長谷川はせがわ寛ひろし

この項目こうもくには、一部いちぶのコンピュータや閲覧えつらんソフトで表示ひょうじできない文字もじが含ふくまれています（詳細しょうさい）。

長谷川はせがわ寛ひろし（はせがわひろし、通称つうしょう:善左衛門ぜんざえもん、藤次郎とうじろうとも、1782年ねん（天明てんめい2年ねん） - 1839年ねん 1月がつ5日にち（天保てんぽう9年ねん11月20日にち））は、江戸えど時代じだい末期まっきの数学すうがく者しゃ、和算わさん家か。江戸えど出身しゅっしんで、号ごうは西にし磻、極ごく翁おきなである。1830年ねんに、和算わさんの初歩しょほから丁寧ていねいに著あらわした独習どくしゅう書しょであり、明治めいじ時代じだいに和算わさんの教科書きょうかしょとして使つかわれた『算法さんぽう新書しんしょ』が主著しゅちょとして知しられる^[1]^[2]。また長谷川はせがわ派はの創始そうし者しゃだが寛ひろしは生涯しょうがい、子供こどもがおらず弟子でしの長谷川はせがわ弘ひろし（養子ようしになる前まえの名前なまえ:佐藤さとう秋あき三郎さぶろう篤信とくしん^[3]）を養子ようしとして育そだてた。

生涯しょうがい

1782年ねんに江戸えどに生うまれ、少年しょうねん時代じだいは麻布まふで鍛冶屋かじやを営いとなんでいた。関せき流りゅう（関せき孝和こうわの流派りゅうは）の数学すうがく者しゃであった日下くさか誠まことの弟子でしになり、数学すうがくを学まなんだ。

貧まずしい生活せいかつを送おくっていたが、後のちに寛ひろしが受うけ持もつ塾じゅくに数学すうがく道場どうじょうと名付なづけた。数学すうがく道場どうじょうは弟子でしの数かずも多おおく、当時とうじでは盛さかんであった^[4]。

寛ひろしは当初とうしょ、関せき流りゅうだったが晩年ばんねんには関せき流りゅうではなくなり、破門はもんされたという伝説でんせつがある^[4]が、定さだかではない。

寛ひろしは変形へんけい術じゅつと極ごく形かたち術じゅつ（扱あつかいづらい数かずや図形ずけいを扱あつかいやすい形かたちに置おき換かえて、問題もんだいを解ときやすくするという術じゅつ）の創始そうし者しゃとされ、1820年ねんに『算法さんぽう変形へんけい指南しなん』を著あらわした後のちに弟子でしの福田ふくだ廷臣ていしんに編纂へんさんされる。

1836年ねん頃ころには『算法さんぽう極きょく形がた指南しなん』を著あらわしたが、『算法さんぽう極きょく形がた指南しなん』もまた弟子でしの秋田あきた義一ぎいちに編纂へんさんされている。

脚注きゃくちゅう

^ 『算法さんぽう新書しんしょ』、2012年ねん9月がつ26日にち閲覧えつらん。
^ 数学すうがく者しゃの千葉ちば胤秀たねひでが主おもに編集へんしゅうしており、寛ひろしは監修かんしゅうで、胤秀たねひでの著書ちょしょとしても紹介しょうかいされる。
^ 養子ようしになった後のちは二に世せい長谷川はせがわ善左衛門ぜんざえもん、善左衛門ぜんざえもん弘ひろとも名乗なのった。
^ ^a ^b 彌永やなが昌吉しょうきち・中村なかむら誠まこと太郎たろう、三村みつむら征雄ゆきお、湯川ゆかわ秀樹ひでき『万有ばんゆう百科ひゃっか大だい事典じてん 16 物理ぶつり・数学すうがく』相賀あいが徹夫てつお、小学しょうがく館かん〈日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ〉（原著げんちょ1976年ねん4月がつ20日はつか）、初版しょはん（日本語にほんご）、438頁ぺーじ。