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NVIDIA - Wikipedia

NVIDIA

アメリカの半導体はんどうたいメーカー
NForceから転送てんそう

NVIDIA Corporation(エヌビディア[3]コーポレーション)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくカリフォルニアしゅうサンタクララにある半導体はんどうたいメーカーであり、日本にっぽん法人ほうじん東京とうきょうみなと赤坂あかさかにある。ロゴnVIDIAえるが表記ひょうきすべ大文字おおもじNVIDIAただしい[4]

エヌビディア
NVIDIA Corporation
NVIDIA Headquarters
NVIDIA本社ほんしゃ(2023ねん撮影さつえい
種類しゅるい 公開こうかい会社かいしゃ
市場いちば情報じょうほう
本社ほんしゃ所在地しょざいち アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
カリフォルニア州の旗 カリフォルニアしゅうサンタクララ
設立せつりつ 1993ねん4がつ5にち
業種ぎょうしゅ 電気でんき機器きき
法人ほうじん番号ばんごう 3010403005518 ウィキデータを編集
事業じぎょう内容ないよう 半導体はんどうたい開発かいはつ販売はんばい
代表だいひょうしゃ ジェンスン・フアン社長しゃちょうけんCEO
資本しほんきん 1,000,000あめりかドル(2020ねん1がつ[1]
売上うりあげだか 減少 109.1おくあめりかドル(2020ねん1がつ
営業えいぎょう利益りえき 減少 28.4おくあめりかドル(2020ねん1がつ
じゅん利益りえき 減少 27.9おくあめりかドル(2020ねん1がつ
そう資産しさん 増加 173.1おくあめりかドル(2020ねん1がつ
従業じゅうぎょう員数いんずう 13,775にん[2]
決算けっさん 1がつ最終さいしゅう日曜日にちようび
外部がいぶリンク www.nvidia.com ウィキデータを編集
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NV1 搭載とうさいボード

半導体はんどうたいなかでもとくGPU設計せっけいとくしており、一般いっぱんけにはパーソナルコンピュータ(PC)に搭載とうさいされるGeForceシリーズやワークステーション搭載とうさいされるQuadroシリーズとうのGPUが有名ゆうめいであり、実際じっさい2000年代ねんだい前半ぜんはんまではゲーミングけやクリエイティブ業務ぎょうむけのGPU開発かいはつ事実じじつじょう専業せんぎょうとしていた。しかし、CUDA発表はっぴょう以降いこう同社どうしゃのコアビジネスおよび開発かいはつリソースは、GPUによる汎用はんよう計算けいさんGPGPU専用せんよう設計せっけいTeslaシリーズや、ARMプロセッサと統合とうごうされたSoCであるTegraなどに移行いこうしている。2024ねん7がつ一時いちじてき時価じか総額そうがく世界一せかいいちとなったが、2024ねん8がつ時点じてんでは3となっている。

 
NVIDIAはつのジオメトリエンジン搭載とうさいGPU
 
NV20 GPU

LSIロジック退社たいしゃしたジェンスン・フアン社長しゃちょうけんCEO)が、1993ねんクリス・マラコウスキー英語えいごばんChris Malachowsky: ふく社長しゃちょう)らとともにNVIDIAを設立せつりつした。社名しゃめいラテン語らてんごの「invidia」が由来ゆらい未来みらいる・無限むげんるという意味いみめられており、かたどったロゴマークが使つかわれている[5][6]

1995ねん開発かいはつされた最初さいしょのグラフィックスチップ製品せいひんである「NV1」は、ダイアモンド・マルチメディアしゃより3Dグラフィックスボード「EDGE 3D」に搭載とうさいされた。この製品せいひん三角形さんかっけいポリゴンではなく曲面きょくめん描画びょうがエンジンを採用さいようした意欲いよくてき製品せいひんで、Windowsのリアルタイム3次元じげんコンピュータグラフィックス(3DCG)描画びょうが機能きのうAPI)であるDirect3Dがまだ確立かくりつしていない時期じきであったため、どうAPIには対応たいおうしていなかった。結果けっか製品せいひんデモとしてバンドルしていた専用せんようバージョンのゲームソフト、セガの『バーチャファイター』など一部いちぶのソフトでしか利用りよう可能かのうではなかったため、限定げんていてき売上うりあげにとどまっており、後継こうけい製品せいひんなかった。のちDirect3Dにも対応たいおうしたが、Direct3D規定きていする三角形さんかっけいポリゴンの描画びょうが曲面きょくめん描画びょうがエンジンでおこな必要ひつようがあるためパフォーマンスがない有様ありさまであった。

1997ねんSGI所属しょぞくしていた技術ぎじゅつしゃ続々ぞくぞく参加さんかし、てい価格かかくでありながら非常ひじょうにパワフルなグラフィックスチップ「RIVA 128[注釈ちゅうしゃく 1]発表はっぴょうし、業界ぎょうかい大手おおて仲間入なかまいりをたす。さら後継こうけい製品せいひんである「RIVA TNT」が1998ねん発売はつばいされ、一躍いちやくPCグラフィックスチップかい技術ぎじゅつてき筆頭ひっとうメーカーとなった。

1999ねん、PCよう廉価れんかなグラフィックスチップとしては世界せかいはじめてハードウェアジオメトリエンジン(ハードウェアT&L)を搭載とうさいした「GeForce 256」を発売はつばいソフトウェアでジオメトリ計算けいさんおこなう3dfxしゃのVoodoo3+Glideのパフォーマンスをえ、その地位ちい不動ふどうのものとした。なお、この製品せいひんから、NVIDIAによって提唱ていしょうされた「Graphics Processing Unit (GPU)」という名称めいしょう使つかわれるようになった[7]。GeForce以前いぜんにも業務ぎょうむようワークステーションなどでもちいられる高価こうかなジオメトリエンジン搭載とうさいチップや、3DlabsのPermediaシリーズなどのOpenGLとくしたジオメトリエンジン搭載とうさいVGAカードは存在そんざいしたが、業務ぎょうむようとして発売はつばいされているGPU搭載とうさいボード(またはグラフィックスワークステーション)は個人こじん購入こうにゅうするには高価こうかであり、比較的ひかくてき安価あんかだったPermediaは満足まんぞくできる性能せいのうにはいたっていなかった。NVIDIAは以前いぜんから取引とりひきのある多数たすうのアセンブリメーカーにチップを提供ていきょう多数たすう消費しょうひしゃたいしてし、1990年代ねんだいまでのグラフィックワークステーションレベルの3DCGを個人こじんのPCで実現じつげん可能かのうとしたことにより、市場いちば衝撃しょうげきあたえると同時どうじ好感こうかんをもってれられた。

以降いこう登場とうじょうするGPUは、ジオメトリエンジン搭載とうさい標準ひょうじゅんとなり、搭載とうさいしていないものは、HDTVとう機能きのうとく、あるいはすう世代せだいおくれの性能せいのうローエンド製品せいひんとして区別くべつされることとなる。しかし、GPUをチップセットが内蔵ないぞうするようになったことでローエンド製品せいひん存在そんざい意義いぎ消失きえうせ多大ただい開発かいはつようする高性能こうせいのうGPUのみが存続そんぞくできるという市場いちば状況じょうきょうとなった。これによりNVIDIAとかたならべるATIなど一部いちぶのぞき、ほとんどのメーカーが合併がっぺい事業じぎょう縮小しゅくしょう撤退てったいなどにより、次々つぎつぎ淘汰とうたされていった。

CPUメーカーだい2のAMDは、チップセットへのGPU統合とうごう将来しょうらいてきにはCPUとの統合とうごう模索もさくしており、GPU技術ぎじゅつたないAMDは、GPUメーカーだい2のATIの買収ばいしゅうおこなった。これによりATIをようするAMDプラットフォームからNVIDIAは徐々じょじょされ、NVIDIAはIntelプラットフォームへ傾倒けいとうしていくようになった。しかしPCようCPUメーカーだい1のIntelも自前じまえのGPUをっており、新型しんがた高性能こうせいのうGPUとしてLarrabee開発かいはつおこなっていた。Larrabee自体じたい開発かいはつ中止ちゅうしとなったものの、Intelは自前じまえのGPU(HD Graphicsシリーズ)をCPUに内蔵ないぞうするようになったため、IntelけGPU内蔵ないぞうチップセットを開発かいはつする意味いみうしなってしまった。だい3VIA買収ばいしゅうしたS3っており、PCけオンボードGPU市場いちば事実じじつじょう消滅しょうめつしてしまう可能かのうせい沙汰ざたされた。2010ねん、NVIDIAはついにチップセット事業じぎょうからの撤退てったい発表はっぴょうすることになった。

このことから抜本ばっぽんてき経営けいえい方針ほうしん見直みなおしをせまられた同社どうしゃは、ARMけいCPUを自社じしゃせいGPUに統合とうごうしたTegraシリーズ、おなじくデータセンターやサーバーようとして2008ねんごろから注目ちゅうもくされていたTeslaシリーズ、そしてゲームようGPUのGeForceシリーズの3つに注力ちゅうりょくし、一定いってい成功せいこうおさめる。

そのすこしずつ業績ぎょうせきばし、2016ねんごろこったディープラーニングブームのなみって一気いっき成長せいちょう。これは、CPUをはるかにしのぐGPUのちょうマルチコアプロセッサアーキテクチャによる並列へいれつ計算けいさん能力のうりょくが、機械きかい学習がくしゅうやディープラーニングでよく使つかわれるテンソル計算けいさんてきしていたことと、またCUDAばれるNVIDIAせいGPU専用せんようのGPGPUプログラミング環境かんきょうおよびライブラリが、OpenCLDirectComputeなどのほかのAPIとくらべて充実じゅうじつしており、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野ぶんやひろ普及ふきゅうしていたことがおおきな理由りゆうである。

以上いじょうのことから2019ねん現在げんざい、NVIDIAは人工じんこう知能ちのうとく自動じどう運転うんてん分野ぶんやでは圧倒的あっとうてき地位ちいめるようになっている。世界中せかいじゅう過熱かねつする開発かいはつ競争きょうそうなかちょう並列へいれつ計算けいさん設備せつび投資とうし集中しゅうちゅうし、GPUの需要じゅようたかまりすぎたため、1人ひとりあたりの購入こうにゅう枚数まいすう制限せいげんけられるまでにいたっている[8]

2024ねん6がつには、マイクロソフト時価じか総額そうがく世界せかい首位しゅいとなった[9][10]

略歴りゃくれき

編集へんしゅう
 
NV38 GPU
 
G80 GPU
 
GF100 GPU
  • 1997ねんには本社ほんしゃをカリフォルニアしゅうサンタクララに移転いてんした。
  • 2000ねん12月には当時とうじライバルであった3dfxしゃ買収ばいしゅうしている[11]
  • 2001ねんすえ北米ほくべいでのクリスマス商戦しょうせんでは、マイクロソフトと共同きょうどう開発かいはつしたXbox発売はつばい日本にっぽんでも翌年よくねん2がつ発売はつばいされた[12]
  • 2004ねん12月7にちソニー・コンピュータエンタテインメント (SCEI) と共同きょうどうPlayStation 3のGPU (RSX) を共同きょうどう開発かいはつすることを正式せいしき発表はっぴょうした[11]
  • 2006ねん11月GPGPUソフトウェア開発かいはつ基盤きばんCUDA」を発表はっぴょう[11]
  • 2008ねんTegraプロセッサを発表はっぴょう従来じゅうらい携帯けいたい機器ききけプロセッサと比較ひかくして強力きょうりょくなグラフィックス性能せいのうゆうしており、スマートフォンなどで1080p FHDの映像えいぞう再生さいせい可能かのうにする[13]翌年よくねん(2009ねん)にはAndroid提携ていけい[11]
  • 2013ねん1がつ7にち自社じしゃ携帯けいたいがたゲーム開発かいはつする「Project SHIELD」を発表はっぴょうどうゲームはAndroidとTegra 4を搭載とうさいして同年どうねん7がつまつに「SHIELD」という正式せいしき名称めいしょう北米ほくべいにて発売はつばいされた。
  • 2014ねんみシステムけソリューション「Jetson」を発表はっぴょう[14]
  • 2016ねんディープラーニングようスーパーコンピュータ「DGX-1」を発表はっぴょう[11][15]
  • 2017ねん3月3にち任天堂にんてんどうから発売はつばいされたゲームNintendo Switch」を共同きょうどう開発かいはつした[16]
  • 2019ねん3がつ18にち開催かいさいされたGTCにて、トヨタ自動車とよたじどうしゃ子会社こがいしゃ、「TRI-AD」が自動じどう運転うんてん分野ぶんやにおける同社どうしゃとの提携ていけい発表はっぴょう[17]
  • 2020ねん英国えいこくのコンピューティング・アーキテクチャ開発かいはつ企業きぎょうであるArmを、3ぶんの1を現金げんきん、3ぶんの2のがく自社じしゃかぶ交換こうかんによりソフトバンク・グループから買収ばいしゅう合意ごうい。Armは2016年来ねんらいソフトバンク・グループ傘下さんかにあった[18]
  • 2022ねん2がつ、Armの買収ばいしゅうについてソフトバンクから断念だんねん発表はっぴょうされた[19]
  • 2022ねん10がつ3にち、ロシア事業じぎょう全面ぜんめん停止ていし発表はっぴょう[20]
  • 2023ねん12月、ジェンスン・フアン岸田きしだ文雄ふみお西村にしむらかんみのる面会めんかい。ソフトバンクやNECNTTなどと協力きょうりょく人工じんこう知能ちのう開発かいはつする「AIファクトリー」のネットワークを構築こうちくするかんがえをしめした[21]
  • 2024ねん2がつ14にち – Chat with RTXが公開こうかい[22][23][24][25]

グラフィックスチップについて

編集へんしゅう

企画きかく設計せっけい販売はんばいおこない、実際じっさい製造せいぞうファウンダリー(ファブ)に外部がいぶ委託いたくするファブレスメーカーである。

2010ねん9月21にち、ドイツ・シンガポールに拠点きょてんくファンダリーGLOBALFOUNDRIESしゃとの契約けいやく成立せいりつしたことを発表はっぴょうした[26]今後こんごTSMC並行へいこうしGLOBALFOUNDRIESへも製造せいぞう委託いたくするとられる。

半導体はんどうたい微細びさい技術ぎじゅつすぐれるファブと協業きょうぎょうすることが競争きょうそうりょくたも要素ようそであり、難易なんいたかくなる微細びさいすすむにつれ、複数ふくすうのファブを利用りようするようになった。 かつて、IBMのファブを利用りようしていたこともある。

過去かこには製造せいぞう委託いたくしたファウンダリーにも独自どくじブランドでの販売はんばいけんあたえていたが、知名度ちめいどたかまるにつれ全量ぜんりょうげるようになった。委託いたく製造せいぞうされたチップを複数ふくすうのボードベンダーに供給きょうきゅうし、ボードベンダーがグラフィクスボードに仕立したてて販売はんばいおこなう。ボードベンダーはNVIDIAにとっての重要じゅうようから、「ティア1」「ティア2」といった階級かいきゅうけがおこなわれている。

しん設計せっけいのチップはティア1のベンダーに優先ゆうせんてき供給きょうきゅうされ、試作しさく初期しょき製造せいぞうおこなわれる。製品せいひん発表はっぴょうかいなどで複数ふくすうベンダーの展示てんじがある場合ばあい、ティア1ベンダーの製品せいひんをNVIDIAがそののベンダーへ配給はいきゅうし、そののベンダーはヒートシンクに自社じしゃデザインのステッカーをるなどして展示てんじおこなっている。ティア1での製造せいぞう安定あんていすると、ティア2ベンダーへの販売はんばいようのチップの供給きょうきゅう開始かいしされる。

過去かこにはカノープスなどが独自どくじ設計せっけいのボードを製作せいさくしていたが、現在げんざいはNVIDIAによる標準ひょうじゅん(リファレンス)デザインのボードをもちいることがチップ供給きょうきゅう条件じょうけんとなっている。これは、過去かこにRIVA TNT2やどうTNT2M64といったチップを多数たすうのベンダーに提供ていきょうしたことで、各社かくしゃおなじチップを搭載とうさいしたボードではげしい価格かかく競争きょうそうおこなった結果けっか製造せいぞう原価げんかおさえた粗悪そあくなボードデザインや部品ぶひん使用しようした製品せいひん出回でまわった教訓きょうくんから、一定いってい品質ひんしつ確保かくほ消費しょうひしゃ提供ていきょうするためにった方法ほうほうである。その結果けっか開発かいはつしゃサポート制度せいど充実じゅうじつにより、開発かいはつのリファレンスとしてもちいられることがおおく、ユーザーの人気にんきたかめた。標準ひょうじゅんデザインにはネットリスト(配線はいせんリスト)、アートワーク(配線はいせんパターン)がふくまれるため、各社かくしゃのボードはほぼおなじものとなりがちである。

PCようのビデオチップでジオメトリエンジン採用さいよう製品せいひんおこない、ブランドとして「GeForce」を新設しんせつした。これによりCPU補助ほじょするチップではなく、CPUとなら主要しゅようなチップGPU (Graphics Processing Unit) であると主張しゅちょうした。それまでも他社たしゃよりもあたまひとけていたが、これにより明確めいかく筆頭ひっとうメーカーとなり、GPUは事実じじつじょうグラフィックチップの呼称こしょうとなっていった。

 
GeForce 6800 Ultra & GeForce 7950 GX2

単独たんどくのGPUでの性能せいのう限界げんかいから、2つのGPUボードを並列へいれつ利用りようすることで性能せいのう向上こうじょうもとめる「SLI」の開発かいはつおこなう。からSLI対応たいおうのGPUボードを追加ついかすることで、アップグレードパスとした。また、SLIの変形へんけいとして単一たんいつのボードじょうに2のGPUを実装じっそうする形態けいたい発表はっぴょうしている。さらに4まいのGPUボードで2560×1600ドットのこう解像度かいぞうどでのグラフィック表現ひょうげんをする「QuadSLI」に注力ちゅうりょく、その代表だいひょうとしてGeForce 7950 GX2(単体たんたい販売はんばい)、GeForce 7900 GTX Duo(2006ねん9がつ現在げんざい販売はんばい実績じっせきい)がげられる。GeForce 7950 GX2はボードじょうに2のGPUが実装じっそうされていることから、QuadSLIをおこなうには2まいのボードでむ。ただし、SLI機能きのうつボードにはSLI動作どうさ必要ひつような「SLIコネクター」をどうこりしない製品せいひん存在そんざいする(「SLI Ready」マークが目印めじるし)。QuadSLIに対応たいおうするドライバー(ユーティリティー「ForceWare最新さいしんばん)が公表こうひょうされて、自作じさくPCでの実現じつげん可能かのうとなった。

ライバルとなったATI Technologies(2006ねんAMD買収ばいしゅう)にたい長年ながねんリードをきずいていたが、同社どうしゃがコンシューマけにRadeon、プロけにFireProブランドを創設そうせつすると同時どうじ方針ほうしん転換てんかんおこない、強力きょうりょく製品せいひん開発かいはつするようになった。それによりNVIDIAと以前いぜん以上いじょう熾烈しれつ性能せいのうあらそいをひろげ、2012ねん現在げんざいでは使用しようじょうきょう次第しだい得意とくい不得意ふとくいあらわれることとなり、一概いちがいにどちらがすぐれていると評価ひょうかできないほど実力じつりょく拮抗きっこうするようになった。2021ねん現在げんざいではCPUがわ開発かいはつにもちかられているAMDと比較ひかくした場合ばあい、GPU専業せんぎょうぶんトップ性能せいのうでは上回うわまわ製品せいひんがある。

チップセット「nForce」について

編集へんしゅう
 
NVIDIA nForce4
 
NVIDIA nForce 730i
 
NVIDIA NF-430-N-A3

nForce (エヌフォース) シリーズは、AMDプラットフォームで、かつてはトップシェアをほこっていたチップセットである。VIAやATI熾烈しれつ開発かいはつ競争きょうそうひろげていた。欠点けってんとしてチップがこう発熱はつねつであることと、サウスブリッジにやや問題もんだいかかえていたとされたことである。なお、日本にっぽんでは「エヌフォース」と発音はつおんされるが、英語えいごではenforce(エンフォース)とおな発音はつおんである。

2006ねんにATIがAMDに買収ばいしゅうされたことで、チップセット分野ぶんやでは従来じゅうらいどおりAMDと綿密めんみつ提携ていけいしているものの、グラフィックスチップ分野ぶんやではAMD(きゅうATI)ときそえぎょうするという複雑ふくざつ様相ようそうていしている。 このように、商品しょうひんによってはAMDときおいぎょうするも、たがいにおおきな利益りえき関係かんけいっておりNVIDIAがAMDけチップセット開発かいはつるという事態じたいにはおちいっていなかった。 ただし業務ぎょうむ提携ていけい開発かいはつされたAMDしゃせいのチップセット(とくにAMD 780G以降いこう)がローエンド~ハイエンドまでひろくカバーするラインナップをそろかくマザーボードメーカーがしん製品せいひん続々ぞくぞく発表はっぴょう発売はつばいするのにたいし、nForceはハイエンドチップはきゅう世代せだい製品せいひんのリネームしか存在そんざいせず、期待きたいされたグラフィック統合とうごうチップセットもAMDしゃせいものくらべれば性能せいのうおとり、マザーボードもそれほど製品せいひんかずがでていなかった。ただしIntelプラットフォームようどう製品せいひんは、Intel Gシリーズなどの統合とうごうチップセットよりはたかいパフォーマンスをっていた。

2010ねんはじめにチップセット部門ぶもんとSoC部門ぶもん統合とうごうし、既存きそんチップセットの出荷しゅっか継続けいぞくのぞき、事実じじつじょう、チップセット事業じぎょうから撤退てったいした。

  • 2001ねん AMDのAthlonけのチップセット「nForce」を投入とうにゅうし、12月ごろから流通りゅうつうはじまった。
  • 2002ねん 「nForce2」を投入とうにゅう、PCけのドルビーサラウンドに対応たいおうしたはじめてのサウスブリッジ。
  • 2003ねん AMDのAthlon64およびOpteronけのワンチップの「nForce3」を投入とうにゅうした。
  • 2004ねん かつてのVoodooシリーズを彷彿ほうふつとさせるSLI対応たいおうのチップセット「nForce4 SLI」を投入とうにゅう
  • 2005ねん インテルけのチップセットの投入とうにゅう。チップセットメーカーのULiを買収ばいしゅうすると発表はっぴょう
  • 2006ねん 2がつ21にちULiの買収ばいしゅう完了かんりょうしたと発表はっぴょう[27]
  • 2006ねん 2がつ22にちATIしゃ合同ごうどう研究けんきゅうかい開催かいさい
  • 2006ねん 6がつごろ、AMDのしんソケット「SocketAM2」のCPUの発売はつばいわせ、「nForce 550」「どう570 Ultra」「どう570 SLI」「どう590 SLI」を投入とうにゅう
  • 2006ねん 11月、「GeForce 8800シリーズ」と同時どうじに、「nForce 680i SLI」「どう680a SLI」(ただし12月初旬しょじゅん発表はっぴょうの「Quad-FXプラットフォーム」では680aノースブリッジをふた搭載とうさい。)「どう650i SLI/Ultra」「どう650a SLI/Ultra」を発表はっぴょう投入とうにゅう。(ちゅう、この系統けいとうの「i」「a」はそれぞれ「インテル」「AMD」をあらわす)
  • 2007ねん 12月17にち(米国べいこく現地げんち時間じかん)nForce700iシリーズを発表はっぴょう、780iにおいては3まいのGeForce 8800 Ultra/GTXをもちいた3-way SLIをPCI Express 2.0 x16でサポートしている。チップセットはSPP,MCP,nForce200の3まい構成こうせいとなっている。
  • 2008ねん 1がつ、AMDけチップセットとして「nForce700aシリーズ」、および「GeForce 8200」「GeForce 8300」を発表はっぴょう。チップセットには同社どうしゃはつとなるHybrid SLI搭載とうさいすることを正式せいしき発表はっぴょう同年どうねん3がつ各社かくしゃから正式せいしき発売はつばいされた。

2006ねん初頭しょとう台湾たいわん老舗しにせチップセットメーカーULi買収ばいしゅうおこなった。それによりULiはNVIDIAのアジア方面ほうめん営業えいぎょう担当たんとうとして機能きのうしている。ULiはチップセットとしてのみならず、チップセットの構成こうせい要素ようそであるサウスブリッジ単体たんたいでものメーカーに供与きょうよするという実績じっせきっている。NVIDIAはきゅうULiの製品せいひん需要じゅようけに、ULiブランドの継続けいぞくとその製品せいひん供給きょうきゅうを、買収ばいしゅうつづけている(2007ねん11月ASRockよりM1695+nForce3 250のマザーボードが発表はっぴょうされている)。そのULiのサウスブリッジがおお利用りようされるひとつにATIのチップセットがある。ATIのサウスブリッジは評価ひょうかくないことからULiのサウスブリッジが代用だいようされることがおお[28]。ATIはGPUならびにチップセット市場いちばでNVIDIAと競合きょうごうしている企業きぎょうである。上記じょうきべたようにNVIDIA自身じしんもサウスブリッジに問題もんだいかかえていたとされ、ULiの技術ぎじゅつほっしていたともかんがえられた。

なお、NVIDIAは過去かこにULiの前身ぜんしんであるALi共同きょうどうでALADDiN-TNT2 (RIVA TNT2-M64相当そうとう) というグラフィック統合とうごうチップセットを開発かいはつしたことがある。

AGEIAの買収ばいしゅう

編集へんしゅう

NVIDIAは2008ねん2がつ物理ぶつりシミュレーションエンジンPhysXおよびPC物理ぶつりシミュレーションチップ (PPU) を開発かいはつ製造せいぞうしているAGEIA英語えいごばん買収ばいしゅうした。GeForce 8シリーズ以降いこう搭載とうさいしたすべてのビデオカードで、無料むりょうソフトウェアのバージョンアップによりGPUをPPUとして利用りようすることが可能かのうになることが発表はっぴょうされ、また3way SLIに2まいのビデオカードを描画びょうがに、1まい物理ぶつり演算えんざん専用せんようてるとう設定せってい可能かのうになるという。

NVIDIAはレンダリング・ファームともばれる、サーバけラックマウント製品せいひん「Quadro Plex」などをリリースしていたが、2007ねん6がつ20日はつかハイパフォーマンスコンピューティング(High-Performance Computing: HPC)けのあらたな汎用はんようGPUコンピューティング (GPGPU) 製品せいひん提供ていきょうすることを発表はっぴょうした。ハードウェアとしてはQuadroシリーズをベースとしたラックマウントがた「S870」、PCI Express端末たんまつPCにそと接続せつぞくするボックスがた「D870」、そしてPCI Expressに直接ちょくせつ接続せつぞくするカードがた「C870」とあるが、いずれもグラフィックス出力しゅつりょくたないことが非常ひじょうおおきな特徴とくちょうえる。TeslaはGeForceおよびQuadroとともに進化しんかつづけ、G80, GT200, Fermi, Kepler, Maxwell, Pascal, VoltaアーキテクチャのTeslaがリリースされている。

TeslaはGPGPUプログラムの開発かいはつ実行じっこう環境かんきょうとしておもCUDA使用しようする。SDKであるCUDA Toolkitは無償むしょう入手にゅうしゅ可能かのうである。

日本にっぽん代理だいりてんエルザ ジャパン担当たんとうする [1]日本にっぽんSGIはじめとする、多数たすう販売はんばいパートナーが存在そんざいする [2]

おも製品せいひんとう

編集へんしゅう
 
GeForce GTX 1070

労働ろうどう環境かんきょう

編集へんしゅう

2024ねんブルームバーグはエヌビディアもと社員しゃいんらのインタビューを公開こうかいもと社員しゃいんらは高額こうがく報酬ほうしゅうもとで、1週間しゅうかん毎日まいにち午前ごぜん1-2まではたらくといった労働ろうどう環境かんきょう説明せつめいした[29]

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 製造せいぞう担当たんとうするSGS-Thomsonのブランドでの製品せいひんめいはSTG2000、STBからはVelocity 128 AGP。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ エヌビディア【NVDA】:業績ぎょうせき通期つうき)/株価かぶか - Yahoo!ファイナンス”. Yahoo! JAPAN. 2020ねん4がつ6にち閲覧えつらん
  2. ^ エヌビディア【NVDA】:企業きぎょう情報じょうほう/株価かぶか - Yahoo!ファイナンス”. Yahoo! JAPAN. 2020ねん4がつ6にち閲覧えつらん
  3. ^ エヌビディア ジャパン”. エヌビディア ジャパン Facebook. 2023ねん2がつ20日はつか閲覧えつらん
  4. ^ NVIDIA Logo GuideLines 1.0”. NVIDIA. p. 1. 2023ねん7がつ10日とおか閲覧えつらん。 “NVIDIA is always written in upper case.”
  5. ^ だい203かい エヌビディア創業そうぎょうしゃ ジェンスン・フアンCEO/台湾たいわん
  6. ^ TECH.C.のつよみは多様たようせい国際こくさいしょくゆたかな学生がくせいあつまるのがすごく
  7. ^ 【やじうまPC Watch】17ねんまえの8がつ31にち世界せかいはつのGPUが誕生たんじょうした - PC Watch
  8. ^ Crypto miners beware, Nvidia wants to keep GPU in the gaming industry” (英語えいご). CCN.com (2018ねん1がつ22にち). 2019ねん12月16にち閲覧えつらん
  9. ^ べい半導体はんどうたい大手おおて「エヌビディア」時価じか総額そうがく世界せかい首位しゅいに マイクロソフト”. にっテレ. 2024ねん6がつ19にち閲覧えつらん
  10. ^ 日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい (2024ねん6がつ19にち). “半導体はんどうたい大手おおて エヌビディア 時価じか総額そうがく3ちょう3300おくドルあまり 世界せかい1に | NHK”. NHKニュース. 2024ねん6がつ19にち閲覧えつらん
  11. ^ a b c d e NVIDIA の歴史れきし: 長年ながねんにわたるイノベーション”. NVIDIA. 2019ねん8がつ7にち閲覧えつらん
  12. ^ ASCII. “原点げんてんはXbox NVIDIAチップセットの系譜けいふをたどる”. ASCII.jp. 2019ねん8がつ7にち閲覧えつらん
  13. ^ NVIDIA、MIDけのあたらしいSoC「Tegra」を発表はっぴょう
  14. ^ NVIDIA Tegra K1搭載とうさい開発かいはつキット「Jetson TK1」ハンズオンセッションに参加さんかしてみた - Car Watch
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外部がいぶリンク

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