(Translated by https://www.hiragana.jp/)
影絵 - Wikipedia

影絵かげえ

物体ぶったい後方こうほうからひかりててそのかげをスクリーンに投影とうえいしたもの

影絵かげえ(かげえ)は、かみつくられた人形にんぎょう、または動物どうぶつなどに見立みたてたなどからだ一部いちぶ後方こうほうからひかりてて、そのかげをスクリーンに投影とうえいしたもの。また、それによってえんじられる芝居しばい

バリ影絵かげえ人形にんぎょう

影絵かげえおおくのくにしたしまれており、20以上いじょう国々くにぐに影絵かげえ芝居しばい劇団げきだんがある。

影絵かげえ使用しようされる人形にんぎょうひかり透過とうかする部分ぶぶんがあって、いろセロファンなどをけることでかげ様々さまざまいろをつけることがある。また、関節かんせつもうけられていて簡単かんたん操作そうさができるものがおおい。

中国ちゅうごく

編集へんしゅう

中国ちゅうごくにおける影絵かげえは、紀元前きげんぜん200ねんごろかん時代じだいに、うす動物どうぶつかわ着色ちゃくしょくした人形にんぎょう使つかったかみくだじゅつ一種いっしゅとして採用さいようされていた。きたそう時代じだいには大道だいどう演芸えんげいとして存在そんざいした[1]

13世紀せいきになると、もと王朝おうちょうとともにアジア大陸たいりくから中東ちゅうとうまで影絵かげえつたわり、それぞれの地域ちいき様々さまざまかたち根付ねついた。

中国ちゅうごく影絵かげえ人形にんぎょうは、かわでできたあやつ人形にんぎょうぼうさきくくけられ、数々かずかずのおとぎばなし神話しんわえんじられる形式けいしきである。

日本にっぽん

編集へんしゅう
 
十返舎一九じっぺんしゃいっくかずらん影絵かげえ 於都さと』。影絵かげえのやりかた指南しなんするパロディほん

日本にっぽんでは影絵かげえ劇団げきだんの『木馬もくば』が有名ゆうめいで、全国ぜんこく興行こうぎょうのほかテレビ番組ばんぐみにもなっていた。その劇団げきだん角笛つのぶえ』などがられている [1]

かたち組合くみあわせて、イヌネコキツネなど様々さまざまかげ表現ひょうげんするものを、影絵かげえという。影絵かげえによってえんじる影絵かげえ芝居しばいもある。江戸えど時代じだいには、影絵かげえ応用おうようして走馬灯そうまとうまわ灯篭どうろう)が流行りゅうこうした[1]。ほかに、きの影絵かげえひとがたったかみぼうをつけたもの)、うつ障子しょうじえがいた灯火ともしびまくうつすもの)、阿波あわ名物めいぶつ指人形ゆびにんぎょう吉田よしだ春之助はるのすけ明治めいじ考案こうあんしたが廃絶はいぜつ)などがある[2]

また、江戸えど時代じだい影絵かげえ一座いちざ影絵かげえりが存在そんざいしていた。

影絵かげえ使つかったパフォーマンスとして、早乙女さおとめ太一たいちチームラボ合作がっさくによる「りゅう牡丹ぼたん - 剣舞けんぶ影絵かげえ」(2011ねん)がある[3]

そのくに

編集へんしゅう

東南とうなんアジア・インドネシアの影絵かげえ芝居しばいワヤン・クリッWayang kulitとして有名ゆうめいである。ガムラン伴奏ばんそうく。ワヤンは「かげ」クリッは「かわ」を意味いみし、うしかわ作成さくせいした人形にんぎょうもちいる。 同様どうようのものがマレーシアにもある。

タイの影絵かげえ芝居しばいはナン・ヤイ(タイ:หนังใหญ่ , Nang yai)とばれる。 カンボジアでは、とく西部せいぶ影絵かげえ芝居しばいおこなわれている。大型おおがた人形にんぎょう使つか影絵かげえ芝居しばいをスバエク・トムとう。スバエク・トムはタイのナン・ヤイにている。かつておおきな仏教ぶっきょう行事ぎょうじ、とりわけ高僧こうそう火葬かそう儀礼ぎれいなな日間にちかんからときには週間しゅうかんもかけてごとがたまで連続れんぞく上演じょうえんをしたとう。シェムリアップしゅう発祥はっしょうだとされる。 小型こがた手足てあしうごかせる人形にんぎょう使つか影絵かげえ芝居しばいをスバエク・トーイとう。スバエク・トーイはタイのナン・タルン(タイ:หนังตะลุง , Nang talung)やジャワ島じゃわとうのワヤンにている。 スバエクは、ひと動物どうぶつかわ皮膚ひふ意味いみする。

インドの影絵かげえ芝居しばい様々さまざまばれる。ふる時代じだい現在げんざい名前なまえことなるし、しゅうによってもことなり、いろいろなものがある。

トルコの影絵かげえ芝居しばいはカラギョズ(トルコ:Karagöz)としてられる。カラギョズはトルコで「くろひとみ」を意味いみする。これは影絵かげえ芝居しばい主人公しゅじんこうで、伝説でんせつによると14世紀せいきブルサまちモスク建設けんせつする実在じつざい労働ろうどうしゃだったされる。主人公しゅじんこう影絵かげえ芝居しばいとなった。オスマン帝国ていこく支配しはいひろたのしまれた。カラギョスは2003ねんUNESCOにより無形むけい文化財ぶんかざい指定していされた。ギリシアにはトルコのカラギョズに由来ゆらいするカラギオジスもしくはカラギョージス(ギリシア:Καραγκιόζης , Karagiozis , Karaghiozis)がある。

ジャワ島じゃわとうバリ島ばりとうトルコインドなどでは神事しんじ芸能げいのうとしておこなわれている[1]

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b c d 世界せかい原色げんしょく百科ひゃっか事典じてんだい2かん(165ぺーじ
  2. ^ 影絵かげえ だい百科ひゃっか事典じてん平凡社へいぼんしゃ、1939
  3. ^ 早乙女さおとめ太一たいち☓チームラボ [吉例きちれい新春しんしゅん特別とくべつ公演こうえんりゅう牡丹ぼたん」-剣舞けんぶ影絵かげえ- ]team-lab.net

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 金子かねこりょうじゅう ちょ「タイのラーマーヤナに伝承でんしょう民族みんぞく造形ぞうけい 影絵かげえ芝居しばい(ナン・ヤイ)を中心ちゅうしんとして」、金子かねこりょうじゅう坂田さかた貞二ていじ鈴木すずきただしたかし へん『ラーマーヤナの宇宙うちゅう——伝承でんしょう民族みんぞく造形ぞうけい春秋しゅんじゅうしゃ、1998ねん1がつ30にち、80-108ぺーじISBN 4-393-13274-2 
  • サムアン・サム ちょだい4しょう カンボジアにおけるラーマーヤナ演劇えんげき」、福岡ふくおかまどか へん現代げんだい東南とうなんアジアにおけるラーマーヤナ演劇えんげき福岡ふくおかまどか 翻訳ほんやく、めこん、2022ねん3がつ20日はつか、98-119ぺーじISBN 978-4-8396-0330-4 
  • 後藤ごとうけい影絵かげえ SHADOW ART』劇団げきだんかかし 監修かんしゅう文溪堂ぶんけいどう、2012ねん4がつISBN 978-4-89423-764-3 
  • 福岡ふくおかまどか『インドネシア上演じょうえん芸術げいじゅつ世界せかい 伝統でんとう芸術げいじゅつからポピュラーカルチャーまで』大阪大学おおさかだいがく出版しゅっぱんかい、2016ねん3がつ31にちISBN 978-4-87259-533-8 
  • 福岡ふくおかまどか『ジャワの芸能げいのうワヤン——その物語ものがたり世界せかい』スタイルノート、2016ねん2がつ12にちISBN 978-4-7998-0146-8 
  • 宮尾みやお慈良『アジアの人形にんぎょうげきさんいち書房しょぼう、1984ねん7がつ31にち 
  • 宮尾みやお慈良 ちょ「アジアの人形にんぎょうげい——呪術じゅじゅつげい人形にんぎょうげい——」、諏訪すわ春雄はるお へん『アジアの人形にんぎょうげいつとむまこと出版しゅっぱん遊学ゆうがく叢書そうしょ6〉、1999ねん12がつ20日はつか、7-35ぺーじISBN 4-585-04066-8 
  • 宮尾みやお慈良 ちょ「ラーマーヤナ演劇えんげき身体しんたい伝承でんしょう」、金子かねこりょうじゅう坂田さかた貞二ていじ鈴木すずきただしたかし へん『ラーマーヤナの宇宙うちゅう——伝承でんしょう民族みんぞく造形ぞうけい春秋しゅんじゅうしゃ、1998ねん1がつ30にち、109-139ぺーじISBN 4-393-13274-2 
  • 山本やまもと慶一けいいち江戸えど影絵かげえあそこうかげ文化ぶんかくさおもえしゃ、1988ねん 

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう