギリスの発明はつめいゴールズワージー・ガーニーロケットごう発想はっそう触発しょくはつされ、蒸気じょうき機関きかん搭載とうさいした蒸気じょうきバスSteam bus)をなんだい制作せいさくし、チェルトナムグロスターあいだはしらせた。しかしこれは乗合のりあい馬車ばしゃ業者ぎょうしゃ反発はんぱつにあってすぐに撤退てったい同年どうねんウォルター・ハンコックロンドン市内しないでこの蒸気じょうきバスによる乗合のりあいバスの運行うんこう開始かいしし、その5年間ねんかんわたって営業えいぎょうしていたとされる[1]

1882ねんにはヴェルナー・フォン・ジーメンス架線かせんからの電気でんき動力どうりょくとするエレクトロモト試験しけん運行うんこうした。その各国かっこく電気でんきトロリーバスもちいられた。

1895ねんには世界せかいはつ内燃ないねん機関きかんバスまたエンジン・バス英語えいごばんもちいられた。バスの車両しゃりょう馬車ばしゃによるものが19世紀せいきまつごろまで一般いっぱんてきであったが、自動車じどうしゃ発明はつめいされてからはもっぱ自動車じどうしゃもちいられることがおおくなり、20世紀せいきはいってからは世界せかいてき自動車じどうしゃによるバスが一般いっぱんてきとなった。同一どういつのデザインが世界中せかいじゅうあらわれ、バス製造せいぞう次第しだいグローバルされている。

21世紀せいき初頭しょとうには、圧縮あっしゅく天然てんねんガス(Compressed natural gasまたバイオディーゼル同様どうようハイブリッド・電気でんきバス燃料ねんりょう電池でんちバスふたた電気でんきバスへの関心かんしんたかまっている。

2010ねんごろから自動じどう運転うんてんしゃ走行そうこう実験じっけんおこなわれている。2030ねんまでには自動じどう運転うんてんバス自動じどう運転うんてんシャトルの実用じつよう目指めざしている[2][3]

 
日本にっぽんのバス

「バス」の語源ごげんは、ラテン語らてんごで、「すべてのひとのために」という意味いみのomnibus(オムニブス)からている[4]スタニスラス・ボードリー乗合のりあい馬車ばしゃ事業じぎょうはじめたころ、ナント中心ちゅうしんのコメルス広場ひろばにはオムネ (OMNES) という帽子ぼうしがあり、「OMNES Omnibus」という看板かんばんをかかげていた。この看板かんばん馬車ばしゃ目印めじるしともなったことから、馬車ばしゃほうもオムニビュスとばれるようになり、みんなのためのくるまというvoiture omnibus というかたりまれた。ただしこの由来ゆらいかんしては異説いせつもある。乗合のりあい馬車ばしゃ#「オムニバス」の語源ごげん参照さんしょうのちにomnibusが英語えいごみで短縮たんしゅくされて「バス」となった。

車両しゃりょう

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ほんこうではおも自動車じどうしゃによるバスの車両しゃりょうについて解説かいせつおこなうが、一概いちがい自動車じどうしゃってもいくつかの分類ぶんるいがある。おも分類ぶんるいとしてはエンジン配置はいちによるものや、内装ないそう、とりわけゆか構造こうぞうによるもの、使用しようする動力どうりょくによるものがげられる。

もっと一般いっぱんてきなバスは1かいれんぶしバスであり、よりだい規模きぼ積載せきさい人数にんずう2かいてバスおよびれんぶしバス、より小規模しょうきぼ積載せきさい人数にんずう中型ちゅうがたバスおよびマイクロバス長距離ちょうきょりサービスにはコーチもちいられる。

日本にっぽんのバス車両しゃりょうについては日本にっぽんのバス車両しゃりょう参照さんしょうのこと。

動力どうりょくげん

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オーストラリアシドニーのバス。
 
大阪おおさか乗合のりあい自動車じどうしゃ電気でんきバス(1937ねん
 
木炭もくたんバス(1941ねん

動力どうりょくげん内燃ないねん機関きかん電力でんりょく主流しゅりゅうである。おおくは内燃ないねん機関きかんもちい、軽油けいゆないしはガソリンなど石油せきゆ精製せいせいぶつ使用しようする場合ばあいおおい。通常つうじょう軽油けいゆ燃料ねんりょうとしたディーゼルエンジン使つかわれる。また日本にっぽん場合ばあいバス車両しゃりょうはどうしても出荷しゅっか台数だいすうすくなく、専用せんよう投資とうしおこなったさい採算さいさんることがむずかしいものであり、したがって自動車じどうしゃメーカーはエンジンやトランスミッションについてはできるだけ、より出荷しゅっか台数だいすうおおトラックとの部品ぶひん共用きょうようをはかっている[5]

大気たいき汚染おせんふせぐために、天然てんねんガス (CNG, LNG) やエタノールなどの代替だいたい燃料ねんりょう使用しようすることがすくなくない。その場合ばあいタンクを天井てんじょう設置せっちする必要ひつようせいから、強度きょうど重心じゅうしん問題もんだいからむずかしかったが、あたらしい構材の使用しよう天然てんねんガス・エタノール供給きょうきゅう施設しせつ(スタンド)の増加ぞうかなどにより問題もんだい解決かいけつされ、徐々じょじょ普及ふきゅうひろまっている。

日本にっぽんでは、石油せきゆ燃料ねんりょう統制とうせいされただい世界せかい大戦たいせんおよび戦後せんご混乱こんらん木炭もくたん利用りようした木炭もくたんバス(たきぎバス)や蓄電池ちくでんち動力どうりょくげんとした電気でんきバスなどのれいがあるが、のちに石油せきゆ燃料ねんりょう供給きょうきゅう安定あんていしたためすたれていった。大気たいき汚染おせん対策たいさくとう観点かんてんから、のち蓄電池ちくでんち動力どうりょくげんとしたバスがふたた試用しようされる。バスの黎明れいめいには蒸気じょうき機関きかん動力どうりょくとして使用しようする蒸気じょうきバス使用しようされたが、徐々じょじょ出力しゅつりょく重量じゅうりょうすぐれる内燃ないねん機関きかん性能せいのう信頼しんらいせい向上こうじょうしたことで20世紀せいき初頭しょとうすたれた。

2009ねん東京とうきょう都市とし大学だいがく水素すいそ燃料ねんりょうエンジン搭載とうさいしたバスの開発かいはつ成功せいこうした。日本にっぽん自動車じどうしゃ研究所けんきゅうじょ技術ぎじゅつ審査しんさ通過つうかして、国土こくど交通省こうつうしょうからナンバープレート取得しゅとくし、水素すいそエンジン搭載とうさいバスとしては日本にっぽんはつとなる公道こうどうでの走行そうこう可能かのうとなった[6][7]現在げんざいは、どう大学だいがくのキャンパスあいだ移動いどうするシャトルバスとして使用しようされている。

道路どうろじょうられた架線かせんかられる電気でんき動力どうりょくとし、電動でんどう走行そうこうするバスはトロリーバスばれる[4]。なお、日本にっぽん法令ほうれいではトロリーバスは無軌道むきどう電車でんしゃばれ[4]路面ろめん電車でんしゃ同様どうよう鉄道てつどうとしてあつかわれる。現在げんざい日本にっぽん国内こくないにあるトロリーバスは専用せんようどう利用りようするもののみであり、一般いっぱん公道こうどう走行そうこうするものは存在そんざいしない。

馬力ばりきは300から500馬力ばりき程度ていどちょう大型おおがたのネオプラン・メガライナーでも530馬力ばりき)で重量じゅうりょうでははるかにかる高級こうきゅう乗用車じょうようしゃよりおなじかすこじょうといったところであるが、トルクは低速ていそく回転かいてんでも十分じゅうぶんるようになっている(もっとも、「馬力ばりきひくいが低速ていそくトルクはふとい」という傾向けいこう乗用車じょうようしゃふくめディーゼルしゃつねである)。

エンジンの配置はいち

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エンジンの位置いちは、おおきくけて車両しゃりょう前部ぜんぶにあるもの、車両しゃりょう中央ちゅうおう床下ゆかしたにあるもの、車両しゃりょう後部こうぶにあるものの3種類しゅるい分類ぶんるいできる。

エンジンの位置いちは、自動車じどうしゃによるバスが登場とうじょうしてからかなりのながあいだすべ車両しゃりょう前部ぜんぶにあった。これは乗合のりあい馬車ばしゃの、前部ぜんぶうま後部こうぶ客室きゃくしつという構造こうぞう由来ゆらいし、ボンネットバスとしてバスの主流しゅりゅうであった。ボンネットバスは、運転うんてんせきよりまえフロントにエンジンをもうけており、乗用車じょうようしゃのようにボンネットにエンジンが格納かくのうされている。ボンネットをけることでエンジンを管理かんりできるため、保守ほしゅ点検てんけん容易よういでありあつかいやすいだけでなく、エンジンの駆動くどうおん客室きゃくしつひびきにくいためしずかおんせいたかい。しかしボンネットが前面ぜんめんにあることで、その部分ぶぶん旅客りょかく積載せきさいできず、おおくの人員じんいん輸送ゆそうすることをかんがえると空間くうかんてき無駄むだしょうじていた。

バスが交通こうつう機関きかんとしての地位ちい獲得かくとくしたころ一部いちぶのバス路線ろせんでは大量たいりょう需要じゅようしょうじ、輸送ゆそうりょく限界げんかいとなっていた。それだけでなく道路どうろでも渋滞じゅうたいこるなど事情じじょう悪化あっかしていたため、いちだいのバスでよりおおくの人員じんいん輸送ゆそうすることがもとめられた。そのため前面ぜんめんおおきく場所ばしょっていたエンジンや、かく駆動くどう機関きかん位置いち見直みなおし、旅客りょかく空間くうかん拡大かくだいするこころみがおこなわれた。

キャブオーバーバスはその結果けっか開発かいはつされたバスの種類しゅるいであり、乗車じょうしゃ定員ていいん増加ぞうかさせるために、ボンネットのよこ運転うんてんせきもうけ、そのうしろの車体しゃたいすべてを客室きゃくしつしたものである。これによって空間くうかん拡大かくだいし、従来じゅうらいよりおおくの旅客りょかく輸送ゆそうできることとなった。しかしエンジンはカバーをつけておおっただけのものであったため、客室きゃくしつへの騒音そうおんやエンジンの放熱ほうねつめんでは不利ふりであった。

そこでセンタアンダフロアエンジンバスとばれる種類しゅるいのバスが開発かいはつされ、車体しゃたい中央ちゅうおう床下ゆかした水平すいへいしきのエンジンを搭載とうさいした(この配置はいちはミッドシップレイアウトとばれる)。この種類しゅるいのバスでは完全かんぜんにボンネットに相当そうとうする突起とっきくなったため、バスの寸法すんぽうだい部分ぶぶん客席きゃくせきにすることができた。しかし車体しゃたい中央ちゅうおうにエンジンがあるために、メンテナンスじょう問題もんだいやシャシーの強度きょうどかんしてややおとめんがあり、また中央ちゅうおうとびら配置はいちしにくい欠点けってんもあった。

リアエンジンバスはエンジンを最後さいごもうけたものであるが、エンジンの配置はいちめんからるともっと登場とうじょうおそく、1950年代ねんだいになってから開発かいはつされた。これはリアエンジンリアドライブ (RR) 駆動くどう採用さいようしており、フレームレス構造こうぞう普及ふきゅうわせて普及ふきゅうした。

路線ろせんバスようとしては、1960年代ねんだい以降いこう水平すいへいしきエンジンを採用さいようしたリアアンダフロアエンジンバスが登場とうじょうする。この方式ほうしきはエンジン直上ちょくじょうまで座席ざせきもうけることができるため、室内しつない空間くうかん拡大かくだいにつながり、その主流しゅりゅうとなる。しかし後述こうじゅつするていゆかのため、床下ゆかしたにエンジンをもうけることが出来できなくなり、エンジンの設置せっち方法ほうほう様々さまざま工夫くふうがされるようになる。

なお通常つうじょう自動車じどうしゃ一般いっぱんてきフロントエンジン・フロントドライブ、いわゆるFFについては、これを採用さいようすると運転うんてんせきまわりがせまくなるなどするほか、前輪ぜんりんへの加重かじゅう過大かだいとなり、走行そうこう性能せいのう悪影響あくえいきょうおよぼすおそれがある[8]

車体しゃたい

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車体しゃたい構造こうぞう

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1930年代ねんだいまではフレームじょう車体しゃたいつく方式ほうしきであったが、1950年代ねんだい以降いこう車両しゃりょう大型おおがたにより、フレームをはいして車両しゃりょうがいいた骨格こっかくリベット固定こていがいばんにも強度きょうど負担ふたんさせるモノコック構造こうぞう主流しゅりゅうとなった。この技術ぎじゅつ航空機こうくうき製造せいぞう技術ぎじゅつ応用おうようできるため、だい世界せかい大戦たいせん航空機こうくうき製造せいぞう技術ぎじゅつ向上こうじょうあいまって発展はってんしていった。日本にっぽんではだい世界せかい大戦たいせん終戦しゅうせん航空機こうくうき開発かいはつ生産せいさん禁止きんしされたことで航空機こうくうき技術ぎじゅつれたバス製造せいぞう技術ぎじゅつ発展はってんした。

その1970年代ねんだい後半こうはんからは車体しゃたい骨格こっかくそとばんたん溶接ようせつのみでわせ、骨格こっかくだけに強度きょうど負担ふたんさせるスケルトン構造こうぞう(別名べつめいバードケージ)が採用さいようされた。スケルトン構造こうぞうはモノコック構造こうぞうくらべて軽量けいりょうであり、騒音そうおん振動しんどうすくなく、またそとばん強度きょうど負担ふたんしないため車体しゃたい外側そとがわ荷物にもつれや乗務じょうむいん仮眠かみんしつなどのおおきな開口かいこうもうけることができ、リベットがないため洗練せんれんされたスタイルの車体しゃたいになるなどのすうおおくの利点りてんがあることから、2008ねん現在げんざいではこのスケルトン構造こうぞう主流しゅりゅうになっている。[9]

そのバスを2だいぶんつなげてしまうれんぶしバス製造せいぞうされた。2007ねん上海しゃんはい北京ぺきんオリンピックのために製造せいぞうされたBRTバスは3だいぶんつなげたもので全長ぜんちょう25mにもおよび、収容しゅうよう可能かのう人数にんずうは300にまでたっした[10]

特殊とくしゅ車両しゃりょう

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バスの車両しゃりょう室内しつない空間くうかんおおきいことから、ひろ空間くうかん必要ひつようとした目的もくてき車両しゃりょう改造かいぞうされるベースとなることもおおい。移動いどう献血けんけつしゃ移動いどう図書館としょかんなどがげられるが、これらはときトラックなどをベースに改造かいぞうされることもある。詳細しょうさいかく車両しゃりょう記事きじ参照さんしょうしてしい。

座席ざせき配置はいち

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用途ようとにより様々さまざまであるが、通常つうじょう中央ちゅうおう通路つうろはさみ、その両側りょうがわ一人ひとりけまたは2人ふたりけの前向まえむ座席ざせき配置はいちされる。車両しゃりょう構造こうぞうなどによっては、まどにする横向よこむ座席ざせきや、進行しんこう方向ほうこうかってうしきの座席ざせき設置せっちされている車両しゃりょうもある。また、居住きょじゅうせい改善かいぜんために、通路つうろを2れつとして、独立どくりつした3れつ前向まえむ座席ざせき配置はいちれいられる。

海外かいがいでは2 - 3段式だんしき寝台しんだい進行しんこう方向ほうこう平行へいこう設置せっちした寝台しんだいバス存在そんざいし、長距離ちょうきょり輸送ゆそうもちいられている。日本にっぽん夜行やこう高速こうそくバスでもフルリクライニングシートやスリーピングシートとばれる睡眠すいみん前提ぜんていとした設計せっけい座席ざせき採用さいようれいはあるが、座席ざせき完全かんぜん平坦へいたんになるわけではない。高知こうち駅前えきまえ観光かんこう日本にっぽん保安ほあん基準きじゅんたすものを試作しさくしている[11]

座席ざせき収容しゅうようすう大幅おおはば増加ぞうかさせるため、かいてのバスも存在そんざいする。

ゆか構造こうぞう

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2かいてバス

もともと路面ろめんからゆかたかさは900mm程度ていど標準ひょうじゅんで、ドアステップは2 - 3だんのものがおおかった。しかし、乗合のりあい用途ようとでは乗降じょうこう改善かいぜんために、さらゆかたかさをげる努力どりょくされた。ずはサスペンションのたかさをげることと、てい偏平へんぺいりつタイヤを採用さいようすることで2だんステップでのていゆかすすむ。これは最終さいしゅうてきに1だんステップ、ゆかたかさ500mm前後ぜんこうワンステップバス改良かいりょうされた。さらに、エンジンおよび動力どうりょく伝達でんたつ機構きこう工夫くふうでステップなし、ゆかたかさ300mm前後ぜんこうノンステップバス実現じつげんする。なお日本にっぽんにおいては2000ねん交通こうつうバリアフリーほう施行しこうされ、ノンステップバスの導入どうにゅうすすんでいる。また、運転うんてんだい周辺しゅうへん前方ぜんぽう視界しかいサバイバルゾーン確保かくほのため、ゆかめん嵩上かさあげがほどこされていることがおおい。

一方いっぽう貸切かしきりようあるいは長距離ちょうきょり路線ろせんよう車両しゃりょうは、乗降じょうこうせいにする必要ひつようせいうすい。このため、ぎゃくに、客席きゃくせきゆかをかさげすることにより、視界しかいをよくしたハイデッカーくるま多数たすう製造せいぞうされた。ハイデッカーよりさらにゆかをかさげしたスーパーハイデッカーも製造せいぞうされている。

また、定員ていいんやしたり、高所こうしょからの遊覧ゆうらんたのしんだりすることを目的もくてきとする2かい構造こうぞうとしたれいがある。

日本にっぽんにおいて、バスは乗合のりあいバス貸切かしきりバス特定とくていバス自家用じかようバスの4種類しゅるい大別たいべつされる。日本にっぽん以外いがいでも分類ぶんるいことなる場合ばあいもあるものの用途ようとおおむ同一どういつである。

乗合のりあいバス

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BRTれいブラジルクリチバRede Integrada de Transporte英語えいごばん

乗合のりあいバス路線ろせんバス)や高速こうそくバスは、特定とくてい多数たすう旅客りょかくから運賃うんちん収受しゅうじゅして運行うんこうする。設定せってい路線ろせん運行うんこう時刻じこくあらかじ公開こうかいした時刻じこくひょうしたがって運行うんこうされるがことがおおいが、小型こがたのバスしゃりょうはより柔軟じゅうなんデマンドバスとしてもちいられる。 定期ていきバス輸送ゆそう英語えいごばんは、おおくの利用りようしゃ効率こうりつてき移動いどうできるよう設計せっけいされ、複数ふくすうのドアをそなえていることがおおい。高速こうそくバスは、高速こうそく道路どうろ走行そうこうして都市としあいだむすぶ。バス・ラピッド・トランジットは、Wright StreetCar英語えいごばんIrisbusのCivisのように、れんぶしバスや路面ろめん電車でんしゃがたのバス車両しゃりょうもちいることがおおい。

貸切かしきりバス

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貸切かしきりバス観光かんこうバス)のれい網走あばしり観光かんこう交通こうつう網走あばしりバス

貸切かしきりバスは、特定とくてい組織そしき団体だんたいのみでもちいるためにられるバス。顧客こきゃくとの契約けいやくおうじて運行うんこう日程にっていやコースを設定せっていし、料金りょうきん収受しゅうじゅして運行うんこうする。

特定とくていバス

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従業じゅうぎょういん送迎そうげいバスのれい神奈川中央交通かながわちゅうおうこうつうによるタイトー従業じゅうぎょういん送迎そうげいバス)
 
スクールバスれい

特定とくていバスは、おも特定とくてい組織そしき従業じゅうぎょういん学生がくせいとう送迎そうげいになうバス。スクールバスシャトルバス福祉ふくし輸送ゆそうバスとうがこれに該当がいとうする。ただし貸切かしきりバスによって送迎そうげいバス運行うんこうおこなうことも可能かのうである。

自家用じかようバス

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空港くうこう使用しようされている専用せんようバスのれい
 
常駐じょうちゅう警備けいびしゃ
 
献血けんけつバスのれい日本赤十字社にほんせきじゅうじしゃ

自家用じかようバス使用しようれいとしては、空港くうこううちでの乗客じょうきゃく従業じゅうぎょういん輸送ゆそうにランプバスなどの専用せんようバスが使用しようされる。警察けいさつ軍隊ぐんたい乗員じょういん護送ごそう必要ひつよう場合ばあい装甲そうこうバスもちいる。献血けんけつしゃとしてバスがた車両しゃりょうもちいられる場合ばあいもある。

宿泊しゅくはく施設しせつ娯楽ごらく施設しせつ教育きょういく機関きかん空港くうこう工場こうじょうのような各種かくしゅ施設しせつでは、従業じゅうぎょういん利用りようしゃ送迎そうげいのため、自家用じかようバス車両しゃりょう保有ほゆうすることもおおい。

事例じれいとしてはすくないが、バスファンレジャー目的もくてきなどにより、個人こじんでバスを購入こうにゅう保有ほゆうしているケースも存在そんざいする[12]

広報こうほう宣伝せんでん

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ラッピングバス(神津島こうづしま村営そんえいバス)

バスは、広告こうこく宣伝せんでん政治せいじ運動うんどうPolitical campaign)、公共こうきょう情報じょうほうキャンペーン、パブリック・リレーションズ目的もくてきとしてももちいられる。バニラバスのように広報こうほう宣伝せんでん専用せんようとして使つかわれるものと、目的もくてき使つかうバスをラッピング車両しゃりょうとして使つか場合ばあいがある。

バスの種類しゅるい

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れんぶしバス

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れんぶしバスれんぶしバスではないバスをす。そのなかでも1かいてバスもっと一般いっぱんてきなバスである。

トロリーバス

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トロリーバスとは道路どうろ上空じょうくうられた架線かせんからった電気でんき動力どうりょくとしてはしるバス。モータリゼーションによってすたれていったが、路面ろめん電車でんしゃ地下鉄ちかてつよりも建設けんせつやすく、有害ゆうがい排気はいきガスを排出はいしゅつしないので研究けんきゅうつづけられている。

電気でんきバス

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蓄電池ちくでんち搭載とうさいしたバスでだい世界せかい大戦たいせん燃料ねんりょう不足ふそくした時期じきやオイルショック一時期いちじき使用しようされたが、性能せいのうひくいのでそのすたれた。しかし、近年きんねんリチウムイオン電池でんち性能せいのう向上こうじょうにより、有害ゆうがい排気はいきガスを排出はいしゅつしないなどの利点りてんによりふたた導入どうにゅうえつつある。

ハイブリッドバス

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ハイブリッドバスはハイブリッドカー一種いっしゅ燃費ねんぴ向上こうじょう排気はいきガスの有害ゆうがい物質ぶっしつ排出はいしゅつ削減さくげん目的もくてきとして1990年代ねんだい蓄圧ちくあつしきハイブリッドと電気でんきしきハイブリッドがそれぞれ開発かいはつされたが、蓄圧ちくあつしき整備せいび煩雑はんざつていゆかてきさないことから普及ふきゅうせず、現在げんざいでは電気でんきしきのみが普及ふきゅうする。電気でんきしきハイブリッドにはシリーズしきのパラレルしきの2系統けいとうがあり、シリーズしきでは発電はつでん駆動くどうようにエンジンを使用しようするが、パラレルしきではエンジンで車輪しゃりん駆動くどうして加速かそく補助ほじょてき電動でんどう使用しようする。

木炭もくたんバス

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1920年代ねんだいから1940年代ねんだいにかけて石油せきゆ逼迫ひっぱくした時期じき使用しようされた。

燃料ねんりょう電池でんちバス

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電気でんきしきハイブリッドバスまたは電気でんきバスの一種いっしゅ発電はつでんのために燃料ねんりょう電池でんちそなえる。

ジャイロバス

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ジャイロバスフライホイール使用しようしてエネルギーをたくわえる電気でんきバス

蒸気じょうきバス

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蒸気じょうきバス蒸気じょうき自動車じどうしゃ一種いっしゅ蒸気じょうき機関きかん動力どうりょくとして使用しようする。黎明れいめい使用しようされたが、徐々じょじょ出力しゅつりょく重量じゅうりょうすぐれる内燃ないねん機関きかん性能せいのう信頼しんらいせい向上こうじょうしたことで20世紀せいき初頭しょとうすたれた。

れんぶしバス

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れんぶしバス輸送ゆそうりょうおおきいが運行うんこう路線ろせんかぎられる。

その特殊とくしゅなバス

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世界せかいのバス

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脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ ロジャー・ブリッジマン『1000の発明はつめい発見はっけん図鑑ずかん丸善まるぜん株式会社かぶしきがいしゃ 2003ねん11月1にち p. 128.
  2. ^ 2030ねん自動じどう運転うんてん(2022ねん最新さいしんばん移動いどうサービスはじめ自家用じかようレベル4も”. 2022ねん10がつ3にち閲覧えつらん
  3. ^ 日本にっぽんモビリティ株式会社かぶしきがいしゃ(2021年度ねんど事例じれい”. 2022ねん10がつ3にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c 浅井あさいけんなんじ 2001, p. 246.
  5. ^ 広田ひろた 2008, pp. 168–172.
  6. ^ 水素すいそ燃料ねんりょうエンジンバスの公道こうどう走行そうこう実現じつげん
  7. ^ 東京とうきょう都市とし大学だいがく水素すいそ燃料ねんりょうエンジンバスの開発かいはつ成功せいこう
  8. ^ 広田ひろた 2008, pp. 45–47.
  9. ^ 広田ひろた 2008, p. 89 (おおよそこの段落だんらく全体ぜんたい出典しゅってん)
  10. ^ “China's longest bus unveiled in Shanghai”. Jongo.com. (15 March 2007). オリジナルの2011ねん9がつ30にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110930181821/http://news.jongo.com/articles/07/0315/9180/OTE4MAmXAYhbF0.html 
  11. ^ ついに登場とうじょう高速こうそくバスでよこたわれる完全かんぜんフラットシート「ソメイユ・プロフォン」! 高知こうち駅前えきまえ観光かんこう新型しんがたバス車両しゃりょうがお披露目ひろめ! | StartHome
  12. ^ SNSで話題わだい路線ろせんバスをセカンドカーに!? バスの個人こじん所有しょゆう簡単かんたん出来できるのか”. くるまのニュース (2020ねん7がつ1にち). 2022ねん1がつ12にち閲覧えつらん
  13. ^ Caetano Bus. “Double End Steering”. 2017ねん5がつ27にち閲覧えつらん
  14. ^ Midlands Business News (2012ねん10がつ10日とおか). “British engineering firm helps to solve french tourist problem”. 2017ねん5がつ27にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 浅井あさいけんなんじみちみちがわかる辞典じてん』(初版しょはん日本にっぽん実業じつぎょう出版しゅっぱんしゃ、2001ねん11がつ10日とおかISBN 4-534-03315-X 
  • 広田ひろたみんろう『バスのすべて』グランプリ出版しゅっぱん、2008ねんISBN 978-4-87687-301-2 

関連かんれん項目こうもく

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