CrossFireX

CrossFire（クロスファイア）およびCrossFireX（クロスファイアエックス）は、ATI Technologies（現げんAMD）が開発かいはつしたマルチGPU技術ぎじゅつである。CrossFire/CrossFireX対応たいおうグラフィックスカード（ビデオカード、ビデオボード、グラフィックスボード、グラフィックスチップ）を、同一どういつのマザーボード上うえに複数ふくすう枚まい挿入そうにゅうし、それらを電気でんき的てきに接続せつぞくする。複数個ふくすうこのGPUによる並列へいれつ処理しょりにより、処理しょり能力のうりょくの大幅おおはばな向上こうじょうが期待きたいできる。AMD製せいチップセットを搭載とうさいしたマザーボードに限かぎらず、インテル製せいチップセットを搭載とうさいしたマザーボードでも構築こうちくできる点てんが大おおきな特徴とくちょうといえる。

現在げんざい^[いつ?]は最大さいだい4個このGPUを並列へいれつ動作どうさ可能かのうなCrossFireXとなっている（GPU2個こ搭載とうさいのデュアルGPUカードは2枚まいまで、また通常つうじょうのシングルGPUカードは4枚まいまで接続せつぞく可能かのう）。

世代せだい

CrossFire（第だい1世代せだい）- 2005年ねん9月がつ27日にち^[1]
Software CrossFire（第だい2世代せだい）
CrossFireX（第だい3世代せだい）- 2007年ねん9月がつ19日にち

接続せつぞく方法ほうほう

CrossFireによるマルチGPU環境かんきょうの構成こうせいにあたっては、まず複ふく数すう枚まいのグラフィックスカードと、それらを挿入そうにゅうできるだけの拡張かくちょうスロットを有ゆうするマザーボード、そして最新さいしんのデバイスドライバを必要ひつようとし、いずれもCrossFireに対応たいおうするものでなければならない。

手順てじゅん

CrossFire対応たいおうチップセットを搭載とうさいするマザーボードと、CrossFireに対応たいおうする同どう一いちモデルのグラフィックスカードを2つ（または2つ以上いじょう）用意よういする。
マニュアルに従したがい、グラフィックスカードをPCI Expressコネクターに接続せつぞくし、各かくカードをブリッジケーブルで接続せつぞくする (Native CrossFire)。Radeon X1950 XTX以前いぜんにリリースされたモデルの場合ばあい、両方りょうほうをマニュアルに従したがいPCI Expressコネクターに接続せつぞく（たいていCPUに近ちかいほうに「CrossFire Edition」を接続せつぞく）し、そして専用せんよう出力しゅつりょくコードをつける。
PCを起動きどうさせ、ユーティリティソフト「AMD Catalyst」でCrossFire設定せっていを有効ゆうこうにする。

Radeon HD 2000シリーズ以降いこうは同どう一いちモデルを用意よういすれば構築こうちくが可能かのうだが、それ以前いぜんに発売はつばいされたRadeon X1000シリーズなどは仕組しくみが複雑ふくざつで「CrossFire Edition」のもの（こちらのことを「マスター」あるいは「マスターボード」と呼よぶことがある）と、それと同おなじモデル（例れい: 「Radeon X1900 CrossFire Edition」なら「Radeon X1900 XTX/XT/PRO」）を用意よういする必要ひつようがある。なお、2007年ねん以降いこう「CrossFire Edition」というラインナップは存在そんざいせず、ATI CrossFire、またはATI CrossFireX対応たいおうというラインナップで統一とういつされた。

なおRadeon R9 290Xには、ブリッジケーブルによる接続せつぞくが不要ふようとなるXDMAが実装じっそうされている^[2]。

特徴とくちょう

CrossFire規格きかくはオープン化かされているので、ATI製せい、AMD製せいチップセット搭載とうさいマザーボードだけでなく、インテル等とうの他社たしゃ製せいチップセットでも構築こうちくできる。インテルであれば、intel P965 Express以降いこう、PCI Express×16スロットを2つ以上いじょう搭載とうさいしたマザーボードであれば構築こうちくできる（975X、P35、P45、P55、H55、H57、X58など）。ライバルであるインテルなど、サードパーティにもCrossFireアーキテクチャを開放かいほうしている理由りゆうとしては、NVIDIAとの競争きょうそう上じょうで優位ゆういに立たつためと言いわれている^{[要よう出典しゅってん]}。一方いっぽうNVIDIAは、自社じしゃ製せいチップセット（ないしはNVIDIA製せいのPCI Expressスイッチのようなチップ）を搭載とうさいしないマザーボードでのSLI対応たいおうを拒否きょひしていたが、2009年ねん8月がつにはintel X58チップセットに、2011年ねん4月がつにはAMDの次期じきチップセット「AMD 9」シリーズの一部いちぶにSLIのライセンスを提供ていきょうすることを発表はっぴょうした^[3]。これにより、一部いちぶではあるがCrossFire・SLI共どもに「プラットフォーム・チップセットの違ちがいによる制限せいげん」は取とり払はらわれることになった。
全すべてのGPUがノースブリッジからのPCI Express接続せつぞくなのでボトルネックが発生はっせいしにくい。
PCI Expressレーン数すうを増ふやすのが難むずかしく、レーン数すう8を2つで動うごかすものが多おおい。CrossFireに対応たいおうし、レーン数すう16が2つのものにATI CrossFire Xpress 3200、AMD 790FX、intel X38、X48、X58などがある。
マルチGPU環境かんきょうでは「交互こうごフレームのレンダリング」と「上下じょうげまたは左右さゆう分割ぶんかつのレンダリング」が一般いっぱん的てきであるが、CrossFireでは全体ぜんたいを32ピクセル四方しほうのブロックに分わけて1つ飛とばしのブロックをレンダリングする方法ほうほう「SuperTilingモード^[4]」（分わかりやすく言いうとチェスのフィールドすなわちチェッカーボードの白しろマス同士どうしあるいは黒くろマス同士どうしの部分ぶぶんを一いち度どにレンダリングするということ）もサポートする。
CrossFire (CrossFireX) ではメモリのミラーリングが行おこなわれるため、たとえば4GBグラフィックスメモリを搭載とうさいするカードを2枚まい使用しようしていても、実際じっさいにアプリケーションで利用りようできるメモリ総量そうりょうは4GB×2の8GBにはならず、4GBあるいはそれ未満みまんとなる。
AMDマルチGPU環境かんきょうでOpenCLを利用りようしたGPGPU分散ぶんさん処理しょりを行おこなう場合ばあい、CrossFire (CrossFireX) をOFFにすることが推奨すいしょうされている^[5]。

なお、増設ぞうせつの際さいは電源でんげんユニットの総そう電力でんりょく、12V1、12V2などの仕様しようも確認かくにんが必要ひつようである。粗悪そあくな電源でんげんユニットでCrossFire構成こうせいにすると、最悪さいあくの場合ばあい、マザーボード破損はそんなどの危険きけん性せいもある^{[要よう出典しゅってん]}ので注意ちゅういが必要ひつようとなる。

派生はせい規格きかく

Hybrid CrossFire (Hybrid CrossFireX)

グラフィックスカード上じょうのGPUとAMDチップセット内蔵ないぞうGPUを並列へいれつ処理しょりさせる技術ぎじゅつ^[6]^[7]^[8]。

対応たいおうグラフィックスカード
- Radeon HD 2400 PRO/XT
- Radeon HD 3450
- Radeon HD 3470
対応たいおうチップセット
- AMD 790GX
- AMD 780G
- AMD 760G
- AMD 785G
- AMD 880G
- AMD 890GX

AMD Dual Graphics

Hybrid CrossFireXの後継こうけい規格きかく。シェーダー数かず（ストリームプロセッサ数すう）の異ことなるGPUの並列へいれつ処理しょりが可能かのうになった。

対応たいおうチップセット
- AMD 890GX
対応たいおうグラフィックスカード
- Radeon HD 5450
対応たいおうAPU ^[9]^[10]
- AMD A4, A6, A8, A10
対応たいおうグラフィックスカード ^[9]^[10]
- Radeon HD 6450, HD 6570, HD 6670

脚注きゃくちゅう

外部がいぶリンク

AMD CrossFireX™ 公式こうしきサイト (英語えいご) ^{[リンク切きれ]}
AMD CrossFireX™ 公式こうしきサイト (日本語にほんご)
AMD Crossfire™ Technology (英語えいご)
AMD CrossFire™ FAQ (英語えいご)
AMD CrossFire™ Compatibility Chart (英語えいご)
4Gamer.net ATI Catalyst 最新さいしん記事きじ

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[1] “ATI Launches Crossfire... Finally”. Slashdot (26 September 2005). 28 December 2009閲覧えつらん。

[2] 「AMD Radeon R9 290X」徹底てってい検証けんしょう!! 新しん世代せだいハイエンドRadeonの実力じつりょくを探さぐる (1) ついに明あきらかになった"Radeon R9 290X"の詳細しょうさい | マイナビニュース

[3] NVIDIA、AMDの次期じきチップセット向むけにSLIを提供ていきょう　SLIのライセンスを拡大かくだい、AMD 990FX/990X/970でSLIが使用しよう可能かのうに PCオンライン 2011年ねん4月がつ29日にち

[4] 【4Gamer.net】－西川にしかわ善よし司しの3Dゲームエクスタシー:ATIのデュアルチップソリューション「CrossFire」の秘密ひみつに迫せまる

[5] Frequently Asked Questions AMD OpenCL™ Coding Competition : OpenCL Questions : 26. Does the AMD APP SDK v2.4 with OpenCL 1.1 support work on multiple GPUs (ATI CrossFire)?

[6] AMD、内蔵ないぞう＋外そと付づけGPUのハイブリッドCrossFireをデモ - Engadget Japanese

[7] Layout 1 - 45689-A-ATI-Hybrid-Gfx-Brochure.pdf

[8] ニュース - 効果こうかは抜群ばつぐん、AMD 780GのHybrid CrossFireX：ITpro

[AMD#3-9] ttp://www.amd.com/us/products/technologies/dual-graphics/Pages/dual-graphics.aspx#3^{[疑問ぎもん点てん – ノート]}

[ASCII-10] ASCII.jp：ゲームPCを安やすく作つくるならAMD Dual Graphicsを活用かつようすべし！ (1/3)

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