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航空戦 - Wikipedia

航空こうくうせん

航空機こうくうきによる作戦さくせん戦闘せんとう
空中くうちゅうせんから転送てんそう

航空こうくうせん(こうくうせん、えい: Aerial warfare)は、航空機こうくうきによる作戦さくせん戦闘せんとうである。空戦くうせん空中くうちゅうせんともぶ。

F-15編隊へんたい
航空こうくうせんでは、このようにすう編隊へんたいとして形成けいせいされたグループによって航空こうくうせんおこなうことがある
戦争せんそう


軍事ぐんじ

ポータル  

武力ぶりょく紛争ふんそうは、それが展開てんかいされる地域ちいき区分くぶんしたがって、陸上りくじょう陸戦りくせん海上かいじょう海戦かいせん空中くうちゅう空戦くうせんとされ、国際こくさいほうはおおむねこの区分くぶんしたがって規定きていされている[1]航空こうくうせんとしてはじめて、陸海りくかい戦闘せんとうから独立どくりつした固有こゆう名称めいしょうあたえられたのはルンガおき航空こうくうせんである[2]

戦略せんりゃく

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B-52H戦略せんりゃく爆撃ばくげき
1最大さいだい30トン以上いじょうばくだん運搬うんぱん投下とうかすることが出来できる。

航空こうくうせん戦略せんりゃくばくげきがある。陸海りくかいへの航空こうくう攻撃こうげき攻勢こうせいてき航空こうくうせんとなり、おも爆撃ばくげきによっててき陸海りくかい部隊ぶたい地上ちじょう基地きち兵器へいき兵員へいいん資材しざい破壊はかいする。20世紀せいきすえからは、この攻勢こうせい航空こうくう作戦さくせんでのおも要素ようそとして阻止そし攻撃こうげき(interdiction)がめるようになってきた。これはてき国土こくどない生産せいさん拠点きょてん交通こうつうあみ政治せいじ経済けいざい中心ちゅうしんといった重要じゅうよう目標もくひょう爆撃ばくげきにより破壊はかいするものである[3]

また、必要ひつよう空域くういき制空権せいくうけん航空こうくう優勢ゆうせい)を確保かくほする戦略せんりゃくもある。この航空こうくう優勢ゆうせい確保かくほには、だい1の目的もくてき実行じっこうするため侵攻しんこうときおこなわれるてき防空ぼうくう航空こうくう部隊ぶたいとの空中くうちゅう戦闘せんとうと、ぎゃくてき襲来しゅうらいたいしておこなわれる防衛ぼうえいとしての空中くうちゅう戦闘せんとうという2種類しゅるいがある[3]一般いっぱんてき航空こうくうせん空戦くうせんといわれる場合ばあいにはこの比較ひかくてき近距離きんきょりおこなわれる空中くうちゅうせん場合ばあいおお[4]航空こうくうせんだい2の目的もくてきである空中くうちゅうせんおおくの場合ばあい侵攻しんこうまた防衛ぼうえいのいずれでもぼうぜいてき航空こうくうせんとなり、通常つうじょう戦闘せんとう主役しゅやくとなる[3]

また、飛行場ひこうじょう航空こうくう母艦ぼかん空母くうぼ)を攻撃こうげきすることでてき航空こうくう脅威きょういをあらかじめのぞき、制空権せいくうけん確保かくほする場合ばあいもある。航空こうくう撃滅げきめつせんでは、てき掃討そうとう、できれば地上ちじょうにあるてき攻撃こうげきする[5]戦闘せんとうばくげき混合こんごう部隊ぶたいであるせんばく連合れんごうにおいては、てき戦闘せんとう制圧せいあつするせいそらたいばくげきたい援護えんごするちょくたいの2つで戦闘せんとう使用しようされる[6]

行動こうどう

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ばくげき

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空襲くうしゅうおも方法ほうほうばくげきがある。ばくげき目的もくてきによって「戦術せんじゅつ爆撃ばくげき」と「戦略せんりゃく爆撃ばくげき」に区別くべつされる。戦術せんじゅつ爆撃ばくげきは、戦場せんじょうてき戦闘せんとう部隊ぶたいたたいて直接ちょくせつ戦局せんきょく有利ゆうりにすることを目的もくてきとするばくげきである。戦略せんりゃく爆撃ばくげきとは、戦場せんじょうからはなれた敵国てきこく領土りょうど占領せんりょう攻撃こうげきする場合ばあいおおく、工場こうじょうみなと油田ゆでんなどの施設しせつ破壊はかいする「精密せいみつ爆撃ばくげき」と、住宅じゅうたく商業しょうぎょう破壊はかいしててき国民こくみん士気しき喪失そうしつさせる「都市とし爆撃ばくげき差別さべつ爆撃ばくげき)」とにけられるばくげきのことである。絨毯じゅうたん爆撃ばくげきは、地域ちいき一帯いったいたいして差別さべつおこなばくげき[7]

そら対空たいくう戦闘せんとう

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F/A-18HUDうつされたドッグファイト様子ようす

航空こうくう優勢ゆうせい確保かくほのためにおこなわれる空戦くうせんは、航空こうくう力学りきがくしょ法則ほうそく天候てんこう航空機こうくうき性能せいのうおよ軍事ぐんじ技術ぎじゅつによって機動きどうなどが制約せいやくされ、戦闘せんとうてきとの優位ゆうい相対そうたい位置いち獲得かくとくしようと連続れんぞくてき機動きどうして攻撃こうげきする。

空中くうちゅうせん一般いっぱんてきに、発見はっけんかいてき)・接近せっきん攻撃こうげき運動うんどう離脱りだつ要領ようりょうおこなわれるが、実戦じっせんにおいてこれらの段階だんかい順序じゅんじょだててすすむとはかぎらず、奇襲きしゅうけた場合ばあい唐突とうとつ攻撃こうげき運動うんどう開始かいしして戦闘せんとうおこな[8]基本きほんてき戦法せんぽう古典こてんからジェット機じぇっときまでわらず、ミサイルコンピューター発達はったつしても遠方えんぽうからのミサイルではほぼのこり、その近接きんせつせんとなるため、格闘かくとうせん(ドッグファイト)役割やくわりがまだおおきい。おたがいにえない位置いちからミサイル攻撃こうげきによる戦闘せんとうおこなわれ、決着けっちゃくがつかなければ格闘かくとうせん移行いこうする[9]だい世界せかい大戦たいせんでは、れいせんF4FスピットファイアBf 109のように、格闘かくとうせん一撃いちげき離脱りだつか、いかに有利ゆうり空戦くうせんめるのかも、勝敗しょうはい関係かんけいしていた[10]

発見はっけん
航空こうくうせんだい1段階だんかいてき発見はっけんである。索敵さくてきだいいち世界せかい大戦たいせんころ肉眼にくがん依存いぞんしていた。しかし、F-86レーダー搭載とうさいした戦闘せんとうあらわれると、索敵さくてきおもにレーダーでおこなうようになり、空中くうちゅう早期そうき警戒けいかいシステムや戦闘せんとう誘導ゆうどういんとの連携れんけいによって100キロメートルさき視認しにんできないてき捜索そうさくすることが可能かのうになった。てきさき発見はっけんすることは戦闘せんとうにおいて主導しゅどうけん獲得かくとくすることであり、てき存在そんざい把握はあくすればそれに最適さいてき要撃ようげき位置いちうらないくらいすることが出来できる。
同時どうじてき捜索そうさく回避かいひする手段しゅだん航空こうくうせん必要ひつようである。その手段しゅだんとしてはたい電子でんし妨害ぼうがい手段しゅだんがある。これはてき電子でんし支援しえん手段しゅだん妨害ぼうがいするものである。また捜索そうさく回避かいひする手段しゅだんとして低空ていくう飛行ひこうがある。これはてき電子でんし放射ほうしゃ監視かんししてその間隙かんげき通過つうかするものである[11]
遠隔えんかく攻撃こうげき
 
F-14のみが搭載とうさいできたAIM-54 フェニックスちょう射程しゃていミサイル
てき発見はっけんした場合ばあい可能かのうであれば遠隔えんかく攻撃こうげき行動こうどうはいる。てき撃墜げきついには、てきと100キロメートル程度ていどはなれた位置いちからちょう射程しゃていそら対空たいくうミサイル発射はっしゃする場合ばあいがある。このほかにも、自己じこ誘導ゆうどうがたてき目指めざして飛行ひこうするそら対空たいくうミサイルもあるが、これらは非常ひじょう高価こうかで、安価あんか汎用はんようのものでは、てき照準しょうじゅんわせるミサイルや、てき放出ほうしゅつしたねつ赤外線せきがいせん誘導ゆうどうミサイルがある。前者ぜんしゃ機首きしゅてきからはなせず後者こうしゃ気象きしょう左右さゆうされやすい。そのためどのミサイルも完璧かんぺき兵器へいきとはいえない。発射はっしゃさいは、早期そうき警戒けいかい管制かんせい支援しえんけることもある。てき撃墜げきつい失敗しっぱいした場合ばあい接近せっきんして戦闘せんとう行動こうどうはいるかどうかがわれる。また、てきからの攻撃こうげきたいしても迅速じんそく対応たいおう判断はんだんもとめられる。
接近せっきん攻撃こうげき
航空機こうくうき攻撃こうげきはいまえ空中くうちゅうせん志向しこうするかどうかを決心けっしんしなければならない。これは、状況じょうきょう把握はあくしている空中くうちゅうまたは地上ちじょう誘導ゆうどういんによっておこなわれる。攻撃こうげきおこなうことが決心けっしんされれば、航空機こうくうきすみやかに攻撃こうげきのために、てきたいして要撃ようげき成功せいこう最適さいてき位置いち移動いどうする。このさい重要じゅうようなのは速度そくどであり、高速こうそくであればあるほどにてき発見はっけんされるまえこう位置いちうらないできる。そのこう位置いちとは、戦闘せんとうにおける運動うんどう離脱りだつにおいてようする位置いちエネルギー確保かくほすることが出来できこう高度こうどである[12]。スピードは、失速しっそくすれば撃墜げきついされる危険きけんがあり、はやすぎれば旋回せんかい半径はんけいおおきくなりかじおもくなる[13]
 
AIM-120AIM-9M発射はっしゃするF-22
接近せっきん攻撃こうげき段階だんかいにおける戦闘せんとうでは戦術せんじゅつてき状況じょうきょう使用しよう兵器へいきによって左右さゆうされる。戦術せんじゅつてき状況じょうきょうとは航空機こうくうき運動うんどうによってもたらされる彼我ひが相対そうたいてき位置いち関係かんけいである。攻撃こうげき最適さいてき戦術せんじゅつてき状況じょうきょうてき後方こうほうであると伝統でんとうてきかんがえられているが、接近せっきん時間じかんようする。正面しょうめんからの攻撃こうげき彼我ひが距離きょり最小さいしょうして攻撃こうげき成功せいこうりつたかめるが、てき目前もくぜん直線ちょくせんてき飛行ひこうするためにぎゃく攻撃こうげきける危険きけんせいもっとたかい。またよこ正面しょうめんなどのてき位置いちはげしく変化へんかする方向ほうこうからの攻撃こうげき成功せいこうさせることがむずかしく、ミサイルの追尾ついびもより困難こんなんになる[14]機関きかんほうミサイル射程しゃていにとらえるための格闘かくとうせんはいる。
離脱りだつ
戦闘せんとう最適さいてき離脱りだつとはてき撃墜げきついである。しかしながらつねてき撃墜げきついできるとはかぎらず、また戦局せんきょく燃料ねんりょうざんりょう都合つごうから戦闘せんとう離脱りだつすることがもとめられる場合ばあいもある。また、撃墜げきついせずに戦闘せんとう離脱りだつする場合ばあい相手あいてから攻撃こうげきける危険きけん段階だんかいでもある。したがって戦闘せんとうつね燃料ねんりょうざんりょう確認かくにんしながらおこない、基準きじゅんにまで燃料ねんりょう消費しょうひされればすみやかに離脱りだつしなければならない。
ただし、帰投きとうする場合ばあいでも、基地きち攻撃こうげきけて着陸ちゃくりく不能ふのうになっている場合ばあい途上とじょうでの戦闘せんとう考慮こうりょし、必要ひつようならば代替だいたい基地きちまで航続こうぞくできるだけの燃料ねんりょうようする。ようするに離脱りだつ重要じゅうようなのはいかにして燃料ねんりょう温存おんぞんするかである。航空こうくうせんにおいてとく重大じゅうだい局面きょくめんであり、もっと困難こんなん段階だんかいでもある。

だいいち世界せかい大戦たいせん

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フォッカー Dr.I(1917ねん

初期しょき航空機こうくうき戦闘せんとうりょくたずてき偵察ていさつ使つかわれただけであった。最初さいしょは、おたがいに攻撃こうげき手段しゅだんたず、てき偵察ていさつたいし、そのまますれちがったり、おたがしゅって挨拶あいさつしていることもあった[15]。しかし、航空こうくう偵察ていさつ効果こうかがりはじめると、てき偵察ていさつ行動こうどう妨害ぼうがいする必要ひつようせいてきた。最初さいしょわせていた工具こうぐげつけたのがはじまりとされている。やがて煉瓦れんがいしはじめ、拳銃けんじゅう猟銃りょうじゅう使つかはじめた[15]だいいち世界せかい大戦たいせん以前いぜん航空こうくう用法ようほう一部いちぶばくげき準備じゅんびもあったが、主体しゅたい地上ちじょう作戦さくせん協力きょうりょく捜索そうさく目的もくてき指揮しき連絡れんらく砲兵ほうへい協力きょうりょくなど航空こうくう戦略せんりゃく航空こうくう戦術せんじゅつにはあたいしないものだった[16]

だいいち世界せかい大戦たいせん開始かいしするとばくげき逐次ちくじこころみられた[17]。またフランス空軍くうぐんローラン・ギャロス1915ねん大正たいしょう2ねん)にモラーヌ・ソルニエ L中心ちゅうしんせん固定こていじゅう装備そうびしてドイツのアルバトロスなどの撃墜げきついはじめた[18]。ここまでは単一たんいつによって飛行機ひこうき作戦さくせんおこなわれていたが、任務にんむ偵察ていさつばくげき空戦くうせん発展はってんしたことによって専用せんよう機種きしゅとして1915ねん6がつドイツのフォッカー E.III駆逐くちくとして独立どくりつ出現しゅつげんし、本格ほんかくてき空中くうちゅう戦闘せんとうはじまる。[19]

1914ねん大正たいしょう3ねん)9がつ青島ちんたお戦争せんそう日本にっぽん軍機ぐんきはじめてばくげきおこなう。海軍かいぐんモーリス・ファルマンしき4青島ちんたおまち爆撃ばくげきした[20]。10月には日本にっぽんぐんはじめて空中くうちゅうせん経験けいけんした。日本にっぽん陸軍りくぐん有川ありかわたかいち航空こうくう隊長たいちょうニューポール NG地上ちじょうよう機関きかんじゅうんで偵察ていさつ味方みかた支援しえんてき妨害ぼうがいする空中くうちゅうせんおこなわれた[21]

1916ねんヴェルダンのたたかでフランスぐん機関きかんじゅう射撃しゃげきばくだん投下とうかでドイツぐん行軍こうぐん縦隊じゅうたい予備よびたいなどを攻撃こうげきし、戦果せんかげた。これによって低空ていくうからの対地たいち攻撃こうげきなど偵察ていさつ駆逐くちく歩兵ほへい突撃とつげき支援しえんする航空こうくう戦術せんじゅつひろがる。またドイツはフォッカー E.III集中しゅうちゅう使用しようし、戦場せんじょうせいそらのため、空中くうちゅう阻塞、駆逐くちく戦法せんぽうといわれたすうそう配置はいちした防御ぼうぎょてき阻塞まく構成こうせいする方法ほうほうをとっていた[22]。1918ねん9がつサンミエール攻勢こうせい英語えいごばんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくウィリアム・ミッチェル完全かんぜん航空こうくう優勢ゆうせい獲得かくとくはかり、ドイツぐん陣地じんち突出とっしゅつ孤立こりつ分断ぶんだんするように集中しゅうちゅう攻撃こうげきした。その類似るいじ作戦さくせん展開てんかいされ、兵力へいりょく集中しゅうちゅう使用しよう重要じゅうようせい立証りっしょうした[23]

だい世界せかい大戦たいせん

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きゅうろくしき艦上かんじょう戦闘せんとう源田げんた考案こうあんした「せいそらたい」に使用しようされた。源田げんたがテストパイロットをつとめたきゅうためし単座たんざ戦闘せんとう制式せいしきでもある。(1938ねんと1939ねんあいだ

1921ねん大正たいしょう10ねん)、航空こうくう戦力せんりょく本質ほんしつ攻勢こうせいとし空中くうちゅうからの決定的けっていてき破壊はかい攻撃こうげきいたイタリアジュリオ・ドゥーエの『せいそら』が発刊はっかんされ、1927ねん昭和しょうわ2ねん)ころには世界せかいてき反響はんきょうんだ[24]。ドゥーエやミッチェルに代表だいひょうされるせいそら獲得かくとく政戦せいせんりゃくてき要地ようち攻撃こうげき重視じゅうしするには戦略せんりゃくばくげき部隊ぶたい保持ほじこのましく、1930年代ねんだいには技術ぎじゅつまとにも可能かのうとなり、列強れっきょう分科ぶんか比率ひりつばくげき重視じゅうしするようになった[25]

1937ねん昭和しょうわ12ねん)9がつ南京なんきん空襲くうしゅう日本にっぽん海軍かいぐん源田げんた戦闘せんとう主体しゅたいてき運用うんようして制空権せいくうけん獲得かくとくする「せいそらたい」を考案こうあんした。戦闘せんとう中心ちゅうしんとする積極せっきょくてき作戦さくせん戦術せんじゅつ思想しそうとしても画期的かっきてきであり、戦闘せんとうあたらしい価値かち認識にんしきされた[26]。これを端緒たんしょに、従来じゅうらい哨戒しょうかい援護えんごなど防御ぼうぎょてき使つかわれていた戦闘せんとうたたかえばく連合れんごう戦闘せんとう単独たんどく進出しんしゅつなど積極せっきょくてき使用しようする航空こうくう戦術せんじゅつかた確立かくりつされていった[27]

1940ねん昭和しょうわ15ねんバトル・オブ・ブリテンでイギリスはレーダー駆使くししてドイツからのばくげき迎撃げいげき成功せいこうした。

1943ねん昭和しょうわ18ねん)6がつルンガおき航空こうくうせんは、航空こうくうせんとしてはじめて、陸海りくかい戦闘せんとうから独立どくりつした固有こゆう名称めいしょうあたえられた[2]

大戦たいせん

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ばくだん投下とうかするF-117ステルス(2007ねん

1950ねん6がつはじまった朝鮮ちょうせん戦争せんそうにおいてべい空軍くうぐんはB-29による絨毯じゅうたん爆撃ばくげき実施じっしした。

大戦たいせんジェット機じぇっときミサイル、コンピューターの発達はったつ高速こうそくによるミサイル攻撃こうげき、ミサイル防衛ぼうえい重視じゅうしされていった。

また、ベトナム戦争せんそうインド・パキスタン戦争せんそう中東ちゅうとう戦争せんそう格闘かくとう性能せいのうとく運動うんどう性能せいのう戦闘せんとうふたた重視じゅうしされるようになった[28]

そしてアメリカでは、ロッキードしゃスカンクワークス開発かいはつしたステルス実験じっけん「ハブ・ブルー」をもとに、1981ねん世界せかいはつ本格ほんかくてき実用じつようステルスF-117開発かいはつされた。これ以降いこうF-22YF-23B-2といったステルス戦闘せんとうはたばくげきされた。

現代げんだいではMQ-1 プレデターなど武装ぶそうした無人むじん航空機こうくうき世界せかい数多かずおお登場とうじょうしており、アフガニスタン紛争ふんそうイラク戦争せんそうなどで実戦じっせん投入とうにゅうされている。おも任務にんむ対地たいち攻撃こうげきだが、イラク戦争せんそうでは有人ゆうじんとの空中くうちゅうせんもちいられたケースもある。

無人むじんステルス研究けんきゅうすすめられている。RQ-3 ダークスターX-47のような実験じっけんて、RQ-170 センチネル実戦じっせん参加さんかしていると推測すいそくされる。ただし、機密きみつおお詳細しょうさいあきらかではない。 無人むじんせいそら戦闘せんとうはハードルがたかいため研究けんきゅう段階だんかいである[29]

 
RQ-4 グローバルホーク無人むじん航空機こうくうき(2007ねん

RQ-4 グローバルホークは、ライアン・エアロノーティカル(ノースロップ・グラマンしゃによって開発かいはつされた無人むじん航空機こうくうきアメリカ空軍くうぐんなどによって使用しようされており、イラク戦争せんそう実戦じっせん投入とうにゅうされている。

関連かんれんする作品さくひん

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ 防衛ぼうえい学会がっかい国防こくぼう用語ようご辞典じてんちょうくも新聞しんぶんしゃ305ぺーじ
  2. ^ a b 邉正ぎょう防衛ぼうえい用語ようご辞典じてん』(国書刊行会こくしょかんこうかい 平成へいせい12ねん
  3. ^ a b c 現代げんだい航空こうくうせん』 はら書房しょぼう 2005ねん5がつ15にちだいいちさつ発行はっこう ISBN 4562038691
  4. ^ ビル・ガンストン,マイク・スピッツちょ 江畑えはた謙介けんすけやく図解ずかい 現代げんだい航空こうくうせん』(はら書房しょぼう 1995ねん
  5. ^ れいせん搭乗とうじょういんかいれいせん、かくたたかえり!』文春ぶんしゅんネスコ173ぺーじ
  6. ^ れいせん搭乗とうじょういんかいれいせん、かくたたかえり!』文春ぶんしゅんネスコ174ぺーじ
  7. ^ 三浦みうら俊彦としひこ戦争せんそうろん理学りがく あの原爆げんばく投下とうかかんがえる62もん二見ふたみ書房しょぼう21ぺーじ
  8. ^ ビル・ガンストン,マイク・スピッツちょ 江畑えはた謙介けんすけやく図解ずかい 現代げんだい航空こうくうせん』(はら書房しょぼう 1995ねん)176 - 177ぺーじ
  9. ^ 菊池きくち征男ゆきお航空こうくう自衛隊じえいたい戦力せんりょく学研がっけんM文庫ぶんこ265-268ぺーじ
  10. ^ いかり義朗よしろう戦闘せんとう入門にゅうもん光人みつひとしゃNF文庫ぶんこ243-244ぺーじ
  11. ^ ビル・ガンストン,マイク・スピッツちょ 江畑えはた謙介けんすけやく図解ずかい 現代げんだい航空こうくうせん』(はら書房しょぼう 1995ねん)177 - 182ぺーじ
  12. ^ ビル・ガンストン,マイク・スピッツちょ 江畑えはた謙介けんすけやく図解ずかい 現代げんだい航空こうくうせん』(はら書房しょぼう 1995ねん)186 - 188ぺーじ
  13. ^ れいせん搭乗とうじょういんかいれいせん、かくたたかえり!』文春ぶんしゅんネスコ176ぺーじ
  14. ^ ビル・ガンストン,マイク・スピッツちょ 江畑えはた謙介けんすけやく図解ずかい 現代げんだい航空こうくうせん』(はら書房しょぼう 1995ねん)189 - 190ぺーじ
  15. ^ a b 徹底てってい図解ずかい 戦闘せんとうのしくみ』 新星しんせい出版しゅっぱんしゃ 2008ねん10がつ5にち p.42
  16. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで57ぺーじ
  17. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで59-60ぺーじ
  18. ^ 河野こうの嘉之よしゆき図解ずかい戦闘せんとうしん紀元きげんしゃ46ぺーじ
  19. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで57、60ぺーじ
  20. ^ 荒井あらい信一しんいち空爆くうばく歴史れきし岩波いわなみ新書しんしょ5ぺーじ
  21. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで51-52ぺーじ
  22. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで57-59ぺーじ
  23. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで55ぺーじ
  24. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで233ぺーじ
  25. ^ 戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで373ぺーじ
  26. ^ 戦史せんし叢書そうしょ72中国ちゅうごく方面ほうめん海軍かいぐん作戦さくせん(1)昭和しょうわじゅうさんねんよんがつまで 405-407ぺーじ源田げんた海軍かいぐん航空こうくうたい始末しまつ 発進はっしんへん文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうしんしゃ206-215ぺーじ
  27. ^ 戦史せんし叢書そうしょ95海軍かいぐん航空こうくうがい125ぺーじ戦史せんし叢書そうしょ72中国ちゅうごく方面ほうめん海軍かいぐん作戦さくせん(1)昭和しょうわじゅうさんねんよんがつまで 405-407ぺーじ
  28. ^ いかり義朗よしろう戦闘せんとう入門にゅうもん光人みつひとしゃNF文庫ぶんこ252ぺーじ
  29. ^ 1000の「れ」が一斉いっせい突撃とつげき? べいのマイクロドローンぐん実験じっけん成功せいこう空戦くうせん一変いっぺんするか

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 防衛大学校ぼうえいだいがくこう防衛ぼうえいがく研究けんきゅうかいへん軍事ぐんじがく入門にゅうもん』(かや書房しょぼう 2000ねん
  • 邉正ぎょう防衛ぼうえい用語ようご辞典じてん』(国書刊行会こくしょかんこうかい 平成へいせい12ねん
  • ビル・ガンストン,マイク・スピッツちょ 江畑えはた謙介けんすけやく図解ずかい 現代げんだい航空こうくうせん』(はら書房しょぼう 1995ねん
  • 石津いしづ朋之ともゆき、ウィリアムソン・マーレーちょ 『21世紀せいきのエア・パワー』 芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん 2006ねん10がつ25にちだい1さつ発行はっこう ISBN 482950384X

関連かんれん項目こうもく

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