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一般相対性理論 - Wikipedia

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん

アルベルト・アインシュタインが1915ねん - 1916ねん発表はっぴょうした物理ぶつりがく理論りろん
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一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん(いっぱんそうたいせいりろん、どく: allgemeine Relativitätstheorie, えい: general theory of relativity)は、アルベルト・アインシュタイン1905ねん特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんつづいて、それを発展はってんさせ1915ねんから1916ねんにかけて発表はっぴょうした物理ぶつりがく理論りろんである。一般いっぱん相対そうたいろん(いっぱんそうたいろん)

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん
アインシュタイン方程式ほうていしき
入門にゅうもん
数学すうがくてき定式ていしき
関連かんれん書籍しょせき
質量しつりょう地球ちきゅう)が2次元じげんえがいた格子こうし模様もよう平面へいめんとしまれた状態じょうたいえがいた説明せつめい格子こうし模様もようをゆがめている様子ようす視認しにんできる。また、いがんでいる格子こうし模様もよう自体じたい重力じゅうりょく解釈かいしゃくできる。この説明せつめい一般人いっぱんじんにも理解りかいできるようたとえるなら、おもものがトランポリンにしず状態じょうたいおなじである。

概要がいよう

重力じゅうりょくじょう概念がいねん中心ちゅうしんちかづくほど重力じゅうりょくおおきい。

一般いっぱん相対性原理そうたいせいげんり一般いっぱんども変性へんせい原理げんりおよび等価とうか原理げんり理論りろんてきはしらとし、リーマン幾何きかがく数学すうがくてき土台どだいとして構築こうちくされた古典こてんろんてき重力じゅうりょくじょう理論りろんであり、ロシアの物理ぶつり学者がくしゃレフ・ランダウ一般いっぱん相対そうたいろんについて、現存げんそんする物理ぶつりがく理論りろんなかもっとうつくしい理論りろんだとべている[1]測地そくちせん方程式ほうていしきアインシュタイン方程式ほうていしき重力じゅうりょくじょう方程式ほうていしき)が帰結きけつである。時間じかん空間くうかんむすびつけるこの理論りろんでは、アイザック・ニュートンによって万有引力ばんゆういんりょくとして説明せつめいされた現象げんしょうが、もはやニュートン力学りきがくてき意味いみでのちからではなく、時空じくう連続れんぞくたいゆがとして説明せつめいされる。

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんでは、つぎのことが予測よそくされる。

重力じゅうりょくレンズ効果こうか
重力じゅうりょくじょうちゅうではひかりがってすすむこと。アーサー・エディントンは、1919ねん5がつ29にち日食にっしょくで、太陽たいよう近傍きんぼうとおほしひかりがりかたがニュートン力学りきがく予想よそうされるものの2ばいであることを観測かんそくたしかめ、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんただしいことをしめした。
水星すいせい近日きんじつてん移動いどう
ニュートン力学りきがくだけでは、水星すいせい軌道きどうのずれ(近日きんじつてん移動いどうおおきさ)の観測かんそく説明せつめい不完全ふかんぜんだったが、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん解決かいけつあたえ、太陽たいよう質量しつりょうによる時空じくう連続れんぞくたいゆがみに原因げんいんがあることをしめした。
重力じゅうりょく
時空じくうゆがみ(重力じゅうりょくじょう)の変動へんどう伝播でんぱする現象げんしょう線型せんけい近似きんじ有効ゆうこうよわ重力じゅうりょく伝播でんぱ速度そくど光速こうそくである。アインシュタインによる予測よそく発表はっぴょうから100ねん2016ねんに、アメリカのLIGOにより直接ちょくせつ観測かんそくされた。
膨張ぼうちょう宇宙うちゅう
時空じくう膨張ぼうちょうまたは収縮しゅうしゅくし、定常ていじょうにとどまることがないこと。ビッグバン宇宙うちゅうみちびく。
ブラックホール
かぎられた空間くうかんおおきな質量しつりょう集中しゅうちゅうすると、ひかりさえ脱出だっしゅつできないブラックホールが形成けいせいされる。
重力じゅうりょくによるあか方偏かたへんうつり
つよ重力じゅうりょくじょうから放出ほうしゅつされるひかり波長はちょうもと波長はちょうよりばされる現象げんしょう
時間じかんおく
つよ重力じゅうりょくじょうちゅうはか時間じかんすすみ(固有こゆう時間じかん)が、よわ重力じゅうりょくじょうちゅうはか時間じかんすすみよりおそいこと。

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん慣性かんせいりょく重力じゅうりょくむすける等価とうか原理げんりのアイデアにもとづいている。等価とうか原理げんりとは、簡単かんたんえば、外部がいぶ観測かんそくできないはこなか観測かんそくしゃは、みずからにかかるちからが、はこ一様いちよう加速かそくされるためにしょうじている慣性かんせいりょくなのか、はこ外部がいぶにある質量しつりょうによりしょうじている重力じゅうりょくなのか、を区別くべつすることができないという主張しゅちょうである。

相対そうたいろんによれば空間くうかん時空じくう連続れんぞくたいであり、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんでは、その時空じくう連続れんぞくたい均質きんしつでなくいがんだものになる。つまり、質量しつりょう時空じくうあいだいがませることによって、重力じゅうりょくしょうじるとかんがえる。そうだとすれば、質量しつりょう周囲しゅういとき空間くうかんいがんでいるために、ひかり直進ちょくしんせず、また時間じかんながれも影響えいきょうける。これが重力じゅうりょくレンズや時間じかんおくれといった現象げんしょうとなって観測かんそくされることになる。また質量しつりょう移動いどうする場合ばあい、その移動いどうにそって時空じくうあいだゆがみが移動いどう伝播でんぱしていくために重力じゅうりょくしょうじることも予測よそくされる。

アインシュタイン方程式ほうていしきからられる時空じくうは、ブラックホールの存在そんざい膨張ぼうちょう宇宙うちゅうモデルなど、アインシュタイン自身じしんさえそれらの解釈かいしゃくこばむほどのおどろくべき描像である。しかし、ブラックホールや初期しょき宇宙うちゅう特異とくいてん存在そんざい理論りろんとして内包ないほうしており、特異とくいてん発生はっせい一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんそのものを破綻はたんさせてしまう。将来しょうらいてきには量子りょうし重力じゅうりょく理論りろん完成かんせいすることにより、この困難こんなん解決かいけつされるものと期待きたいされている。

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん成立せいりつするまでの研究けんきゅう

編集へんしゅう

1905ねん特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん発表はっぴょうしたアインシュタインは、特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん加速度かそくど運動うんどうふくめたものに拡張かくちょうする理論りろん構築こうちくかった。1907ねんに、アインシュタイン自身じしんが「人生じんせいもっと幸福こうふくかんがえ (the happiest thought of my life)」とかえる「重力じゅうりょくによってしょうじる加速度かそくど観測かんそくする座標ざひょうけいによって局所きょくしょてきにキャンセルすることができる」というアイディア(等価とうか原理げんり[2])をる。 ひかりすすかた重力じゅうりょくかんする論文ろんぶんを1911ねん出版しゅっぱんしたのち、1912ねんからは、重力じゅうりょくじょう時空じくう幾何きかがくとしてあつか方法ほうほう模索もさくした。このときにアインシュタインにリーマン幾何きかがく存在そんざいおしえたのが、数学すうがくしゃマルセル・グロスマンであった。ただし、このときグロスマンは、「物理ぶつり学者がくしゃ深入ふかいりする問題もんだいではない」と助言じょげんしたともつたえられている。1915ねん-16ねんには、これらのかんがえが1くみ微分びぶん方程式ほうていしきアインシュタイン方程式ほうていしき)としてまとめられた。

この時期じきにアインシュタインが発表はっぴょうした一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんかんする論文ろんぶんは、以下いかとおり。

  • 1911ねん 論文ろんぶんひかり伝播でんぱたいする重力じゅうりょく影響えいきょう[ちゅう 1]』(Annalen der Physik, 35, 898-908)
  • 1914ねん 論文ろんぶん一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんおよび重力じゅうりょくろん草案そうあん[ちゅう 2]』(ZS. f. Math. u. Phys., 62, 225-261)
  • 1915ねん 論文ろんぶん水星すいせい近日きんじつてん移動いどうたいする一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんによる説明せつめい[ちゅう 3]』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 831-839)
  • 1916ねん 論文ろんぶん一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん基礎きそ[ちゅう 4]』(Annalen der Physik (Germany), 49, 769-822)
  • 1916ねん 論文ろんぶん『ハミルトンの原理げんり一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん[ちゅう 5]』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 1111-1116)

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん発表はっぴょう

編集へんしゅう

アインシュタイン方程式ほうていしき発表はっぴょうは、その方程式ほうていしきくことが研究けんきゅう課題かだいとなった。

1916ねんカール・シュヴァルツシルトが、アインシュタイン方程式ほうていしきたま対称たいしょう真空しんくう条件じょうけんのもとにき、今日きょうブラックホールばれる時空じくうあらわシュヴァルツシルトかい発見はっけんした。アインシュタイン自身じしんは、みずかみちびいた方程式ほうていしきから、重力じゅうりょく概念がいねん提案ていあんしたり、宇宙うちゅう全体ぜんたい適用てきようすると動的どうてき宇宙うちゅうられてしまうことから、宇宙うちゅうこうあらたに方程式ほうていしきくわえるなどの提案ていあんおこなっている。

  • 1917ねん 論文ろんぶん一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんについての宇宙うちゅうろんてき考察こうさつ』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 142-152)
  • 1918ねん 論文ろんぶん重力じゅうりょくについて』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 154-167)
 
1919ねん5がつ29にち皆既かいき日食にっしょく写真しゃしん。アーサー・エディントンが撮影さつえいした。

1919ねん5がつ29にちアーサー・エディントン皆既かいき日食にっしょく利用りようして、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんにより予測よそくされた太陽たいよう近傍きんぼうでのひかりがりを確認かくにんしたことにより、理論りろんただしさがみとめられ、世間せけんへの認知にんち一気いっきひろまった。

1922ねんには、宇宙うちゅう膨張ぼうちょう示唆しさするフリードマン・ロバートソンモデルが提案ていあんされるが、アインシュタイン自身じしんは、宇宙うちゅう定常ていじょうであるとしんじていたので、現実げんじつてき宇宙うちゅう姿すがたであるとはれようとはしなかった。

しかし、1929ねんには、エドウィン・ハッブルが、遠方えんぽう銀河ぎんがあか方偏かたへんうつりより、宇宙うちゅう膨張ぼうちょうしていることをしめし、これにより、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん予測よそくする時空じくうの描像がただしいことが判明はんめいした。のちにアインシュタインは宇宙うちゅうこう導入どうにゅうげ、「生涯しょうがい最大さいだい失敗しっぱいだった (the biggest blunder in my career)」とジョージ・ガモフかたったという。

1931ねんスブラマニアン・チャンドラセカールは、白色はくしょく矮星質量しつりょう上限じょうげんがあることを理論りろんてき計算けいさんによってしめした。今日きょうチャンドラセカール限界げんかいとしてられるしきは、万有引力ばんゆういんりょく定数ていすう Gプランク定数ていすう h光速こうそく c の3つの基本きほん定数ていすうふくみ、古典こてん物理ぶつり量子りょうし物理ぶつり双方そうほう成果せいか集大成しゅうたいせいしたものでもある。チャンドラセカールは、「ほし構造こうぞう進化しんかにとって重要じゅうよう物理ぶつりてき過程かてい理論りろんてき研究けんきゅう」の功績こうせきノーベル物理ぶつりがくしょう(1983ねん)を受賞じゅしょうした。

1939ねんロバート・オッペンハイマーとゲオルグ・ヴォルコフ (George Volkoffは、中性子星ちゅうせいしせい形成けいせいのメカニズムを考察こうさつする過程かていで、重力じゅうりょく崩壊ほうかい現象げんしょうきることを予測よそくした。

そのしばらく、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんは、「数学すうがくてき産物さんぶつ」として実質じっしつてき物理ぶつり研究けんきゅう主流しゅりゅうからははずれている。

重力じゅうりょくたして物理ぶつりてき実体じったいであるのかどうかという論争ろんそうや、アインシュタイン方程式ほうていしき厳密げんみつかい分類ぶんるい方法ほうほうなどの研究けんきゅうがしばらくつづくが、1960年代ねんだいパルサー発見はっけんやブラックホール候補こうほ天体てんたい発見はっけん、そしてロイ・カーによる回転かいてんブラックホールかいカーかい)の発見はっけん契機けいきに、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん天文学てんもんがくおもて舞台ぶたい登場とうじょうする。どう時期じきに、スティーヴン・ホーキングロジャー・ペンローズ特異とくいてん定理ていり発表はっぴょうし、数学すうがくてき物理ぶつりてき進展しんてんはじめるとともに、ジョン・ホイーラーらが、古典こてん重力じゅうりょく量子りょうし重力じゅうりょく双方そうほう物理ぶつりてきな描像を次々つぎつぎ提出ていしゅつはじめた。ワームホール(1957ねん)やブラックホール(1967ねん)という名前なまえ命名めいめいしたのは、ホイーラーである。

1974ねんジョゼフ・テイラーラッセル・ハルスは、れんぼしパルサー PSR B1913+16発見はっけんした。れんぼし自転じてん周期しゅうきとパルスの放射ほうしゃ周期しゅうき精密せいみつ観測かんそくすることによって、重力じゅうりょく により、れんほしけいからエネルギーが徐々じょじょはこられていることをしめし、重力じゅうりょく存在そんざい間接かんせつてき証明しょうめいした。この業績ぎょうせきにより、2人ふたりは「重力じゅうりょく研究けんきゅうあたらしい可能かのうせいひらいた新型しんがたれんぼしパルサーの発見はっけん」としてノーベル物理ぶつりがくしょう(1993ねん)を受賞じゅしょうした。

重力じゅうりょく直接ちょくせつ観測かんそくこころみられつづけ、2016ねん重力じゅうりょく検出けんしゅつレーザー干渉かんしょうけい)により、れんぼしブラックホールの合体がったいイベントによる重力じゅうりょくはじめて直接ちょくせつ検出けんしゅつしたことが発表はっぴょうされた。

また、宇宙うちゅうろん研究けんきゅうでは、ビッグバン宇宙うちゅうモデル(1947ねん)が有力ゆうりょくとされているが、さらにその初期しょき宇宙うちゅう膨張ぼうちょうそく修正しゅうせいしたインフレーション宇宙うちゅうモデル(1981ねん)もただしいことが、2006ねんWMAP衛星えいせいによる宇宙うちゅう背景はいけい輻射ふくしゃ観測かんそくにより決定的けっていてきになったとかんがえるひとおおい。最近さいきんは、高次こうじもと宇宙うちゅうモデルが脚光きゃっこうびているが、これらの宇宙うちゅうモデルは、いずれも一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん基礎きそにして議論ぎろんされる。

アインシュタイン以後いご一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん以外いがい重力じゅうりょく理論りろんも、数多かずおお提案ていあんされているが、現在げんざいまでにほとんどが過去かこ観測かんそく結果けっか照合しょうごうしたうえ棄却ききゃくされている。実質じっしつてき対抗たいこうとなるのは、カール・ブランスロバート・H・ディッケによるブランス・ディッケ重力じゅうりょく理論りろんであるが、現在げんざい観測かんそくでは、ブランス・ディッケ理論りろんのパラメーターは、ほとんど一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんちかづけなくてはならず、両者りょうしゃ区別くべつすることがむずかしいほどである。量子りょうしろん一般いっぱん相対そうたいろん統一とういつという物理ぶつりがくこころみはいま進行しんこうちゅうであるものの、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん積極せっきょくてき否定ひていする観測かんそく事実じじつ実験じっけん事実じじつひとつもない。提案ていあんされたどの重力じゅうりょく理論りろんよりも一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん単純たんじゅんかたちをしていることから、重力じゅうりょく一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん記述きじゅつされる、とかんがえるのが現代げんだい物理ぶつりがくである。

物理ぶつりがくとしての位置いちづけ

編集へんしゅう

万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそくとの関係かんけい

編集へんしゅう

アインシュタイン方程式ほうていしき微分びぶん方程式ほうていしきとしてあたえられているため局所きょくしょてき理論りろんではあるが、ちょうど電磁気でんじきがくにおける局所きょくしょてきマクスウェル方程式ほうていしきから大域たいいきてきクーロンの法則ほうそくみちびくことができるように、アインシュタイン方程式ほうていしき静的せいてきなニュートンの万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそく包含ほうがんしている。万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそくとのおもちがいはつぎの3てんである。

  1. 重力じゅうりょく瞬時しゅんじつたわるのではなくひかりおなはやさ(光速こうそく)でつたわる。
  2. 重力じゅうりょくから重力じゅうりょく発生はっせいする(非線形ひせんけい相互そうご作用さよう)。
  3. 質量しつりょう物体ぶったい加速かそく運動うんどうにより、重力じゅうりょく放射ほうしゃされる。

ここで、3.は荷電かでん粒子りゅうし加速かそく運動うんどうすることにより電磁波でんじは放射ほうしゃされることと類似るいじしている。これは、万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそくクーロンの法則ほうそくに、運動うんどうする対象たいしょう自己じこ重力じゅうりょく電荷でんか効果こうかれていることに対応たいおうしている。

特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんとの関係かんけい

編集へんしゅう

後述こうじゅつするように、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんにおける時空じくうあいだ数学すうがくてきにはかくてんせっベクトル空間くうかんミンコフスキー計量けいりょうをいれた4次元じげん多様たようたいローレンツ多様たようたい)で、アインシュタイン方程式ほうていしきたすものである。

よってかくてんせっベクトル空間くうかんは、特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんしたがうミンコフスキー空間くうかんであり、せっベクトル空間くうかんとは、数学すうがくてきにはテイラー展開てんかいいちこう対応たいおうしている。

これはすなわち、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんがわからみた場合ばあい特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんとは時空じくうあいだじょう任意にんい固定こていされたいちてん近傍きんぼうにおいて、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんいち近似きんじしたものであること意味いみしている。なお、(宇宙うちゅうこうのない)アインシュタイン方程式ほうていしき登場とうじょうする各項かくこうきょくりつエネルギー・運動うんどうりょうテンソル)は、微分びぶんかかわるこうであり、いち近似きんじである特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんには登場とうじょうしない。

ぎゃく特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんがわから一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんをみると、特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん数学すうがくてき定式ていしきであるミンコフスキー空間くうかんは、すべてのてん同一どういつのミンコフスキー計量けいりょうをいれた平坦へいたんなローレンツ多様たようたいである。

このローレンツ多様たようたいじょうではきょくりつぜんてんでゼロであるので、この事実じじつを(宇宙うちゅうこうのない)アインシュタイン方程式ほうていしき代入だいにゅうすると、この空間くうかんではエネルギー・運動うんどうりょうテンソルがゼロであること意味いみする。

また、平坦へいたんなローレンツ多様たようたいじょうではきょうへん微分びぶん通常つうじょう微分びぶん一致いっちするので、すべての線形せんけい座標ざひょうクリストッフェル記号きごうえている。クリストッフェル記号きごう物理ぶつり学的がくてきには重力じゅうりょく対応たいおうしているので、これはすなわちすべての線形せんけい座標ざひょう重力じゅうりょくがゼロであること意味いみする。

以上いじょうより特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんとは、エネルギー・運動うんどうりょうテンソルの影響えいきょう無視むしできる程度ていどに、すなわち宇宙うちゅう全体ぜんたいくらべれば微小びしょう領域りょういきにおける理論りろんであり、空間くうかんきょくりつ領域りょういき微小びしょうさゆえに無視むしできる場合ばあい理論りろんであるとえる。

量子力学りょうしりきがくとの関係かんけい

編集へんしゅう

量子りょうしろん一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん同様どうよう物理ぶつりがく基本きほんてき理論りろんの1つであるとかんがえられている。しかし、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん量子りょうしろん整合せいごうさせた理論りろん量子りょうし重力じゅうりょく理論りろん)はいまだに完成かんせいしていない。現在げんざい人類じんるいっているあらゆる物理ぶつり法則ほうそくすべ量子りょうしろんおよび一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんのどちらかからみちびくことができる。そのため、その2つをみちびくことのできる量子りょうし重力じゅうりょく理論りろんはこのすべてを説明せつめいできる万物ばんぶつ理論りろんともばれている。

基本きほんてき相対性理論そうたいせいりろんあつかわれる重力じゅうりょくは、4つの基本きほん相互そうご作用さようのうちの3つのちからくらべて圧倒的あっとうてきちいさく、天体てんたい物理ぶつりがく天文学てんもんがくあつか天文てんもん現象げんしょうのような巨視的きょしてきなレベル以下いかおおきさでは無視むしできる。ぎゃくに、量子りょうしろん効果こうか量子りょうし化学かがく量子力学りょうしりきがく素粒子そりゅうし物理ぶつりがくあつか分子ぶんし原子げんしクォークなどのような微視的びしてきなレベル以上いじょうおおきさでは無視むしできる。よって相対性理論そうたいせいりろん適用てきようする場面ばめん量子りょうしろん適用てきようする場面ばめんかさならないためほとんどの場合ばあいこの両者りょうしゃ考慮こうりょする必要ひつようはない。しかし、ブラックホールビッグバンなどのだい質量しつりょうかつ微視的びしてきなスケールの現象げんしょう説明せつめいするためにはこの両者りょうしゃ併用へいようする必要ひつようがあるが、相対そうたいろん量子りょうしろん従来じゅうらいもちいられてきた摂動せつどうほうもちいて統合とうごうしようとすると、両者りょうしゃあいだ深刻しんこく対立たいりつしょうじてしまい、並立へいりつさせることが出来できない。従来じゅうらい量子りょうしろんでは摂動せつどう展開てんかいしょうじるむらさきがい発散はっさん英語えいごばんによって解消かいしょうしているが、重力じゅうりょくにはこの手法しゅほう適用てきようできないのである。

この2つの理論りろん対立たいりつ折衷せっちゅうする様々さまざま意見いけんやその立証りっしょうこころみられているが、いま決定的けっていてき理論りろんてきていない。

がった時空じくうじょう理論りろん (Quantum field theory in curved spacetime)

編集へんしゅう

一般いっぱん量子りょうしろんにおいては平坦へいたんなミンコフスキー時空じくうにおける粒子りゅうしあつかうが、重力じゅうりょく効果こうか近似きんじてきはん古典こてんてき)に背景はいけい時空じくうがった時空じくう)として導入どうにゅうすることにより、量子りょうしろんがった時空じくう効果こうか近似きんじてきれた理論りろんである。

重力じゅうりょく影響えいきょう背景はいけい時空じくうとして近似きんじしているため、つよ重力じゅうりょくじょうのもとでは時空じくう完全かんぜん量子りょうししたような量子りょうし重力じゅうりょく理論りろん修正しゅうせいされるべきである。欠点けってんとしては、時空じくう静的せいてきなものであるため完全かんぜんには相対そうたいろんてきではない。

ホーキング放射ほうしゃはこの理論りろんのもとで予測よそくされた。

ちょうつる理論りろん

編集へんしゅう

ちょうつる理論りろんは、従来じゅうらい量子りょうしろんではおおきさをたないてん仮定かていされている粒子りゅうしを、ながさをつ「ひも」と仮定かていしなおすことによりむらさきがい発散はっさん問題もんだい解消かいしょうしている。理論りろんてき探求たんきゅうすすんでいるものの、実験じっけんてき裏付うらづけが非常ひじょうとぼしくいま仮説かせついきだっしていない。

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん内容ないよう

編集へんしゅう

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんは、つぎ仮定かてい出発しゅっぱつてんにする。あくまでも仮定かていであり、これが基準きじゅんてんとするものではない。

一般いっぱん相対性原理そうたいせいげんり
物理ぶつりがく法則ほうそくは、任意にんい仕方しかた運動うんどうしている座標ざひょうけいかんしていつも成立せいりつする[3]
一般いっぱんども変性へんせい仮定かてい
自然しぜん一般いっぱん法則ほうそく[ちゅう 6]は、すべての座標ざひょうけいたいしてつ、すなわち任意にんい座標ざひょうけいたいして(一般いっぱんきょうへん方程式ほうていしきあらわされなくてはならない[4]
局所きょくしょ座標ざひょうけいにおける特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん成立せいりつ仮定かてい
無限むげんちいさな4次元じげん領域りょういき(4次元じげんなずらえリーマン多様たようたいのあるてんにおける局所きょくしょ座標ざひょうけいまたはせっ空間くうかん)にたいしては、座標ざひょう適当てきとうえらべば、特殊とくしゅ意味いみでの相対性理論そうたいせいりろん原則げんそくとして[ちゅう 7]時空じくうのあるてんにおける基本きほん計量けいりょうテンソル gi j は、その座標ざひょうけいかんする重力じゅうりょくじょう記述きじゅつする[6]基本きほん計量けいりょうテンソルの行列ぎょうれつしき gつね有限ゆうげんまけ[7]
測地そくちせん仮定かてい
自由じゆう質点しつてん運動うんどう測地そくちせんである

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん成立せいりつ歴史れきしじょう等価とうか原理げんり (equivalence principleはスタートポイントとしてかんがえられたが、数学すうがくてき重要じゅうようであるのは、一般いっぱん相対性原理そうたいせいげんり一般いっぱんども変性へんせい仮定かてい局所きょくしょ座標ざひょうけいにおける特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん成立せいりつ仮定かてい)である。

時空じくうモデルとしてのリーマン多様たようたいもとめられる条件じょうけん

編集へんしゅう

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんにおいては、重力じゅうりょくのある空間くうかんひかり通過つうかするときひかりがる(ひかりのとる経路けいろびる)ことから、時空じくうは、重力じゅうりょくじょう基本きほん計量けいりょうテンソルとする4次元じげんリーマン多様たようたいとしてあつかわれる[ちゅう 8]微分びぶん多様たようたい M がリーマン多様たようたいであるとは、M うえかくてん基本きほん計量けいりょうテンソル gij(x)あたえられているものをう。なお、局所きょくしょ座標ざひょうけい (x0, x1, x2, x3)よっつの座標ざひょううちx0適当てきとう測定そくてい単位たんいはかられた時間じかん座標ざひょうx1, x2, x3空間くうかん座標ざひょうとする。すなわち、x0 = ct, x1 = x, x2 = y, x3 = z であるとする。さらに、リーマン多様たようたいじょう定義ていぎされるテンソル概念がいねんたいして、上下じょうげあらわれるおな添字そえじについてはつねるというアインシュタインのちぢみやく記法きほうもちいる。

一般いっぱんども変性へんせい仮定かてい

リーマン多様たようたい導入どうにゅうすることで、一般いっぱんども変性へんせい仮定かていは、

ある自然しぜん一般いっぱん法則ほうそくがある座標ざひょうけいひとつのテンソルの成分せいぶんがすべてゼロになるかたちあらわすことができるとき、すなわち、

(テンソルの成分せいぶん) = 0

とできるとき、その法則ほうそく一般いっぱんども変性へんせい

というように、リーマン多様たようたいじょう定義ていぎされるテンソル概念がいねん性質せいしつとして定式ていしきできるようになる。

局所きょくしょ座標ざひょうけいにおける特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん成立せいりつ仮定かてい

リーマン幾何きかがくによれば、リーマン多様たようたいじょう無限むげんちかい2てんあいだ距離きょり ds は

 

平方へいほうあたえられる。この ds を4次元じげん空間くうかん無限むげんちかてんぞくするせんもと (line elementおおきさと[8]が、これは、特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんつような座標ざひょうけいにおいては、ミンコフスキー指摘してきした4次元じげん空間くうかんにおける変量へんりょう

 

一致いっちするものでなくてはならない。すなわち、適当てきとう座標ざひょう変換へんかんにより、計量けいりょうテンソル gij は、

 [ちゅう 9]

行列ぎょうれつ形式けいしきけば、

 

となることが要請ようせいされる。これはより一般いっぱんてき表現ひょうげんとして、有限ゆうげんつねまけをもつ基本きほん計量けいりょうテンソルの行列ぎょうれつしき g = det(gij)たいするつぎ条件じょうけん

 

というかたち条件じょうけんとしてもとめられる。

測地そくちせん方程式ほうていしき

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なずらえリーマン空間くうかんにおける測地そくちせん (geodesicは、通常つうじょう計量けいりょう空間くうかんにおける定義ていぎ同様どうように、2てんあいだながさを最小さいしょうにする曲線きょくせんとして定義ていぎされる。曲線きょくせんながさは、

 

あたえられる。ここでの積分せきぶんは、曲線きょくせん γがんま(t)沿うものとする。ルートない符号ふごうの+は空間くうかんてき曲線きょくせんたいして、まけ符号ふごう時間じかんてき曲線きょくせんたいして適用てきようし、いずれの場合ばあいながさが実数じっすうになるようにする。

このながさのきょくをもたらす条件じょうけん導出どうしゅつすると、測地そくちせん方程式ほうていしきられる。局所きょくしょ座標ざひょう表現ひょうげんすると、方程式ほうていしきは、

 

となる。ここで、xμみゅー(t) は、曲線きょくせん γがんま(t)座標ざひょうであり、Γがんまμみゅー
νにゅーρろー
 
さき登場とうじょうしたクリストッフェル記号きごうである。座標ざひょう常微分じょうびぶん方程式ほうていしきとしてられるこのしきは、初期しょきはつ速度そくどあたえればかい一意いちい決定けっていする。このしきは、がった時空じくうにおけるひかり粒子りゅうし運動うんどう方程式ほうていしきである。

リーマンテンソル、アインシュタイン・テンソル

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時空じくうきょくりつは、レヴィ・チヴィタ接続せつぞく ∇ が定義ていぎするリーマンきょくりつテンソル (Riemann tensorR ρろー
σしぐまμみゅーνにゅー
 
表現ひょうげんされる。局所きょくしょ座標ざひょう表現ひょうげんでは、つぎのようにける。

 

物理ぶつりてきには、このリーマンきょくりつテンソルから、2成分せいぶんちぢみやくしたリッチテンソル (Ricci tensorRμみゅーνにゅー と、さらに添字そえじちぢみやくしたリッチスカラーきょくりつ (Ricci scalarR

 

 

かんがえればよく、さらにそのわせである、

 

物質ぶっしつ分布ぶんぷさだまることをアインシュタインがいだした。この最後さいごわせ Gμみゅーνにゅーアインシュタイン・テンソル (Einstein tensorぶ。

アインシュタイン方程式ほうていしきとその特徴とくちょう

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一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん基本きほん方程式ほうていしきは、

 

あらわされ、アインシュタイン方程式ほうていしきばれる。ここで Gμみゅーνにゅー はアインシュタインテンソル、gμみゅーνにゅー計量けいりょうテンソル、Λらむだ宇宙うちゅうこうTμみゅーνにゅーエネルギー・運動うんどうりょうテンソルである。相対そうたいろんてき極限きょくげんでニュートンの重力じゅうりょく理論りろん収束しゅうそくすることから、右辺うへん比例ひれい係数けいすう κかっぱアインシュタインの定数ていすう)は、

 

となる。G万有引力ばんゆういんりょく定数ていすうc光速こうそくである。4次元じげん空間くうかんかんがえれば、テンソルは対称たいしょうなので、アインシュタイン方程式ほうていしきは、10ほん方程式ほうていしきからなる。

アインシュタイン方程式ほうていしき左辺さへん時空じくうきょくりつあらわし、右辺うへん物質ぶっしつ分布ぶんぷあらわす。右辺うへん物質ぶっしつ分布ぶんぷこうにより時空じくうきょくりつち、そのきょくりつ影響えいきょうつぎ瞬間しゅんかん物質ぶっしつ分布ぶんぷさだまる、という構造こうぞうである。真空しんくう時空じくうであれば、右辺うへんをゼロとすればよい。たとえば、重力じゅうりょく以外いがいちからかんがえないと、つぎのようになる。

右辺うへんのエネルギー運動うんどうりょうテンソルが増加ぞうか場合ばあい(アインシュタインの特殊とくしゅ相対そうたいろんによるとエネルギーと質量しつりょう等価とうかであるから、エネルギー運動うんどうりょうテンソルの増加ぞうか質量しつりょう増加ぞうか意味いみする)、左辺さへん増加ぞうかしなければならない。これは時空じくうきょくりつ増加ぞうかすることを意味いみする。アインシュタインの解釈かいしゃくによると重力じゅうりょくとは時空じくう湾曲わんきょくによるものであったから、きょくりつ増加ぞうか重力じゅうりょく増大ぞうだいあらわす。右辺うへんのエネルギー運動うんどうりょうテンソルの増大ぞうだい質量しつりょう増大ぞうだいすることあらわし、この方程式ほうていしきによると、それは左辺さへん時空じくうきょくりつ、つまり重力じゅうりょくがさらに増大ぞうだいすることを意味いみする。

すなわち、重力じゅうりょく非線形ひせんけいで、重力じゅうりょく自身じしん自己じこ増大ぞうだいしてゆく。通常つうじょう恒星こうせいのモデルでは、かく融合ゆうごうによる、しょうじるひかり電磁波でんじは)の輻射ふくしゃあつとガスによる圧力あつりょくが、重力じゅうりょくうように恒星こうせい半径はんけいまる。ほしきてささえるちからがなくなると、重力じゅうりょく崩壊ほうかいし、電子でんし縮退しゅくたいあつささえられる白色はくしょく矮星 か、中性子ちゅうせいし縮退しゅくたいあつささえられる中性子星ちゅうせいしせい、あるいは、ブラックホールになることが予測よそくされる。

アインシュタイン方程式ほうていしき数学すうがくてき特徴とくちょうは、つぎのようなてんにある。

アインシュタイン方程式ほうていしき厳密げんみつかい

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アインシュタイン方程式ほうていしき自身じしんなん近似きんじすることなくられる解析かいせきかいのことを厳密げんみつかいという。られている厳密げんみつかいに、つぎのものがある。

シュヴァルツシルトかい
カール・シュヴァルツシルトが1916ねん発表はっぴょうしたかい真空しんくうたま対称たいしょう仮定かていしたかいで、ブラックホールをあらわもっと単純たんじゅんかい
カーかい
ロイ・カーが1962ねん発表はっぴょうしたかい真空しんくうじく対称たいしょう時空じくう仮定かていしたかいで、回転かいてんするブラックホールをあらわもっと単純たんじゅんかい
ドジッターかい
ウィレム・ド・ジッターが1917ねん発表はっぴょうしたかい真空しんくう宇宙うちゅうこうがある場合ばあい膨張ぼうちょう宇宙うちゅうかいド・ジッター宇宙うちゅうあらわす。
フリードマン・ロバートソン・ウォーカーかい
アレクサンドル・フリードマンハワード・ロバートソンアーサー・ウォーカーが1922ねん発表はっぴょうしたかい時空じくうたま対称たいしょうせい仮定かていし、物質ぶっしつ分布ぶんぷ一様いちようひとしかた流体りゅうたい近似きんじしたかいで、ビッグバン膨張ぼうちょう宇宙うちゅうあらわかい
ゲーデルかい
クルト・ゲーデルが1949ねん発表はっぴょうしたかい物質ぶっしつ分布ぶんぷ規定きていするエネルギー・運動うんどうりょうテンソルを、回転かいてんする一様いちようダスト粒子りゅうしとして仮定かていし、ゼロでない宇宙うちゅうこう仮定かていしたかいで、ゲーデルの回転かいてん宇宙うちゅうあらわかい

現在げんざいでも、あたらしいかい解析かいせきかい)を発見はっけんすれば、発見はっけんしゃ名前なまえがつく。ただし、おな物理ぶつりてき時空じくうであっても、ことなる座標ざひょう表現ひょうげんもちいて、ことなるかいのように表現ひょうげんされることがあるので、注意ちゅういすることが必要ひつようである。

一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん応用おうよう

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自動車じどうしゃなどの位置いちをリアルタイムに測定そくてい表示ひょうじするカーナビゲーションシステムは、GNSS代表だいひょうといえるGPSなどを利用りようしており、GPS衛星えいせいなどに搭載とうさいされた原子げんし時計とけいもとづき生成せいせいされる航法こうほう信号しんごう依存いぞんしている。

GPS衛星えいせいからの信号しんごう受信じゅしんする装置そうちでは、さまざまな要因よういんによる補正ほせいおこなうが、GPS衛星えいせい時計とけいとの同期どうきかんするものとして、地表ちひょうたいして高速こうそく運動うんどうするGPS衛星えいせいの、特殊とくしゅ相対そうたいろん効果こうかによる地表ちひょうからみた時間じかんおく、および地球ちきゅう重力じゅうりょくじょうによる地上ちじょう時間じかんおくれ、いいかえれば一般いっぱん相対そうたいろん効果こうかによる衛星えいせい時計とけいすすみがふくまれる[ちゅう 10]

GPS衛星えいせい軌道きどう速度そくど秒速びょうそくやく4キロメートル高速こうそくであるため、特殊とくしゅ相対そうたいろんによって時間じかんすすかたがわずかではあるがおそくなる。一方いっぽう、GPS衛星えいせい高度こうどやく2まんキロメートルで、地球ちきゅう重力じゅうりょくじょう影響えいきょうちいさいことから、一般いっぱん相対そうたいろんによって地上ちじょうよりも時間じかんすすかたはやくなる。このように特殊とくしゅ相対そうたいろん一般いっぱん相対そうたいろんたがいにぎゃく効果こうかをもたらすことになる。この相対そうたいろんてき補正ほせいをせずに1にち放置ほうちすると、位置いち情報じょうほうやく11キロメートルもずれてしまうほどの時刻じこくになることから、相対そうたいろんてき補正ほせいはGPSシステムの運用うんよう不可欠ふかけつである[9]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 原題げんだいÜber den Einfluß der Schwerkraft auf die Ausbreitung des Lichtes
  2. ^ 原題げんだいEntwurf einer verallgemeinerten Relativitätstheorie und einer Theorie der Gravitation
  3. ^ 原題げんだい Erklärung der Perihelbewegung des Merkur aus der allgemeinen Relativitätstheorie. Bibcode1915SPAW.......831E. doi:10.1002/3527608958.ch4. .
  4. ^ 原題げんだいDie Grundlage der allgemeinen Relativitätstheorie
  5. ^ 原題げんだい Hamiltonsches Prinzip und allgemeine Relativitätstheorie. Bibcode1916SPAW......1111E. doi:10.1002/3527608958.ch9. 
  6. ^ 一般いっぱんども変性へんせい仮定かていにおいては『自然しぜん一般いっぱん法則ほうそく』であり『物理ぶつり法則ほうそく』ではない。
  7. ^ 重力じゅうりょくじょうがある場合ばあいは、等価とうか原理げんりにより、座標ざひょうけい加速かそく状態じょうたい適当てきとうえらぶことで、特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん座標ざひょうけいることができる[5]
  8. ^ 通常つうじょう数学すうがくでリーマン多様たようたいというとユークリッド空間くうかんをパッチワークのようにわせたものをし、2てんあいだ距離きょりの2じょう非負ひふせい定値ていち計量けいりょうばれる空間くうかんである。それにたいして、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんあつかうのは、時間じかん空間くうかん意味いみをもつ座標ざひょうふくミンコフスキー空間くうかんわせたものであり、2てんあいだ距離きょり虚数きょすうになり不定ふてい計量けいりょう空間くうかんである。このため、なずらえリーマン多様たようたい (pseudo-Riemannian manifoldともばれる。
  9. ^ これをミンコフスキー計量けいりょう (metricぶこともある。
  10. ^ 地球ちきゅう自転じてん起因きいんする信号しんごう伝播でんぱたいするサニャック効果こうかもある。

出典しゅってん

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  1. ^ 古典こてんろん, p. 253.
  2. ^ 選集せんしゅう2 [A2]一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんおよび重力じゅうりょくろん草案そうあん (1914), p.34
  3. ^ リーマン幾何きかとその応用おうよう (1971), p. 100.
  4. ^ リーマン幾何きかとその応用おうよう (1971), p. 104.
  5. ^ リーマン幾何きかとその応用おうよう (1971), pp. 105–107.
  6. ^ リーマン幾何きかとその応用おうよう (1971), p. 106.
  7. ^ リーマン幾何きかとその応用おうよう (1971), p. 117.
  8. ^ リーマン幾何きかとその応用おうよう (1971), p. 105.
  9. ^ Neil Ashby (May 2002). “Relativity and the Global Positioning System”. Physics Today (American Institute of Physics) 55 (5): 41. doi:10.1063/1.1485583. 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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