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2進接頭辞 - Wikipedia
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2進しん接頭せっとう辞じ

2の10乗じょう、20乗じょう...を表あらわす接頭せっとう辞じ

2進しん接頭せっとう辞じ（にしんせっとうじ）は、単位たんいに2のべき乗じょうを乗のじたものを表あらわす単位たんい（その単位たんいの二に進しんの倍量ばいりょう単位たんい）を示しめす接頭せっとう辞じである。

バイトの単位たんい一覧いちらん
SI接頭せっとう語ご 2進しん接頭せっとう辞じ
単位たんい（記号きごう） SI基準きじゅん 慣用かんよう値ち 単位たんい（記号きごう） 値ね SIとの差さ（概数がいすう）
キロバイト (kB) 103 210 キビバイト (KiB) 210 2.400000%
メガバイト (MB) 106 220 メビバイト (MiB) 220 4.857600%
ギガバイト (GB) 109 230 ギビバイト (GiB) 230 7.374182%
テラバイト (TB) 1012 240 テビバイト (TiB) 240 9.951163%
ペタバイト (PB) 1015 250 ペビバイト (PiB) 250 12.589991%
エクサバイト (EB) 1018 260 エクスビバイト (EiB) 260 15.292150%
ゼタバイト (ZB) 1021 270 ゼビバイト (ZiB) 270 18.059162%
ヨタバイト (YB) 1024 280 ヨビバイト (YiB) 280 20.892582%
ロナバイト (RB) 1027 290 ロビバイト (RiB) 290 23.794004%
クエタバイト (QB) 1030 2100 クエビバイト (QiB) 2100 26.765060%
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経緯けいい

編集へんしゅう

デジタルコンピュータが扱あつかうデータの大おおきさを表あらわす単位たんい（ビット、バイトやオクテット）に付ふす接頭せっとう辞じなどとして使つかわれる。

2進しん接頭せっとう辞じの名称めいしょうに、SI接頭せっとう語ごに由来ゆらいするキロ、メガ、ギガ等とうを誤差ごさを無視むしして流用りゅうようする慣習かんしゅうがあるが、これは俗習ぞくしゅうである。国際こくさい度量衡どりょうこう総会そうかい (CGPM) で決定けっていされたSI接頭せっとう語ごは厳密げんみつに10の整数せいすう乗じょうを表あらわしているのであってSI接頭せっとう語ごが2のべき乗じょうを表あらわすことは決けっしてない。

二進法にしんほうベースのシステムでは、その数量すうりょうについて2のべき乗じょう（2のべき）がよく現あらわれる。そこで大おおきな量りょうを表あらわす際さい、SI接頭せっとう語ごのキロが表あらわす乗数じょうすう1000に近ちかい1024 (= 2の10乗の(210)) やSI接頭せっとう語ごのメガが表あらわす乗数じょうすう1 000 000に近ちかい1 048 576 (= 220) について、キロやメガを接頭せっとう語ごとして主おもにバイトやビットといったデータの大おおきさの単位たんいと組くみ合あわせて使用しようされるようになった。例たとえば1キロバイトや1メガバイトは、記号きごうを使用しようして1KB、1MBと書かき、また、会話かいわにおいて当事とうじ者しゃ同士どうしで単位たんいについて暗黙あんもくまたは明示めいじ的てきな合意ごういがあると認識にんしきしている場合ばあい、単位たんいを省略しょうりゃくして1キロ、1メガといったい方いかたを慣用かんよう的てきに使つかってきた。その後ご、データ規模きぼの拡大かくだいに伴ともない、より大おおきな乗数じょうすうを表あらわすギガ、テラ、ペタなども同様どうように使つかわれる様ようになった。

なお、特とくに記憶きおく装置そうちの関連かんれんなどにおいて、底そこが2なのか10なのか不明ふめい確かくに扱あつかわれる場合ばあいがある。特とくに、メーカーがハードディスクの容量ようりょうを示しめす際さいなどに顕著けんちょである。さらには乗数じょうすうが増ふえるほど流用りゅうよう元もとのSI接頭せっとう語ごが表あらわす乗数じょうすうとの誤差ごさが大おおきくなるため、ギガ、テラ等とうの利用りようが進すすむにつれ不都合ふつごうが増ふえてきた。下表かひょうの通とおり、キロでは誤差ごさ2.4%と有効ゆうこう数字すうじ2桁けたの範囲はんいで不都合ふつごうは生しょうじないが、テラでは誤差ごさが約やく10%となり有効ゆうこう数字すうじ2桁けたの範囲はんいでも無視むしできなくなる。

1998年ねん、IEC（国際電気こくさいでんき標準ひょうじゅん会議かいぎ）はSI接頭せっとう語ごと区別くべつできる新あらたな2進しん接頭せっとう辞じを承認しょうにんした。210、220、230などの乗数じょうすうを表あらわす接頭せっとう辞じはIEC 60027-2ではそれぞれキビ、メビ、ギビなどとなり、1024バイトは1キビバイト、1 048 576バイトは1メビバイトとなる。同様どうようの規格きかくがIEEEでもIEEE 1541-2002として成立せいりつしている。IEC 60027の2進しん接頭せっとう辞じの規定きていはIEC 80000-13:2008に取とり込こまれた。しかし、普及ふきゅうは進すすんでおらず、混乱こんらんの解消かいしょうには至いたっていない。情報じょうほう技術ぎじゅつ系けい企業きぎょうでさえ、利用りよう度どは高たかくはない。[独自どくじ研究けんきゅう?]

これに対たいして1999年ねん、JEDECはJESD100-Bを定さだめ、記憶きおく装置そうちの容量ようりょうを表あらわす場合ばあいに限かぎりSI接頭せっとう語ごと同様どうようの名称めいしょうを2のべき数すうに用もちいるものと定義ていぎした[1]。すなわち、この規格きかくにおいて1024バイトを1キロバイト、1 048 576バイトを1メガバイトなどと呼よぶことは適正てきせいとされる。

従来じゅうらいの用法ようほう

編集へんしゅう
従来じゅうらいの2進数しんすうの接頭せっとう辞じ
名前なまえ 記号きごう 乗数じょうすう SI接頭せっとう語ごの乗数じょうすう
キロ (kilo) k 210 = 1 024 103 = 1 000
メガ (mega) M 220 = 1 048 576 106 = 1 000 000
ギガ (giga) G 230 = 1 073 741 824 109 = 1 000 000 000
テラ (tera) T 240 = 1 099 511 627 776 1012 = 1 000 000 000 000
ペタ (peta) P 250 = 1 125 899 906 842 624 1015 = 1 000 000 000 000 000
エクサ (exa) E 260 = 1 152 921 504 606 846 976 1018 = 1 000 000 000 000 000 000
ゼタ (zetta) Z 270 = 1 180 591 620 717 411 303 424 1021 = 1 000 000 000 000 000 000 000
ヨタ (yotta) Y 280 = 1 208 925 819 614 629 174 706 176 1024 = 1 000 000 000 000 000 000 000 000

キロの記号きごうは SI接頭せっとう語ごの k と区別くべつして K が使用しようされる。それ以外いがいの記号きごうはSI接頭せっとう語ごと同おなじで区別くべつできない。

IEC 規格きかくの接頭せっとう辞じ

編集へんしゅう
詳細しょうさいは「IEC 60027-2」を参照さんしょう
新あたらしいIEC規格きかくの接頭せっとう辞じ
名前なまえ 記号きごう 乗数じょうすう
キビ (kibi) Ki 210 = 1 024
メビ (mebi) Mi 220 = 1 048 576
ギビ (gibi) Gi 230 = 1 073 741 824
テビ (tebi) Ti 240 = 1 099 511 627 776
ペビ (pebi) Pi 250 = 1 125 899 906 842 624
エクスビ (exbi) Ei 260 = 1 152 921 504 606 846 976
ゼビ (zebi) Zi 270 = 1 180 591 620 717 411 303 424
ヨビ (yobi) Yi 280 = 1 208 925 819 614 629 174 706 176

語源ごげんは近ちかい値ねのSI接頭せっとう語ごの先頭せんとう部分ぶぶんに2進しんを表あらわす bi を付つけたもので、記号きごうではSI接頭せっとう語ごの記号きごうに i が付つく。ただしキビについては k が大文字おおもじになって Ki となる。

2007年ねん時点じてんではこの表現ひょうげん方法ほうほうはまだ広ひろく使つかわれていない。2005年ねんまでは、SI接頭せっとう語ごのエクサに対応たいおうするエクスビまでしか定さだめられておらず、ゼタ (1021) 、ヨタ (1024) に対応たいおうする2進しん接頭せっとう辞じはなかった。2005年ねん8月がつ、IECは、エクスビ以上いじょうの接頭せっとう辞じとしてゼビ (zebi) 、ヨビ (yobi) を正式せいしきに導入どうにゅうした。

2進しん接頭せっとう辞じとSI接頭せっとう語ご

編集へんしゅう

IEC規格きかくでない旧来きゅうらいの2進しん接頭せっとう辞じとSI接頭せっとう語ごの使つかい分わけは分野ぶんやや場合ばあいによっては曖昧あいまいで混乱こんらんしており[2]、キロがSI接頭せっとう語ごの1000であるか2進しん接頭せっとう辞じの1024であるかはそれだけではわからない事こともある。キロでは双方そうほうの差さは約やく2%だが、メガで約やく5%、ギガで約やく7%、テラで約やく10%と乗数じょうすうが大おおきくなるにつれその差さも大おおきくなる。俗ぞくに、1024にはkではなくKを用もちい、「ケー」と称しょうするという流儀りゅうぎもある[3]。

IEC 60027-2:2005によりSI接頭せっとう語ごとは異ことなる名称めいしょうと記号きごうを持もつ2進しん接頭せっとう辞じが導入どうにゅうされたことを受うけ、2006年ねんに発行はっこうされた国際こくさい単位たんい系けい国際こくさい文書ぶんしょ第だい8版はんでは、SI接頭せっとう語ごは10の整数せいすう乗じょうを表あらわすことを改あらためて強調きょうちょうした上うえで、SI接頭せっとう語ごを2のべき乗じょうを表あらわすために用もちいてはならないとしている。IEC 60027-2:2005の2進しん接頭せっとう辞じはSIには属ぞくさない。

一般いっぱん的てきに半導体はんどうたいメモリの構造こうぞうに起因きいんするデータの大おおきさの単位たんいでは2進しん接頭せっとう辞じが、それ以外いがいでSI接頭せっとう語ごが使用しようされる。しかしメモリ関連かんれんであっても場面ばめんによっては十進法じっしんほうに基もとづくSI接頭せっとう語ごの方ほうが量りょうの比較ひかくや計算けいさんが行おこないやすい利便りべん性せいがあるため、両者りょうしゃの使つかい分わけが考かんがえられる。そのため2進しん接頭せっとう辞じはIEC規格きかくでの明確めいかくな表示ひょうじが必要ひつようとなる。

RAMやROM、SSD、USBメモリなど半導体はんどうたいメモリの容量ようりょうは2進しん接頭せっとう辞じが使用しようされる。1キロバイト=1024バイト、1メガバイト=1024キロバイトである。

CPU等ひとしのクロック周波数しゅうはすうやサンプリング周波数しゅうはすうなど周波数しゅうはすうにはSI接頭せっとう語ごが使用しようされる。2.4ギガヘルツは2 400 000 000ヘルツである。周波数しゅうはすうの単位たんいは計量けいりょう単位たんいなので各国かっこくの計量けいりょう法規ほうきの規制きせいを受うける。日本にっぽんでは計量けいりょう法ほう等ひとしにより国際こくさい単位たんい系けいを用もちいるので周波数しゅうはすうの単位たんいで2進しん接頭せっとう辞じは利用りようできない。

通信つうしん速度そくど、また音声おんせいや映像えいぞうの圧縮あっしゅくやストリーミングでのビットレートではSI接頭せっとう語ごが使用しようされる。1メガビット/秒びょうは1 000 000ビット/秒びょうである。

フロッピーディスクの容量ようりょうでは2進しん接頭せっとう辞じとSI接頭せっとう語ごの混合こんごうした単位たんいが使用しようされる場合ばあいがある。2HDフロッピーディスクの、(512バイト/セクタ) × (18セクタ/トラック) × (80トラック/面めん) × (2面めん) フォーマットの容量ようりょうはしばしば「1.44メガバイト」とされるが、正確せいかくには1.44 × 1000 × 1024バイト（1440キビバイト）の容量ようりょうを持もっている。この場合ばあいの "メガ" は1000 × 1024であり、SI接頭せっとう語ごでも2進しん接頭せっとう辞じでもない。いずれかを使用しようするなら1.47メガバイトまたは1.41メビバイトとなる。

ハードディスクドライブの容量ようりょうではSI接頭せっとう語ごが使用しようされる。これは同おなじハードディスクでもSI接頭せっとう語ごで表示ひょうじしたほうが見みかけの数字すうじがより大おおきくなるというマーケティング上うえの理由りゆうからであると考かんがえられている。[誰だれによって?]例たとえば100ギガバイトのハードディスクドライブはおよそ100 × 1000 × 1000 × 1000バイト（100 × 109バイト）の容量ようりょうを持もっている。しかしOS等とうの表示ひょうじは2進しん接頭せっとう辞じを使用しようしている場合ばあいが多おおく、100ギガバイトのハードディスクがOS上じょうで93ギガバイト前後ぜんこうと表示ひょうじされるなど、ハードディスクドライブの容量ようりょう表示ひょうじとOSでの容量ようりょう表示ひょうじは食くい違ちがう場合ばあいが多おおい。そのためSI接頭せっとう語ごで表あらわした製品せいひんの箱はこ（ケース）や説明せつめい書しょなどに小ちいさく「OSの表示ひょうじにより、容量ようりょうが小ちいさく表示ひょうじされることがあります。」等とうと表記ひょうきされていることが多おおい。

ファイルや電子でんしドキュメントの大おおきさは伝統でんとう的てきに2進しん接頭せっとう辞じが使つかわれる場合ばあいが多おおい。これはWindowsのデフォルトがそうなっているためと思おもわれる。

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ (英語えいご) (PDF) Terms, Definitions, and Letter Symbols for Microcomputers, Microprocessors, and Memory Integrated Circuits. JEDEC Solid State Technology Association. (2002-12). pp. 7. JESD100B.01. https://www.jedec.org/system/files/docs/JESD100B01.pdf 2021年ねん6月がつ9日にち閲覧えつらん。 
  2. ^ “【気きになるトレンド用語ようご】今更いまさら聞きけない！ハードディスクの単位たんい”. ライブドアニュース. 2022年ねん6月がつ27日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “キロバイトとは (kilobyte, KB)： - IT用語ようご辞典じてんバイナリ”. www.sophia-it.com. 2022年ねん6月がつ27日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

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