諱の「持直」の「持」の字は、前述の通り、将軍足利義持から賜ったものである[3]。一方の「直」の字については、大友氏祖・大友能直に由来する大友氏の通字の一つと考えられる。一部では、外祖父にあたる戸次直光から直接1字を受けたとしている[2]。しかし、後者の説の中で更に、直光が「なおみつ」ではなく、「ただみつ」と読ませる説がある。これは、父の頼時と共に一時期南朝方に付いていたことがある直光が、同じく九州で南朝方として活動していた足利直冬(足利尊氏の庶子)・菊池武光の両者から1字をもらってその名を名乗った[4]とし、これに従えば、直冬の「直」(尊氏の弟で直冬の養父の直義の1字に由来)が「ただ」と読むので、直光は「ただみつ」で、その孫である持直は「もちただ」と読むといった内容である[2]。但し、直光も大友能直の子孫であり、祖父の貞直及びその兄弟達も「直」の字を使用している(戸次氏#系譜を参照)ことから、確定できる史料がない限りは「直」が直冬の偏諱とする説を正しいとみなすことは難しい[4]。