管
概要
性質
軽 い。中空 であるために中 実 の構造 より軽 くなっている。一 続 きの空洞 を持 つ。細長 い容器 として使 えるほか、これを通 して流体 を漏 らさずに運 ぶことができる。特 に液体 に対 してはサイフォンの原理 が使 えるのが利点 である。さらに、液体 を管 に詰 めると、一端 から加 えられた圧力 を他 の端 へと伝 えることが出来 る。その際 に管 を曲 げれば任意 の方向 へ伝 えられる利点 がある(油圧 など)。多数 を並 べた場合 、中 に空気 の層 を持 つことになるので断熱 の効果 もある。管 の断面 は円形 であるか、それに近 い。円形 は断 面積 当 たりの周 が最 も小 さいから、同一 量 の素材 であれば、より広 く長 い管 が作 れる。また、強度 的 にも優 れている。細長 い物 を立 てる場合 、重 い物 を上 に乗 せる場合 には中 実 であるほうがよいが、そうでないなら折 れにくくて軽 いことは非常 に有利 である。竹 の茎 、ネギの葉 などはこの例 である。多数 の管 が束 になった構造 も上記 のような特徴 を持 っている。なお、多数 の同 一 径 の管 が平行 に配置 して、それらが互 いに押 し付 けられた場合 、個々 の管 は互 いに密着 して往々 にして六角形 になる。これはいわゆるハニカム構造 である。管 はその太 さが変 わらないように作 ると、その内部 を伝 わる波 はその内側 に閉 じこめられ、広 がってゆけない。その結果 、波 は拡散 せず、弱 まらずに遠 くに伝 わる。伝声管 は音波 を管 に閉 じこめることで遠 くに伝 えるものである。同様 に管 はその太 さが変 わらないように作 ると、その内部 に加 わる圧力 は変 わらず均一 に伝 えることができる。これを利用 して中 に作動 油 を充填 して動作 させる油圧 装置 が作 られている。
生物 における例
管 の作 り方
平面 の左右 を折 り曲 げ、その両 端 を接着 させる。脊椎動物 の神経 管 は原 腸 胚 期 の胚 の背面 外 胚葉 がくぼみ、溝 となった後 、その上側 の左右 が融合 して管 となる。カヤツリグサ科 などに見 られる円筒 形 になった葉 鞘 も、本来 は平面 であるものが巻 いて、その両 端 が癒合 したものと見 られる。カの口吻 の吸血 に用 いられる管 は、上唇 が円筒 状 に巻 いて形成 されており、その外側 に大 顎 と小 顎 、下 咽頭 が添 えられる。複数 の板 を張 り合 わせる。チョウやガの口吻 は液 を吸 うためのストローになっているが、これは樋 状 になった細長 い小 顎 外 葉 を左右 から合 わせることで作 られる。それに対 してカメムシ目 の口 針 の形成 には、大 顎 と小 顎 の2対 の要素 が与 っているが、実際 に管 になるのはやはり小 顎 の方 で、2本 の溝 が刻 まれた小 顎 針 が合 わさることで、内部 に食物 の吸収 用 と唾液 を送 り出 す2本 の管 が形成 される。細 い棒 を円周 状 に配置 。ヒゲムシの触手 の多 いものには触手 による管 を作 る例 が見 られる。また、微小 管 は時 にこの形 に配列 し、その内部 で物質 輸送 が行 われる例 がある。太陽 虫 や吸管虫 を参照 。円周 の形 に素材 を積 み上 げてゆく。ハチの巣 、微小 管 等 はこれ。既存 の長 い構造 の内部 に空洞 を作 る。道管 の場合 、まず細長 い細胞 ができ、その細胞 壁 が厚 くなった後 、細胞 が死 んで細胞 質 がなくなり、両 端 の細胞 壁 が壊 れて管 となる。薄 いものを巻 く。例 えばバナナなどのいわゆる偽 茎 は葉 鞘 を巻 き重 ねたようなものである。細長 い紐 を螺旋 状 に巻 いて行 く。タバコモザイクウイルスはDNAと蛋白質 の紐 が螺旋 に積 み上 がった構造 をしている。環 形 動物 のヒゲムシには長 い一本 の触手 を持 ち、これを螺旋 状 にしてその内部 の空洞 で消化 を行 うと見 られるものがある。液体 がその表面 で固体 化 する場合 。内部 の液体 部分 がさらに流 れると、次第 に円筒 形 の管 が形成 される。鍾乳洞 に見 られるストローはこれに類 する。棒状 の構造 の外側 に物質 を固形 化 させる。細長 い虫 が、体 表 から粘液 を出 して細 粒 を集 めて棲管を作 るのはこれに当 たる。チクワは竹 に魚肉 練 り製品 を巻 きつけ、焼 いて作 る。面 の真 ん中 をつまんで引 っ張 る、あるいは押 し込 むことで細長 い筒 を作 る。動物 の発生 における原 腸 の形成 など。- まず
太 い管 を作 っておき、これを引 っ張 り伸 ばして長 くて細 い管 を作 ることもある。パスツールピペットのような細 いガラス管 はこれで作 る。進化 的 には、タツノオトシゴやクダヤガラの吻は口 が引 き伸 ばされたものと見 なせる。 細 い管 を作 り、中 に空気 で圧力 をかけ、引 き伸 ばしながら、膨張 させることで薄 く太 い管 を作 ることもある。ポリ袋 はフイルム状 に薄 くしたポリエチレンなどの合成 樹脂 の管 を押 しつぶして、底 を熱 で溶着 させることで作 られるが、薄 い管 のまま使 う例 もある。
管 の補強
しかし、
利用
容器 細長 い容器 として使 う。必要 に応 じて切 り分 けたりする。腸詰 めのケーシングもこの範疇 に入 る。流体 の移動 - ホース、パイプ、
縦 樋 など。必要 に応 じて継 ぎ合 わせ、あるいは分岐 させることがでいる。 支柱 や建材 軽 くて丈夫 な点 を利用 する。細長 い物 の保護 電線 を中 に収 める電線 管 など。楽器 音 を響 かせるのに管 が利用 される。長 さを変 えることで音程 を調節 できる。直接 に楽器 とするのはいわゆる管楽器 であるが、パイプオルガン、チューブラーベル、ドレミパイプもそうである。他 に鉄 琴 などのように、楽器 本体 は別 にあり、管 を共鳴 管 として備 える例 もある。
これらすべてにかかわる
管 に関 わる生物 名
参考 文献
勝本 謙 著 , 『菌 学 ラテン語 と命名 法 』,日本 菌 学会 関東 支部 , 1996年