高速 こうそく 道路 どうろ (こうそくどうろ、英語 えいご : expressway )、ハイウェイ (インド英語 えいご : highway )とは、自動車 じどうしゃ が高速 こうそく に、なおかつ安全 あんぜん に走行 そうこう できるように設計 せっけい ・整備 せいび されている道路 どうろ のことである。
ミシガン州 しゅう ワイオミング の国道 こくどう 131号線 ごうせん 、M-6 および68th Streetのインターチェンジ。中央 ちゅうおう 線 せん を境 さかい に通行 つうこう 方向 ほうこう が区分 くぶん され、上下 じょうげ 分離 ぶんり による交差点 こうさてん 除去 じょきょ や出入 でい り口 ぐち 制限 せいげん の実施 じっし といった高速 こうそく 道路 どうろ の特徴 とくちょう を示 しめ している。
高速 こうそく 道路 どうろ は、自動車 じどうしゃ が高速 こうそく に走行 そうこう でき、しかも高速 こうそく 走行 そうこう 時 じ にも安全 あんぜん に走行 そうこう できるように設計 せっけい ・整備 せいび された道路 どうろ のことであり、
安全 あんぜん のために自動車 じどうしゃ 専用 せんよう 道路 どうろ としてあり、事故 じこ の多 おお い平面 へいめん 交差 こうさ を廃 はい し、代 か わりに立体 りったい 交差 こうさ を使 つか う。通常 つうじょう 、高速 こうそく 道路 どうろ に関 かん して法規 ほうき を制定 せいてい し、走行 そうこう してよい車両 しゃりょう を(高速 こうそく 走行 そうこう が可能 かのう な、一定 いってい 以上 いじょう の排気 はいき 量 りょう の車 くるま などに)限定 げんてい し、また何 なん らかのゲートを設置 せっち したり入口 いりくち に道路 どうろ 標識 ひょうしき で表示 ひょうじ することで、一般 いっぱん 道路 どうろ から歩行 ほこう 者 しゃ や自転車 じてんしゃ や、低速 ていそく でしか走行 そうこう できない小 しょう 排気 はいき 量 りょう の車両 しゃりょう などが進入 しんにゅう することを防 ふせ ぐ。
国 くに や地域 ちいき によって名称 めいしょう や規格 きかく などは異 こと なっている。高速 こうそく 道 どう は国 くに や地域 ちいき の道路 どうろ 網 もう の基幹 きかん ・中核 ちゅうかく を担 にな う役割 やくわり を担 にな っている。また、平行 へいこう して走 はし る一般 いっぱん 道路 どうろ の渋滞 じゅうたい 緩和 かんわ の効果 こうか ももたらす。
高速 こうそく 道路 どうろ の名称 めいしょう は、世界 せかい 各国 かっこく で異 こと なっている。ドイツ・オーストリアは「アウトバーン 」、アメリカ・オーストラリアは「フリーウェイ 」、カナダは「トランスカナダハイウェイ 」、フランスは「オートルート 」、イギリスは「モーターウェイ 」、イタリアは「アウトストラーダ 」と呼 よ んでおり、日本 にっぽん では俗 ぞく に「ハイウェイ 」と呼 よ ばれることもある。→#世界 せかい の高速 こうそく 道路 どうろ
世界 せかい で最初 さいしょ に高速 こうそく 道路 どうろ が建設 けんせつ された国 くに は1924年 ねん のイタリアで、次 つ いでアメリカと続 つづ き、その後 ご 世界 せかい 各国 かっこく で高速 こうそく 道路 どうろ が建設 けんせつ された。→#歴史 れきし 、#各国 かっこく の高速 こうそく 道路 どうろ の概要 がいよう
カナダ ・オンタリオ州 しゅう のHighway 401 . トロント に通 つう じる4重 じゅう 高速 こうそく 道路 どうろ が特徴 とくちょう のコレクター・エクスプレス ・フリーウェイ構造 こうぞう の例 れい 。
高速 こうそく 道路 どうろ は高速 こうそく 走行 そうこう を容易 ようい にするため、設計 せっけい 上 じょう カーブの曲 きょく 率 りつ や勾配 こうばい (アップダウン)を緩和 かんわ した線形 せんけい としている。また、対向 たいこう 車線 しゃせん の自動車 じどうしゃ との衝突 しょうとつ をさけるために中央 ちゅうおう 分離 ぶんり 帯 たい が設 もう けられることもある。故障 こしょう した場合 ばあい に停車 ていしゃ できるために路肩 ろかた のスペースも広 ひろ く設 もう けられている場合 ばあい が多 おお い。
高速 こうそく 道路 どうろ は原則 げんそく として信号 しんごう 機 き や交差点 こうさてん を極力 きょくりょく 設 もう けないなど他 た の道路 どうろ とは独立 どくりつ しており、他 た の道路 どうろ や鉄道 てつどう とは立体 りったい 交差 こうさ されている。高速 こうそく 道路 どうろ への流入 りゅうにゅう は交差点 こうさてん を用 もち いず、インターチェンジ (IC)を用 もち いる。また信号 しんごう 機 き も使用 しよう しない。特 とく に高速 こうそく 道路 どうろ 同士 どうし での交差 こうさ は、ジャンクション (JCT)と呼 よ ばれる。
そのため高架 こうか や盛土 もりつち などの構造 こうぞう 物 ぶつ を建設 けんせつ して、その上 うえ に作 つく られる場合 ばあい もある。山間 さんかん 部 ぶ のような地形 ちけい では、トンネル も多用 たよう される。
多様 たよう なインターチェンジの見取 みと り図 ず
4層 そう 構造 こうぞう 型 がた
主要 しゅよう ジャンクションとして使用 しよう され、フリーウェイによく見 み られる形状 けいじょう
ラウンドアバウト型 がた
英国 えいこく において、ジャンクションや出入 でい り口 ぐち としてよく見 み られる形状 けいじょう
クローバー型 がた
主 おも にジャンクションとして使用 しよう される形状 けいじょう
部分 ぶぶん 的 てき クローバー型 がた
補助 ほじょ 道路 どうろ への接続 せつぞく によく用 もち いられる形状 けいじょう
トランペット型 がた
T型 がた とも呼 よ ばれる形状 けいじょう
利用 りよう 料金 りょうきん (走行 そうこう 料金 りょうきん )は、国 こく ごとに、無料 むりょう の国 くに と、有料 ゆうりょう の国 くに があり、主要 しゅよう 先進 せんしん 国 こく では無料 むりょう の国 くに が多 おお い。
ドイツなどでのアウトバーン 、イギリス などでのモーターウェイ では基本 きほん 的 てき に無料 むりょう である。またアメリカやオーストラリア のフリーウェイ も基本 きほん 的 てき に無料 むりょう である。(ただし、ドイツ では長年 ながねん 無料 むりょう だったが近年 きんねん 、一部 いちぶ で料金 りょうきん 徴収 ちょうしゅう を始 はじ めた)。
フランス のオートルートも「道路 どうろ は無料 むりょう 」という原則 げんそく に基 もと づき建設 けんせつ されている。ただし高速 こうそく 道路 どうろ 法 ほう によって、許可 きょか 会社 かいしゃ (SEMなど)が有料 ゆうりょう で道路 どうろ を建設 けんせつ できる、とされたため、事実 じじつ 上 じょう 有料 ゆうりょう 制 せい も併用 へいよう されている。ただし、公共 こうきょう 性 せい の観点 かんてん から無料 むりょう であるべき道路 どうろ や機能 きのう 上 じょう 重要 じゅうよう な路線 ろせん 、たとえば、いわゆる都市 とし 内 ない 高速 こうそく 道路 どうろ (日本 にっぽん の首都高 しゅとこう などに似 に たもの)や港湾 こうわん 道路 どうろ や国境 こっきょう 近 ちか くの道路 どうろ は無料 むりょう である(そこが日本 にっぽん とは異 こと なる)。
ポーランド のアウトストラーダ も原則 げんそく 無料 むりょう である。一方 いっぽう 、イタリア のアウトストラーダ は有料 ゆうりょう である。
日本 にっぽん は、料金 りょうきん に関 かん して、そもそもの国会 こっかい での約束 やくそく も、現状 げんじょう の料金 りょうきん 状況 じょうきょう も、複雑 ふくざつ な状況 じょうきょう である[ 注釈 ちゅうしゃく 2] 。
有料 ゆうりょう の国 くに の多 おお くで、無線 むせん 通信 つうしん による自動 じどう 料金 りょうきん 収受 しゅうじゅ システム(ETC など)の導入 どうにゅう が進 すす んでいる(料金 りょうきん 所 しょ 職員 しょくいん の人員 じんいん 数 すう と人件 じんけん 費 ひ を抑 おさ えることができ、料金 りょうきん 徴収 ちょうしゅう 所 しょ での渋滞 じゅうたい も緩和 かんわ し、ITS などのデータとしても活用 かつよう する)。
1kmあたりの高速 こうそく 料金 りょうきん を世界 せかい 各国 かっこく と比較 ひかく すると、日本 にっぽん は世界 せかい で最 もっと も高速 こうそく 料金 りょうきん が高 たか い国 くに である。以下 いか に主要 しゅよう 国 こく の料金 りょうきん を掲示 けいじ する。(2019年 ねん 7月 がつ 時点 じてん のレートで算出 さんしゅつ )
世界 せかい の高速 こうそく 料金 りょうきん 比較 ひかく (普通 ふつう 車 しゃ )
1km当 あ たり料金 りょうきん
国籍 こくせき
24.6円 えん /km
日本 にっぽん
15.6円 えん /km
フランス
7円 えん /km
ギリシャ
0円 えん /km
ドイツ
0円 えん /km
イギリス
日本 にっぽん では地方 ちほう の路線 ろせん などで一部 いちぶ 無料 むりょう の場合 ばあい があるが、一般 いっぱん に有料 ゆうりょう である。民主党 みんしゅとう は高速 こうそく 道路 どうろ 無料 むりょう 化 か をマニフェスト で提唱 ていしょう し、2010年 ねん (平成 へいせい 22年 ねん )度 ど には高速 こうそく 道路 どうろ 無料 むりょう 化 か 社会 しゃかい 実験 じっけん を一部 いちぶ 路線 ろせん で実施 じっし し、高速 こうそく 道路 どうろ の利用 りよう 者 しゃ が増 ふ え、地方 ちほう の観光 かんこう 産業 さんぎょう も潤 うるお った。しかし、東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい の復旧 ふっきゅう 費用 ひよう をまかなうために、2011年 ねん (平成 へいせい 23年 ねん )6月19日 にち をもって終了 しゅうりょう し、一時 いちじ 凍結 とうけつ となった。
安全 あんぜん 走行 そうこう のために通常 つうじょう 、高速 こうそく 道路 どうろ の路肩 ろかた には原則 げんそく として駐車 ちゅうしゃ ・停車 ていしゃ してはいけない、という主旨 しゅし の規則 きそく が制定 せいてい される。ここも、一般 いっぱん 道 どう と高速 こうそく 道路 どうろ が異 こと なる点 てん である。
一般 いっぱん 道 どう とは異 こと なり路肩 ろかた に駐 ちゅう 停車 ていしゃ したり道路 どうろ に面 めん する飲食 いんしょく 店 てん などに立 た ち寄 よ って休息 きゅうそく することができないかわりに、高速 こうそく 道路 どうろ ではパーキングエリア (PA)やサービスエリア (SA)といった休憩 きゅうけい スペース、またガソリンスタンド などが設 もう けられている[ 5] 。サービスエリア などでは駐車 ちゅうしゃ し、休憩 きゅうけい や食事 しょくじ をとったり、洗面 せんめん 所 しょ (トイレ )を利用 りよう することができる。また、地域 ちいき のおみやげものなどが購入 こうにゅう できる[ 5] 。
高速 こうそく 道路 どうろ は一般 いっぱん 道路 どうろ と比較 ひかく すると線形 せんけい などの条件 じょうけん が良好 りょうこう で、交差点 こうさてん なども少 すく ないため交錯 こうさく する危険 きけん 性 せい も少 すく ないことから一般 いっぱん 道 どう より走 はし りやすく事故 じこ の発生 はっせい 率 りつ そのものは低 ひく い[ 6] 。しかし、戦前 せんぜん には弾丸 だんがん 道路 どうろ と例 たと えられるほどの高速 こうそく 走行 そうこう 下 か での事故 じこ となるために死亡 しぼう 事故 じこ などの重大 じゅうだい 事故 じこ となりやすいといった問題 もんだい がある。
事故 じこ 原因 げんいん の一 いち 例 れい として高速 こうそく 道路 どうろ では直線 ちょくせん 区間 くかん が長 なが く続 つづ く状況 じょうきょう 下 か に由来 ゆらい する催眠 さいみん 現象 げんしょう がある。現象 げんしょう の影響 えいきょう により運転 うんてん 者 しゃ には眠気 ねむけ を催 もよお す、或 ある いは現実 げんじつ 感 かん の喪失 そうしつ 等 とう といった症状 しょうじょう が認 みと められ、結果 けっか として交通 こうつう 事故 じこ につながる要因 よういん となり得 え る。
事故 じこ 防止 ぼうし 策 さく として日本 にっぽん では直線 ちょくせん 道路 どうろ が建設 けんせつ が可能 かのう な地形 ちけい であっても意図 いと 的 てき にカーブ部分 ぶぶん を造 つく る等 とう の対策 たいさく をとる場合 ばあい がある。これは道路 どうろ の直線 ちょくせん を減 へ らして連続 れんぞく する緩 ゆる やかなカーブを作 つく ることによって風景 ふうけい に変化 へんか を持 も たせ、ドライバーの集中 しゅうちゅう 力 りょく を持続 じぞく させる効果 こうか を狙 ねら うものである。また過剰 かじょう な速度 そくど での通行 つうこう を抑制 よくせい する目的 もくてき がある。
日本 にっぽん の高速 こうそく 道路 どうろ の多 おお くの区間 くかん は、こうした緩 ゆる やかなカーブを連続 れんぞく させてあることが多 おお く、純粋 じゅんすい な直線 ちょくせん 区間 くかん は少 すく ない。こうした設計 せっけい 手法 しゅほう は、高速 こうそく 道路 どうろ の先進地 せんしんち であるドイツ のアウトバーン の技術 ぎじゅつ が導入 どうにゅう されている。
高速 こうそく 道路 どうろ 建設 けんせつ がもたらす諸 しょ 影響 えいきょう
編集 へんしゅう
高速 こうそく 道路 どうろ 建設 けんせつ と二酸化炭素 にさんかたんそ 排出 はいしゅつ 量 りょう
新 あたら しい道路 どうろ を建造 けんぞう すると次 つぎ のような直接 ちょくせつ ・間接 かんせつ のことが起 お き、二酸化炭素 にさんかたんそ 排出 はいしゅつ 量 りょう (カーボンフットプリント )が増 ふ えるという[ 8] 。
建設 けんせつ 作業 さぎょう (整地 せいち 作業 さぎょう で排出 はいしゅつ される二酸化炭素 にさんかたんそ 。道路 どうろ を建造 けんぞう するのに必要 ひつよう なコンクリート、アスファルト、鋼材 こうざい などの素材 そざい を作 つく るために排出 はいしゅつ される二酸化炭素 にさんかたんそ 。建 けん 機 き から出 だ される二酸化炭素 にさんかたんそ )による増加 ぞうか 。[ 8]
樹木 じゅもく を切 き り倒 たお すことで、樹木 じゅもく を切 き らなければ樹木 じゅもく に吸収 きゅうしゅう されるはずだった二酸化炭素 にさんかたんそ の量 りょう が減 へ ることによる二酸化炭素 にさんかたんそ の増加 ぞうか 。[ 8]
建設 けんせつ 後 ご の道路 どうろ のメンテナンス 作業 さぎょう やサービス業務 ぎょうむ による二酸化炭素 にさんかたんそ 排出 はいしゅつ の増加 ぞうか 。[ 8]
新 あたら しい道路 どうろ ができることで自動車 じどうしゃ の走行 そうこう が増 ふ え、人々 ひとびと の移動 いどう が増 ふ え、走行 そうこう 速度 そくど が上 あ がることによる二酸化炭素 にさんかたんそ 排出 はいしゅつ の増加 ぞうか 。[ 8]
道路 どうろ の建造 けんぞう に伴 ともな う二酸化炭素 にさんかたんそ の排出 はいしゅつ 量 りょう の増加 ぞうか を抑制 よくせい するには次 つぎ のようなことが必要 ひつよう になるという[ 8] 。
メンテナンス作業 さぎょう に電気 でんき 自動車 じどうしゃ など二酸化炭素 にさんかたんそ の排出 はいしゅつ 量 りょう がゼロあるいは極 きわ めて小 ちい さい自動車 じどうしゃ を使 つか う[ 8] 。
道路 どうろ の更新 こうしん や補修 ほしゅう の工事 こうじ の際 さい には二酸化炭素 にさんかたんそ の排出 はいしゅつ 量 りょう が多 おお い機材 きざい を使 つか わない[ 8] 。
供給 きょうきゅう 業者 ぎょうしゃ (下請 したう け業者 ぎょうしゃ )との契約 けいやく の中 なか に、二酸化炭素 にさんかたんそ 排出 はいしゅつ 量 りょう の基準 きじゅん も入 い れる[ 8] 。
道路 どうろ 標識 ひょうしき やトンネルの照明 しょうめい については、エネルギー効率 こうりつ の高 たか い照明 しょうめい を使 つか う[ 8] 。
道路 どうろ 建設 けんせつ のために切 き り倒 たお す樹木 じゅもく に相当 そうとう する量 りょう の樹木 じゅもく を、計画 けいかく した道路 どうろ の近 ちか くに植樹 しょくじゅ する[ 8] 。
高速 こうそく 道路 どうろ 建設 けんせつ と「借金 しゃっきん の罠 わな 」
経済 けいざい 効果 こうか を期待 きたい して借金 しゃっきん で高速 こうそく 道路 どうろ を建設 けんせつ するとその借金 しゃっきん が重荷 おもに になってしまい、国 くに の経済 けいざい が抜 ぬ き差 さし しならない状況 じょうきょう に陥 おちい ることがある。インド は高速 こうそく 道路 どうろ の建設 けんせつ のために2014年 ねん -2015年 ねん に膨大 ぼうだい な借金 しゃっきん を行 おこな ってしまい、2020年 ねん 1月 がつ には「借金 しゃっきん の罠 わな 」に陥 おちい りそうになっている、と分析 ぶんせき された[ 9] 。
アメリカの金利 きんり とアメリカでの高速 こうそく 建設 けんせつ
1929年 ねん 以降 いこう で米国 べいこく の経済 けいざい 成長 せいちょう 率 りつ が最 もっと も高 たか かったのは1950年代 ねんだい と1960年代 ねんだい だった。この時期 じき には大 だい 規模 きぼ な高速 こうそく 道路 どうろ 網 もう の構築 こうちく に多額 たがく の政府 せいふ 支出 ししゅつ がなされた[ 10] 。
2015年 ねん 時点 じてん であるが、経済 けいざい 学者 がくしゃ のロバート・シラー が2015年 ねん 時点 じてん の米国 べいこく の30年 ねん インフレ連動 れんどう 債 さい の利率 りりつ が0.86%との状況 じょうきょう を見 み て述 の べたところによると、その時点 じてん ではアメリカ政府 せいふ はお金 かね を借 か りて新 あたら しい高速 こうそく 道路 どうろ を建造 けんぞう する良 よ い機会 きかい で、アメリカで高速 こうそく 道路 どうろ を建設 けんせつ すれば健全 けんぜん な投資 とうし になると説明 せつめい した[ 10] 。(その後 ご 状況 じょうきょう は一変 いっぺん し、2020年 ねん 春 はる には世界 せかい 的 てき なコロナ禍 か が起 お き、世界 せかい 経済 けいざい は予想 よそう 外 がい の状況 じょうきょう になった。数 すう 年間 ねんかん 、多 おお くの国 くに で外出 がいしゅつ 禁止 きんし 令 れい が発令 はつれい され、高速 こうそく 道路 どうろ の利用 りよう 率 りつ はその間 あいだ のみ一挙 いっきょ に低 ひく くなった。人々 ひとびと はできるだけ物理 ぶつり 的 てき な移動 いどう や直接 ちょくせつ 会 あ うことはできるだけ控 ひか え、テレビ電話 でんわ アプリやZoom などのWeb会議 かいぎ アプリなどIT技術 ぎじゅつ を使 つか い、リモートでコミュニケーションをするようになり、買 か い物 もの はネット通販 つうはん で済 す ませることが増 ふ えた。2022年 ねん 2月 がつ には、ロシアがウクライナに侵攻 しんこう し、西側 にしがわ 諸国 しょこく はロシアに対 たい して大 だい 規模 きぼ な経済 けいざい 制裁 せいさい を行 おこな い、世界 せかい 経済 けいざい は前例 ぜんれい のない展開 てんかい を見 み せた)ウクライナ侵攻 しんこう 後 ご アメリカでは物価 ぶっか の異常 いじょう な高騰 こうとう が起 お き、その物価 ぶっか 高騰 こうとう を抑 おさ えるためにアメリカ政府 せいふ はそれまで維持 いじ していた低 てい 金利 きんり 政策 せいさく を改 あらた め金利 きんり を上 あ げた。2022年 ねん 7月 がつ 時点 じてん には、アメリカ金融 きんゆう 当局 とうきょく は、年末 ねんまつ には政策 せいさく 金利 きんり を3.75% - 4.00%にするというような方針 ほうしん を打 う ち出 だ すまでになった[ 11] 。つまり2015年 ねん の状況 じょうきょう とは全然 ぜんぜん 異 こと なった状況 じょうきょう になった)。
世界 せかい の各 かく 地域 ちいき や国 くに での高速 こうそく 道路 どうろ について、名称 めいしょう 、そして記事 きじ がある場合 ばあい はそれも挙 あ げる。
大陸 たいりく 規模 きぼ の高速 こうそく 道路 どうろ
特筆 とくひつ すべき国 くに の高速 こうそく 道路 どうろ について少 すこ しだけ説明 せつめい する。詳細 しょうさい 説明 せつめい はここでは行 おこな わず、個別 こべつ の記事 きじ で行 おこな う。
イタリアのアウトストラーダ網 もう
イタリアは高速 こうそく 走行 そうこう および自動車 じどうしゃ 専用 せんよう の道路 どうろ を作 つく った最初 さいしょ の国 くに とされる。最初 さいしょ に建設 けんせつ されたのは「湖 みずうみ の高速 こうそく 道路 どうろ 」(Autostrada dei Laghi )という名称 めいしょう のもので、ミラノ とコモ湖 みずうみ とマッジョーレ湖 こ を結 むす ぶもので、ピエロ・プリチェッリ によって構想 こうそう され、1924年 ねん に開通 かいつう した。(この道路 どうろ は現在 げんざい ではアウトスタラーダA8とA9の一部 いちぶ となっている。)
イタリアのアウトストラーダの総 そう 延長 えんちょう 距離 きょり は、2022年 ねん 7月 がつ 30日 にち 時点 じてん で7,016キロメートル。
ドイツ連邦 れんぽう 共和 きょうわ 国 こく の高速 こうそく 道路 どうろ
編集 へんしゅう
ドイツのアウトバーン網 もう
ドイツ での自動車 じどうしゃ 専用 せんよう 道路 どうろ の構想 こうそう はドイツ帝国 ていこく 時代 じだい やヴァイマル共和 きょうわ 政 せい 時代 じだい にすでに練 ね られており、1928年 ねん から1932年 ねん にかけてハフラバ(ドイツ語 ご : HaFraBa)(ハンザ同盟 どうめい 都市 とし =フランクフルト=バーゼル間 あいだ 自動車 じどうしゃ 高速 こうそく 道路 どうろ 建設 けんせつ 協会 きょうかい )によってケルン=ボン間 あいだ の自動車 じどうしゃ 専用 せんよう 道路 どうろ が建設 けんせつ された。
なお、ドイツではその道路 どうろ を建設 けんせつ する以前 いぜん 、1913年 ねん から1921年 ねん にかけてベルリン郊外 こうがい にアヴス と呼 よ ばれる自動車 じどうしゃ 専用 せんよう サーキットが建造 けんぞう され、現在 げんざい ではそれがサーキットではなく高速 こうそく 道路 どうろ の一部 いちぶ として使 つか われているので、現在 げんざい ではそちらが"ドイツ最古 さいこ の高速 こうそく 道路 どうろ "ともされる。
なおドイツには自転車 じてんしゃ 専用 せんよう の高速 こうそく 道路 どうろ もある。道路 どうろ には信号 しんごう 機 き や凹凸 おうとつ がない。現在 げんざい 開通 かいつう しているのはデュイスブルク 、ボーフム 、ハム 等 とう ドイツ西部 せいぶ の10都市 とし と4大学 だいがく を結 むす ぶ計画 けいかく の道路 どうろ (100 km以上 いじょう )のうち5 kmで、同 どう 道路 どうろ の大 だい 部分 ぶぶん は線路 せんろ (現在 げんざい 不 ふ 使用 しよう )に沿 そ って建設 けんせつ される予定 よてい 。この他 ほか にも2つの自転車 じてんしゃ 用 よう 高速 こうそく 道路 どうろ が計画 けいかく されている他 ほか 、2つの自転車 じてんしゃ 用 よう 高速 こうそく 道路 どうろ が「実現 じつげん 可能 かのう 性 せい の調査 ちょうさ 」が行 おこな われている[ 12] 。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の高速 こうそく 道路 どうろ
編集 へんしゅう
アメリカの州 しゅう 間 あいだ 高速 こうそく 道路 どうろ 網 もう
アメリカでの前 ぜん 段階 だんかい
アメリカ では、1908年 ねん に世界 せかい 初 はつ の自動車 じどうしゃ 専用 せんよう 道路 どうろ とされるロング・アイランド・モーター・パークウェイ (Long Island Motor Parkway )がニューヨークで開通 かいつう した。1920年代 ねんだい に入 はい ると、ニューヨークのパークウェイ はニューヨークのマスタービルダーと呼 よ ばれるロバート・モーゼス によって広 ひろ い範囲 はんい へと拡大 かくだい が進 すす められた。
アメリカでの高速 こうそく 道路 どうろ
アメリカ においては1956年 ねん (昭和 しょうわ 31年 ねん )に承認 しょうにん した連邦 れんぽう 補助 ほじょ 高速 こうそく 道路 どうろ 法 ほう により州 しゅう 間 あいだ 高速 こうそく 道路 どうろ 網 もう が整備 せいび された。各州 かくしゅう 間 あいだ 高速 こうそく 道路 どうろ にはそれぞれ個別 こべつ の路線 ろせん 番号 ばんごう が付加 ふか されており、州 しゅう 間 あいだ 高速 こうそく 道路 どうろ XX号 ごう 線 せん (IH-XX; Interstate Highway XX) もしくは単 たん に州 しゅう 間道 かんどう XX号 ごう 線 せん (I-XX; Interstate XX) と表記 ひょうき される。
日本 にっぽん の高速 こうそく 道路 どうろ 網 もう
日本 にっぽん 列島 れっとう はもともと水運 すいうん 中心 ちゅうしん で、明治 めいじ 期 き に行 おこな われた陸上 りくじょう 運送 うんそう の強化 きょうか は主 おも に鉄道 てつどう 建設 けんせつ で行 おこな われたので、そもそも一般 いっぱん 道 どう や舗装 ほそう 道路 どうろ の建設 けんせつ が、十分 じゅうぶん に行 おこな われていなかった。
[ 注釈 ちゅうしゃく 3] その結果 けっか 、日本 にっぽん は(鉄道 てつどう 中心 ちゅうしん だったイギリス同様 どうよう に)高速 こうそく 道路 どうろ の開通 かいつう が、他 た の主要 しゅよう 国 こく に比 くら べてかなり遅 おく れることになった。
日本 にっぽん で最初 さいしょ に高速 こうそく 自動車 じどうしゃ 国道 こくどう が開通 かいつう したのは、1963年 ねん (昭和 しょうわ 38年 ねん )7月 がつ のことであり、名神 めいしん 高速 こうそく 道路 どうろ の栗東 りっとう IC - 尼崎 あまがさき IC間 あいだ の71.7 kmである[ 13] 。
日本 にっぽん では現在 げんざい 、高速 こうそく 自動車 じどうしゃ 国道 こくどう と広義 こうぎ の自動車 じどうしゃ 専用 せんよう 道路 どうろ (都市 とし 高速 こうそく 道路 どうろ なども含 ふく む)とを指 さ して「高速 こうそく 道路 どうろ 」と位置付 いちづ けている[ 14] 。 高速 こうそく 自動車 じどうしゃ 国道 こくどう と自動車 じどうしゃ 専用 せんよう 道路 どうろ では、構造 こうぞう 規格 きかく 、通行 つうこう 車両 しゃりょう 制限 せいげん 、速度 そくど 制限 せいげん などが異 こと なる。
^ 軍事 ぐんじ 目的 もくてき でない、一般 いっぱん の車両 しゃりょう 。
^ これは簡潔 かんけつ に説明 せつめい することは困難 こんなん である。日本 にっぽん では与党 よとう 議員 ぎいん らが国会 こっかい で国民 こくみん に対 たい して「最初 さいしょ は有料 ゆうりょう でも、しばらくしたら(アメリカのように)無料 むりょう 化 か し(利用 りよう 者 しゃ にとって、まるで夢 ゆめ のような状態 じょうたい になるから)、ともかく今 いま は建設 けんせつ のための大 だい 規模 きぼ 予算 よさん を組 く ませてくれ。建設 けんせつ に使 つか った税金 ぜいきん は、あとで「無料 むりょう の高速 こうそく 道路 どうろ 」という形 かたち で国民 こくみん に返 かえ すから」という主旨 しゅし の約束 やくそく を堂々 どうどう として、高速 こうそく 道路 どうろ を建設 けんせつ したものの、何 なん 十 じゅう 年 ねん たってもその約束 やくそく を守 まも らず(アメリカと違 ちが って、日本 にっぽん 政府 せいふ の財政 ざいせい 状況 じょうきょう では守 まも れず、「前 まえ の内閣 ないかく が約束 やくそく したことだから」とい訳 いわけ を言 い い始 はじ め)、有料 ゆうりょう のままになり、そのかわりに、最近 さいきん ではTVCM を流 なが して高速 こうそく 道路 どうろ の保守 ほしゅ に多額 たがく の費用 ひよう がかかることを説明 せつめい しつつ料金 りょうきん 徴収 ちょうしゅう することへの理解 りかい を国民 こくみん に求 もと めたり、運送 うんそう 業界 ぎょうかい の顔色 かおいろ を伺 うかが ったり一般 いっぱん 国民 こくみん の顔色 かおいろ をうかがって料金 りょうきん を変更 へんこう したり、近年 きんねん では時間 じかん 帯 たい などにより料金 りょうきん を変化 へんか させる変動 へんどう 料金 りょうきん 制 せい を試 こころ みたりしている。
^ 大陸 たいりく にある国 くに とは異 こと なり、日本 にっぽん の国土 こくど は数 すう 千 せん の島々 しまじま から成 な っており(島々 しまじま を結 むす ぶ交通 こうつう は、必然 ひつぜん 的 てき に船 ふね を用 もち いた水運 すいうん になり)、比較的 ひかくてき 大 おお きな島 しま ですら山 やま がちで、平地 ひらち が(大陸 たいりく と比 くら べて)明 あき らかに少 すく なく、長 なが い道 みち が作 つく りづらかったが、その代 か わり、海 うみ に囲 かこ まれ雨量 うりょう が多 おお くて河川 かせん の数 かず やそこに流 なが れる水量 すいりょう が豊富 ほうふ という利点 りてん を活用 かつよう し、(古代 こだい から、江戸 えど 時代 じだい や明治 めいじ 期 き まで)陸上 りくじょう 交通 こうつう よりも水運 すいうん が、中心 ちゅうしん 的 てき な役割 やくわり を果 は たしており[2] 、明治 めいじ になり明治 めいじ 政府 せいふ がようやく(水運 すいうん と並行 へいこう して)陸運 りくうん にも力 ちから を入 い れ始 はじ めたものの、それは主 おも に鉄道 てつどう を開発 かいはつ することで行 おこな われていたので、日本 にっぽん では、大正 たいしょう 時代 じだい や昭和 しょうわ 時代 じだい 前半 ぜんはん でも、そもそも一般 いっぱん 道 どう や舗装 ほそう 道路 どうろ の建設 けんせつ すら遅 おく れていた。1956年 ねん (昭和 しょうわ 31年 ねん )に提出 ていしゅつ されたワトキンス・レポート でも、日本 にっぽん の道路 どうろ 事情 じじょう の悪 わる さは痛烈 つうれつ に指摘 してき された。