(Translated by https://www.hiragana.jp/)
円 (数学) - Wikipedia

えん (数学すうがく)

幾何きかがく図形ずけいのひとつ

数学すうがくにおいて、えん(えん、えい: circle)とは、平面へいめん(2次元じげんユークリッド空間くうかんじょうの、定点ていてんO(オー) からの距離きょりひとしいてん集合しゅうごうでできる曲線きょくせんのことをいう。

えん
えん
  円周えんしゅう C
  直径ちょっけい D
  半径はんけい R
  中心ちゅうしんまたは原点げんてん O
種類しゅるい円錐えんすい曲線きょくせん
対称たいしょうせいぐんO(2)
面積めんせきπぱいR2

その「定点ていてん O(オー)」をえん中心ちゅうしんという。えん中心ちゅうしん円周えんしゅうじょうの 1 てんむす線分せんぶんや、その線分せんぶんながさは半径はんけいという[1][2]

えんていはば図形ずけいひとつ。

なおえんかこ部分ぶぶんすなわち「えん内部ないぶ」をふくめて「えん」ということもある。この場合ばあい厳密げんみつさを必要ひつようとするときは、境界きょうかいとなる曲線きょくせんのほうは「円周えんしゅう (circumference)」 という。これにたいして、内部ないぶふくめていることを強調きょうちょうするときには「えんばん (disk)」 という。また、三角形さんかっけい四角形しかっけいなどと呼称こしょう統一とういつして「円形えんけい」ということもある。

習慣しゅうかんてきに、とりあえずえんをひとつげその中心ちゅうしん名称めいしょうをつけるときは「O (オー)」とぶことがおおい。これは原点げんてん英語えいごで「オリジン(えい: Origin)」というのでその頭文字かしらもじをとったものである。中心ちゅうしんてんOであるえんは「えんO(えんオー)」とぶ。なお中心ちゅうしん英語えいごでは「センター(えい: Center)」というので、えん中心ちゅうしんが「C(シー)」になっている文献ぶんけんもある[3]

なお、数学すうがく以外いがい分野ぶんやではこの曲線きょくせんのことを(あるいはそれにちかたまごがた総称そうしょうとして)「まる(まる)」という俗称ぞくしょう呼称こしょうすることがある。

えん: 中心ちゅうしん半径はんけい直径ちょっけい円周えんしゅう

えん性質せいしつ

編集へんしゅう

つる

編集へんしゅう

円周えんしゅうと2 てんまじわる直線ちょくせんわりせんという。このときの交点こうてんを 2 てん A, B とするとき、円周えんしゅうによって、わりせんからられる線分せんぶん AB のことをつるといい、つる AB とぶ。とくえん中心ちゅうしんとおわりせん中心ちゅうしんせんという。中心ちゅうしんせんえん対称たいしょうじくであり、えん面積めんせきを 2 等分とうぶんする。円周えんしゅう中心ちゅうしんせんからつるやそのながさを、えん直径ちょっけいという。直径ちょっけい半径はんけいの 2 ばいひとしい。円周えんしゅうながさは、えんおおきさによってさまざまであるが、円周えんしゅうながさの直径ちょっけいたいするは、えんらず一定いっていであり、これを円周えんしゅうりつという。とくことわりのないかぎり、普通ふつう円周えんしゅうりつπぱいあらわす。えん半径はんけいr(半径はんけい英語えいご radiusの頭文字かしらもじ由来ゆらい) とすると、円周えんしゅうながさは 2πぱいrあらわされる。また、えん面積めんせきは、πぱいr 2あらわすことができる。おなながさのしゅう閉曲線へいきょくせんなかで、面積めんせき最大さいだいのものである。(とうしゅう問題もんだい

 
中心ちゅうしんかく円周えんしゅうかく

一方いっぽう円周えんしゅうわりせんによって 2 つの部分ぶぶんけられる。このそれぞれの部分ぶぶん円弧えんこ (arc) またはたんという。

2つのながさがひとしくないとき、ながほうゆう (major arc)、みじかほうれつ (minor arc) という。
2つのながさがひとしいとき、これらのはん円周えんしゅう という。このとき、わりせんえん中心ちゅうしんとお中心ちゅうしんせんである。

円周えんしゅうじょうの2てん A, B をりょうはしとする AB とぶ。記号きごうでは、A͡B と表記ひょうきする(記号きごう ⌒ は AB のうえにかぶせてくのがただしい)。これではゆうれつのどちらであるかを指定していできていないデメリットがあり、一方いっぽう特定とくていしたい場合ばあいは、そのじょうてん P をもちいて APB のように表記ひょうきする。

えん O のしゅうじょうに2てん A, B があるとき、半径はんけい OA, OB と AB とでかこまれた図形ずけい扇形せんけい (sector) O-A͡B という。また、扇形せんけいふくまれるがわの ∠BOA を AB を見込みこ中心ちゅうしんかくという。ひとつのえんかんがえるとき、中心ちゅうしんかくとそのかく見込みこながさは比例ひれいする。同様どうように、中心ちゅうしんかくとそのかく扇形せんけい面積めんせき比例ひれいする。

つる AB と AB でかこまれた図形ずけい弓形きゅうけい (segment) という。

中心ちゅうしんかく円周えんしゅうかく

編集へんしゅう

AB にたいして、 AB じょうにないえん O のしゅうじょうてん P をるとき、∠APB を AB にたいする円周えんしゅうかくという。 AB にたいする円周えんしゅうかくてん P の位置いちらず一定いっていであり、中心ちゅうしんかく AOB の半分はんぶんひとしい(円周えんしゅうかく定理ていり)。とく AB がはん円周えんしゅうのときは、 AB にたいする円周えんしゅうかく直角ちょっかくである(直径ちょっけい見込みこ円周えんしゅうかく:ターレスの定理ていり)。

 
えん内接ないせつ四角形しかっけい

えん O のしゅうじょうに 4 てん A, B, C, D があるとき、四角形しかっけい ABCD はえん O に内接ないせつするという(内接ないせつ四角形しかっけい)。このとき、えん O を四角形しかっけい ABCD の外接がいせつえんという。四角形しかっけいえん内接ないせつするならば、四角形しかっけいたいかくたいらかくひとしい(内接ないせつ四角形しかっけい定理ていり)。えん内接ないせつする四角形しかっけい外角がいかくおおきさは、そのうちたいかくおおきさにひとしい。また、これらのぎゃく成立せいりつする(よんてんどもえん定理ていり内接ないせつ四角形しかっけい定理ていり)。

 
せっつる定理ていり

円周えんしゅう直線ちょくせんが1つの共有きょうゆうてんつとき、その直線ちょくせんえん接線せっせん (tangent) といい、共有きょうゆうてん接点せってんという。えん中心ちゅうしん接点せってんむす半径はんけい接点せってん半径はんけい)は、接線せっせん接点せってん直交ちょっこうする。

えん外部がいぶてん A からえん O に2つの接線せっせんえがける。この接点せってんを S, T とすると、線分せんぶん AS, AT のながさを接線せっせんながという。接線せっせんながさはひとしい。えん接線せっせんとその接点せってんとおつるつくかくは、そのかくなかにあるたいする円周えんしゅうかくひとしい(せっつる定理ていり)。すなわち、下図したずで AT が接線せっせんならば、∠BAT = ∠APB である。せっつる定理ていりぎゃく成立せいりつする。

えん接吻せっぷんすうは6である。このことの完全かんぜん証明しょうめい1910ねんまでできなかった。[よう出典しゅってん]

2えん位置いち関係かんけい

編集へんしゅう
 
半径はんけいことなる2えん位置いち関係かんけい

位置いち関係かんけい

編集へんしゅう

2つのえんえん A, えん B とする)の位置いち関係かんけいつぎ場合ばあいけられる。

  1. えん A がえん B の内部ないぶにある場合ばあい : えん B はえん A を内包ないほうするという。とくに、中心ちゅうしん位置いち一致いっちするとき、この2えん同心円どうしんえんぶ。
  2. えん A がえん B のしゅうまたは内部ないぶにあり、1てんのみを共有きょうゆうする場合ばあい : えん A はえん B に内接ないせつするという。
  3. 2えんことなる2てん共有きょうゆうする場合ばあい : 2えんは2てんまじわるという。この2てんむすつる共通きょうつうつるという。
  4. 2えんたがいのしゅうまたは外部がいぶにあり、1てんのみを共有きょうゆうする場合ばあい : えん A はえん B に外接がいせつするという。
  5. 2えんたがいの外部がいぶにあり、共有きょうゆうてんがない場合ばあい : 2えんはなれているという。

共通きょうつうつる性質せいしつ

編集へんしゅう
 
直線ちょくせんXYを共通きょうつうつるとするせいえんをA・B、XをつつみYをそとにするせいえんをC、YをつつみXをそとにするせいえんをD、ACの共通きょうつうつるとBCの共通きょうつうつる交点こうてんをE、ADの共通きょうつうつるとBDの共通きょうつうつる交点こうてんをF、としたとき、EとFはXYの線上せんじょうにある。
 
三角形さんかっけいさんへん位置いちながさそのものを直径ちょっけいとするみっつのえんによってしょうじる3ほん共通きょうつうつるは、その三角形さんかっけいの3ほんいただき垂線すいせんとなる。
  1. 既定きてい共通きょうつうつるつ2えん(A・B)と、その共通きょうつうつる一端いったんのみをつつ任意にんいべつえんCとのあいだにできる2ほん共通きょうつうつる(ACとBCの共通きょうつうつる)の交点こうてんは、ABの共通きょうつうつるじょう存在そんざいする。
  2. 三角形さんかっけいさんへん位置いちながさそのものを直径ちょっけいとするみっつのえんによってしょうじる3ほん共通きょうつうつるは、その三角形さんかっけいの3ほんいただき垂線すいせんとなる。

共通きょうつう接線せっせん

編集へんしゅう

2つのえん共通きょうつうする接線せっせん共通きょうつう接線せっせんという。

とくに、2えん共通きょうつう接線せっせんかんして、おながわにあるとき共通きょうつう外接がいせつせんことなるがわにあるとき共通きょうつう内接ないせつせんという。

上記じょうき場合ばあいけにおいて、えがける共通きょうつう接線せっせん個数こすうは、

  1. なし
  2. 共通きょうつう外接がいせつせん1ほん
  3. 共通きょうつう外接がいせつせん2ほん
  4. 共通きょうつう内接ないせつせん1ほん共通きょうつう外接がいせつせん2ほんけい3ほん
  5. 共通きょうつう内接ないせつせん2ほん共通きょうつう外接がいせつせん2ほんけい4ほん

のいずれか。

えん方程式ほうていしき

編集へんしゅう
 
半径はんけい r ≔ 1, 中心ちゅうしん (a, b) ≔ (1.2, −0.5)えん

解析かいせき幾何きかがくにおいて、(a, b)中心ちゅうしんとする半径はんけい rえん たすてん (x, y) 全体ぜんたい軌跡きせきである。この方程式ほうていしきを、えん方程式ほうていしきう。これは、中心ちゅうしん (a, b)円上えんじょう任意にんいてん (x, y) とのてんあいだ距離きょりr であるということをべたものにならず、半径はんけい斜辺しゃへんとする直角ちょっかく三角形さんかっけいピタゴラスの定理ていり適用てきようしすることで導出どうしゅつできる(直角ちょっかくはさへんは、かく座標ざひょう絶対ぜったい |x − a|, |y − b|ながさとする)。

  • 中心ちゅうしん原点げんてんれば、方程式ほうていしき 簡単かんたんになる。

αあるふぁ, βべーた, γがんま, δでるた実数じっすうαあるふぁ ≠ 0 なるものとし、 けば、上記じょうき方程式ほうていしき かたちになる。このかたちx2, y2係数けいすうひとしく、xyこうたない)の方程式ほうていしきあたえられたとき、以下いかいずれかひとつのみがつ:

  • ρろー < 0 のときは、この方程式ほうていしきかいとなるてん存在そんざいしない。この場合ばあいきょえん[4] (imaginary circle) の方程式ほうていしきぶ。
  • ρろー = 0 のとき、方程式ほうていしき f(x, y) = 0中心ちゅうしんとなるいちてん O ≔ (a, b) のみをかいとし、てんえん[5] (point circle) の方程式ほうていしきう。
  • ρろー > 0 のときには、f(x, y) = 0O中心ちゅうしんとする半径はんけい rρろーえん(あるいはじつえん (real circle))の方程式ほうていしきになる。

αあるふぁ = 0 のとき f(x, y) = 0直線ちょくせん方程式ほうていしきであり、a, b, ρろー は(射影しゃえい平面へいめんじょうで、あるいはかけじょう無限むげんだいになる。じつは、直線ちょくせんを「無限むげんとおてん中心ちゅうしんとする半径はんけい無限むげんだいえん」とかんがえることができる(一般いっぱんされたえん英語えいごばんこう参照さんしょう)。

べつ表示法ひょうじほう

編集へんしゅう
ベクトル表示ひょうじ
中心ちゅうしん位置いちベクトルを c とし、円上えんじょう任意にんいてん位置いちベクトルを x とすると、これらてんあいだ距離きょりは、ベクトルのユークリッドノルム ‖ • ‖ ≔ ‖ • ‖2: (x, y) ↦ x2 + y2もちいて、‖ xc ‖けるから、半径はんけい rえん方程式ほうていしき  となる。かくてん成分せいぶん表示ひょうじc ≔ (a, b), x ≔ (x, y)あたえられれば、 上記じょうきえん方程式ほうていしきである。
媒介ばいかい変数へんすう表示ひょうじ
(a, b)中心ちゅうしんとする半径はんけい rえん方程式ほうていしき正弦せいげん函数かんすうおよび余弦よげん函数かんすうもちいて  媒介ばいかい表示ひょうじできる。幾何きか学的がくてきには、媒介ばいかい変数へんすう θしーた(a, b) から(x, y)とおはん直線ちょくせんが、はじめせんx-じくせい部分ぶぶん)にたいしてなすかく角度かくど解釈かいしゃくできる。
えんべつ媒介ばいかい表示ひょうじ半角はんかく正接せいせつ置換ちかんにより、 あたえられる。幾何きか学的がくてきには、この媒介ばいかい変数へんすう trたいするを、中心ちゅうしんとおx-じく平行へいこう直線ちょくせんかんする立体りったい射影しゃえいとして解釈かいしゃくできる。この媒介ばいかい表示ひょうじは、t任意にんい実数じっすうのみならず無限むげんとおてんにおいても意味いみつが、その一方いっぽうえんもっとしたにあるいちてんあらわせないのでのぞかなければならない。

その標準ひょうじゅんがた

編集へんしゅう
さんてん標準ひょうじゅんがた
どう一直線いっちょくせんじょうにないさんてん(xi, yi) (i = 1, 2, 3) とすると、そのさんてんとおるという条件じょうけんたすえんひとつにまり、その方程式ほうていしき  というかたちあらわすことができる。これは行列ぎょうれつしきもちいて  あらわすこともできる。

射影しゃえい平面へいめん

編集へんしゅう

射影しゃえい平面へいめんうええん方程式ほうていしきは、円上えんじょう任意にんいてんひとし座標ざひょう英語えいごばんを( (x, y) ↦ [x : y : 1] のもとで) [x : y : z]くとき、その一般いっぱんがた くことができる。

極座標きょくざひょうけい

編集へんしゅう

平面へいめん座標ざひょうけいとして、直交ちょっこう座標ざひょうけいわりに極座標きょくざひょうけいもちいれば、えん方程式ほうていしき極座標きょくざひょう表示ひょうじつくれる。円上えんじょう任意にんいてん極座標きょくざひょう(r, θしーた) とし、中心ちゅうしん極座標きょくざひょう(r0, φふぁい)(つまり、中心ちゅうしん原点げんてんからの距離きょりr0 で、φふぁい原点げんてんから中心ちゅうしんむすんだはん直線ちょくせんが、x-じくせい部分ぶぶんからはん時計とけいまわりになすかく)とするとき、半径はんけい ρろーえんきょく方程式ほうていしき ける。

  • 中心ちゅうしん原点げんてんにあるときには、方程式ほうていしきr = ρろー (θしーた任意にんい) という単純たんじゅんかたちをしている(極座標きょくざひょうけいにおいて原点げんてんは、どうみち成分せいぶんr = 0 かつへんかく成分せいぶん θしーた任意にんいあらわされるのであった)。
  • 原点げんてん円上えんじょうにあるとき、方程式ほうていしき 簡約かんやくされる。たとえば、半径はんけい ρろー中心ちゅうしんどうみち成分せいぶん r0ひとしいときはそうである。
  • 一般いっぱん場合ばあい方程式ほうていしきr についてくことができて、  となる。ここで ±符号ふごう両方りょうほうらないと、半円はんえんしか記述きじゅつできない場合ばあいがあるので注意ちゅうい

複素数ふくそすう平面へいめん

編集へんしゅう

複素数ふくそすう平面へいめんもちいれば、平面へいめんじょうえん複素数ふくそすうもちいても記述きじゅつできる。中心ちゅうしんc半径はんけいrえん方程式ほうていしきは、複素数ふくそすう絶対ぜったいもちいて  ける。これは本質ほんしつてきえんのベクトル方程式ほうていしきおなじものである(複素数ふくそすう平面へいめんにおける複素数ふくそすう加法かほうおよびじつすうばいは、成分せいぶん表示ひょうじされた平面へいめんベクトルの加法かほうおよび実数じっすうばい同一どういつであり、複素数ふくそすう絶対ぜったいはユークリッドノルムと同一どういつできる)。ごく形式けいしきかんがえれば、|z − c| = r という条件じょうけんは、z − c = rexp(iθしーた) (θしーた任意にんい) と同値どうちであることがわかる(これは上記じょうき媒介ばいかい変数へんすう表示ひょうじ対応たいおうする)。

複素数ふくそすうせきかんして |z|2 = zzつことに注意ちゅういすれば、この方程式ほうていしき実数じっすう p, q および複素数ふくそすう gもちいて  かたちける( )。このかたち方程式ほうていしきは、えんだけでなく一般いっぱんには一般いっぱんされたえん英語えいごばんあらわすものである(一般いっぱんされたえんとは、通常つうじょうえんとなるか、さもなくば直線ちょくせんである)。

ごく方程式ほうていしきごく形式けいしきもちいれば複素数ふくそすう記述きじゅつできる。

接線せっせん方程式ほうていしき

編集へんしゅう

円上えんじょうてん P における接線せっせんは、Pとお直径ちょっけい垂直すいちょくである。したがって、えん中心ちゅうしん(a, b), 半径はんけいr とし、P ≔ (x1, y1) とすれば、垂直すいちょく条件じょうけんにより接線せっせん方程式ほうていしき(x1a)x + (y1b)y = cかたちをしていなければならない。これが (x1, y1)とおるから c決定けっていできて、接線せっせん方程式ほうていしき  または  かたちける。y1b ならばこの接線せっせんかたむきは   であるが、これをかげ函数かんすう微分びぶんほうもちいてもとめることもできる。

中心ちゅうしん原点げんてんにあるときは、接線せっせん方程式ほうていしき  となり、かたむきは  である。原点げんてん中心ちゅうしんとするえんでは、かくてん位置いちベクトル (x, y)せっベクトル (dx, dy)つね直交ちょっこうする(つまり、内積ないせきれいになる)から、 微分びぶんがたえん方程式ほうていしきである。

えん幾何きかがく

編集へんしゅう

三角形さんかっけいえんかんする事柄ことがらあつか幾何きかがく相似そうじ面積めんせきもちいない)はえんろんばれ、古来こらい非常ひじょうふか研究けんきゅうされてきた。もっと平面へいめん幾何きかがくらしい幾何きかがくともばれる。

きゅうてんえん定理ていり

編集へんしゅう

三角形さんかっけい

それぞれの頂点ちょうてんから対辺たいへんろした垂線すいせんあし(3つ)
あたり中点ちゅうてん(3つ)
頂点ちょうてん垂心すいしんむすんだ線分せんぶん中点ちゅうてん(3つ)

すべどういちえんじょうにある。このえんのことをきゅうてんえんぶ。

ろくてんえん定理ていり

編集へんしゅう

三角形さんかっけいのそれぞれの頂点ちょうてんからろした垂線すいせんあしからへんろした、合計ごうけい 6 垂線すいせんあしは、どういち円周えんしゅうじょうにある、という定理ていり中学ちゅうがくならえん性質せいしつだけで証明しょうめいすることができるが、かなり難解なんかい

パスカルの定理ていり

編集へんしゅう

えん内接ないせつする六角形ろっかっけい対辺たいへん延長線えんちょうせん交点こうてん一直線いっちょくせんじょうにある。さらに拡張かくちょうして、曲線きょくせんじょうことなる6つのてん P1~P6ると、直線ちょくせん P1P2 と P4P5交点こうてん Q1、P2P3 と P5P6交点こうてん Q2、P3P4 と P6P1交点こうてん Q3どう一直線いっちょくせんじょうにある。また、Pi における接線せっせんと Pj における接線せっせん交点こうてんを Rij とすると、3 直線ちょくせん R12R45, R23R56, R34R61 は1てんまじわる。一番いちばんはじめの、えん内接ないせつする六角形ろっかっけい証明しょうめいは、うまく補助ほじょえんくことで、えん性質せいしつ三角形さんかっけい相似そうじだけですることができる。

フォイエルバッハの定理ていり

編集へんしゅう

三角形さんかっけい内接ないせつえんは、きゅうてんえん内接ないせつする。

一般いっぱん

編集へんしゅう

球面きゅうめんちょう球面きゅうめん

編集へんしゅう

3 次元じげんユークリッド空間くうかんにおいてあるてんからの距離きょり一定いっていであるようなてん集合しゅうごう球面きゅうめんという。内部ないぶふくめた球面きゅうめんたまという。一般いっぱんに、n自然しぜんすうとするとき、n + 1 次元じげんユークリッド空間くうかんにおいてあるてんからの距離きょり一定いっていであるようなてん集合しゅうごうのことを、n 次元じげん球面きゅうめんといい、Snく。えんは 1 次元じげん球面きゅうめんである。

円錐えんすい曲線きょくせん

編集へんしゅう

2つのてん焦点しょうてんばれる)からの距離きょり一定いっていであるようなてん軌跡きせき楕円だえんという。楕円だえん一般いっぱんえんつぶしたようなかたちをしており、楕円だえんのうち特別とくべつ場合ばあい――2つの焦点しょうてんいちてん一致いっちする場合ばあい――がえんである(このとき、焦点しょうてんは「えん中心ちゅうしん」とばれる)。一般いっぱん楕円だえんでなくえんであることをとく明示めいじしたいときには、えんのことをせいえん(せいえん)またはえん(しんえん)とぶことがある。

距離きょりえん、ノルムえん

編集へんしゅう
 
ことなる pたいする p-ノルム単位たんいえん図示ずししたもの。

定点ていてんからの距離きょり一定いっていであるてん全体ぜんたい集合しゅうごう」としてえん定義ていぎするならば、定義ていぎもちいる「距離きょり」の定義ていぎえればことなる形状けいじょうの「えん」をかんがえることができるということになる。p-ノルム英語えいごばん誘導ゆうどうする距離きょり あたえられる。ユークリッド幾何きかがくにおける通常つうじょうユークリッド距離きょり:  p = 2場合ばあいである。

タクシー幾何きかがくもちいるマンハッタン距離きょりL1-距離きょり)は p = 1場合ばあいであり、この距離きょりかんするえん(タクシーえん)はかくあたり座標軸ざひょうじくから45°ずれた正方形せいほうけいとなる。半径はんけい r のタクシーえんかくあたりながさは、ユークリッド距離きょりはかれば 2r だが、タクシー距離きょりはかれば 2r である。よって、この幾何きかがく円周えんしゅうりつ半径はんけいたいするしゅうちょう)に相当そうとうするものは 4 ということになる。タクシー幾何きかがくにおける単位たんいえん半径はんけいが 1 のえん)の方程式ほうていしきは、直交ちょっこう座標ざひょうけいでは  , 極座標きょくざひょうけいでは  ける。これは、その中心ちゅうしんフォンノイマン近傍きんぼう英語えいごばんである。

平面へいめんじょうチェビシェフ距離きょりL-距離きょり)にたいする半径はんけい rえんもまたかくあたりながさが 2r正方形せいほうけい(ただし、かくあたり座標軸ざひょうじく平行へいこう)であるから、平面へいめんチェビシェフ距離きょり平面へいめんマンハッタン距離きょり回転かいてんおよびスケール変換へんかんしたものと看做みなせる。しかし L1Lあいだつこの同値どうちせい次元じげん一般いっぱんすることはできない。

そのえん特別とくべつ場合ばあいとしてふく曲線きょくせんぞく

編集へんしゅう

えん様々さまざま図形ずけい極限きょくげん場合ばあいることができる:

  • デカルトのたまごがたせん焦点しょうてんばれるふたつの定点ていてんからの距離きょりおも一定いっていとなるようなてん全体ぜんたい軌跡きせきである。かく距離きょりけるおもみがすべひとしいとき楕円だえんとなり、はなれしんりつ0 であるような楕円だえんとしてえんられる(これはふたつの焦点しょうてんたがいにかさなる極限きょくげん場合ばあいであり、一致いっちした焦点しょうてんられるえん中心ちゅうしんとなる)。ふたつのおもみのうちの一方いっぽう0 としてられるデカルトのたまごがたせんとしても、えんられる。
  • ちょう楕円だえんは、適当てきとう正数せいすう a, b > 0自然しぜんすう nたいする  かたち方程式ほうていしきつ。b = a のときちょうえんう。えんn = 2 となる特別とくべつちょうえんである。
  • カッシーニのたまごがたせんふたつの定点ていてんからの距離きょりせき一定いっていとなるようなてん全体ぜんたい軌跡きせきう。ふたつの定点ていてん一致いっちするとき、えんられる。
  • ていはば曲線きょくせんは、そのはば図形ずけいはばは、それをはさふたつの平行へいこうせんが、各々おのおのその図形ずけい境界きょうかいいちてんのみを共有きょうゆうするときの、それら平行へいこうせんあいだ距離きょりとしてさだめる—が平行へいこうせん方向ほうこうのとりかたらず一定いっていであるような図形ずけいう。えんはもっとも単純たんじゅんていはば曲線きょくせんがたれいである。

拡幅かくふく円弧えんこなが

編集へんしゅう

半径はんけい R円弧えんこじょう始点してんはば w1終点しゅうてんはば w2拡幅かくふく円弧えんこながさの計算けいさん

  •  
  •  

とすると、

 
 

ゆえに、拡幅かくふくえんながさは、平均へいきん半径はんけい中心ちゅうしんかくをかけたものとなる。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ デジタル大辞泉だいじせん半径はんけい[1]
  2. ^ 精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん半径はんけい[2]
  3. ^ もっと数学すうがく世界せかい、「原点げんてんはオー!」
  4. ^ 精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてんきょえん』 - コトバンク
  5. ^ ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてんてんえん』 - コトバンク

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

特別とくべつ名称めいしょうのあるえん

編集へんしゅう

三角形さんかっけいかんするえん

編集へんしゅう

四辺しへんがたかんするえん

編集へんしゅう

多角たかくがたかんするえん

編集へんしゅう

円錐えんすい曲線きょくせんかんするえん

編集へんしゅう

球面きゅうめんかんするえん

編集へんしゅう

トーラスにかんするえん

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう
  • Weisstein, Eric W. "Circle". mathworld.wolfram.com (英語えいご).
  • circle in nLab
  • circle - PlanetMath.英語えいご
  • Definition:Circle at ProofWiki
  • Ivanov, A.B. (2001), “Circle”, in Hazewinkel, Michiel, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4, https://www.encyclopediaofmath.org/index.php?title=Circle